「中華そば」タグアーカイブ

ラーメン本舗「末廣」秋田駅前分店で中華そばヤキメシ富山のそれとは違うブラック

何を隠そう、生まれてこの方秋田という土地を訪れたことがありませんでした。
仙台を過ぎてなお北進した新幹線のレールは、盛岡から分岐して日本海側に折れ入って走る。
粉雪の舞う山間をうねる様に進む車輌に揺られ、雫石、田沢湖、角館と辿る。
大曲でスイッチバックした新幹線は、秋田駅のホームへゆっくりと到着しました。

冬場の秋田ともなればと、
街の雪景色を思い浮かべていたものの、
雪の名残もない様子に、残念なような安堵するような(笑)。
でも、吹き抜ける風は流石に冷たいものでした。

そんな初秋田の駅近くで、
どこか見慣れた黄色い看板が目に留まる。今はなき仙台は国分町店や、
アーケードの一角に潜む仙台駅前分店にも行った。
東京にも出来たかと高田馬場分店にも足を運び、
煮干中華の誘惑の中、青森の分店にも酔った足を向けたこともある(笑)。

東北四県に跨るように店を置くラーメン本舗「末廣」は、
創業の昭和13年から続く、思えば老舗の中華そば店だ。壁には「秋田ブラック」なる書を収めた額がある。
確かに”富山ブラック”ばりにスープは黒いけれど、
攻撃的な塩辛さを伴った、ネガティブを含んだ”ブラック”と、
「末廣」のブラックが持つ持ち味とを並べて称するのは、
どうも合点がいかないぞと思いつつ、
食券を紅いカウンターの上に並べます。

カウンター越しに眺める厨房には、幾つかの大きな寸胴が並んでる。
なみなみとスープのネタたちを浮かべた寸胴の中へ、
棒状に干された昆布をどんどん差し込んでいく。しっかりとスープをひいている様子を垣間見たような心持に、
どんぶりが届くのがより待ち遠しくなるのでした。

使い込まれたひら皿に載せてどんぶりがやってくる。
そうそうこの景色この景色。
ブラックなばかりじゃないことをボクは知っている(笑)。

優しくてしっかり旨味を含んだスープを醤油のまろみがまあるく包む。加水の低いパツっとしたストレート麺がそんなスープに良く似合う。
起源となった京都「新福菜館」のどんぶりよりも、
もしかしたら美味しいのじゃないかと、
そう思うのはきっと、
自分の体調が頗る良かったからなのかもしれません。

「末廣」に来たら「ヤキメシ」も欠かせない。これもタレ色に”ブラック”だけれど、勿論塩辛くはなく、
さらっと甘味を含む味付けなのであります。
今度は「黄身のせ」にしなくっちゃだ。

ラーメン本舗「末廣」の黄色い看板は、秋田駅前でも誘ってる。次に秋田を訪れたならば、
宵の一献を供してくれた料理居酒屋「酒盃」を後にして、
ほろ酔いのまま同じ山王地区にある秋田本店に寄ってやろうかと、
いつになるか分からないその日を今から愉しみにしています。

「末廣」秋田駅前分店
秋田市中通4-15-1 [Map] 018-825-1118
http://www.fukumaru.info/suehiro/

column/03798

中華そば「大河」で中央市場の中華そば全部入り河岸のラーメンに井上を想う

名古屋駅の桜通口。
巨大なターミナル駅を背にして、およそ真っすぐ東に向かう。
ミッドランドスクエアの裏手、さらにはミッドランドスクエアシネマ2の入るビルの裏手に回ればそこには、柳橋中央市場の区画が出現する。
距離感だけで云えば、東京駅八重洲口を出て、八重洲通りと昭和通りの交叉点、京橋一丁目信号辺りに魚市場があるって感じに相当するのやもしれません。

ミッドランドスクエアの偉容と昭和なままの市場の景観は、
なかなか面白いコントラスト。柳橋中央市場は、民間の中央市場。
築地場外よりもひと回りふた回りコンパクトな印象の市場は、
ひる前ともなれば落ち着いた空気が漂っています。

マルナカ食品センターの緋色地の袖看板を見上げつつ、
テント地の庇の下の入口から棟内に闖入する。活魚鮮魚、太物、海鮮珍味、乾物などの店が営業を終えた棟内には、
丼物や地魚料理の店、寿司店などが鋭意営業中。
その中の一軒に、中華そば「大河」があります。

「ラーメン全部!」とお兄さんに声を掛けて、
通路の真ん中に置かれたテーブルを囲む丸椅子のひとつに腰掛ける。
待つ間もなく当のどんぶりが運ばれてくる。細もやしを薄切りのチャーシューで覆うようにこんもりと。

スープに浮かぶ細やかな脂。
山を半ば崩すようにして蓮華をスープに挿し入れて、啜る。そのスープにはグルタミン酸を思わす甘さを含む。
でも、まったく嫌じゃない(笑)。
真っ先に思い浮かべたのは、
焼失してしまった築地場外の「井上」のこと。
「井上」の中華そばをちょっと上品にしたような、
そんなラーメンが眼前にあるのです。

麺は、茹で加減のよろしいやや細めのストレート。このスープにはこの手の麺でしょうと思わせる、
納得の組み合わせなのであります。

その一ヵ月後くらいのおひる時、また名古屋にいた。そんなこんなでふたたびマルナカ食品センターの開口部。
入ってすぐの場所が中華そば「大河」のポジションだ。

今度は「ラーメン」に「味玉」トッピング。
無料という文字を見付けて、もやし増量で(笑)。なかなかどうして、やっぱりいい感じの一杯だ。
無化調でもなんでもないけれど、
毎週食べても飽きないような気配も感じます。

名古屋駅近くの柳橋中央市場内。
マルナカ食品センターに中華そば「大河」はある。市場の中華そば店なので当然だけれど、
ここでは朝の6時からラーメンがいただける。
今はなき築地「井上」のように、
出勤前に訪れることを定番としているひとがきっといる。
泥酔の夜明けにやってくるツワモノもまたきっと(笑)。

「大河」
名古屋市中村区名駅4-15-2 マルナカ食品センター [Map] 052-564-8733

column/03772