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2005年03月まで遡って移築が済みました。
でもまだまだ3合目くらい。頑張れ自分(汗)。


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口BAR「並木ハイボール」で しゅわしゅわとコマネチとナポリタン

namiki.jpgそれは、年の瀬の銀座。
laraさんの日本凱旋コンサートとモーツァルト社の後押しをきっかけに、モーツァルト・リキュールによるカクテルを皆で愉しもうと集まった、
云わば「チョコテルの会」。
その会場となってくれたバー「HIGH FIVE」のカウンターに並ぶ前に、互いのご紹介と軽い腹拵えを兼ねた待ち合わせ場所としたのが、こちら「並木ハイボール」です。


まずはと声を発するは、「角ハイボール!」。namiki01.jpgひとまずの乾杯をしてジョッキを傾け、卓上にある駄菓子屋的硝子壜から小袋のツマミを取り出して、アテにします。
ちょっと乾いた喉に心地よい、ハイボールのしゅわしゅわ。
一気に呑んでしまいます。


サントリー角を使ったハイボールを正式には「ザ・角ハイボール」と呼んでいて、ジンジャー風味ステンレスカップが「並木ハイボール」、復刻角瓶でつくる氷なしタイプの「ハイボールストレート」なんてハイボールもある、そう。


それってなんだろたのんでみよう作戦に、
見事にひっかかるように注文んだのが「コ・マ・ネ・チ」。
文字の間にナカグロが打ってあるのがヒントで、
組み合わせた食材の頭文字だと云えば、どんなお皿だか想像がつくよね。namiki02.jpgああ、やっぱり(笑)。


Airの到着したその夜に駆けつけてくれたlaraさんが合流して、改めてカチっと鳴らすジョッキたち。


namiki03.jpg
早くも三杯目のお代わりをしたジョッキを、
「セミドライトマト」や「鳥とじゃがいものアヒージョ」でくぴくぴ。namiki04.jpg小さなSTAUB鍋でくつくつしているガーリックオイルに焼けた鶏の皮目やじゃが芋のカリっとしたあたりが、いい。


そして、全会一致で(笑)お願いしたのが、「なつかしのナポリタン」。
贅沢にも目玉焼きをトッピングした、玉葱ピーマン踊るナポリタン。namiki05.jpg鉄鍋にのってくるのは、亜流かどうかなんて、きっとナポさんも気にしない。
それにしても、時々妙に食べたくなるのはなぜだろね。


白州、山崎、オーヘントッシャン、ボウモア、マッカラン。
メニューを改めて読むと、シングルモルトを使ったオリジナルなハイボールもあれこれある。
京都・天の橋立からのオイルサーディンなどなどの「竹中缶詰謹製」やプロシュート、サイドディッシュにも手軽で気の利いたツマミが並んでる。
「まい泉のヒレカツサンド」齧りながらのハイボールってのも乙かもね。


namiki07.jpg

並木通りと花椿通りが出会うところに「並木ハイボール」。namiki06.jpgPRONTO系IL BARが「角ハイボール」で再生していく様子を垣間見るような、そんな一瞬もありました。


□関連記事:
 BAR「HIGH FIVE」でカカオ風味の協奏モーツァルト・リキュール(09年12月)


「並木ハイボール」 中央区銀座8-6-25 河北ビルB1[Map] 03-3571-7864

column/02939

口BAR「ハイボール小路」で ホワイトホースのハイボール天神脇の小道

komichi.jpgお初天神脇の裏路地は、
ちょっと遠回りしてでも歩きたい、好きな小路。
夕霧そばの「瓢亭」とか、居酒屋「北龍」とか、ガールズ大衆酒場「やまんそら」とか、カナディアンクラブのバー「なかしま」とか、がある。
そして、
この界隈を象徴する老舗バー「北サンボア」。
まだまだ他にも気になる店はあるけれど、今宵はその中の一軒、「小路」に寄ってみました。


実は、ここにお邪魔するのは、二度目。
初めて訪れた時にマスターに聞いたのは、2、3年前に、喫茶店かバーかを営っていたヒトから引き継いでこのカウンターを守っていると、確かそんなことだったはず。
どこかすっと呆けた表情が肩の力を抜かせてくれる蝶ネクタイ姿のマスターが、過日と同じ空気で迎えてくれました。


そしてこの店の特徴は、
バックバーの狭い幕板に「ハイボール」「ジントニック」と書いていること。


前回同様、思わず「ハイボール!」と告げると、
肥後橋の「バー立山」から独立したマスターが手にするボトルは、
やっぱり「WHITE HOURSE」。komichi02.jpg福島にある「バー立山」の姉妹店「カモメ」のハイボールも、
同じ「WHITE HOURSE」のヤツだったもんな。


濃いぃめな印象のグラスをちびちびと啜っていると、入口寄りの方から関西の食は正味な話イイぞイイぞと熱く語る科白が聞こえてくる。
反作用的に、東京の食事情のネガティブなところが浮かび上がってきて、なんだか口惜しい。
ただ、其奴の物謂いは、専門的かつ旨いもん喰いの機微の的を得ていて、探せども探せども反論する余地がない。
こりゃどうみても素人ではないなと判断して素性を訊ねると、神戸でバーを営んでいるという。
やっぱりなぁ(笑)。


この「くん玉」も「カモメ」のカウンターでいただいたことがあるなぁとそのツルツルした光沢を見詰める。komichi03.jpg前回同様、その「くん玉」をいただきつつ、またちびちび。


その御仁に、神戸に遊びに行きますよ、と話し掛けつつカウンターを後にする。
なんだかホントに神戸に行きたくなってきたぞ(笑)。


お初天神脇の小道にあるノスタルジックバー「小路」。komichi04.jpgレトロにも映るバックバーや丸みを帯びたカウンターの風合いや止まり木のこなれた座り心地もまたいい。
ジントニックは今度の宿題ということで。


□関連記事:
 浪速名物 「瓢亭」 でこれうめぇ~の献上品夕霧そばわしわし(07年12月)
 純正酒々場「北サンボア洋酒店」で ラフロイグ和むバーの風景(06年04月)
 ガールズ大衆酒場「やまんそら」で ガンガラハムカツミスジ刺身(06年10月)
 居酒屋「北龍」ではもちり下足やきぐじみそづけいわし煮路地情緒(09年09月)
 バー「カモメ」で ハイボールと円やかなDOUBLEWOOD(08年06月)


「ハイボール 小路」 大阪市北区曾根崎2-5-38[Map] 06-6363-4181

column/02937 @1,200-

口Bar「lii」で チョコレート×ヘーゼルナッツの洒脱とグラッパの酩酊

gojyuniban.jpg青山霊園脇の「鹿角」を離れて、
霞町の交差点を渡り、アマンドを回り込んで、
西麻布の通りを進む。
カウンターでもうちょっと呑もうと訪れたのは、その通り沿いの1階にあるバー。
通りから店内の様子が見渡せるバーというのは、そう多くない。
扉の透明硝子に刻まれているのは、
「lii」という記号。
ゴジュウニバン、と読むようです。


硝子扉を開け入ったバーの雰囲気は、籠るようなものではなくて、和やかな空気。
カウンターの一番手前に腰を据えてふと入口を振り返ると、通りを行き交う男女の姿が硝子越しの風景になっています。


あ、そうそうと思い付いて、モーツァルトリキュールはありますか、と訊く。
すると、ゴールドならばございます、とバーテンダー。
では、とおまかせで、チョコテルと洒落込みます。


バーテンダーが取り出したボトルは、
ヘーゼルナッツのリキュール「フランジェリコ frangelico」。
なるほど、チョコレートリキュール×ヘーゼルナッツリキュールだと考えると相性の良さがイメージされてくる。gojyuniban01.jpggojyuniban03.jpgそこへ、定番ラムの「マイヤーズラムMYER'S RUM」、
サトウキビのシロップ「Carib CANADOU」と業務用のミルクとで、
シャカシャカとシェイク。


おー、うまーい。gojyuniban02.jpgふたつのリキュールの相乗の背後でラムの風味が多層な奥行きを齎してくれている。
チョコとナッツの名コンビが、甘ったるいノリでなく、洒脱なデザートとして愉しめるグラスがあるなんて、ね。


gojyuniban04.jpgもう一杯だけ、とお願いしたのがグラッパ「カポヴィッラCapovilla」。
ちょうどボトルの最後のところというのもあったのか、たっぷりと注いでくれた透明な滴。gojyuniban05.jpg濃縮した果実香が柔らかにそして圧倒するように揮発する。
忽ち葡萄の残り香アロマに脳幹が巻かれはじめて、酩酊の淵が近くなる。
ああ、このまま倒れるように眠りたい(笑)。


Bar「lii(Gojyuni-Ban)」の店の名は、カクテルの通し番号52番に因んでる。gojyuniban06.jpg西麻布の老舗バー「ウォッカトニック」が生んだといわれるカクテルの符号を店に名に使うアイデアとそれをローマ数字に置き換えるセンスにもニンマリです。


□関連記事:
 BAR「WODKA TONIC」で 暗がりのオーセンティックひそひそ話(02年08月)
 秋田の味「鹿角」で 子持ちずし鰰とんぶり長芋きりたんぽ鍋(10年01月)


「lii」 港区西麻布4丁目10-3 ヴィラ麻布1F[Map] 03-6861-0052

column/02929

口BAR「HIGH FIVE」でカカオ風味の協奏モーツァルト・リキュール

highfive.jpgある朝の日経新聞にサントリーが仏オレンジーナ・シュウェッブス社を買収という趣旨の記事がありました。
紙面には買収・提携している他のブランドも補足してあって、その中に「モーツァルト・ディスティラリー社」という一節があるのを目に留める。
ちょこっと調べてみると、それはリキュールのメーカーらしい。
へーそんなブランドもサントリー傘下なんだ、と思ったその日。
在ザルツブルグのフルート奏者laraさんから、日本のツアーで「モーツァルト・リキュール」の小瓶を提供していただけることになりそうですと訊く。
ほー、なんというタイミング。
途端にどんなリキュールでどんな呑み方ができるンだろかと俄然興味が沸いてきました。


そんなこんなで、久し振りに銀座のバーへ。
店の名を「HIGH FIVE」
あの「ロック・フィッシュ」の入っているビルと云えば、ピンとくる方もいるでしょう。
「HIGH FIVE」は、26ポールスタービルの一角にあるんだ。


ウッディな印象の店内と一面のバックバー。highfive01.jpgカウンターの椅子に腰掛けると、
バックバーを背にした「ニン!」とにこやかな上野さんの笑顔。
一気にひとを和ませてくれる、魅力的な笑顔だ。


laraさんが一輪の薔薇を差し出して、ひと通りのご挨拶。
今宵のチョコテルの会のメンバーは、
laraさんカクテル・マニアなつきじろうさんのむのむさんMさん


上野さんが背にしているバックバーの真ん中あたりにすぐに見つかるコロンと丸いボトルが「モーツァルト・リキュール」たち。
さてさて、どんな風に仕立ててもらったらいいのかな。


highfive02.jpg「モーツァルト・リキュール」には幾つかの種類があって、
まずは「ブラック」を使って。
ロングのグラスを並べる上野さんが口にしたタイトルは、「シトラス・ショコラ」。highfive03.jpgふたつのジンジャーエールから辛い方を選んで、ステアするは、モーツァルト・ブラックとジンジャーエールの出会い。
ほほー、力強いカカオな風味とジンジャーエールの辛甘い風味がくるくるとツイストしてるような、そんな呑み口が愉しいな。


そうそう、愉しいと云えば、ライムをピールするときの上野さんの所作。
ひゅっと搾ったところを追い掛けて、掌底を繰り出すように「はっはっ」と。
そう口に出してる訳ではないけれど、まさにそんなイメージのする動きなんだ。
そして、上野さんがそんなちょっと不思議な所作をグラスに施すのは歴とした理由がある。
ピールした際の果物の皮のスキンオイルには重い油と軽い油があって、重い油の方はすっと下に落ちるけれど、軽い油はそのままふわふわと空気中を漂う感じになる。
重い油の粒子は苦みを伴うのでそのまま避けておいて、漂う軽い油を寄せるように集めるように、「グラスに行きなさい」とばかりに「はっはっ」として、シトラスな香りをつけるのであります。
なるほどー。


ふと棚の左寄りをみると、緑色が個性なボトル「midori」がある。
メロンなフレーバーと「ホワイト」に想像するクリーミーさがきっと合うのじゃないかなぁと上野さんに告げると、なんとその組み合わせは、上野さんがモスクワでプレゼンしたレシピに相当するものだという。
おおー(笑)。


早速そのカクテルをとお願いすると、上野さんが手にしたのがプラスチックのシェーカー。
ステンレスのものと違って柔らかいので、
クリームなカクテルや氷の破片をカクテルに残したくない場合に使うんだそう。highfive06.jpg香港のかっぱ橋的なエリアで見つけて買い込んだというプラスチックのシェーカーを使っているのは、きっと自分だけだ、と上野さん。


highfive07.jpg
「サントリー角」や生クリームもちょっと使ったショートグラスは、
その名を「トップ・スクープ」。
ふんわり白雪のような白が仄かに緑がかっている。highfive08.jpgすっきりと繊細なクリーミーさとメロンの風味がすっと溶け込んでいて、
想像した以上に美味しい。
うーん、なるほどー。


それでは、オリジナルな「モーツァルト」はどうでしょう、と手にしたボトルは、金色の紙に包まれている。
その、「モーツァルト・チョコレートクリーム」のボトルのパッケージは、オーストリア、ザルツブルグで名物となっているチョコレート・トリュフ、「モーツァルト・クーゲルン」がそのモチーフとなっているそう。


highfive04.jpg
モーツァルトのキャラクターを刻んだネクタイを首に揺らす上野さんが再びシェーカーをシャカシャカ振ってつくってくれたのが、カクテル「モーツァルト」。
チョコレートクリームに、黒糖っぽい蜜や生クリーム、ブランデー(クロバジェ・ルージュVSOP)、シナモン・リキュール(Kaneel likeur)、そして「ブラック」少々を添えたのがそのレシピ。highfive09.jpgチョコレートの風味はやっぱり生クリームの生地によく合うのだけれど、それがとっても大人な奥行きのある呑み口になっていて、これまた想像した以上に旨い。


そしてさらなるエポックが、世界でも極一部の都市でしかお目に掛かれない、「モーツァルト」の新種ボトルがカウンターに鎮座していること。
それがクリームリキュールの「モーツァルト」にして、透明なボトルがクールな「Dry」。highfive10.jpg


無色透明のその滴に鼻先を近づけると、間違うことなき、カカオの香り。
口に含むと、冷たい当初はキリっとした刺激を見せるかと思うと口の中で温度が上がるにつれて、カカオ風味を膨らませてくる。
おほほー、面白~い。
highfive11.jpghighfive12.jpg
「チョコレート・クリーム」は、チョコレートヌガーにミルクとチョコを加えて、キルシュワッサーなどのスピリッツをブレンドして寝かせてつくるけど、この「Dry」は路線が違っていて、カカオを素材にしたスピリッツそのものとも云えそうだ。
ボトルについた栞には、for exciting drinksとある。
laraさんたちが行った工場見学記にも登場しているぞ。


試しに、ライムとお友達にしてみて、とリクエストしてみる。
「ギムレット」の「Dry」版でしょうか。
今度はステンレスのシャーカーを振る上野さん。
さっきよりアクセントの強い振り方だ。


粒子の揃った美しいグラスの向こうに「Dry」のボトル。highfive13.jpg絶妙なバランスの上にのっけてくれているものの、柑橘と真っ向勝負させるのは「Dry」の持ち味を活かせないのかもなぁと自分のイメージ不足をちょと反省(笑)。
でもこの「Dry」は断然面白い。
世界のバーのカウンターで話題になっていくのじゃないかなぁ。


そうそう、お隣でグラスを舐めては、「うん、おいしー」と瞳をきらっとさせていたのがlaraさん。
laraさんの日本ツアーは、この25日(金)の日比谷・松尾ホールが皮切り(チケットはこちら)。
そして、長野から元旦・2日の岐阜、4・5日の神戸と回るそうです。


上野さんが「STAR BAR GINZA」から独立して、
「HIGH FIVE」をオープンしてまだ1年ちょっと。highfive14.jpgでも安定したこの愉しさはなんだろう。
同じカクテルは二度と作れず、ひとつひとつのグラスと一期一会で出口がないので止められない。
そう、上野さんはにこやかに実直に話してくれる。
留学経験と語学力を活かして「STAR BAR」在籍時に培った、国際的な交流や人脈も広いのだけど、妙な気取りは一切ないのもまた突き抜けた魅力です。


「HIGH FIVE」 中央区銀座7-2-14 第26ポールスタービル4F [Map] 
03-3571-5815 

column/02916

口イタリアン・バール「BARDIGO」で ネグローニとカキスパゲッティ

bardigo.jpg野菜とキノコを活かしたお皿たちを堪能した「クーリ」を後にして、新富町の裏通り。
ずっと気になっている「トニーの店」の前に立つも、中からカラオケをがなるオッチャンの声が漏れてきて、渋いバーであったらいいのに、という期待はどうやら当ての違うものだったらしい。
少々残念な心持ちと、それでも一度訪ねちゃおうかなという野望(笑)を抱えたまま、首都高・京橋ランプの方へ向かって歩く。
目的地は、その京橋ランプ入口のすぐ脇にあるバール、「BARDIGO」だ。


店入口の両脇に置かれたテーブルにも先客さんがあって、空席があるか心配になるも、
ちょうど空いたテーブルがあって、すんなりとそこへ潜り込む。
週末のちょい深い時間帯の店内は、バールらしい賑やかさに包まれています。


カジュアルなカクテルが気分かなぁとメニューを漁って、指差したのが「ネグローニ」。
ジンベースで、カンパリとベルモットによる鮮やかな夕焼けのような色相のグラスだ。bardigo01.jpgフィレンツェの老舗リストランテ「カソーニ」が、常連客の伯爵ネグローニのために食前酒としてつくり、伯爵の名を冠するのを許可されたものらしい。
イタリアン・バールに似合いのカクテルのひとつ、ってことになるね。


そんなグラスになにかお供をとメニューを辿って目に留ったのが「カキと水菜のスパゲッティ」。
お腹は十分に満たされていても、「カキタベニスト」精神がひょっこり顔を出すのです(笑)。
Sサイズでお願いできるのが嬉しいぞ。bardigo02.jpg想定通りのお皿全体に小振りの牡蠣の風味がちゃんと廻ってる。
気仙沼の「生牡蠣」や「牡蠣のラルド巻きフリット」の用意もあるんだね。


どこからともなく夜な夜な仲間が集まってカジュアルに愉しんでいる、
そんなイメージのイタリアン・バール「BARDIGO」。bardigo03.jpg70年代のBGMが醸す懐かしさがオッチャンたちにも居心地のいい空間にしています。


口関連記事:Restaurant「Coulis」で 彩り野菜の活力長野収穫のキノコたち(09年10月)
口オイスターパラダイスブログ:「カキタベ! ~牡蠣を食べよう!~」


「BARDIGO」 中央区新富1-4-3 レプレビル1F [Map] 03-3551-5535

column/02893

口ラウンジ「Peter」で 包む夜景沁みる歌声と響&ペリエの心地よさ

peter.jpg日比谷パークビルが鋼板で囲まれ、解体が始まったのはいつのことだったかな。
それはもう、おそらく5、6年前のこと(2003年)。
「アメリカン・ファーマシー」など、駐留米軍が及ぼした匂いの残滓があちこちにあって、独特の雰囲気があったことを覚えています。
その場所が「ザ・ペニンシュラ東京」に生まれ変わったのが、2007年9月のこと。
以来、見上げることはあっても、ホテルの中にアプローチする機会もなく過ごしていました。


日比谷パークビルに同じく解体されてしまった三信ビルの跡地では「大つけ麺博」やってるンだよね、などと話しながら皇居側のメインエントランスへ。peter01.jpg柔らかなローズピンクに照らしたホテルの威容を見上げつつ、エントランスのレストラン「ザ・ロビー」を通じてエレベータに乗り込みました。


降り立ったのは、最上階のラウンジ「Peter」。
ピンク、パープル、ブルーのグラデーションの光が包むpassageが迎えてくれます。peter02.jpg


ステージを囲むようにゆったりと配されたテーブルたち。
そしてそのラウンジ全体を、全面硝子越しの夜景が、包むように迫るように。
黄昏時の眺望なんか特にきっと、素晴らしいンだろうなぁ。


今宵の「Peter」は、
Suntory「響12年」とのコラボ・ナイト「TOKYO NIGHT CLUB at Peter」。peter03.jpg暗がりに浮かび上がるように飾られた「響12年」は、30年、21年、17年に並んで、この9月に発売された新しいラインナップだ。

peter04.jpg

ここ「Peter」でのリコメンドが「響&ペリエ」。
円やかな甘い風味を基調としている「響」と、爽やかなミネラルの風味の「Perrier」の出会い。
そのスムースで甘美な呑み口に、思わず一気飲みしてしましいそうになる(笑)。


二杯めのグラスをいただいたところで、
スタンダードな歌声がラウンジに沁みるように響いてきた。peter05.jpg朗らかで安定感のあるその歌声と「響&ペリエ」のゆるゆるとした酔い気分が相乗して、
心地いい。


peter07.jpg
「響」を練り込んでいるというショコラを読点にして、おずおずと三杯目(笑)。peter06.jpg「響」の持つ一種の甘さは単調なものではなくて、幾つものニュアンスの違う香気がサテンが折り重なる様に通り過ぎてゆく。
その襞の間を「ペリエ」の泡の煌めきがそよいでいくような、
そんなグラスが「響&ペリエ」なんだ。


peter10.gif「TOKYO NIGHT CLUB at Peter」
ちょうど日付の進む頃、大人なラウンジのざわめきとパノラマな夜景が包む世界を後にします。



その帰り際にいただいたお土産の箱を開けば、
「響12年」のミニチュアボトルと「ペリエ」のボトル。peter08.jpgいつものグラスで一杯つくってみたけれど、フルートグラスの方がお似合いだったかな(笑)。


「Peter」 千代田区有楽町1-8-1 ザ・ペニンシュラ東京24F [MAP] 03-6270-2763 http://www.peninsula.com/Tokyo/Peter/

column/02891

口PianoBar「Lock-up」で エメラルドのカクテルと奇跡の歌声

lockup.jpg知るひとぞ知るアーティスト、伊豆田洋之。
86年の2枚目のアルバムから聴いていて、
今も時々CDを回す。
最近では、ビートルズやジョン、ポールのカバーで奇跡の歌声を披露。
村田和人、杉真理、山本英美と集う「ピュア・ミュージック」でも伸びやかなボーカルを聴かせてくれていたっけ。
その伊豆田が、大井町のピアノ・バーで定期的にライブ出演しているんだ。

lockup01.jpg
そう知りながら、高めのチャージとできればオリジナルを聴きたいという思いが交錯して、なかなか寄り道できなかった。
すっかり陽の落ちた大井町駅前から電話を入れると、営業は19時からで、ライブは20時頃から演る感じだという。
フードメニューはあまり用意なさそうなので、大井町線の高架下辺りで腹拵えして、いざ。


「MUSIC-LOVE&PEACE」とネオンが迎える階段を上がって、店に入るも、先客はなし。lockup02.jpg迎えてくれたママともうひとりの女性曰く、常連の皆さんは、ライブの時間目指して訪れるらしい。


のんびり呑んでますよと隅のテーブルに腰を降ろして、ドリンクメニュー。
「Rock-upオリジナル・カクテル」とあるので、それをカウンターのママに伝えると、どんなのがいいですか、と云う。
あ、特定のレシピのものをそう呼んでる訳ではないのだねと合点して、じゃ、ウォッカベースで甘ったるくないショートで、とお願いしました。


やってきたグラスは、エメラルドグリーン色。lockup03.jpgひと口含んでから、どうかしらと窺うような視線を送るママに、偉そうに頷いてみたりして(笑)。
ボンベイをベースに、オレンジ・キュラソー、少しのペパーミントとバナナのリキュール。
パステルな碧色は、オレンジ・キュラソーが届けてくれている色合いだ。
注文通り、甘くなく辛過ぎず、さらっと風味を愉しめる。


雑誌を眺めながら舐めていると、妙に呑めてしまって、困る(笑)。lockup04.jpgボウモアをロックでもらったり、グレンフィディックをちょい加水でお代わりしたり。
と、そこへカーリーな銀髪の伊豆田が横を通って、ピアノに向かっていった。
1曲目は、ポールの「Anyway」。
誰がそう云ったか、奇跡の歌声と呼ぶに、ああ、やっぱり相応しい。


以前は六本木にあったというピアノ・バー「Lock-up」。lockup05.jpg伊豆ちゃんがオリジナルだけのライブを演るというなら、必ず聴きに行きたいな。


「Lock-up」 品川区大井1-11-4 小川家ビル2F [Map] 03-3772-3670 http://www.geocities.jp/lock_up_web/

column/02884 @8,000-

口Bar「Tony's Bar」で 酩酊の帳に訊く埼玉モルトIchiro's Malt

tonysbar.jpgずっとずっと気になっていたバーの一軒、
「Tony's Bar」。
銀座界隈に古くから続く止まり木に、お邪魔する機会はないものかと、頭の隅っこにひっかかっていたのです。
かつて十仁病院があった外堀通りの角からアマンドを折れてその裏手に回り込み、確かこの辺りだったはず、
ときょろきょろ。
そうして、やや暗がりに浮かぶ「Tony's Bar」の看板を見つけます。
どなたのデザインか、往時を忍ばせるような味のある、いいロゴ・タイプだ。


tonysbar01.jpg
地下への階段を下りると、板張りに円い窓の覗く、船室の扉のようなドアが迎えます。
ドアを引き開けるとすぐに、ずらっと並んだ酒瓶の壁。
その壁はそのまま左にずっと続いていて、その手前で曲線を描くカウンターに沿って奥へと。
一番奥の止まり木に収まって、林立するボトルを眺める。tonysbar02.jpgどこか雑然として、ほんの少し濃い空気が滓のように澱んでいる感じが不思議な心地良さ。


目の前に「BRUICHLADDICH」を見つけて、そのボトルを手に取る。
やや若いバーテンダーが、確か、その10年とClassic との呑み口の違いが面白い、というようなことを説明してくれたと思う。tonysbar03.jpgアイラでありながらピートが控えめなのが「ブルイックラディ」の特徴で、なんて話を訊いて、あ、そうか、先日池袋「もるとや」で舐めたのも「ブルイックラディ」だったと、やっとこさ思い出す(笑)。
穏やかなピートであっても、ククっと甘く骨太なボディが顔を出す。
そんな感じ。


お次はなににしようかな、とふたたびボトルの林から引き上げた一本が「カリラCAOL ILA」。
ラベルには、「CONNOISSEUR CHOICE」とあるボトラーズの1972。tonysbar04.jpgかつてそれなりに含んでいたピートの棘が今は円く角の取れている、そんな感じ。


きっと酩酊の帳が降り始めた表情で(笑)、もう一杯なんかないかなぁという顔をしていたら、「これなんかいかがでしょう」と差し出してくれたボトルのラベルには「Ichiro's Malt」と書いてある。tonysbar05.jpgへー、かのイチローはそんなオリジナルボトルを出すほどのモルトラヴァーだとは知らなんだ!と思ってしまった酔っ払い。
「イチローはイチローでも、肥土伊知郎、なんです」。
我が意を得たりと、秘かにほくそ笑むバーテンダーに口惜しいけれど、へ?という反応をしてしまう。
あー、そう云えば、どこかでカードを描いたラベルのボトルを舐めたことがあったような気もする。
それがどこだったかは、まったく思い出せそうもないけれど(笑)。


この「Ichiro's Malt」は、その肥土氏が埼玉・羽生にあった蒸溜所のモルトをベースにブレンドしたものだという。
ラベルの「MWR」は、"ミズナラ・ウッド・リザーブ"を表すもので、ミズナラの樽を熟成に使ったことを示してる。
そして氏が興した「ベンチャー・ウイスキー」は、秩父に蒸溜所を設け、08年になってウイスキーの製造許可が降り、稼動を開始したらしい。
秩父でウイスキーが作られているなんて知らなかったなぁー。


「Tony's Bar」のコースターが創業を示す、1952。tonysbar06.jpg往時、バーテンダー松下安東仁(トニー)さんの店として、名を馳せていたという。
主人を亡くしたカウンターを今は、かなりお歳を召された姉ベッティさんと若いバーテンダーとで守っている。
叶わないことなれどやっぱり、トニーさんのいる「Tony's Bar」の空気にも触れたかったと思います。


口関連記事:SHOT BAR「もるとや」で カウンター眺めBRUICHLADDICH(09年09月)


「Tony's Bar」 港区新橋1-4-3 芝ビルB1F [Map] 03-3571-0990

column/02873 @4,500-

口SHOT BAR「もるとや」で カウンター眺めBRUICHLADDICH

morutoya.jpg庚申塚の「御代家」から荒川線で流れて、池袋。
池袋周辺で、モルトを呑めるバーとしてずっと気になっていたのが、その名もそのままな「もるとや」。
東池袋一丁目信号の交差点に面した建物のすぐ裏手。
樽の天板が描く円に「SHOT BAR もるとや」。
こんなところにあったんだー、などと云いながら、その扉を開きました。

テーブルから眺めるカウンターとバックバーがつくる光景は、なかなかに印象的。morutoya01.jpgカウンターにはパルミジャーノ・レッジャーノのそれと思しき半円を望み、その背後には高く3段の棚がボトルたちをどこか神々しく飾っています。


morutoya04.jpg仲間のひとりは、「ポートエレンはなにがありますか」という問いに応じて並べられたボトルたちを前に、そのお値段と興味と妙な使命感との間で苦悩している(笑)。
それを横目に、今日はもうエー加減呑んじゃってるので一杯舐めるだけにしようと、アイラから選んでみることにします。


今夜の一杯は、「ブルイックラディBRUICHLADDICH 20年」。
「もるとや」には、解説を付したモルトのメニューもあって、そこには、アイラ西海岸のロッホ・インダール湾にある、アイラで最も西にある蒸留所であると記してくれている。
ピーティーなヤツ、アイラにしては穏やかなヤツと、さまざまなボトリングがされているという。


ラベルには、THE CLYDESDALE ORIGINALとある。morutoya02.jpgそのボトルから注がれたグラスの琥珀は、どちらかといえば後者で、クリアーな呑み口に落ち着いたピートの薫り。
うん、なるほど。


きっと世のモルト好きさんたちには、名の知れたバー「もるとや」。morutoya03.jpgこの7月には、12周年を迎えたらしい。
いつか、江古田の兄弟店にもお邪魔したいと思います。


口関連記事:庚申塚「御代家」で めぬけかぶと煮かんはつもと都電のホーム(09年08月)


「もるとや」 豊島区東池袋1-8-6 DKY12ビル1F [Map] 03-5952-9277 http://www.morutoya.com/

column/02869 @2,700-

口BAR「TOO BOY」で グランプリの二杯泡盛カクテルの難しさ

tooboy.jpg市役所通りから折れ入ると途端に猥雑な雰囲気を帯びてくる美崎町。
20時を廻ると急に人影が増える界隈に、夜の熱気が増した頃か。
見上げた雑居ビルの壁の薄汚れた黄色いアクリルの看板が、「TOO BOY」は2Fだと示しています。
ちょっぴり勇気を出して、草臥れた木製のドアを押すと、ぼんやりと紅い灯りとバックバーが目に映りました。

右手に場末のスナックのようなテーブル席があるものの、そこには先客はなくて、カウンターの中央にご夫婦らしき年配のカップルの背中姿。


カウンターの右隅に陣取るも、迎えてくれる者の姿がない。
正面に見据えるバックバーのボトルたちは、下からの緋色のライトに照らされて妖しく、そしてどこか安っぽい。
買い物にでも行ってるのかなぁとのんびり待っていると、左手奥のカーテンの向こうから、お待たせしました、と。


八重山泡盛カクテルコンペの最優秀グランプリを受賞したカクテルがふたつある、というので、まずはロングタイプの「SHAMAシャーマ」をいただきます。tooboy01.jpg与那国の泡盛「どなん30度」をベースに、フレッシュオレンジジュース、いちじくのリキュール、グレナデンがそのレシピ。
ストローを外して、ぐーっと一気に呑めてしましそうな、"ジュースな"感じ。
ロングでもあるし、お酒があまり得意でないヒトにもおススメするような場面を想定しているのかもね。


もう一方のショートカクテルの名を「琉華」。tooboy02.jpg
西表島の水で仕込んだという請福酒造の泡盛「いりおもて」をベースに、フレッシュシークァーサー、ハーブリキュール「PICON」、リキュール「BOLS」のひとつがそのレシピ。
泡盛があまり主張しないようにする意図があるのか、その分およそピントの暈けたような呑み口で、
なんだか泡盛ベースのカクテルって難しいのかも、なんて思ったりします。


1994年のオープンは、島のバーとしては老舗格に当たるという美崎町のバー「TOO BOY」。
「TOO BOY」は、少年のままで、なんて意味なのかな。


「TOO BOY」 石垣市美崎町13-8 2F [Map] 0980-82-5443

column/02840 @2,800-

口BAR「THINK」で 南の島での一期一会とエキストラな一杯と

think.jpg宮古繁華街の中心かと思われる西里通りのビル二階。
重厚な雰囲気を帯びた扉には、
「BAR THINK 1988」とある。
ゆっくりとその扉を開けると意外とゆったりとしたフロアが広がり、その先にバックバーが控えていて、おふたりのバーテンダーが迎えてくれます。

カウンター左隅の止まり木に腰を据えて改めて眺める景色は、
まさにオーセンティックなバーのもの。think01.jpg


バックバーで目に留まったラムのボトルから赤いラベルを選んでみる。think02.jpg「RUM NATION」のVENEZUELAモノ。
ピリピリすることなく円い呑み口とラムらしい風味だ。


柔らかなで洒脱な表情のマスター高田さんは、バーテンダー歴30年にもなるという。
浜松でBAR「THINK」を営み、協会の主幹を務めた後、そのカウンターを任せて宮古に渡り、この店を開けて9年ほどになるのだとか。
いただいた名刺には協会の宮古地区長、とあるね。


二杯目にはモルトをとスペイサイドの「Linkwood 1989」。think03.jpg
Kingsbury社によるNo,73/248ボトル。


think05.jpg三杯目にも同じスペイサイドでオススメをとお願いした中から選んだのが、「Strathisla」25年もの。
ラベルには、STRATHISLA-GLENLIVET DISTIllERYとある。
最初のひと口は、なんだか不思議な癖のある表情が、ふた口め、そしてそれ以降のあと口に甘い芳香が残る。
うーん、面白い。
グラスの横腹をふと眺めたら、20th anniversaryと刻んであって、think04.jpgなるほどBar「THINK」の歴史を語る。


どんな切っ掛けだったか、南麻布の某レストランで食事した時の話になった。
抜栓したワインをスタッフがチェックして顔を曇らせて、「交換しますね」と云いながら奥に戻ろうとするところを制止して、「ブショネなら、飲ませて!」とムリを云って試してみたこと。
そしたらマスター、「そんな話を聞いたら出さない訳にはいきませんねー」と笑って、バックバーに並ぶボトルの裏側から一本のボトルを取り出した。
グラスに少しだけ注いだHighland parkに鼻先を近づけると、籠ったような弱々しい匂いで、口に含むと黴に饐えたような残念な風味がする。
なるほど、ワインにブショネがあるように、
傷んだモルトを仕込んでしまうリスクもバーにはあるのだね。


一期一会の刹那を大切に愉しむ、
そんなお酒でありたいとBAR「THINK」のマスター高田さんは謂う。
気取らず気張らず、軽妙に誠実に、そんな想いが伝わるカウンターでありました。


「THINK」 宮古島市平良字西里231 2F [Map] 0980-73-6009 http://www11.ocn.ne.jp/~barthink/

column/02831 @3,500-

口酒場「琥珀」で ポートエレン2ndにブラックラフロイグ老舗の風格

kohaku.jpg上野ガード下の「大統領」を離れて、
湯島方向へと中央通りを渡る。
「蓮玉庵」や「池之端藪」のある仲町通りに入り込む。
客引きから掛かる声を掻い潜って、四辻を左へ。
曲がったところで、ここら辺りかと周囲を見回す。
すると脇道の先に黄色い看板が見つかりました。
"BAR"と書かずに"酒場"と謳う「琥珀」へといざ。

暗がりのカウンターは、柱を介してL字に廻っていて、ちょうど空いていた正面へと並んで座ります。
kohaku01.jpg


古色がこぢんまりと包む空間の空気が濃密で、じわじわと臨場感が増してくる。
店主の木村さんと言葉を交わしてから、改めて周囲をきょろきょろ。
正面のバックバーは二重になっていて、格子状の棚の奥にも別の棚が見えます。


「ポートエレンあります?」と連れが訊ねると、女性おふたりと入れ替わるようにボトルを携えてきて、並べてくれる。
ポートエレンのボトルがこうして4本も並んでいるのはそう見られる光景でもないぞと思いながら、
説明に耳を傾ける。
で、選んだのは、1978年蒸留、Age24年のオフィシャルモノ「PORT ELLEN 2nd RELEASE」。kohaku02.jpgポートエレンは、既にクローズしてしまっている蒸留所なので、日に日に希少性が増しているのは間違いないはず。
きっとお高いのだよね~と思いつつも早速、その琥珀を舐める。
アイラっぽさが丸くスムースな呑み口で、舐めるほどにそれが柔らかく思えてくる。


ラフロイグでなにか、とアバウトなお願いに対してお試しあれと薦めてくれたのが、ボトラー、デュワー・ラトレー(A.D RATTRAY)による18年モノ。
kohaku03.jpgkohaku04.jpg
そして、同じくラフロイグ、1991VINTAGEの「HIGHGROVE」。
かのプリンス、チャールズの別荘があるのがハイグローブで、つまりはチャールズ皇太子のお好みエディションということらしい。


実は、このラフロイグ二本の味わいをほとんど憶えていない。
それは、最後にもっとレアな滴を舐めてしまったから。


木村さんが恭しく筒から抜いたのが、俗に云う「ブラック・ラフロイグ」。
オフィシャルでは潔くも白いラベルが印象的なラフロイグにあって、
ラベルが真っ黒い1980Vintageの27年モノ。


ラベルには、96 of 972とあり、世界でたった972本という限定ものだ。
そしてそれは単にラベルが黒いから"ブラック"と呼ばれるのではなくて、ボトルの中身がびっくりするほどのダークカラーだから。
黒いのはシェリー樽による熟成によるものと木村さんは仰るが、ただただ「シェリー樽で熟成=黒くなる」というのがピンとこなくて、樽内面の焦がし(リチャー)具合が違うこととの合わせ技なのじゃないか、などなどと暫し議論(笑)。


ラベルにはOLOROS SERRY CASKとあって、
100%オロロソシェリー樽という樽で熟成させたもののよう。
タンニンが影響するのか、どうやら、オロロソ・シェリーを熟成させた樽は、
モルトも濃いぃ色に熟成させるらしい。


そりゃーお高いでしょうとショットの値段を訊くと、なんと1.5万円だという。
ひえ~ぇ!!
ボトルの価格からいくとお安い設定にしてくれてはいるものの、こりゃ手がでないなと早々に諦めていると、連れのひとりがウンウンと唸り悩んでいる。
もしやオーダーする気なのかのとハラハラしていると、「い、い、いただきます!」と呻いた。


グラスに注いで判る、やっぱりダーク。kohaku05.jpgこうなると、ただじっと呑むところを見守るしかない。
「スゲー!」とか「今まで呑んだことない!」とか叫ぶので、もっと判るように云ってくれと懇願する。
う~、じゃちょっとだけ舐めればいいじゃんということになってご相伴に預かる(笑)。


ぺろぺろ、ぺろ。
ん~、確かに今までに呑んだことない(笑)。
圧倒的な凝縮感と多層的な奥行きが意外なほど素直な纏まりをもって舌を滑り、鼻腔を抜けていく。
年嵩が描くさらりとした、そして繊細なカラメルのような風味が主体となっていて、ピートや塩っ気は遠くにある残り香。
あはは、こりゃ、スゲーや(笑)。


そして、お会計。
承知してはいたけれど、うぐゥやっぱりと、ほんの一瞬絶句する面々なのでありました(笑)。


湯島でバーと云えば必ず名の挙がるといわれる老舗の風格、酒場「琥珀」。kohaku06.jpgさっきまで銀座の路地裏にいたかのような錯覚は、強ち見当違いのこととも言い切れない、かも。
Mさんも、このドアを開いています。


口関連記事:
  もつ焼煮込み「大統領」で 特製煮込み味付けガツもつ焼き路上(09年04月)
  そば「蓮玉庵」で 古式せいろ蕎麦別打ち入り三枚重ね(06年06月)


「琥珀」 文京区湯島3-44-1 高橋ビル1F [Map] 03-3831-3913

column/02801 @15,000-

口AUTHENTIC BAR「Boby's Bar」で liqueurの森40年の節目

bobys2.jpg大阪で気になるバーの筆頭と云えば、
間違いなく一番なのが、そう、「Boby's Bar」。
またお邪魔したいしたいと思っていても、ちょうどいい時間帯にこの界隈にいることがなくって、随分とご無沙汰の再訪です。
マスターがそこそこいいお歳なので、休んでたりはしてないよなーとほんの少し心配しながら看板の灯りを探しては、きちんと夜道を誘っているのを認めてひと安心です。


「Boby's Bar」へと辿る二階への階段の脇には、"since 1969"と刻んだ「BOBY'S」の銘板が掲げられている。
bobys2_01.jpgbobys2_02.jpgbobys2_03.jpg
そしてその下には、年月を重ねてきたお店に対するマスターの想いと自負と矜持とが込められたコメントが紹介されています。


おひとり客とちょうど入れ替わりで、他に客のないカウンター。
「こんばんはー」と云いながら、ちょっと左寄りの止まり木にすっと滑り込みます。

ここへ来たらならもう、マスターにオマカセ・モード。
やっぱりリキュールから選んでもらいます。


まずは、前肢を上げた乗馬のラベルの「ROYAL COMBIER」。bobys2_04.jpgスパイスの風味がふんとしながら、滑らかに甘いオレンジキュラソーの深み。
裏ラベルには、「アロエ、ナツメグ、ミルラ、カルダモン、シナモン、サフランをつけこんだ」とあって、なんだかカレーみたいだね(笑)。


今度はハーブ系でとお願いすると、ニヤリとしてボトルの森から引き抜いたのがカラフルなラベルの「Eyguebelle」。bobys2_05.jpg華やぐようなボトルは、蜂蜜を配合しているという黄色い滴、ジョーヌ。
エギュベル修道院の遺産ともいわれる伝統のレシピが生みだす熟成だそう。
幾多の植物のエキスが一瞬にしてふわっと馨って、それをすっきりとして艶かしい蜜が包む感じだ。


そうだ、前回果たせなかった階段上のボトルの森を拝みたいとお願いしたものの、残念ながらほいっと来た客が上がれる状態じゃないご様子。
ならば、そこへのアプローチだけでも眺めたいと階段を見上げれば、階段の幅の半分以上を占めるボトルたちの群列。
bobys2_06.jpg
おー、と唸っちゃいます(笑)。


そしたらお次はクリーム系でとリクエストすると、なかなかに秘蔵の品らしい白いボトル、
「AMANDA」。bobys2_07.jpgラベルの縁取りが綻んでいるあたりにも秘匿の影が滲んでる。
「METAXA」とあるのは、ギリシャの古い蒸溜酒会社のことらしい。
ベタつかない甘さの中からカカオの風味がぐぐいっと湧き上がる、そんな呑み口だ。


徐々にこんなボトルも開け始めているンだよ、とマスターが云うのは、この4月でなんと40周年を迎えようとしていることもあるから。
それは、さっきみた階下の銘板にも、コースターにも、そしてグラスに彫られた文字にも、
"since 1969"とあることからも判る。
bobys2_08.jpgbobys2_09.jpg
そして、それを節目として、マスターのバーテンダーとしての誇りと感性を引き継いでくれる人物にこのカウンターを委ねることを考えているのだという。


千頭マスターあっての「Boby's Bar」がそうでなくなる日が、
もしかしたら近づいているのかもしれません。bobys2_10.jpg今度は、ジンしばりで、マスターの世界を披露して欲しいと思っているのだけど、4月までに再びお邪魔できるかなぁ。


口関連記事:AUTHENTIC BAR「Boby's Bar」で リキュールづくしの小宇宙(07年09月)


「Boby's Bar」 大阪市北区曽根崎1-6-23 千種会館2F [Map] 06-6363-7827

column/02359 reprise-01 @4,000-

口祇をん「八咫」で ゴールドOROにRUMWOOD障子のバックバー

yata.jpg祇園新橋から縄手通りへと抜ける新橋通りは、
両側に京町屋の格子が並ぶ。
以前寄った「閒」の前を通り過ぎ、立ち止まる浅い煉瓦色の暖簾には、「八咫」とある。
こう書いて、"やた"と読むらしい。
バーを訪ねたつもりなのだけれど、はて、此処で合っているのでしょうか。
暖簾を潜るとやっぱりそこは、料理屋の佇まい。
偶々客を送りに出ていた女性に、「バー、で合ってます?」と訊ねると、「あ、二階がバーになっております、今、席を確認しますね」とのお応え。
なるほど、和食のお店とバーとの二階建て、という訳なのですね。


通された8席ほどのカウンターのバックバーには、新橋通りとの間を仕切る障子。yata01.jpg障子の前に並んだボトルたちを景色に呑むバーは、そう多くないよね。


まずは、旬なフルーツでカクテルをと、定番的な苺とシャンパンのロンググラス。
CHAMPAGNEは、「Diebolt-Vallois」。
細やかな泡から立ち上るトップノートは、例の清々しく甘い香り。yata02.jpg一気呑みしちゃいたい衝動に駆られながら、くいっとちょっと呷るように飲んでしまう(笑)。


2杯目にと想いを巡らせての思い付きで、「熟成させたラムって、なんて呼ぶんでしたっけ?」と訊いてみる。
「ゴールドラムですね」「ありますか?」「はい、お待ちください」。
ということで示してくれたボトルは、ご存知「BACARDI」。
「ORO」というサブネームがついている。
ストレートもいいかと思案しつつ、クラッシュアイスにライムを添えてもらう。yata03.jpgライムのジュースも搾ってくれちゃってたのが余計だったけど、それでも円く熟成感のある滴の魅力が愉しめる。
より熟成させた「ブラック」もあると云う。ナイトキャップの普段使いにも、いいかもね。


ラムつながりで、フィニッシュをラム樽に仕込んだスコッチがあるというので、それをストレートで。
スペイサイド「THE BALVENIE」の「RUMWOOD」。yata04.jpg明らかに、なはは~ラム!って呑み口ではないものの、アフターテイストに時折ラムの甘みに似た余韻を感じる。
うーむ、シェリー樽やバーボン樽でのフィニッシュがあるように、ラム樽フィニッシュのスコッチもあるのだね。


「読めない、よね~(笑)」ということで、店名について訊いてみた。
yata06.jpg店名の「八咫」は、「八咫烏」の八咫だという。
戸口の裏側に掛けた絵馬yata05.jpgにもあるように、熊野神社において神の使いとして信仰されている烏の名から和歌山出身のオーナーが名付けたのだそう。
そこに籠められた意味合いや想いまでは、見送ってくれたバーテンダー氏も詳しくない、らしい。


祇園新橋の京料理&バー、「八咫」。yata07.jpg交詢ビルに銀座店があるだけど、流石にバーの設えまではないようです。


口関連記事:鮨割烹「閒」 で落胆の握り六貫は京流か閒流か(08年04月)


「八咫」本店 京都市東山区大和大路通新橋東入ル [Map] 075-525-5511 http://www.kaland.co.jp/

column/02761 @6,100-

口BAR「YUMOTO」で 金柑カクテルと3回蒸溜隠れ家と彼女の凛

yumoto.jpg冷え始めた夜の三島。
うなぎ料理をいただいた「直よし」の大将に、近所に呑兵衛の集まる横丁ってないのですかと訊くと、以前は賑やかだった路地も今は寂れてしまっているという。
やや残念な気持ちになりながら辺りを散策すると、どうやら伊豆箱根鉄道の三島広小路駅界隈には旧町っぽさの名残りがあって、おぉ?なぁんて思わせる小径もある。
そして、意外やその近くに、08年のバーテンダー技能競技大会で優勝したバーテンダーのいるBARがあるという。

地図に手書きした店の所在は、源兵衛川という水路沿いにあるようにも見える。
橋の上から川辺の先の暗闇を眺めて、「川沿いに辿っては行けそうもないですね」とくにちゃん
一本東側の径をその先まで抜けてみたものの、それらしいお店が見つからない。
念のためもう一度引き返してみようと、今来た径を再び辿ります。
と、マンションのエントランスだと思っていたところに「BAR」の文字。
「おー、あったー!」。


そのアプローチの正面には、重厚な木製の扉が構えていて、その手前左手の壁には、スコットランドの国旗。そこには、ディステイラーの方々のものと思われるサインが記されています。


ぐっと引き開いた扉の向こうには、意外なほどゆったりとした空間が広がっていて、正面の硝子越しには、ライトアップされた川辺の木々が臨める。
一瞬、祇園新橋の川際のバーにいるような錯覚が過ぎります。
yumoto01.jpgyumoto02.jpg
先客なければ、窓際だったのになと思いながら、カウンターの一番手前へ。
バックバーに、檸檬色の灯りに浮かぶグラスたち。
その脇には、大麦を乾燥させる際に使うという木製の道具、モルトシャベル。
コートを収めてくれたクロークの戸は、どこぞの町家にありそうな古民家のものだ。


yumoto09.jpg開口一番に優勝カクテルを、というのもなんだか気恥ずかしくて、壁の黒板で目に留まった金柑のカクテルをお願いします。
皮も身も召し上がってください、という台詞を添えて届いたグラスには、なるほど、四つ切りにした金柑がざくざくと入っている。yumoto03.jpg啜る滴は、ウォッカベースのすっきりとした清々しさ。
一気についーッと呑めてしまいそうになるところを堪えて(笑)、仰せの通り、皮や身を貪る。
ちょっとした苦みと華やぐ柑橘の清涼感がいい。


yumoto04.jpgお通しに苺。
フレッシュなままかと思ったら、ちょっぴり電子レンジにでもかけたのか、微妙に柔らかくしてある意外性。
切り込みに詰めたカッテージチーズと蜂蜜の風味が洒落てます。


スペイサイドからなにか、とお願いしてやってきたのが「BenRiach 1998」。yumoto05.jpgyumoto06.jpgラベルに「TRIPLE DISTILLED」とあるように、なんと3回蒸溜を施したものだという。
揮発していくようなクリアな感触とピリッとした塩辛さが同居しているような、ドライな呑み口だ。


一転今度は、思い切りクサイやつでというリクエストに応じたボトルが「Auld Reekie 10年」。yumoto07.jpgカリラやラフロイグなどなどのアイラらしいアイラをボトリングしたものだそうで、鼻先を近づけただけで、なはは~と笑っちゃうほどスモーキーなヨード香。
初めてラフロイグを舐めた時に、なんじゃこりゃ!薬クサっ!って思ったことを思い出してまた、なはは~。
今は好き好んで、それを呑んでいるのだものね。
黒いラベルに城らしきモノクロームのイラストを見つけて、隣のくにちゃんに「どこ?」と訊いてみたら、「......エディンバラ城、ですかね?」。
そう、「オールド・リーキー」というのはエディンバラの俗称なのだそう。
おお、さすがスコットランド帰り(笑)。


「08年の優勝おめでとうございます」と声をかけたカウンター越しのバーテンダーは、凛々しくって優美な女性。
並み居る男性バーテンダーを跳ね除けて、なんて云われ方はきっと不本意なんだろうけど、そんな発想が下衆なことと素直に思えてしまうほど気負いのない柔和な表情の中にビッと芯がある感じ。
思わず惚れてしまいそうになるけど、バー「YUMOTO」の名は彼女の姓でもあるけど、どうやら彼女の旦那の姓でもあるらしい。う~ん、残念(笑)。


見送りに出てくれた彼女とスコットランド国旗の前でお喋り。
国旗にサインのある蒸溜所について現地話ができるくにちゃんが羨ましい。
やっぱり、行ってみたいなスコッチの国。


三島と三島広小路の真ん中辺り。
隠れ家的×ゆったりとしたオーセンティック×水辺の情緒×彼女の凛。
源兵衛川を背にしてひっそり佇むバー「YUMOTO」にはそんな要素の融合がある。yumoto08.jpgまたお邪魔する機会を見つけて、元倉庫のものだという奥まった扉へとアプローチ。
今度こそ、創作カクテル「アプローズ(喝采)」もいただかなくっちゃ。


口関連記事:
  和食「直よし」で 三島うなぎ白焼ききも焼き炊いた鰻の茶漬け丼(09年01月)
  Bar「IT'S GION 2 DEUX」で 橙の灯りと英王室と青いジョニー(08年07月)


「YUMOTO」 静岡県三島市芝本町10-7 [Map] 055-981-5578

column/02750 @3,700-


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