ginentei60.jpg銀座周辺を巡る旅
around the Ginza

maru60.jpg八丁堀界隈の日常
Hacchobori vicinity

takahashi_tsukiji60.jpg築地情緒そして月島
Tsukiji,Tsukishima

yoshinozushi60.jpg東京日本橋界隈の徘徊
around Tokyo,Nihonbashi

imahan60.jpgとある人形町風情
Ningyocho

azuma60.jpgオヤジ新橋外堀通り
that's Shinbashi

rikkon60.jpg広尾から六本木から霞町
Hiroo between Roppongi

partenope60.jpg渋谷恵比寿中目エリア
Ebisu.Shibuya,Nakame.

legrottaceleste60.jpg青山赤坂うらおもて
Aoyama.Akasaka

inochinomizu60.jpg麻布プラチナ漫ろ歩き
Azabu.Shirokane

gingyo60.jpg身近洒落まち自由が丘
Jiyugaoka

derauchi60.jpg東急ローカルまいど
my lines Tokyu

nichinan60.jpg五反田品川大井町
Gotanda to Ohimachi

watetsu60.jpg大森蒲田川崎ライン
Ohmori to Kawasaki

norge60.jpg横浜おのぼりさん
all Yokohama

namikiyabu60.jpg浅草で道草
the Asakusa

daiki60.jpgアキバ上野湯島ゾーン
Akiba,Ueno.Yushima

kagiya60.jpgディープ荒川台東区
deep Arakawa,Taito

inonaka60.jpg深川両国河むこう
Fukagawa,Ryogoku

imoya60.jpg神田神保町靖国通り
Kanda,Jinbocho

cork60.jpg四谷神楽坂お堀沿い
Yotuya,Kagurazaka

ilpentito60.jpg代々木新宿馬場あたり
Yoyogi to BabaWaseda

aoba60.jpg西行き中央線方面
Chuo-Line

musashiya60.jpg東武三田線板橋区
Itabashi-ku

ushiwaka60.jpg豊島文京いけぶくろ
Toshima,Bunkyo,Bukuro

oaks60.jpg所沢じもちぃ西武線
Seibu-line,Tokorozawa

inari60.jpg沿線巡る小田急京王
Odakyu,Keio

ohshimaya60.jpgぐるっと関東ちょいと伊豆
Kanto area,Izu

enboca60.jpg軽井沢から甲信越
Karuizawa,Koshinetsu

yamamotoya60.jpg濃いぃぞ名古屋
Nagoyanagoya

yamamoto60.jpgなにわ大阪キタミナミ
naniwa Osaka

kiyamachi_samboa60.jpgはんなり京町修学旅行
The Kyoto

2298_60.jpg旅は陸奥国出羽国
Aomori,Mutsu&Dewa

2298_60.jpg南の島の楽園たち
Paradise Islands

2298_60.jpg独墺伊仏欧州諸国への旅
Trip to Europe


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ただいま鋭意、旧サイトより記事移築中です。
2005年03月まで遡って移築が済みました。
でもまだまだ3合目くらい。頑張れ自分(汗)。


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まーさん沖縄八重山料理アーカイブ

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口 八重山郷土料理「舟蔵の里」で 三線の音石垣牛もつ煮どぅる天

funakura.jpgホテルから乗ったタクシーは、
具志堅用高記念館の前を通って、
海岸線に平行して東へと進みます。
打ち水のされたアプローチから邸内へと折れ入る車。
今夜のご一献にとやってきたのは、
八重山郷土料理の店「舟蔵の里」です。


そうと気づかずに、さっきまでお世話になっていたダイビングサービスのご近所にまた戻ってきてしまったことが可笑しくて、笑いながら佇むは、赤瓦の門の前。funakura02.jpgfunakura03.jpg甕を満たした水に涼しげに浮かぶハイビスカスの華が、南国の雰囲気を呼んでいます。


宴の場となるのは、同じく赤瓦が守る古民家(カーラヤー)。
暖簾を払って、木の扉を引くと、
やや遠くで聞こえていた三線の音と謡いの声が身近に聞こえてきました。
座敷は既に多くの先客たちで埋まっています。


案内された座卓のすぐ脇には、
外からも聞こえていた三線の音色と八重山民謡を唄う声の主。funakura04.jpgfunakura06.jpg「島人ぬ宝」とか「竹富島で会いましょう」など、
聴き慣れた石垣島出身BEGINのナンバーも心地いい。
やっぱり乾杯は、「オリオン」でね(笑)。


口開きの酒肴は、「パパイヤとオオタニワタリ新芽のごまよごし」。funakura07.jpg代表的な島野菜の両雄を胡麻和えに。
湯引きしたであろうパパイヤのしゃくっとした歯触りと大谷渡りの新芽の辺り。
東京でも普段からいただきたいなと思う、小粋なお惣菜です。


メニューに「ギーラドーフ」なる、初めて拝見する一節がある。
しゃこ貝の肝、生がきに似た珍味中の珍味、との説明書き。
なるほど、見た目は牡蠣のようでなくもない。funakura08.jpgところが正直、これは駄目(笑)。
磯くさーい生牡蠣には幾つも出会ってきたけれど、あまりにも......。
獲ったばかりでもここまで臭いのか、知りたいところです。


そして、やっぱり気になるのが、定番の「どぅる天」。funakura09.jpg
田芋とずいき、椎茸、蒲鉾などの練り物を、とある。
その通り、つまりは大好きな「どぅるわかしー」を揚げちゃったものとして認識しております。
片栗の叩き方や油の温度管理なんかがややぞんざいな気もするけど、
オリオンにも泡盛にも合う、お気にな島の郷土料理です。


「請福」のグラスを舐めなめ、改めてメニューを眺めると、
「のこぎりがざみ」が載っているのに目が留まる。
お値段1,500円より。
ご存知マングローブカニもあったり、なかったりするのだろうなぁと訊ねると、
小さいものでよろしければあるのですが、とのこと。funakura10.jpg立派なものに大枚叩くノリでもないので渡りに船と注文すると、
それがちょっと残念なことに。
小さいことと、既にそれなりの兄貴になっていたであろうこともあって、
身が痩せちゃってる感じ。
また、どこかで「のこぎりがざみ」の魅力の発露を探したいな。


それはどうなんでしょうと(笑)、「石垣牛もつ煮」。funakura11.jpgこっくりと柔らかに仕立ててあって、旨みたっぷり。
石垣牛のモツであるからかは判然としないけど、
再訪したならまたお願いしたい酒肴であります。


funakura12.jpg
島の豚肉の海塩に漬け込んだ「スーチキ」がメインの「すーちきサラダ」をいただきつつ、「そーみんたしゃー」。funakura13.jpg油の香り香ばしくシンプルに炒めた素麺。
ツマミにもちょっとした〆にもなる、素朴なひと皿であります。


酒瓶を背にしたカウンター席で唄っていた御仁が、
ケースに仕舞った三線を手に背中を向けたのが目に留まる。
こちらもそろそろお暇しましょう。


市街地から離れ、ゆったり素朴に過ごせる、八重山郷土料理の店「舟蔵の里」。funakura01.jpg石垣で郷土料理・島料理のお店となれば、
「華穂」「こっかーら」「森の賢者」あたりを思い浮かべる。
ハコが大きくなればなるほど、料理や応接への集中力がふと欠けたりするもので、
純粋に料理を愉しみたければハコの小さなところへと足を運ぶのがよいことを改めて思ったりもしました。
三線に合わせて和やかに唄い口ずさむのも悪くないけどね。


口 関連記事:
  摘み草・郷土料理「華穂」で 野草で紡ぐ優しい小鉢天ぷらふくさ汁(09年07月)
  八重山膳符「こっかーら」で八重山伝統料理さとうきび畑の隠れ家(09年07月)
  島料理「森の賢者」で 昇華する島食材の酒肴たち(07年09月)



「舟蔵の里」
石垣市字新川2468-1[Map] 0980-82-8108 
http://www.funakuranosato.com/

column/03166

口 島イタリアン「いゆ」で 夜光貝のアーリオオーリオ島のもろみ豚

iyu.jpg石垣市街のメイン通り、市役所通り。
"お~りと~り"と派手に標した美崎町通りのゲートを潜って通りに出た辺り。
椰子の並木の向うに見据える白い建物。
右隣の石垣牛「CORNER'S GRILL」の店先を冷やかしつつビルの壁にある大きな木版の前に佇みます。
彫り込んだ文字は"島イタリアン"。
魚の骨の象形に、ゆらめく波のような文字。
それは、iyuという店の名を示しています。



とんとんと外階段を上がると、白い壁とのコントラストが洒落た黒塗りの扉。iyu01.jpg
iyu02.jpgiyu04.jpgiyu03.jpg
その上にも、iyuの文字と魚の骨を象った銅製のサイン。
うん、いいデザインだね。


高い天井と広い開口が気持ちいい窓際のテーブルに収まって、
やっぱり島のビールから(笑)。iyu05.jpg奥の厨房へと見渡せば、白の基調の中にソファーの赤が映えるインテリアだ。


iyu06.jpg
まずは、
「石垣島産モッツァレラチーズのカプレーゼ」。iyu07.jpgうんうん、プニっとした歯触りとフレッシュに澄んだコク味のモッツァレラ。
なんだか気持のいいカプレーゼ。
新栄町の「まぁじゅんのチーズ工房」でもモッツァレラを売っているけど、
あそこのヤツかなぁ。


暑気を払ってくれるような白ワインがいいかしらんと、
「アルバーナ・ディ・ロマーニャalbana di romagna」をいただいて、
黒板メニューから選んだのが「キンメダイのカルパッチョ」。iyu08.jpg島採れ金目鯛の桜色のピンクと浅葱の緑、プチトマトの赤が描く構図がなかなか綺麗。
オリーブオイルに引き出された金目鯛の甘さがすっと身体の芯に残る暑さを拭ってくれるようです。


もうひとつ選んだ黒板メニューが、「夜光貝のアーリオオーリオ」。iyu09.jpg夜光貝は、螺鈿細工にも使われるサザエ科の巻貝。
ダイビング中に幾度か目にしたでっかいサザエが夜光貝なんだろか。
宮古島の魚料理「魚宮」でもちょうどヤコウ貝の入荷がなかったので、
恐らく口にするのは初めてだ。
そのサイズゆえか、サザエというよりも柔らかな鮑、という感じ。
滋味深くてそれでいてあっさりとしていて、なかなかに旨い。
いろいろバリエーションが広がりそうだけど、
そこを素直にニンニクオイルで炒めるのも正解のひとつだね。


最後にメインをみんなで採り分けようよと「石垣島産もろみ豚のロースト」。
島の崎枝にお住まいの川満さんが育てた豚だそうで、
もろみ豚というのは、泡盛をつくる時にでる「もろみ」を餌として与えて育てるものだそう。iyu10.jpg酒粕で豚は酔っぱらわないのかなぁなどと思いつつ(笑)、ブロックにナイフを入れます。
ローズマリーとニンニクの香りを纏ったもろみ豚は、しっかりした身質に宿るしっかりした旨み。
脂の甘みもいい塩梅で、なるほど塊りでいただきたい豚さんなのだ。


「石垣牛のミートソーススパゲッティ」なんかにも後ろ髪をひかれつつ、ご馳走さま。
ここで、三日間のダイビングで撮影した写真の中から何枚かを記しておこう。
iyu11.jpgiyu12.jpg
iyu13.jpgiyu14.jpg
iyu16.jpgiyu17.jpg
iyu18.jpgiyu19.jpg


島でとれた食材を主題にした、市役所通りの島イタリアン「いゆ」。iyu15.jpg「いゆ」とはつまりは、"魚"のこと。
魚の骨のモチーフは、まさにそういうことだったのです。
今度石垣に来てイタリアンが食べたくなった時、
ゆいロードの琉球イタリアン「Vino et Vin」に行こうか、
「iyu」に行こうか迷ってしまうかも。


口 関連記事:
  ワイン&琉球イタリアン「Vino et Vin」で ミミガーのブルーチーズ(08年07月)



「いゆ」
石垣市大川260-1 2F [Map] 0980-82-5703 http://iyuiyu2007.web.fc2.com/

column/03163

口 NUCHIGUCHI CUISINE「辺銀食堂」で 大谷渡り長命草石ラー麻婆

pengin.jpg毎度石垣に来ると、
ほぼ毎日ダイビングに出掛ける。
そうすると必然的に、昼間しか営業していないお店への訪問ハードルがぎゅんと上がってきてしまう。
そんな中の一軒が、3・4年越しでずっと気になっていながら未だお邪魔したのとのない、あやぱにモール(今は命名権譲渡によりユーグレナモールと呼称)近くの「ゆうくぬみ」。
閉店時間前に今度こそ八重山そばを!と勇んで訪ねるも、そこには本日閉店の札が。
ああ、終業時間を繰り上げていたみたい(泣)。



悔やんでいても仕方ないのでと、その足を「辺銀」さんの方へと向けました。
ダイビング仲間から、「辺銀食堂」は改装のため一時閉店していると聞いていました。
pengin01.jpg「石垣島ラー油」を売っていた店舗二階へのシャッターは閉じていて、
石垣島ラー油の販売はなんと、前月までの予約販売になっているとある。
うひゃぁー、行列回避のためって事情もあるようだけど、
今や定番大流行の食べるラー油の"元祖"の販売は、そんな事態になっているのですね。


お店の方はどうかなと眺めると以前扉があったところは壁で閉じている。
あれ?と思って左手に廻り込むと、建物の脇の方に入口が変わってる。pengin02.jpgへーと呟きつつ扉に近づくと、スタンドに置かれた予約表が目に留りました。
前日までの予約とあるも、今夜の予約にまだ数人の空きがありそう。
ちょうど顔を出したスタッフに訊ねると、開店時頃に来ていただけるのならいいですよ、と。
ホテルに戻って小休止、再びゆいロードへ戻ってきました。


改装して以前より倍くらい広くなった「辺銀食堂」。pengin03.jpgゆったりとしたカウンターで、まずはやっぱり「オリオンビール」です!


夏場はあまり旬とはいえないけれど、それでも目に留まる島野菜には、興味津々。
割と定番のオオタニワタリを辺銀さんでは、「大谷渡りのニンニク炒め」にしてくれています。pengin04.jpg火を通して鮮やかな緑色が映える大谷渡り。


南西諸島に分布するシダの仲間の大谷渡りは、
新芽の先のところがシダらしくくるんと丸まろうとしています。pengin05.jpgしゃくっとした食感と柔らかな青味が不思議な美味しさなのだ。


白保の郷土料理「マガリス」は、つまりは長命草のニンニクピーナッツ和え。
pengin06.jpg神事の祭に御嶽にお供えするものでもあるらしく、
他に例えようのない不思議な苦味が色々な濁りを洗い流してくれるような気がする。
長命草は、何度も口にしているけれど、
その度に正に命を長らえてくれそうと想う島野菜。
泡盛「於茂登」がよく似合います。


一転して、「辺銀食堂」ド定番なのが、
ご存知、五色の水餃子「辺銀食堂の島餃子」。pengin07.jpgpengin08.jpg鮮やかな彩りは、いつ眺めても可愛らしい。
勿論、「石垣島ラー油」がお供してくれます。


昔ながらの製法で豆の味がしっかり味わえる、
と謳う仲曽根さんの島豆腐。
そのままのヤツを味わうのがいいよねと思いながらも、
その島豆腐を辺銀さんのラー油で味わうのもありかなぁと逡巡。
「石ラー麻婆豆腐」をお願いしました。pengin09.jpgたっぷりボリュームに身構えつつハフホフと。
石垣島ラー油の延長線上にあるような、まろやかな辛味と幾層かの香気。
そして、麻婆にしても豆の風味が滲みでる島豆腐。
卓上の準備されたラー油をちょっと足してみたりして、またひと口。
いいね、いいね。
あ、そうそう、店で食事をすると「石垣島ラー油」を買えますよ。


夏休みシーズンを前にして、ほどよく広くの改装なった「辺銀食堂」。pengin10.jpg辺銀さんちょっと痩せました?と訊くと、
ちょっとシボッてるのですよー、とニンマリする表情がチャーミング。
那覇にある「こぺんぎん食堂」にも直送している自家製の"すば"麺の話とか、
新作「あえそば」を披露するという新宿・伊勢丹の「大沖縄展」(御免なさい、うっかり行きそびれてしまいました)用の校正ゲラをあれこれと説明してくれる辺銀さん。
いつもいる訳ではないようなので、お会いできてラッキーでした。
辺銀さん、また来ます。


口 関連記事:
  NUCHIGUSHI CUISINE「辺銀食堂」で五色餃子島食材の宴(07年09月)
  五色ギョーザ「こぺんぎん食堂」でカラフル島餃子スーチキーすば(08年10月)
  NUCHIGUSHI CUISINE「辺銀食堂」でテツメシコースと島餃子(09年07月)



「辺銀食堂」
石垣市字大川199-1 [Map] 0980-88-7803 http://penshoku.com/

column/03159

口沖縄宮古そば「くち福」で あの島を想う宮古そば麺にスープに

kuchifuku.jpg都内で沖縄そばを出す店は、
沖縄料理店の数だけあると考えてしまうのが単純だけど、きっとおよそ間違いじゃない。
そうすると、かなりの数の店で沖縄そばを啜れるということになるね。
でも、八重山そばや宮古そばを出す店となると途端に稀になる。
そんな、珍しくも宮古そばを出すお店が学芸大学にあると知ったのは、まだ残暑がしつこく居座る頃でした。


西口から商店街を真っ直ぐ進んで、
「餃子の王将」の行列を横目に過ぎたところにあるのが宮古そば「くち福」だ。
狭い間口の引き戸の硝子越しに、5脚ほどの丸椅子が窺えます。


kuchifuku01.jpgこんばんはと鼻先を店内に入れると、
豚出汁と鰹の合わさったどこか懐かしい匂いが擽る。
真ん中の丸椅子に座り込んで眺めるメニューは、シンプルに3種類。
「ソーキそば」に「宮古そば」、そして「野菜のせそば」。
まずは「宮古そば」をいただこうかな。


角煮二枚にかまぼこもふた切れ、そして紅生姜と刻み葱が彩り。kuchifuku02.jpg澄んだスープは、素朴にすっきりとした旨みとコクを湛えていて、いい。


なるほど、ややつるんとした表情のちょい平打ちの麺は、
沖縄すばのそれでも八重山そばのそれとも違う。kuchifuku03.jpg訊けば、その麺を始め、ほとんどの材料を宮古島から空輸しているのだという。
かまぼこなんかは足が早いので、島のものとは少し違う仕立てにしているそうだけど、なんちゃってではない島のそば風情がちゃんとある。
当地のそばは、老舗の「大和食堂」と池間島方面のお食事処「すむばり」の二軒しか知らないけど、ね(笑)。


日を変えて今度は、「野菜のせそば」をいただきました。
キャベツ、人参、玉葱にソーキやソーセージの端っこをフライパンで炒めてのせた、これまたシンプルなどんぶり。kuchifuku04.jpgあくまであっさりしながら、ちゃっかりと深みのあるスープは、
そんな野菜炒めにもすんなり馴染みます。
kuchifuku05.jpg卓上の「ヒバーチ」に竹富島の「竹乃子」を思い出しつつ、
少し振れば、またちょっと違う風味が愉しめます。



敢然と宮古そばを供してくれる稀な店、学芸大学「くち福」。kuchifuku06.jpgもう最近は潜ってないと仰る大将だけど、カウンターには宮古島のダイビングスポットを紹介する冊子が置いてある。
ああ、そう云えば、宮古島では有名ポイント「通り池」にも潜れていない。
あの島にもまた行かなくちゃ、だ。


口関連記事:
 そば・軽食「大和食堂」で 麺の下の具宮古そばの原風景(09年07月)
 お食事処「すむばり」で 島蛸柔らか磯風味のすむばりそば(09年07月)
 そば処「竹乃子」で 啜る三枚肉そば南の島の風雅(08年07月)


「くち福」
目黒区鷹番3-18-21[Map] TEL非公開

column/03051

口手打ち「首里そば」で 澄んだ一番出汁スープと一本気な剛性麺

shurisoba.jpg琉球王国の栄華興亡を物語ると云われる首里城には、今までに二度訪れている。
だけれど、その「首里」の名を冠した、沖縄そばの有名店には寄れずにいて、ずっと気掛かりでありました。
そして再び訪れた首里城前。
守礼門を潜り、園比屋武御嶽石門を拝んで写真を数枚撮ったりなんかして。
正殿周辺までを辿って引き返し、横手の金城町石畳道の木陰へ廻って、束の間の涼み。
そこから赤マルソウ通りを登って、汗掻き汗かき、ご存知「瑞泉酒造」へ。
空調に涼みながら泡盛古酒のあれこれを試飲させていただく。
泡盛の、年嵩が増すごとに円くまろやかになっていくのがよく判る。


その「瑞泉酒造」からほどなくの、
龍譚通りから少し入ったところにあるのが「首里そば」だ。
開店にはちょっと早過ぎたかなぁと思いつつ店先を覗くと、
既に数台のレンタカーが開店を待っている。
炙る炎天にこりゃ堪らんと庇の下にいけば、手作りなシーサーがお出迎え。shurisoba01.jpgだんだんとお客さんが並び始めました。


shurisoba02.jpg「お待たせしましたー」と、一番ノリで案内されたのは、
表に面した窓際のカウンター。
窓枠の棚では、小さなシーサーがプリンとお尻をこちらに向けています。


お待ちかねの「首里そば」がやってきました。
ラフテーによくみる形状の三枚肉をやや厚めにスライスしたものが三片にかまぼこが二片のっている。shurisoba03.jpgやっぱり目を瞠るのは、澄んだスープ。
先日の「山原そば」以上に透明度の高い。


ほほー、と唸りながら、そっとスープを啜る。
啜ってまた、ほほー(笑)。shurisoba04.jpgカツオの出汁旨みが鮮やかに利いていて、それを豚の出汁が支える感じ。
一番出汁のみの贅沢を堪能しちゃってね、という器を改めてじっとみる。shurisoba05.jpgその澄んだスープに泳いでいるのが、みるからに粉々しくて力強そうなやや平打ちのストレート。
shurisoba06.jpg早速啜ってみると、見かけ以上の剛性がある麺。
壁に貼られたポスターの隅には、テコを応用した独自の手法を用いた手打ち麺、
だとある。
余分な加水をせず、
押し捏ねる力の反復で麺に纏め込んでいるということなンだろね。
伸びて次第にだらしなくなるような気配のない、一本気な麺であります。


具の三枚肉やかまぼこはもとより、
嬉しがらせるのは、トッピングされていた針生姜。
デフォルト投入で紅生姜が入っているような事態に思わずタジロぐことが少なくないのだけれど、こうであれば出汁の風味を殺さず、色で濁らせることもなく、香気を添えてくれるね。


時間掛かります!と云われていた「ジューシー」が届きました。shurisoba07.jpg残しておいたスープを時折口に含んでは、
上品な味付けの炊き込みご飯を分け食べます。
つやつやぱらぱらした食べ口に旨みの艶がある感じ。


外の暑気から逃れるように、そして折角だから(?)と「氷ぜんざい」。shurisoba08.jpgshurisoba09.jpg
どちらかと云えば、ふんわり細かく削った氷が好みなれど、こうして粗めに粒にした氷と金時豆との取り合わせも悪くない。
ん~、涼やか。


1993年まで首里にあったという、
「さくら屋」のおばぁの味を伝承するお店としても有名な手打ち「首里そば」。shurisoba10.jpg嗚呼それにしても、そこいらの茹で置き麺と化調なスープの沖縄そばとは明らかに一線を画する、そば、なのであります。


□関連記事:
 本場「山原そば」で 三枚肉そばソーキそばやんばるの中の洗練(10年08月)



「首里そば」
那覇市首里赤田町1-7 コンサートギャラリーしろま1F[Map] 098-884-0556

column/03005

口古酒琉球料理「うりずん」で 琉球料理居酒屋ドゥル天に血イリチイ

urizun.jpg「美ら海水族館」から58号線を海岸線沿いに戻って、途中の小さな砂浜、ミッションビーチで水浴び、フィンはなし(笑)。
すっかり涼んで、さっぱりしてから再び自動車道にのって那覇へと戻ります。
さてどんな夕食をと考えて、腕組思案。
世の飲食店の多くがそうであるように、観光地沖縄・那覇であっても、日曜日の夜ともなれば、営業しているお店が極端に少なくなるのです。


どこぞか、気の利いた居酒屋が営ってないかなぁと探して、行き当たったのが古酒琉球料理の「うりずん」。
既に周知されている、居酒屋の中の代表的な一軒ゆえ、すっかり観光地モードに陥っていないか気がかりに思いつつ、タクシーに乗り込みました。


処は、国際通りとひめゆり通りが交差する、ゆいレールでいえば安里駅近く。
通りから少し引っ込んだところに建つ、古色に艶ある二階家が「うりずん」だ。


なるほど超満員の店内。
予約の名を告げると、そのまま二階へと案内される。urizun01.jpg階段の踊り場の棚に並んだ、厚く埃を被った泡盛・古酒の瓶たちにご挨拶。


urizun02.jpg
額に入った「うりずんの歌」を見上げながら、座敷の卓につく。
オリオンと一緒にまずお願いしたのが、「ニガナの白和え」。urizun03.jpgニガナ(苦菜)は、ンジャナと呼んで、その名の通りほろ苦い葉なのだけど、豆腐と和えることで柔らかくいただける。
発酵の風味を感じたのは、白味噌あたりを添えているのか、それとも島豆腐の個性か。


urizun04.jpg続いて届いたのは、ご存知「スーチキ」。
都内の沖縄料理の店でもきっと定番になっているのじゃないかなの塩漬け豚肉だ。
適度に塩抜きしてあって、下に敷いたキャベツそして胡瓜と一緒に。


そして、「うりずん」オリジナルで人気ナンバーワンだというのが「ドゥル天」。
一見するに、それはただの素っ気ない揚げ物の表情。urizun05.jpg薩摩揚げかなにかを掴むような調子で箸を動かすと、意外な重量感のする。
「ドゥル天」の「ドゥル」はきっと、「どぅるわかしー」の「どぅる」。
田芋(たーんむ)にかまぼこや豚肉、椎茸を混ぜて揚げた、つまりは「どぅるわかしー天」なのだ。
珠玉な「どぅるわかしー」の作り手、彩香さんはどう思っているのだろうと余計なことを考えながら、熱々のところを齧る。
なるほど、唐揚げとは勿論違う田芋の魅力がホクホコトロンと伝わって悪くない。


「うりずん」店主がブレンドして、首里の蔵の甕で8年寝かせたという「特製古酒」を舐めながら、受け取ったのが、「魚てんぷら」。
衣に塩味ついてます、ってことでそのままでいただいてもいいのだけど、ソースでもどうぞとオカアサン。urizun06.jpgどうも風味が強過ぎるとウスターソースを好んでは使わないのものの、そう仰るのであればと試すと、角の丸いソースのせいか、白身魚の天ぷらに不思議なマッチング。
この白身、グルクンかなぁ。


古酒にはやっぱり、「豆腐よう」でしょうと注文んでみた。urizun07.jpgそうすると彩香さんの豆腐ようと比べてしまうことになる。
比べてしまうと、紅麹の風味が単調で、泡盛の角がまだ残っていて若い感じがする。
比べなければきっと、特別な遜色のない豆腐ようなんだ。


ちょっと野生な味わいもいかがと「血イリチイ」。urizun08.jpg豚肉の中身(内臓)を豚の血で絡め炒めたスタミナ料理だ。
それなりに匂うのだろうなと気構えて口にすれば、レバーに似た食感と風味の中身。
「くさいはうまい」派なので、喜んで食べちゃいますが、確かに、ちょっと遠いところで鉄分な香りがしなくもないので、苦手なひとは苦手かもしれません。


urizun09.jpgヨモギの入ったものが食べたいとのリクエストにお応えして、
〆にと「フーチバジューシー」。
ところがね、もしかして入れ忘れちゃった?ってくらいにフーチバが見当たらない。
ヨモギの風味がご飯を包んでいるのがウリなはずなんだけどね(笑)。


1972年創業の古酒と琉球料理の店「うりずん」。urizun10.jpg例えば初めて沖縄を訪れて、初めてだけどなんちゃってじゃない琉球料理をまずは愉しみたい、なんてニーズにしっかり応えてくれそう。
「うりずん」とは、旧暦の二・三月、春分から梅雨入り前までの頃を指す言葉。
海や大地に光が潤いが増してきて、空気が景色がビビットになり、わくわくしてくる時季を云うのだろうね。
なんと「うりずん」は、新丸ビルにも出店していようです。



「うりずん」
那覇市安里388-5[Map] 098-885-2178 http://www.urizn.gr.jp/

column/03004

口本場「山原そば」で 三枚肉そばソーキそばやんばるの中の洗練

yanbaru.jpg本島飛び越えて石垣に行くことが多いこともあって、「美ら海水族館」へはまだ行ったことがありませんでした。
やっぱり一度は観ておきたいなぁと、目指す本部半島。
無料になった自動車道を快調に走ります。
終点の許田ICから海岸沿いの58号線をエメラルドグリーンの水面を眺めながら辿る。
途中から海岸線を離れて、半島の真ん中へとハンドルを向けたのは、「美ら海」前に腹拵えをしようと企んでいたからです。


カーナビが示すのは、84号線の伊豆味という信号辺り。
でもそれらしい看板が見当たらないまま通り過ぎてしまい、
そんな筈はないと引き返す。
すると、ブロック塀に囲まれた白塗りの平屋家屋の隅に「山原そば」の文字を見つけました。
脇に車を乗り入れて建物の前に進むと、そこには既に20弱ほどの人達が開店を待っている。yanbaru01.jpg縁側の軒下でそば屋開くのを待つ夏の日哉、字余り(笑)。


開店時間の11時きっかりに声が掛かって、ぞろぞろと硝子戸の中へ。
yanbaru02.jpgyanbaru03.jpgyanbaru04.jpg
縁側の雨戸が引き開けられて明るい店内は、座敷スペースが奥へと長く、意外な収容能力だ。


「山原そば」のメニューは、三品。
「ソーキそば」に「三枚肉そば」、そして「子供そば」。
「子供そば」と称して、おそらく半人前程度のとんぶりが用意されているってのも、温かい感じがするよね。
ひとりで二杯食べたい輩は、「ソーキそば」「三枚肉そば」それぞれにある「小」でいくのがよいかも。


お願いしたのは、「三枚肉そば」。yanbaru05.jpg四方に開くように並べられた三枚肉にかまぼこが二片。
その下のスープは、ちょっと目を瞠る、乙な澄み様。
yanbaru06.jpgyanbaru07.jpg
平打ちの麺は色白で、縮れはほとんどありません。
ズズ、ズズズズzz。
ああ、旨い。
麺がぽそぽそしないのはきっと、茹で置きしないからってこともあるのだろね。


郊外の街道沿いの店ともなれば、どうも野生派なイメージで臨んでしまうきらいがあるのだけど、それはとんだ見当違い。
丁寧に煮出したであろう豚骨としっかりと風味を抱いたカツオ出汁とが絶妙のバランスで溶けあって、真っ直ぐ旨みを伝えてくる。


そこへアクセントを加えてくれたのが、三枚肉。yanbaru08.jpgタレでやや甘めに仕立てた中から脂の甘さがとろんと滲んで、一緒に食むそばと勿論の好相性。
ああ、旨い、と一気喰い。


一方、「ソーキそば」のソーキは三枚肉と同じやや甘の味付けではなくて、端正に仕立てたソーキ。yanbaru09.jpgがしがし齧り付いて食べるのが醍醐味にも思えて、いい。
スープにひたひたかなんかしてから、また、がしがし。
残った骨を脇に避けては、麺をズズズとね。
コーレーグスは控えめに(笑)。


すかっと晴れた夏の空がよく似合う、「山原そば(やんばるそば)」。yanbaru10.jpg30年以上も続いている老舗は、その積み重ねが気負いなく洗練を生んでいる感じ。
「やんばる」とは、本島北部の地域、そして山や森林など自然が多く残っている地域のことを云う。
ヤンバルクイナ、のヤンバルだね。



「山原そば」
沖縄県国頭郡本部町伊豆味70-1[Map] 0980-47-4552

column/03003

口かつ亭「豊年」で 刺しゾーリエビ炙りイラブチャー唐揚げアバサー

hounen.jpg国際通り界隈のおへそ、牧志公設市場。
ここに足を運ばないと、なんだか那覇を訪れた気がしないよな気もする。
ということで、「BLUE SEAL」のウベと紅イモのアイス舐め舐めアーケードに潜り込む。
そういえばどこがメインの入口なのだろうなと考えながら、適当な入口から場内に入ります。
売り口の上手な(笑)オトウサンから島らっきょあれこれを買い込んで、その先をぐるりと巡る。


この後山羊料理喰うんだもんねと思いつつ、「見てってよ!」というオカアサンのひとりに捕まってしまう。


セミエビはちょっと稀少で高いけど、ゾーリエビならそうでもないよ、と聞いてそのゾーリエビを見せてもらう。
セミエビに似てはいて、確かに草履のような姿形につぶらな瞳(笑)。hounen01.jpgそれじゃぁということで、イラブチャー(青ブダイ)とアバサー(ハリセンボン)半分を加えて購入します。


そのままオカアサンにくっついて、市場の二階へ上がる。
前回お邪魔した「道頓堀」を横目に、逆サイドにある「豊年」のテーブルへどうぞ、となりました。


「ポーク玉子」に「スペアリブ」、「さしみ定食」「グルクンから揚げ」「天ぷら定食」、「沖縄焼きそば」「沖縄ちゃんぽん」、「中味汁」「いかすみ汁」そして「ヤギ汁」まで、壁という壁に品札がずらりと並んでる。
hounen02.jpg買い求めた魚介と伝票が厨房に渡って、そこでオカアサンとはお別れ。
いただいた名刺をみると、オカアサンは、「くに鮮魚店」の社長さんだ。


伝票で既に調理方法が指定してあって、ゾーリエビは刺身と頭のみそ汁、イラブチャーは刺身とあんかけ、アバサーは唐揚げにしてくれる。


オリオンを呷って待っていると、早速舟盛りに載って登場したのは、
hounen03.jpghounen04.jpg
ぐわーっと起き上がってひくひく動いているようなゾーリエビ。
ややグロテスクな姿の殻を剥けば、
その白く透き通った身はなんとも上品で甘い旨み。hounen05.jpg伊勢海老の魅力とはまた違う、繊細な味わいだ。


イラブチャーは、皮目を炙ってあって、そのグラデーションに"青いお魚"の片鱗を見せる。hounen06.jpg味わいは知っての通り、淡白な白身であるけれど、青臭くなんかない。
さらりとして、じわじわとくる旨さがあるンだ。


アバサーは、ぶつ切りにして唐揚げのお姿に。
あんまり食べるところなさそうでいて、しゃぶればしゃぶるにつれまだまだ身がある不思議な感じ。hounen07.jpgしゃぶり尽くさずにおれましょか(笑)。


アバサーが骨の残骸になったところへ届いたのが、イラブチャーの半身をあんかけにしたもの。hounen08.jpg潜っているとイラブチャーが珊瑚や岩をガリガリする光景はよくみるけど、ほらほらこの嘴のような口と歯だもんね。


そして、大きな器でやってきたのが、足を踊らす姿のゾーリエビ。hounen09.jpgなぜか湖の佐清ポーズ(犬神家の一族)を思い出す。
でもでも、鰹の出汁もしっかりながら、ゾーリの出汁も芬々であります。
なははははは。


牧志公設市場の二階食堂、かつ亭「豊年(ほうねん)」。hounen10.jpg"かつ亭"というくらいだからきっとソレもあるのだろうときょろきょろ探せば、沢山の品札の中に埋もれるようにありました、「とんかつ」の札。
果たして「とんかつ」のオーダーはどんな頻度であるのでしょう。
ヤンキーノリな姐さんたちの威勢のよい応対も印象的です。


□関連記事:
 沖縄のごちそう「道頓堀」で いか墨汁と中味イリチーの朝ごはん(08年10月)



「豊年」
那覇市松尾2-10-1 牧志第一公設市場2F[Map] 098-862-9164

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口琉球料理「山本彩香」で 豆腐よう豚飯どぅるわかしー魅力に再び

yamamotoayaka.jpg前回の沖縄で初めて訪れた「山本彩香」での晩餐は、とても印象深いものでした。
その時お逢いした彩香さんは、艶やかでお元気そうでしたが、暫くして店を閉めると聞いてびっくり。
もうあの悦びに再会できないのかという寂しさに一瞬呆然となる感じ。
でもその後、昼の営業に切り替えて再開と知って、安堵したのでありました。


それから結局一年半振りになってしまった沖縄、那覇。
昼のみ営業といっても、夕方近くの訪問も可だと聞いて予約した時間に間に合うよう、ホテルにチェックインしたその足で、西消防署通りを辿ります。


新装なった店内は、個室を区切っていた戸やその先のカウンターが取り払われて、オープンなフロアに。yamamotoayaka01.jpgお昼メインの営業スタイルに合わせてお店の箱も切り替えるあたりも彩香さんの意気、なのでしょね。


yamamotoayaka02.jpg
オリオンで汗を退かせつつ、夜のメニューと基本的には変わりません、というお任せコースの始まりを待ちます。


あ、そうそう、最初のひと口めにいただいたのが、生なゴーヤジュース。yamamotoayaka03.jpg摩り下ろしたゴーヤにリンゴとオレンジのジュース。
爽やかな苦味が、胃の腑をすっきりと暑気を払ってくれるンだ。


続いて早速、「山本彩香」の「豆腐よう」に再会する。yamamotoayaka04.jpg彩香さん手作りの豆腐ようは、仕込みに4ヶ月かかるそう。
気温が上がって発酵が進み過ぎる可能性もあると、彩香さんはそのお世話にと本日はもう店を離れている、と聞く。
お逢いできないのはちょと寂しくも、それだけ長きに紅麹のご機嫌をとりつつ出来上がってくる手作り豆腐ようは、やっぱりまろやかで繊細な食べ口。
いいなぁ。
お願いした泡盛は、いつもの「春雨」だ。


もうひとつの小鉢には、「麩とモズクの白和え」。yamamotoayaka05.jpg湯葉のようにした麩とモズクを刻んで、豆腐ようを含めた白和えしにてある。
きっと彩香さんのアイデアによるものだろうけど、そこにしっかり琉球宮廷料理の風合いを想わせるんだ。


三点盛りは、ご存知「ヌミダル」に「田芋の砂糖醤油漬け」「ゴーヤの揚げ」。yamamotoayaka06.jpgフィファチを敷いたゴーヤの天ぷらは、中の綿を外さずにそのまま衣に包んで揚げてある。
「ヌミダル」は、前回のものより胡麻のペーストがたっぷりしている気がするな。


「ゆし豆腐」は、まさに前回と同じ見映え。
山芋のせと和えた生アーサに梅肉がアクセントに載っています。yamamotoayaka07.jpg澄んだ出汁の鮮やかな旨みに風味のしっかりしたゆし豆腐の魅力が解けて、いい、いい。


そして、「山本彩香」のお皿の中で真っ先に想うのがこの「どぅるわかしー」。yamamotoayaka08.jpg思わず、「待ってました!」と叫んでしまったもの(笑)。
都内や石垣のお店でも「ドゥルワカシー」があれば注文むという行動になるのは、間違いなくこのお皿の所為なんです。
田芋(ターンム)独特の風味とカステラかまぼこや椎茸などが織り成す、素朴で繊細な甘さに似た食べ口に思わず目を閉じる。


yamamotoayaka09.jpg
彩香さんのご厚意でと、
「豆腐よう」のサービスをいただいて、yamamotoayaka10.jpgまたまた泡盛「春雨」をぺろぺろ。


「ソーミンたしやー」は、たっぷりの島らっきょのせ。yamamotoayaka11.jpgyamamotoayaka12.jpgそうめんに滲みた魚醤の旨みにらっきょの香気が相俟って、ちゃんぷるーにはない真っ直ぐな魅力が嬉しいぞ。


続く小皿には、ご存知「ラフテー」。yamamotoayaka13.jpgでも、そんじょそこらのラフテーとは違って、白味噌仕立て。
あじくーたーなのにあっさりとして。
添えてあるのは、沖縄の竹の子、ちんぶく竹だ。


届いたお椀の蓋を外して、そこへ出汁を注ぎ込めば、
「豚飯(トゥンファン)」の出来上がり。yamamotoayaka14.jpg旨みしっかりで素敵に澄んだ鰹出汁に炊き込みご飯がフィファチと一緒に解れてゆく。
ああ、美味しいなぁとしみじみしてしまいます。
yamamotoayaka15.jpgおしんこ代わりに出してくれたのが、青マンゴーのピクルス風。
若いマンゴーはこんな食感なんだねとシャクシャク。



yamamotoayaka16.jpgあとはデザートになるのですけど、これのデザートなんですよと見せてくれたのが、ドでかい無花果のようなフォルムの実。
「カニステル」と呼ぶフルーツだそうで、 "散弾の弾" canister(カニスタア)に形が似ているところからそう呼ばれているらしい。yamamotoayaka17.jpgそれをデザートに昇華させられないものかと彩香さんがひと工夫。
yamamotoayaka18.jpgタピオカとコンビを組ませて、パッションフルーツにマーマレードをソースにしています。
なんか、南瓜みたいな繊維に甘さを含んだフルーツであります。


ああ、もう食べ終わっちゃった。
食べ終わって、でもそれがちょっと名残惜しい食事って意外とあるものじゃないものね。
予約の際に彩香さんは、以前召し上がった夜のメニューと変わりませんよと仰っていたけれど、その変わらないところが嬉しくもあり、季節が違うこともあってか違うメニューもいただけて、またそれも嬉しくて。
半端な時間に訪れた客にも気持ちのいい接客をいただいたことも特筆しておきましょう。


夕暮れ時までの営業に衣替えしてもなお、
変わらぬ魅力を供してくれる琉球料理「山本彩香」。yamamotoayaka19.jpgまた今度お邪魔するのはいつのことになるかなぁ。


□関連記事:
 琉球料理乃「山本彩香」で 琉球料理の本懐あんまーの心意気(08年10月)



「山本彩香」
那覇市久米1-16-13[Map] 098-868-3456

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口島んちゅ食堂「ニライカナイ」で ドゥルワカシー彼の島にいる気分

niraikanai.jpg村田和人「ずーーっと、夏。」レコ発記念ライブで訪れた、昨年9月以来の吉祥寺。
目指すは、その時と同じ、ヨドバシカメラ脇の「STAR PINE'S CAFÉ」。
今夜は、村田バンドでのアルバムコンプリートシリーズ#02『ひとかけらの夏』なんだ。
わくわく(笑)。


いきなり「一本の音楽」で始まるステージ(アルバムの一曲目だから当然だけど)。niraikanai01.jpg還暦を目の前にしたオッチャンバンドのコナレたグルーブと大人な音づかい、慣れてなお新鮮なハーモニーがいい。
いつまで頑張れるんだろ?なんて村ッちゃんは云ってるけど、そうね、でもずっと頑張って欲しいな。
まずはこの夏の新譜が愉しみです。


そのステージの熱気冷めやらぬまま、お腹を満たそうと寄ったのがご近所の「ニライカナイ」。
幕板を繰り抜き、流木をあしらった看板が、「島んちゅ食堂」だと知らせています。


先に入ったお客さんがドアから出てきて、寒空なのに外のテーブルに向かうので、もしや満席ではと訊けば、まさにその通り。
請福、八重泉、残波、多良川、於茂登、常磐、瑞泉、......。niraikanai02.jpg銘柄いろいろな泡盛・古酒の壜が並ぶ手作り感も満載の棚の前で、ちょっと席が空くのを待つことにしました。


外で待っていた先客さん家族と相席のテーブルで、最初はやっぱりの、オリオン。
お品書きをみてちょっと感心したのは、ナンチャッテな沖縄料理店にありがちな、ありきたりメニューに留まらないラインナップが気持ちの伝わる思い入れとともに準備されているところ。


まず嬉しかったのが、「ドゥルワカシー」があること。niraikanai04.jpg田芋(たーんむ)を炊いて、根菜野菜などと一緒に練った沖縄・八重山のソウルフード。
店によって、微妙に味つけが違うのがまた面白いんだ。


グルクンをつかった料理もいくつかあって、「本日のおすすめ」から、ちょっと創作が入ってるけどネと「グルクンのアスパラ包み揚げ」。niraikanai05.jpgグルクンの白身の味わいをしっかり軸にしつつ、アスパラと衣の食感でサンドした仕立て。
センスある工夫だよね。


ちょっと空いたお腹を鎮めようと、これも「本日のおすすめ」から「菜の花とチキナーの春チャーハン」。niraikanai06.jpg黒米の炒飯も初めてなら、菜の花を使った炒飯も初めてだ。
島菜(しまなー)を塩漬けしたのがチキナーなんだね。
黒米でのパラパラってのも、オツなもんなんだと知った次第であります。


niraikanai07.jpg
「骨付きソーキの煮つけ」も勿論のこと、泡盛に妙にマッチしたのが、渡嘉敷島産だという「マグロジャーキー」。
薄くスライスしたマグロの身が赤褐色のまさにジャーキーになって細い短冊にカットされている。niraikanai08.jpgすっかり乾燥はしているもののどこかしっとりさも残っていて、濃い目の味付けと加減のいい硬さの中から噛むほどに滲む旨み。
そしてそれに七味マヨネーズがベストマッチなのだ。
これ、自宅に常備したい(笑)。


niraikanai09.jpg
やっぱり、沖縄そばで〆ねばならぬと改めて品書きを眺めると、ここ「ニライカナイ」には宮古島の麺を使った「宮古そば」がある。
沖縄本島で基本の沖縄そばと石垣島界隈の八重山そばと、そしてまた宮古そばとは違うんだぞ、特に麺がね、などと偉そうに講釈を垂れてから(笑)、その「宮古そば」。niraikanai10.jpg濁りのないコク味のトンコツの旨みにカツオの出汁の風味滋味がひたひたとして、いい。
平打ちでない、ストレートな麺が宮古島の麺の基本形だと思えばいいのでしょう。
うん、満足満足。


陳腐化してない沖縄料理と泡盛の取り揃え。
店のスタッフの応対も気持ち良く、なんだか彼の島にいるような気分にさせてくれる、島んちゅ食堂「ニライカナイ」。niraikanai11.jpg「ニライカナイ」というのは、豊穰や幸福をもたらす神々の楽土であり、遥か彼方に存在する人間界とは隔絶された「異界」、生命の根源があるところ、といった意味らしい。
島の豊穣を伝え、訪れるひと達を幸せにする場所にしたい。そんな気持ちを店名にも籠めているのだろうね。


□関連記事:
 LIVE HOUSE「STAR PINE'S CAFE」で 村田とパフェラッチ!(09年09月)


「ニライカナイ」本家
武蔵野市吉祥寺本町1-23-7[Map] 0422-22-4877
http://www.copa-a.co.jp/

column/02977

口沖縄料理「仲宮里」で 町角のスパムライスに沖縄そばタコライス

nakamiyazato.jpg新富町で沖縄料理の店といえば、
ここのことになるのかな。
何度もその前を通りながら、店頭メニューの定番ラインナップに、食指が動かずにおりました。
ふと、そうは云わずに寄ってみようぜぃ、ってな気分になって、漸くの探訪となりました。
店頭には、「沖縄そば」と標した黄色い幟が風に揺れています。

手作り感も漂う店内は、なんちゃって沖縄料理店のそれではなく、当地の町角でアンマーが営んでいるお店のような匂いのする。
沖縄出身の桑江知子のポスターが貼ってあるあたりが、なかなか渋い。

nakamiyazato01.jpg
まずはやっぱり、沖縄そば。
「沖縄そばセット」をいただきました。
なかなかにコクのある澄んだトンコツ系統のスープに例のぽそっとした平打ち麺は、まさしく沖縄そば。nakamiyazato02.jpg特段の遜色なく、地元沖縄の普段着の沖縄そばの雰囲気が出ているようで、
悪くない。


添えてくれたスパムライスは、米軍兵士が頬張るにも充分なしっかりサイズ。nakamiyazato03.jpgグアムで初めて出会った日のことを急に思い出したりします。
そうそう、スパムの缶詰って安くないンだよね。


日を改めての「タコライス」は、ご存知の通り、タコスの具のっけライス。nakamiyazato04.jpg沖縄風タコス、との補足が云い得て妙というか、でももう「沖縄料理タコライス」といってしまってもいいような、そんな気がする。
タコミートとチーズとサルサの不思議なマッチングをレタスやトマトが軽快にしています。
あ、でも、ご当地沖縄ではまだ食べたことがないことに気がついた。
給食にも定番で登場すると聞くくらいポピュラーなのにね。


気の置けない空気感で沖縄の町角が味わえそうな、新富町「仲宮里」。nakamiyazato05.jpg例えば、観光客で賑わう国際通りからはずっと外れた商店街の一角にあるような。
地元のオジイたちが三々五々集まってくるような。




「仲宮里」
中央区新富1-11-3[Map] 03-3552-7733

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口沖縄料理「おもろ」で 豚尾のおもろ煮豆腐よう草分け沖縄料理店

omoro.jpg池袋の西口にある酒場「ふくろ」。
ハムカツと白子鍋にホッピーがよく似合う、一、二、三階までの正しい居酒屋だ。
そして、大学時代の先輩や仲間で囲んでいたそのテーブルを早々に失礼して向かったのは、すぐ裏手の路地。
奇遇にもお隣さんへのハシゴ酒となった二軒目は、ちょっと妖しい路地に違和感なく馴染む店。
亀甲金網に包む看板には、沖縄料理と赤い文字。
こんなところに沖縄料理の店があるとは知らなかったなぁ。


藍の暖簾を払って踏み込んだ店内がいきなりシブい。
永きに亘る毎日の酒場の空気が少しずつ滓のようにそこに漂い留まっているような、そんな雰囲気が強く伝わってくる。


待ち合わせの方は二階です、と告げられて軋む階段を上がる。
座卓の並ぶ二階も古色が色濃くって、でもそれが居心地よくしてくれそうだ。


沖縄料理の店に来たならばやっぱり、それで始めねばなりません(笑)とオリオンをいただいて、遅れましてとまず乾杯。
どもども、お誘いありがとう。


店名を冠した「おもろ」は、つまりはミミガーの酢和え。omoro01.jpgたっぷり振った胡麻と胡瓜と合わせて、シャクコリといただく。
酢味噌和えでいただくことの多いミミガーだけど、ここではさらに素朴だ。
ラー油を垂らしてもよかったかもしれないな。


もうひとつ店名を冠したメニューがあって、それが「おもろ煮」。omoro02.jpgこっちは耳じゃなくて、おおお、豚尾の煮物だと書いてある。
もうすっかり定番の豚足に対して、豚の尻尾はそうそう見掛けるもんじゃないよね。


どれどれと受け取ったお皿に載るそれは、豚足をふた廻りくらい小振りにした感じ。
いかにもゼラチンコラーゲンした風貌を口にすると、なるほどチュルクニュンとした食感で、豚足よりもちょい品のいい気もします。


やや大きめの「豆腐よう」の端っこを口に含めば途端に、泡盛が欲しくなる。omoro03.jpgomoro04.jpg黒じょかに入った「瑞穂」をぺろぺろ舐めては、
豆腐ようの欠片を再びぺろぺろ。
んんんー、これぞまた沖縄ん気分(笑)。


「ソーミンチャンプルー」「ゴーヤチャンプル」でお腹を満たし、
omoro06.jpgomoro07.jpgomoro08.jpg
omoro05.jpg「海ぶどう」「島らっきょう」「すぬい(沖縄もずく)」と沖縄定番酒肴でまた泡盛をぺろぺろ。
「ウカライリチー(おから油炒め)」や「ジーマミ豆腐」の素朴な魅力に、うんうんうんうん頷いてまた、ぺろぺろ。


そして、〆はやっぱり「沖縄そば」。omoro09.jpgぽそぽそ感抑えめの麺とコクのほどよいスープに、泡盛浸食気味の脳裡が一瞬彼の地のどこかに飛んでゆきます(笑)。


愉しいひと時を、みなさんありがとう。


池袋西口の妖しい路地にある老舗沖縄料理店「おもろ」。omoro10.jpgどこか創作が匂う沖縄料理店も散見される中で、ここには本場の色を風化させない老舗の安心感がある。
帰り際の戸口でご主人に訊くと、
「おもろ」の創業は、戦後すぐ昭和23年のことだと仰る。
東京の沖縄料理店の紛れもない草分け的な存在、なのですね。
沖縄方言の「思い」から派生したとされる「おもろ」とは、沖縄の古い歌謡、歌のことのようで、その辺りが店名「おもろ」の由来と考えていいのもかもしれません。
そういえば、首里へと向かうゆいレールの途中には「おもろまち」って駅があった。
大阪の大正や梅田に同じ名前の沖縄料理店があるけど、関係あるのかな。


「おもろ」 豊島区西池袋1-13-7[Map] 03-3982-0236

column/02938 @4,800-

口コミュニティキッチン「AiR BoRNE」で 沖縄温もずく煮豚ニンニクたまご丼

airborne.jpg大井町駅の中央口では、かつての大井町阪急のビルなどが解体され、広く仮囲いの壁が立つ。
その左手へと進んで、三ツ又の交叉点方向へだらだらと坂を上がったところで、隅切りに入口を構えるお店が目に留まりました。
何気なくメニューを見ると、「煮ぶたニンニクたまご丼」なるイチオシがある。
ガッツリ喰いたい気分が手伝ったのか、へーと云いながら、気がつけばそのままドアを押していました。

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メニューから察するに、店内も男っぽい造りなのかと思えば、然に非ず。
基調は、首里城のそれを思わす朱色の壁。
その壁に造りつけた棚には、琉球硝子のグラスが並んで、カラフル。
カウンターには、九州の焼酎、そして泡盛の一升瓶がひと揃い。


なんだか思わず、「オリオンビール!」と云うそうになった(笑)けど、あるのはハートランドらしい。
んじゃそれで、ということで、プハ~としながら品書きをみると、所々に沖縄んチックなメニューがあって面白い。


そうきましたか、とほくそ笑んでじっと読むと、「沖縄もずく」と並んで「沖縄温もずく」なんてフレーズがある。
ん?温?と説明書きを読むと、比内地鶏スープとたっぷりの刻みネギ、生姜で、とある。
もずくと云えば真っ先に思い出すのが、パナリ(新城島)のポイントで潜ったあとのランチで、ボートの上でいただいた、あのもずく。
鰹出汁がよく利いたタレにおろし生姜をちょいとのせて啜れば、ぬめりもイキイキとしたもずくの魅力が最高に引き出されていたっけ。
それは、ちゃんと冷たくしていたから美味しかったという面もあるのだけれど、それに対して地鶏の温かいスープでもずくを喰っちゃったらどうだろう。
またまたへーと思いながら、ものは試しと、それをお願いしました。


意外とたっぷりとした器にもずくがなみなみと盛られてる。airborne02.jpgどれどれと蕎麦を啜るかのような要領でズズとすると、しっかり旨味を含んだ鶏スープと生姜の風味が啜るもずくと違和感なく、なははは、これはこれでイケる。
もずくの食感が多少ぽそぽそしているのは、温かい仕立てにしているからなのか、そもそも東京で仕入れられるもずくはこうなってしまうのか。
「銀座わしたショップ」で買ったもずくは、冷たいままでもぽそぽそしていたし、やっぱりそりゃ取れ立てと同じにって訳にはいかないよー、ってことなのかな。


そふいふことなら(?)ってことで、目の前の泡盛の瓶に手を伸ばす。
まず舐めるは、沖縄最古の酒蔵の醸すという「かりゆし」。


それに添えるにはと選んだのが「ターンム(田芋)の甘辛揚」。airborne03.jpgうんうん、田芋の素朴な甘さが薄い揚げ衣に包まれて、強過ぎない甘辛のタレがその味わいも膨らませてる。
だんだん田芋の料理に馴染んできた気がするぞ。


airborne04.jpg
どうせならもう一杯(笑)と、定番中の定番「島らっきょ」をもらって、一升瓶のラベルを探す。
すると、ふたつの「久米仙」のラベルが見つかった。airborne05.jpg一方のラベルは、ああこれぞ泡盛のラベルと思わせる昔ながらのデザインの「久米仙」。
もう一方のラベルは、水の流れに木々の花をあしらった、やや気取ったデザインの「久米仙」。
デザインは違ってもどちらも同じ蔵元から出ているものかと思ったらそうではなくて、素朴系ラベルの久米仙が「久米島の久米仙」で、片や那覇にある久米仙酒造の「久米仙」。
それぞれに沿革があるのだろうけど、なんとなく「久米島の久米仙」の方が正しいような気になって、そちらを舐める。
うんうん。
すると、「こっちも呑んでみる?」と試し呑みさせてくれた。
うんうん(笑)。


これはもしや、こちらの女性店主が沖縄出身の方なのではと訊けば、そうではなくて、関係者と等しき親しいお客さんに沖縄料理を薦められるうちに、こんな風に沖縄色を帯びたお店になったのだという。
だから、家庭的居酒屋メニューの間にちょこちょこと沖縄酒肴が混じる、ちょっと不思議な品書きになっているンだね。


あ、そうだ、ガッツリものを食べに此処に入ったンだっけ、とやっと思い出して「煮ぶたニンニクたまご丼」をお願いします。

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磁器のどんぶりではなくて、透明な硝子のどんぶりによそったご飯の上に、炙ってぬらぬらとした煮豚チャーシューが敷き詰められている。
その真ん中で生玉子がこちらを覗き見してる。airborne07.jpg背筋を伸ばして(笑)、箸を持ち直して挑めば、襲う強烈なニンニクの風味と辛み。
解けるように蕩けるように、豚肉の脂の甘みと旨味がそこへ踊り出して、さらに玉子の黄身のコクがズルいほどの拍車をかける。
うー。
ガツガツ喰っちゃって、満腹至極であります。


一升瓶の並ぶカウンターで、食事だけでもいいし、沖縄ツマミで泡盛も呑める、
大井町・三つ又「AiR BoRNE(エア・ボーン)」。airborne08.jpg窓際に横に渡した板に、上昇気流に乗って!!エア ボーン、とある。
"Air Borne"というのは、主に航空関係者の間で使われる言葉だそうで、飛行機の"離陸"を意味するのだそう。
あ、それで上昇気流に乗ってだ、Takeoffとは云わないンですねー、などと話していたら、女性店主がこう洩らした。
息子がパイロット見習い中なんですよ、と。
なるほどね。


「AiR BoRNE」 品川区大井1-55-3  [Map] 03-3772-1004

column/02863 @4,500-

口琉球料理「古都首里」で ミヌダルドゥルワカシーイカ墨ジューシー

kotoshuri.jpg定番的に、都内各所に見つかるようになっている沖縄料理のお店たち。
そんな中の一軒が、三軒茶屋にもあると知ってやってきました。
茶沢通りを北上してしばらく行ったビル地階。
階段の手前に臙脂の暖簾を掲げているのが、琉球料理「古都首里」です。
漆の朱色とともに守礼門から正殿への首里城の景色が一瞬浮かび、宮廷料理もいただけちゃったらいいのにな、なんて期待交じりに階段を辿ります。


店内の雰囲気は、つまりは居酒屋調。
でも、雑然とした印象はなく、いろいろなところで細かく気を使っているのが窺えて、
居心地は悪くなさそう。
案内されたテーブルに座れば、卓上に「めんそーれ!」とウェルカム・カード。
沖縄料理は「ぬちぐすい(命の薬)」です、という常套句をさりげなくメッセージしてくれています。


kotoshuri02.jpgまずはやっぱり、オリオンで乾杯を。
早いところで、基本形塩味の「島らっきょ」。
あ、らっきょが苦手でもコレは大丈夫だったりするンだ、よかったよかった。
そう云いいながらシャクっと齧っては、ふたたびオリオンをくぴくぴ。


お品書きのページを捲ったら、お、「宮廷料理」と括った八品があるじゃありませんか。
少量ずつを盛り付けた「おためし五品盛り」から、昆布の炒め物「クーブイリチー」、豚肉を猪に見立てた汁物「イナムドゥチ」、そして炊き込みご飯の「ジューシーセット」まで。


ありそでなさそな「田芋の唐揚げ」は、琉球版大学芋のような表情もみせるけど、ホッコリ具合と甘さが歯切れの良い軽さ。kotoshuri03.jpg


そして、琉球料理店「山本彩香」で強く印象に残って以来、これを見つけたら注文まずにはいられない、「ドゥルワカシー」。
めくるめく琉球料理の本懐を教えてくれた「山本彩香」は、この8月一杯で閉めてしまうと聞く。
ああ、なんとも寂しいけれど、残念だけれど。


「ドゥルワカシー」は、唐揚げと同じ、田芋(ターンム)の練り物というか和え物というか。kotoshuri04.jpgカステラかまぼこ(ここでは玉子かまぼこ)、や豚肉や椎茸を潰した田芋で練り上げた素朴なお品。


石垣で出会った、八重山膳符「こっかーら」のそれも、郷土料理「華穂」のそれも、「辺銀食堂」の「ターンムワカシー」もそれぞれに違っていたことに思い至ります。


泡盛は、今帰仁酒造の「美しき古都」からヘリオス酒造の「琉球美人」へと呑み進みます。


kotoshuri05.jpg
定番「ラフテー」と一緒に届いたのが、そう、同じ豚さん料理「ミヌダル」。
豚ロースに黒胡麻のペーストで衣に捲いた粋なヤツ。kotoshuri06.jpgパサつき感があって、仕上げの精度は「山本彩香」の「ミヌダル」にやや劣る気もするし、形状も違うけど、頑張ってる感じもして、いいな。


kotoshuri07.jpgここでグラスを宮古・宮の華酒造の「華翁 古酒」に代えて、ひと味違う定番系「味噌味ゴーヤーチャンプルー」。
うん、こふいふ仕立ても悪くないゾ。


こうなりゃ、最初から気になっていたこれで仕上げてしまおうと、「イカ墨ジューシー」。kotoshuri08.jpgあおり烏賊のイカ墨で炊いた軽くもコクのある雑炊だ。
結構満ちていたお腹に意外や、するんと入ってしまうのです。


宮廷料理さえも気軽に手軽に供してくれる、琉球料理「古都首里」。
沖縄中部出身だというホールスタッフの、朗らかさと毛深さに和んだりもして。
お土産にころんと丸いサーターアンダギー用意してくれている、そんな心意気もぷち嬉しいのです。


口関連記事:
  琉球料理乃「山本彩香」で 琉球料理の本懐あんまーの心意気(08年10月)
  八重山膳符「こっかーら」で八重山伝統料理さとうきび畑の隠れ家(09年07月)
  摘み草・郷土料理「華穂」で 野草で紡ぐ優しい小鉢天ぷらふくさ汁(09年07月)
 NUCHIGUSHI CUISINE「辺銀食堂」でテツメシコースと島餃子(09年07月)


「古都首里」 世田谷区太子堂2-24-6 ドミー三軒茶屋B1F [Map] 03-5431-3275 http://kotoshuri.com/

column/02854 @5,700-

口沖縄懐石「赤坂潭亭」で チムシンジ長命草ラフテー水飯豆腐よう

akasakatantei.jpg赤坂一ツ木通りを乃木坂方向へ進む。
周囲の賑わいが落ち着き、ミッドタウンが視界にはっきりとしてくる辺りの赤坂小前で左に折れる。
その、やや暗がりにひっそりとあるのが、今宵の宴の蓆、沖縄懐石の「赤坂潭亭」です。
お忍びや裏会合もひたりと似合いそうな、そんな雰囲気に何故かやや忍び足(笑)。

akasakatantei01.jpg木戸から入ると、そこは暗がりの足下を行灯が照らす板の廊下。
その横に個室が配されている模様。
案内に従って、階下へと進みます。
そこにも幾つかの個室が、用意されている。
やっぱり、密会や裏会合にぴったりだ(笑)。
そんな構えに対して当方、特段怪しい集いでは勿論ないので、敢えてずいっと一番奥のカウンター席に腰を落ち着けました。


沖縄でビールとなれば、やはり「オリオン」。
どもども、と乾杯をしたところに前菜のお皿が届きます。akasakatantei02.jpg長い長い皿に並んでいるのは、合わせて七品。
ミミガーをこういう仕立てにした料理は初めてかも、の「ミミガー寄せ」に、これは泡盛にもぴったりだね、の「島豆腐味噌漬け」。
akasakatantei03.jpgakasakatantei04.jpg

豆腐ようの紅麹に鮮やかなソースをたらりと落とした「隠元の練り豆腐よう掛け」に、「パパイヤイリチー」「ニガナ胡麻和え」「ゴーヤ黒糖漬け」、そして「鬼灯」。
akasakatantei05.jpgakasakatantei06.jpg
ほおづきの香りを嗅いでは、ホントはもう少し熟れた香りがするのだけれど、とか、ほおづきは沖縄で採れるのかどうか、なんて話を福々とした笑顔でしてくれたのが「赤坂潭亭」アンマー、高木凛さん。


豚の肝は大丈夫かと訊かれて、全然オッケー歓迎ですレバー好物です(笑)と応じたのは、つまりはお椀「チムシンジ」のこと。
暑い時期には滋養を養わなくちゃね、という配慮から品書きに加えたと、凛さん。akasakatantei07.jpg「チム(肝臓)」「シンジ(煎じ汁)」ということで、血抜きした肝臓を細やかなつみれにしてあり、鮑茸というぷりっとした食感のキノコを添えて澄んだ出汁に浮かべてある。
つみれに載せているのは、シークヮーサーじゃなくて、酢橘みたいだ。
akasakatantei08.jpg
清くして、かつしっかりとした出汁の旨味にレバーペーストの魅力が交叉して、レバー好きには嬉しい限り。
つみれにしてあるのが、お椀として風格を増してるね。


お造りは、浅~くシメたハタの仲間「ミーバイ酢〆」に「石垣鯛洗い」。akasakatantei09.jpg付け合わせにこんもりと「サフナ(長命草・防風)」、鮮やかなオレンジで彩る「花甘草」に「海ぶどう」。
akasakatantei10.jpg長命草の爽やかな苦味風味が比較的淡白なお造りに色を添えてくれる。
長命草は、沖縄料理に欠かせないものになっていくのかもね。

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ヘゴ梅肉和え、谷中生姜を添えた「まんびき(シーラ)の照焼」に続いて、丸オクラ寄り添う、ご存知「ラフテー」。akasakatantei12.jpg
おお、こんな端正な仕立ての「ラフテー」は初めてだー、と思わず口走る。
やんばる豚の「ラフテー」が、エッジがきりっとしていながら、ふっくら柔らかで、滋味厚い。


akasakatantei13.jpg
「豆腐よう」を加えてもらうと、正ちゃん帽のような硝子の蓋で包まれてやってきた。
紅麹の風味を逃がさず愉しめるようにという演出なんだね。akasakatantei14.jpgakasakatantei15.jpgここで泡盛を「飛泉漱玉」から、横手の甕に見る、同じ蔵元の「瑞泉」に。
ちびちび楊枝で削っては、泡盛を舐める。
妙に尖った味わいがするヤツは邪道なヤツで、
こうして柔らかくも濃厚な風味がして欲しい。
やっぱり、泡盛に合う酒肴の筆頭でありますねー。


「もうお食事にしてよろしいですか」と訊かれて、意外とそこそこいい感じのお腹加減。
「お願いしまーす」ということで届いたのが、「水飯(すいふぁん)」と呼ぶ小さなどんぶり。akasakatantei16.jpgタルト型で円く抜いたご飯の上に、湯掻いた海老に浅蜊、纏めたアーサが載っている。
そこへ浅蜊でひいたという出汁を注ぐという仕立て。
ぬははは、冷たい浅蜊の汁にしみじみとして、透明な磯風味が心地いいのであります。

akasakatantei17.jpg
品書きの最後の行には、「甘味 レンブ蜜煮」とあるのだけれど、残念ながらご不在のようで、この夜のデザートは、パッションフルーツ。
でもね、パッションの甘酸っぱさもすーっとすっきり口元を洗ってくれるんだ。


琉球王朝時代の宮廷料理から紐解く沖縄料理を東京・赤坂でいただける「赤坂潭亭」。akasakatantei18.jpgどこまで正統なものかを問うよりも、食材の手当てや工夫、仕立ての妙や思い入れに素直に共鳴してしまいたい。
凛さんのお話をもっと聞きたかったな。


のむのむさんromyさん、ご一緒ありがとー。


「赤坂潭亭」 港区赤坂 6-16-11 浜ビル [Map] 03-3584-6646 http://www.akasakatantei.com/

column/02848 @-15,800-


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