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CURRY「negombo33」でチキンにラムキーマしゃばっと美味い4種のカレーが有難い

所沢駅西口入口から東村山方向へと南下する道が西武池袋線のガードを潜る手前に東住吉のY字の交叉点がある。
そこから西所沢方向へと向かう道を俗に行政道路と呼んでいた。
味も素っ気もない名前だなぁと思っていたその道路は、正式には今は、東京所沢線と云うらしい。

今も健在な古のボーリング場を過ぎ、
我が母校への入口交叉点を過ぎたところに、
名もなき変則六叉路がある。

そのY字の角の三角地に建つは、
年季の入りはじめた木造モルタルの長屋形式の建物。白のアクリルの看板には、
ビニールテープで”カレー”とだけ書かれている。
その下の黒板にチョークで書かれているのが店名「ネゴンボ33」。
元は居酒屋だったという店内へは靴を脱いでお邪魔します。

店内の壁にも小さな黒板が掲げられていて、
カレー4種類にそれらを組み合わせた場合の値段、
珈琲ほかの飲み物、デザート類のラインアップが、
極めて簡潔に示されています。

居酒屋的ラーメン店的カウンターで待つこと暫し、
「チキンとフィッシュ」の2種盛りのお皿の到着。玉葱の紫やパクチーの緑、ピンクペッパーの赤などで彩り鮮やかです。

しゃばしゃばのスープを斑なターメリックなライスと一緒に掬う。
ほー、ほほー(笑)。
なんだかこう、すーっと旨味が沁み込んでくる感じ。この日のフィッシュが何かと云えば、それは鰤。
脂のノリが旨味を促すブリの切り身が似合わない訳がありません。
あー、いやー、うまい。

別のひる時カレー時(笑)。
なんだかとっても盛り沢山な見栄えでやってきたのは、
「ラムキーマとレバーとヤサイの三種盛り」のお皿也。鳥の巣のような人参の千切り寄せの上には鶉の玉子。
レバーの上にはホースラディッシュと、
一見ぞんざいなふりして芸が細かいのです。

時には4種盛りに洒落込もうなんてこともある。
つまりは、チキン、ラムキーマ、レバー、サカナの全部盛りだ。4種ともなると流石に合い盛りではなくて、
小皿方式になると知る。
こうしてみるとラムキーマの旨味と風味の強さが際立つけれど、
それでいて、あ!今日のお魚は鯖だ!なんて喜びもあるのです(笑)。

カウンターの右の隅では、珈琲の抽出にかぶりつき。
自家焙煎の珈琲は、日によって、
ケニアだったり、エチオピアの深煎りだったり。轆轤でこんなのも作ってみたいな、
なんて思わせるコーヒーカップで啜る。
芳わしきアロマとともに酸味、苦み、甘さなどが素直に愉しめて和む。
コーヒーゼリーもデパ地下で立派に売れる仕立てであります。

所沢の行政道路沿いにある行列はきっと、
カレーと自家焙煎珈琲の店「negombo33」の行列だ。所沢にあって、こふいふカレーを食べさせてくれるお店は、
極めて稀少にして貴重かつ有難い。
そこにあることに感謝の念を覚えてしまいます。
不思議な響きのする店名ネゴンボは、
店主山田さんが、当時飼っていた2匹の猫の名前、
“ネゴンボ”と“コロンボ”から。
ネゴンボはスリランカの地名なんだそうで、
大阪の「Columbia 8」さんからインスパイアを受けて、
地名+数字の組み合わせがいいなと”33″を添えたカタチにした。
その添えた”33″の意味はと問えば、
33歳でオープンしたことにはじまってレコードの回転数とか、
他にも幾つかちょっとした理由があってのことだそう。
隣の「山田珈琲豆焙煎所」がnegombo33の焙煎所にして、
デザート製造所であります。

「negombo33」
所沢市星の宮1-9-1 [Map] 04-2928-8623
http://negombo33.com/

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おでん軍鶏鍋「鯔背や」でおまかせの正しきおでん三品から親子丼にタマ軍鶏らーめん

所沢駅の西口から北西方向に斜めに伸びるのが、所沢プロペ商店街。
日本の航空発祥の地と云われる所沢の中心駅のメイン通りがゆえに、「プロペ」という呼称は、プロペラ機のプロペラに由来するものと思い込んでいました。
ところが商店街のWebサイトによると”躍進・推進を意味する「プロぺル」から由来、航空発祥地をイメージ化”とある。
名称案のフックはきっと”プロペラ”なのだと推察されるものの、公式には”プロペル”が由来だなんて、まったく知らんかった!
商店街の往来の中の何人がそのことを知っているのでしょう(笑)。

とても残念なことに、
何処かで見たようなチェーン店の看板が並ぶ所沢プロペ商店街。
そんなプロペ通りの出口辺りから右手の脇道に逸れ、
川越方面へと向かう西武新宿線の踏切を渡り、
池袋線の線路とで区切られた放射状の住宅地を往く。

と、県道が新宿線を渡る七世橋の近くに看板の灯りが燈る。それは確か2017年の初夏の候。
開店を祝う花が店先に飾られている。
灯りにそしてその佇まいに吸い寄せられるように暖簾を払いました。

引き戸を入って左手に厨房に向き合うカウンターがあり、
右手には二卓ほどのテーブルが配されている。奥には座敷の用意もあって、
ちょっとした宴会にも対応できる設えになっています。

少し早い時間帯に訪ねると、
女将が認めた品札を乾かしているところだったりする。
素人はだしのなかなかの書を拝むにつけ、
お店の看板や暖簾の実に味のある揮毫も女将の筆によるものだと、
自ずと推察できてしまいます。然らばその「ふき煮物」を所望いたしましょう(笑)。
成る程、出汁の良さがしみじみと伝わる佳肴であります。

厨房のど真ん中に鎮座するのが勿論おでんの鍋。
沸き過ぎないよう管理されているであろう汁の湖面は、
穏やかでそしてとても澄んでいる。客席には「おでんご注文票」が準備されていて、
おでんの具の種類やそれぞれの値段も判り、明朗会計(笑)。
もっとも、鍋を覗き込んで註文するか、
おまかせ3品から始めることがほとんどですけどね。

おでんと云えばやっぱり大根は欠かせない。
澄んで旨味を湛えた汁を按配よく煮含んだ大根が、
美味しくない訳がない。厚みも嬉しい上はんぺんがいい。
生揚げがんもにもたっぷりと汁が沁みて、
火傷に気を付けつつ齧る瞬間が幸せだ。

気分によっては、いきなりおまかせ5品という手もある。
手作り風のいわし団子なんてのもオツなもの。蔵との直接の取引にも強い街の酒屋連携するなどして、
日本酒の品揃えにも努めて精力的な女将ゆえ、
タイミング次第で色々なお酒が愉しめる。
地場の酒のひとつとも呼びたい「秩父錦」もある時にはある。
そうそう、おでんの汁そのものが十分につまみになる。
おでんの汁をつまみに冷や酒のグラスを傾ければ、
一端の呑兵衛気分全開となるのです(笑)。

トマトのおでんと云えば、
嘗て銀座一丁目にあった「よしひろ」で初めて食べたことを思い出す。出汁の旨味にトマトが持つ旨味や甘さが重なって、
酸味も美味しさを引き出してくれるのです。

「おでんご注文票」には、「すじ」と「牛すじ」とがある。
居酒屋で煮込みでもよくお目にかかる、あの牛スジが、
竹串に刺した仕立てた姿でお皿に載ってくる。ちなみに「スジ」は、練り物のスジ。
紀文のWebサイトには、
サメすり身を生産する際に裏ごし機で除かれた、
すじや軟骨で作られる練りもので、
軟骨のコリコリとした食感と、
すじ(コラーゲン)のもちもちした食感が同時に楽しめます。とある。
これも関西にはないおでん種なのかもしれません。

「鯔背や」には、おでん以外の酒肴たちも色々とあって、
例えば「生姜天焼き」のもっちり芳ばしさもなかなか佳い。新潟・長岡発祥と聞く「栃尾揚げ焼き」も良いけれど、
もしも女将の手が空いていそうだったら、
「だし巻き玉子」を註文むのも一興。
出汁巻きといっても玉子焼き寄りの甘めに仕立てるのが、
鯔背やの流儀なのであります。

その「だし巻き玉子」の品札の並びに、
“タマ軍鶏”テーマの三行がある。
“彩の国地鶏タマシャモ”は、
坂戸市、深谷市、川越市、秩父市と、
埼玉県内限定の飼養地から届く地鶏であるらしい。へー、埼玉にも地鶏銘柄があったのね、なんて云いながら、
厨房から受け取った親子丼を口にして、あらまびっくり(笑)。
なかなかどうして、美味しいではありませんか。
玉子はタマ軍鶏ではないとのことなので、
割り下のスープとタマ軍鶏の身から滲み出る滋味、
そして玉子の仕立て具合との合わせ技なのかもしれません。

親子丼に負けず劣らず出色なのが「タマ軍鶏らーめん」。タマ軍鶏のガラから採ったスープを塩胡椒仕立てにして、
シャモの身やたっぷりの三つ葉を頂いて。
おでん屋の暖簾を払いながら「女将、らーめん!」と云い放つ、
そんな日もそう遠い日でないような気がします(笑)。

所沢は旭町の住宅地に灯りを燈すおでん軍鶏鍋の店「鯔背や」。“鯔背”と店の名に冠する女将の気風や佳し。
ありそうでなかなかないのが、
正しきおでんで一杯呑れる近所のお店。
それがあるというのは幸せなことなのでしょう。
タマ軍鶏鍋を囲む機会もあればなぁと思案しているところです。

「鯔背や」
所沢市旭町15-3 メゾン所沢101 [Map] 04-2991-1738

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