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2005年03月まで遡って移築が済みました。
でもまだまだ3合目くらい。頑張れ自分(汗)。


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口うどんそば「神明庵 甚五郎」でくたくた煮込み肉汁うどんの透明感

s-jingoro.jpg所沢界隈で、気になるうどんのお店の先頭にあるのが、「甚五郎」のお店たち。
どこも駅からふらっと行けるような立地にはないため、なかなかアプローチできずにいたんだ。
昼頃に所沢での所用が済んで、これはいい機会かと、ちょっくら狭山ヶ丘まで足を伸ばすことに。

前述通り、とても歩いては行けないところにあるのが、「神明庵 甚五郎」。
運ちゃんもご承知とタクシーを駆って、茶畑を抜け、宮寺という地区へ向います。


車を降り立ったところから振り返り眺めるお店は、簡素な平屋建て。s-jingoro01.jpg一本気を思わす面構えの入口に小豆色の暖簾と提灯が待ち受けてくれていました。


店内は、うどん屋さんはこうであれ!と思う佇まい。
入口の右脇に麺打ち室。s-jingoro02.jpgそして、同好の士たちでほぼ満席であります。


幸運にも唯一残されていた小上がりのテーブルに着いて、お品書きのウラオモテ。
冷たい、温かい、そば、うどん。
そうか、そばもあるのだね


うどんモードのまま、お品書きのうどん面をじっと睨むと、
冷たい麺に「くるみ」「淡雪」「ごったのら」「むらさき」「きいまカレー」とあって動揺し、温かい麺に至っては、正直何がなんだか判らない。
s-jingoro03.jpgs-jingoro04.jpgs-jingoro05.jpg
だって、「はいから」「忠兵衛」「極楽」「広林坊」「人里」「甚五郎」「宮寺鍋」なんて文字が並んでいるのだもの。
外の陽射しを照らす障子にはその幾つかのメニューを解説が貼られていて、それを見上げつつ、ふんふんなるほどと。
でもね、今日の注文は決まっているンだよねと、お姐さんに告げたのはやっぱり、
「肉汁、ください、大盛りで」です。


どーんという量感でやってきた「肉汁」大盛りの膳。s-jingoro06.jpg


漆塗りの木鉢に盛られたうどんは、意外な程に白い透明感。s-jingoro07.jpgそのまま数本をつるんと啜った印象は、地粉な武蔵野うどんとはやや趣を異にするけれど、加減よくコシとモッチリとが同居した、手練の技を思うもの。


さてと、そのうどんを浸すのは、これまた正統(と思う)武蔵野うどんのつけ汁とは仕立ての違うつけ汁だ。
薄く薄くスライスした豚バラと長葱がくったくたに煮込まれていてかなり脂が強い。s-jingoro08.jpgs-jingoro09.jpgなんだか、牛丼の寸胴の最後のところでうどんを啜っているような(豚だけど)、Con Brio!! さんが云うように、じゃがいも全部食べちゃったあとの肉じゃがの汁のような、そんな感じである。
へー、こうくるかぁと思いつつ、あちこちにつゆを撥ねさせながら、つるちゅる、つるちゅる、だ。


県道青梅所沢線の有名店「神明庵 甚五郎」は、「甚五郎」の本家であるらしい。s-jingoro10.jpg武蔵野うどんらしい「肉汁」を期待していたので、その点では肩透かしだったけど、長年を課題を一歩クリアしたような不思議な満足感でふたたびタクシーに乗る。
近所に住んでいたならばきっと、全品制覇を目指していたに違いないと思って、ニヤリ。
そして、他の「甚五郎」へも行かなくちゃと思いながら再び眺めるお茶畑。
そうそう、甚五郎おっかけのCon Brio!! さんをおっかけなきゃだ(笑)。



「神明庵 甚五郎」 入間市宮寺368-4[Map] 04-2934-2859

column/02947 @1,040-

口さぬきうどん「夏目家」で 讃岐な肉汁つけうどんバクダンうどん

natsumeya.jpgそれは確か初秋の頃。
新聞を広げた時に、一葉の折り込みチラシが目に留りました。
白地に筆文字書体だけを配した、一本気な気配をみせるチラシ。
そこには自信のほどが窺える力強さが宿っていたのです。
開店を告げるそのチラシの主が、
石川台のさぬきうどん「夏目家」でした。


そのうち寄ってみようと思いつつ、気がついたら季節は冬に。


路面電車チックな石川台駅の改札を出て、すぐを右に折れると、その先右手。
「うどん」という文字とともに、ファサードにモザイクをあしらったかのような二階屋がみえてきます。
natsumeya02.jpgnatsumeya01.jpg
手描き風の文字で大きく「うどん」と記した白い暖簾を潜るとそこは、ゆったりした空間のフロア。natsumeya03.jpg天井の高く、古材を巧く使った落ち着ける雰囲気を醸しています。
奥に湯気を上げる厨房の様子が窺えるね。


武蔵野うどんではないけれど、どうもそこから注文みたいと「豚汁つけうどん」。natsumeya04.jpg品書きには「これ たべなきゃ」と何気なく書いてある。


どんぶりに盛られてきたうどんは、つやつやとして、natsumeya05.jpgでも機械づくりっぽいノッペリした表情ではない。


一方、つけ汁は、やや小さめに刻んだ豚バラ肉が浮かぶヤツ。natsumeya06.jpgその豚汁に浸して啜り噛むうどんは、なるほど讃岐流。
むにんっとした量感と歯応えに加えて、どこかうどん自身の仄甘さを残すよう。
その点から考えると、ちょっとつけ汁が甘いかもしれません。


壁には、「夏目家のこだわり」が貼ってあって、例えば、だしには、コクと甘みの出る瀬戸内海産白口煮干しを使っているとある。
うどんには、オーストラリア産の小麦粉を使い、温度管理した熟成庫で寝かせているという。


natsumeya07.jpg温かいうどんもと、別のお昼に「母の味バクダンうどん」。
鶏、豚、豆腐、木耳、玉葱、長葱、玉子に生姜。
それらをよく練って出汁で煮る。
店主のお母さんが、時々鍋一杯に作ってくれるという、がんもどきの変わり版のような「バクダン」がトッピング。natsumeya08.jpg
やっぱり冷たいうどんの方が魅力を発揮してくれるけど、ふむふむこれも悪くないと汁を啜る。
おでんのタネのようでもある「バクダン」がその汁にほろほろっと解けてあたりがなんだか嬉しいぞっと(笑)。


石川台のさぬきうどん店といえばきっと、ここ「夏目家」のこと。natsumeya09.jpg以前は「夏目家ダイニング」と称するお惣菜の店であったらしい。
「にしんの昆布巻きうどん」「穴子の玉子焼きうどん」に「コリアン風上品モツ煮うどん」、豚肉をちょと入れたつくねの「つくねうどん」などなど。
惣菜に対する試行錯誤が、さまざまなうどんバリエーションに活かされているよな、そんな気がします。


「夏目家」 大田区東雪谷2-23-5[Map] 03-3727-0182

column/02941 @780-

口手打ちそば「流石」で つーっと昼酒わさび海苔焼き味噌かけそば

sasuga.jpg銀座辺りのそば屋で昼酒、なんていかがでしょ。
そんな思いつきに、真っ先に頭に浮かんだのが、昭和通りの有名店「流石」。
銘椀「ひやかけ」を器の隅々まで堪能するように啜った覚えはあっても、ここでお酒をいただいたことはまだない。
でも此処なら、そんな乙な所業にも、すんなり応えてくれそうです。


年の瀬も押し迫った頃ゆえ、混み合っていたら困るなぁと心配しながらそろりと階段を降りて店内を覗くと、ちょうどひと組の先客さんたちがお愛想をしているところ。
奥のテーブル席が確保できました。


ちょっとだけ麦酒をお願いして、まず迎えたのが「出し巻き玉子」。sasuga01.jpgふるふると出汁を加減よく含んだ焼き立ての玉子生地を、ほふはふしながらいただくこの至福。
ふ~、ゆるゆる。


セラーのワインやワイングラスの載せた余所のテーブルを横目にしつつ、やっぱお酒だよねと、所望したは鳥取の純米吟醸「鷹勇」。
そこへ、由比から直送された桜海老を使った「桜海老のかき揚げ」。sasuga02.jpgからりと香ばしく、桜海老の風味が軽やかに鼻先を抜けていきます。


品書きの中に「牡蠣の磯部揚げ」なる一節を見つけて、なぜだか色めき立つ(笑)。
ところが、「あ、もう全部出てしまいまして~」と残念なお応え(大泣)。
それでも、それは海苔で包んで揚げたものか、ちくわの磯部揚げみたいに青海苔を溶いた衣にしたものか気に掛かる。
訊けばやっぱり、海苔で包み揚げにした牡蠣だそう。
うーん、時季のうちに出直す機会がないかなぁ。


「わさび海苔」は、海苔の佃煮とおろしたての山葵が寄り添うようにデュエット。sasuga03.jpg甘さにさえ思う山葵の風味が濃ゆい海苔の風味と合わないはずもなく、また「鷹勇」をつーといく。


もういっちょ揚げものをと「ごぼう天」。sasuga04.jpg塩でいく、「成冨」のそれにも近い仕立ての天ぷらは、牛蒡のシャクっとした歯触りとともにチップス的軽快さが愉しめます。


もうちょっと呑んじゃおうかと、これまた蕎麦屋の酒肴の定番「焼き味噌」。sasuga05.jpg杓文字に盛り付けてくれるお店の多いけれど、「流石」では経木状の杉板に載ってやってくる。
そばの実の香ばしさ、自家製だという白味噌の焼けた香ばしさが、まったりと口腔に弾けて、またつーといく。
うんうん、こうでなくっちゃね。


さてさて、おそばはどうしようかとちょっと悩みつつ、シンプルな器がいいよと、
冷たい「ひやかけそば」と温かい「かけそば」を。
「ひやかけ」の器を譲り薦めて、「かけそば」のどんぶりに向き合います。sasuga06.jpgふくよかにしてどこまでも澄んだ出汁と粉の風味をしっかり残す生粉打ちのそば。
比べてしまえば、つゆの魅力も蕎麦の魅力も、冷たい方がより判るような気もするものの、時にはこんな贅沢な「かけそば」を啜るのもいい。


銀座有数の蕎麦店としてすっかり定着した感のある、手打ちそば「流石」。sasuga07.jpg年越しの貼紙がある頃に来れたのもちょっと嬉しい。
一年ほど前に、「流石はなれ」と呼ぶ、そば会席的な店を新富町湊辺りに開いたそうです。


「流石」 中央区銀座1-19-12 理研ビルB1F[Map] 03-3567-0012

column/02925

口煮込みうどん「山本屋総本家」で 玉子入りカレーきしめんズニュっ

sohonke-ningyocho.jpg流石に冷えるようになってきたなぁと思いながら歩く人形町界隈。
と、鮮やかな緑色の暖簾が風に揺れているのが目に留まりました。
なんとなく見覚えのある緑色は、そうそう、名古屋名物味噌煮込みうどんの一方の雄、「山本屋総本家」の暖簾の色だ。
東京初上陸した秋葉原の店も確か、この緑の暖簾だったンじゃないかな。

sohonke-ningyocho01.jpg
ここでもなぜか、「味噌煮込みうどん」と云わず、
「煮込みうどん」と表記したお品書き。
アチラとの差別化なのかなぁなどと勘繰りつつ、目線はその「煮込みうどん」を通り過ぎて、「きしめん」の章へ。
「玉子入りカレーきしめん」に目が止まりました。


壁に向かうカウンターで待っていると、「後ろ通りま~す」という声が聞こえ、「お熱いのでお気をつけください~」という注意喚起とともに、目の前に湯気の土鍋が据えられました。sohonke-ningyocho02.jpg

一見、濃厚赤味噌の鍋にも見えますが、漂う匂いは間違う事なきカレーのそれ。
箸できしめんを掴んで持ち上げようとすると、濃密なカレー汁を纏ったまま、箸からすり抜けようとするヤツがいる。sohonke-ningyocho03.jpgそしてそれが、カレー汁を撥ねさせる。
あ、あぶねぇ~(笑)。
慎重に啜らねばなりません。
ズニュ、ズル、ズニュっ。
素直に紙ナプキンをもらえばいいのだけどね。


カレー汁の塩っ辛さがやや強く、たおやかなきしめんが負けている感じ。
カレーに負けじと出汁の旨味もしっかと感じられるようなカレー汁だったらもっといいのになぁと思いつつ、ここに煮込みうどんの麺を入れたらいいのにとも思う。
きしめんより合うかもしれないし。
でも、一種のこだわりなのでしょうか、品書きにはそんなフレーズは見当たりません。


この夏あたりに開店したという、「山本屋総本家」人形町店。sohonke-ningyocho04.jpg暖簾の右下に「元大須」とあるのは、初代店主が「山本屋」という屋号を買い取って創業したのが、大須の地だからということらしい。
浅草・雷門通りにも出店していて、いつの間にか東京に三店舗を擁することになってます。


口関連記事:
 煮込うどん「山本屋総本家」錦店で一半鍋三河地鶏入煮込玉子入(06年08月)
 味噌煮込みうどん「山本屋総本家」で 親子煮込み東京初出店(04年11月)


「山本屋総本家」人形町店 中央区日本橋掘留町1-8-4 [Map] 03-5641-4448 http://yamamotoya.co.jp/

column/02908 @1,050-

口手打ちつけうどん「めんこや」で 肉汁うどんは武蔵野うどん派生形

menkoya.jpg幡ヶ谷にも武蔵野うどん系統と思われる手打ちうどん店があるという。
新線の階段を上がり甲州街道に佇んで、
首都高の高架を見上げる。
その足元に「カンパイ生ビール30円」とする看板menkoya01.jpgが立て掛けてある。
そのまま右手を振り向いて目を凝らすと、
その先の路上に「手打ちうどん」と書かれた木目の看板が見つかりました。
手打ちつけうどんの店「めんこや」は、云わば、幡ヶ谷の駅上にあるんだ。

menkoya02.jpg
円に"め"と書かれた硝子戸に手を掛けると、その右手で麺を打つ姿が目に留まる。
麺打ち場が通りに面して硝子張りになっているお店は少なくないけど、打ってる様子が覗ければ、ほうほうとか云いながら、そのお店に吸い寄せられてしまうこともあるよね(笑)。


menkoya03.jpgおひとりさまは、左手のカウンターへ。
つけ汁に茹で玉子を浮かべた「ぶったまうどん」とか、桜エビ・小エビの天ぷら載せの「エビ汁うどん」、ピリ辛肉味噌を和える「ピリ味噌うどん」「辛肉うどん」などなど、ラインナップはあれこれ。


でもやっぱり、注文むのは「肉汁うどん」大盛りであります。
「桜エビのあげ玉」を追加することもできるけど、それも我慢のデフォルトでいただきたい。


30円のカンパイビールを一気に呑んで待つひと時。
つけ汁に続いて、うどんの器がやってきました。menkoya04.jpg
つけ汁に葱と一緒に浮かんでいるのは、武蔵野うどんお約束の薄切りバラ肉ではなくて、東坡肉のスライスという風情。
10時間煮込んだトロトロ肉、という謳い文句は、まさに煮豚であることを示しているね。
オリジナリティ含みで仕立てたい気持ちは判らなくはないものの、できれば薄切りバラ肉仕様であって欲しい。
ま、そんなこと思うのは極々少数派なのかもしれないけどね。


茹でたてシメたてと思しきうどんは、艶々として美しい純白。menkoya05.jpg太さや捩れからくる躍動感はなかなかも、見た目の表情からは地粉っぽさが窺えません。


つけ汁にトプと浸して一気に啜る。menkoya06.jpgつるつると滑らかに口元を過ぎた後、噛めばムチムチっとした弾力と歯切れ。
讃岐のコシとはまた違う個性ではあるものの、これは武蔵野うどんのキャラともまた違う。
ま、それはそれとして、適度につけ汁を絡ませながら、しなやかに逞しい量感を伝えてくれるあたりがなかなかニクイ。

たまたま運びこまれた粉袋は、日清製粉の「金すずらん」。
その「金すずらん」だけではなくて、他の粉もブレンドしているのかな。


武蔵野うどんから派生して独自世界に及んだ、手打ちつけうどんの店「めんこや」。menkoya07.jpg川越にあるという、元祖武蔵野うどん「めんこや 本店」との関係や如何に。


「めんこや」 渋谷区幡ヶ谷1-2-7 松井ビル1F [Map] 03-3320-4455  http://accele.cool.ne.jp/menkoya/

column/02892 @920-

口手打ちうどん「皐月庵」で 鼻腔擽るスパイス透明感ツルシコうどん

satuskian.jpg大阪地下鉄千日前線から谷町九丁目を降りる。
地上へ上がると、近鉄・上本町駅のビルが交差点の向こうに見える、そんなロケーション。
千日前通りから離れて大阪城の方向へと北進すると、難波、日本橋の隣町であるというのに、あっという間にひと影が疎らになる。
妙に静かで、飲食店が盛業する雰囲気ではないなぁとやや不安になりながらさらに進む。
ここら辺りと周囲を見回すと、セットバックした建物の前に白い暖簾が揺れています。
そこが、手打ちうどんの店「皐月庵」だ。


うどん屋さんにしては、どこか静謐な印象のカウンター。
硝子越しの外に面して、麺打ち場がある。

satuskian01.jpg
手元の品書きと板壁の貼紙たちを交互に見比べて。
「皐月庵」はカレーうどんにも名があるそうので、まずはその基本形「カレーうどん」からお願いしてみたい。
細かく気を使っては、忙しなく動くオバチャンが奥の厨房に注文を通してくれ、それに応えるやや野太い声がこの店の主だ。


厨房の方から弾けたスパイスの飛沫が圧し流れてくるようにして鼻腔を擽る。
それを追い掛けるようにして、湯気を上げたドンブリがやってきました。satuskian02.jpg


揚げが横たわり、玉葱のスライスや人参の千切りがトッピング。
蓮華でスープを啜ると、とろんとした中にさっき嗅いだ香りを確かめるように直接愉しむノリになる。
satuskian03.jpgsatuskian04.jpg
妙に辛い訳ではなくて、でもフツフツとじわじわとスパイスの波が寄せてくる。
辛いヤツを所望される方は、対価をちょっと足して、辛口、激辛、超辛、極辛の注文をすればよい。


そんなカレーを纏ううどんは、透明感のあるツルシコ麺。satuskian05.jpgコシの強さを強調するでもなく、でも柔なヤツとは一緒にして欲しくない、そんな感じ。
大阪うどんの有名どころ「釜たけ」はやや剛のイメージがあるのに対して、
こちらは太さも細目で嫋やかだ。
国産100%の小麦を、海水とほぼ同じ成分をもつという麺専用塩「46億年」を使って打つと云う。
品書きに示された「こだわりと素材」には、加減よく生地を捏ね、プレスするための基準値を見極めてあり、季節に左右されずに適切な熟成を果たすため測定器で塩分濃度をチェックし、自動的に温度調節のできる「恒温庫」で温度と時間の管理をしているという。
年季で磨きをかけた腕っ節で勝負してます的にも映るお店やご主人の風貌からは少々趣を異にする(失礼)、一種科学的な研究の成果を裏付けとしたうどんなんだ。


日を改めての谷町九丁目。
この日の目的は、ありそでなさそな一品「釜玉カレーうどん」です。


釜玉うどんは、ポピュラーであるけど、そこにカレーと名が付くうどん。
オバチャンが「食べたことありましたっけ?」と訊くのは、ドンブリ出してから初めて誤解に気づくような事態は避けたいからなのでしょう。
「食べたことはないけど、知ってます~」と応えて、茹で上がりを待ちます。


やってきたのは、釜上げしたうどんの真ん中に生玉子をのっけたうどん。satuskian06.jpgsatuskian07.jpg「皐月庵」ならではの変化球なのは、そこへカレーの粉末がトッピングされていること。
オバチャン曰く、「よーく掻き混ぜてから醤油を垂らして、ね」。


仰せの通り掻き混ぜて、醤油を垂らす。
混ぜが足りないとどこか風味が足りなくて、改めて底の方から天地返しするように混ぜ込むと、途端に旨みとスパイシーを明確に発揮し始める。satuskian08.jpg軽快でエッジの利いた香りの堪能は、市販カレールーではなし得ない、そんな気がしてくる。
20種以上のスパイスをホールのままじっくり焙煎し長期熟成、オリジナルな配合をしたのもだそう。
これで作ったドライカレーが喰いたい、そんな感じ。


谷町九丁目に「皐月庵」あり。satuskian09.jpgその「皐月庵」には、もうひとつ気になる器がある。
1日の限定数、たった7玉という麺を使う「中華そば」「中華つけ麺」。
盗み見した、そのドンブリは素朴な雰囲気のものだったけど、きっとうどん打ちに培った細やかな手練がそこにも発揮されていそうな気がするんだ。


口関連記事:讃岐手打ち「釜たけうどん」で ちく玉ぶっかけ温いヤツの出色(09年05月)


「皐月庵」 大阪市中央区東平1-4-5 ライオンズマンション1F [Map] 06-6762-1468

column/02886 @700-

口武蔵野うどん「茂七」で 肉汁うどんその剛性と量感のアルデンテ

moshichi.jpg東大和市という行政が、都下の一角にある。
そう認識はしていても、それはどこ?と訊かれると、小平の向こうというか、多摩湖のむこうというか。
そして、西武線に「東大和市」という駅がある。
そのことに初めて向き合うことになったのは、東大和市駅を最寄りとする武蔵野うどんの店があると聞いたから。
新宿線から拝島線に直通する電車に乗り込みました。

初めて降りる、東大和市駅。
駅前を通る緑道のすぐ脇にあるのが、東京で唯一、芥子の花がみられるという都立薬用植物園。
その壁に沿って南に下った先にあるのが、武蔵野うどん「茂七」です。


L字のカウンターが開けっ広げな厨房を囲む、潔い印象の店内に釜の湯気が立つ。
飄々としながら可愛らしい愛想のオバチャンが迎え、その背中でちょっぴり気むずかしそうなオヤジサンがうどんをシメています。


品書きmoshichi01.jpgも潔くって、「肉汁かけうどん」「かけうどん」と「肉汁うどん」「もりうどん」の4品のみ。
武蔵野うどんの目線からいけば、おのずと「肉汁うどん」でということになります。
大盛りでお願いしました。


moshichi02.jpg
オバチャンからお盆を受け取ってまずびっくりなのが、その麺の太さ。
世に矢鱈太っというどんはあれこれあるだろうけど、武蔵野うどんの系統で、こんだけ太いのは今のところ他に知らない。moshichi03.jpgほえ~と思いながら、割り箸でひっ掴むと、その剛性と量感にたじろぐくらい。
数本の束を啜るというよりは、一本をしっかり挟んで、もぐもぐモグモグする感じになる。moshichi04.jpg


つけ汁は勿論、豚肉の浮かぶヤツ。
バラ肉というよりはロースに近い部位なのか、脂控えめながら葱もたっぷり浮かんで悪くない。
moshichi05.jpgそこへ、鷲掴みした掌で絞った雰囲気の山盛り大根おろしやおろし生姜を適宜ぶち込んでさらに、もぐもぐモグモグ。
入れ放題の揚げ玉を使っちゃう手もあるぞ。


いやぁ、それにしも噛み応えのあるうどんであります。
1cmを越えようかという幅のうどんの断面をみるとこれが、ごっついアルデンテ。moshichi06.jpg透明を帯びない、粉の凝縮が明らかにあって、なるほど、啜るに適わない麺の力強さの源は、ここにある。
味噌煮込みうどんの手強さに量感を加えた感じ、といえば伝わるでしょうか。


柔らかく湯掻いた、所謂「糧」を挟みつつ、大根おろしをさらにつけ汁に投入しつつ、食べ進む。
ふう、オバチャン、なかなかに満腹になったよー、ご馳走さまー。
するとオバチャン、「梅干し、食べてって」。
それが、すっごく塩辛いのでありました(笑)。


朱のうどん鉢の底に名を示す、東大和の武蔵野うどん「茂七」。moshichi07.jpgボクが思う"武蔵野うどん"と比べると、「茂七」のうどんは異端にあるということになる。
でも、ふと思い出して足を向けたいと思うこともありそう。
あのオヤジさんが、茂七さんなのかなぁ。


「茂七」 小平市小川町1-406-3 グリューネワルト1-C [Map] 080-3471-1385

column/02862 @800-

口祇をん「萬屋」で ねぎうどんえびな青々九条ねぎのシャク甘さ

yorozuya.jpg四条通りから縄手通りの筋を下って、
一本目を左に折れる。
クランクしながらそのまま行けば、
花見小路へと至る裏道。
その裏道にひっそりと佇むのが、祇をん「萬屋」です。
休日は不定休で、早仕舞いすることもあるのか、この店に何度フラレたことか。
呑んだ仕上げにいいに違いないと踏んで、そんな時刻に足を運ぶと既に灯りが落ちていたり、お昼に啜ろうと思って勇んで行ったら休日だったり。


やっと念願叶って、テーブルのひと。
壁一面に飾られている団扇には、祇園の芸舞妓たちのものと思しき名前が朱で刷られていて、反対側の壁には、「引祝い」と書かれた三角の紙が集うように整然と貼り留められています。
yorozuya01.jpgyorozuya02.jpg
引祝いというのは、芸妓を引退する時の挨拶廻りに配るものだそう。
芸鼓さん舞妓さんが贔屓にしているお店としての風情がしっかりと飾られているね。


yorozuya05.jpgさてさて、「萬屋」といえば「ねぎうどん」。
「ねぎうどん」には幾つか種類があって、油揚げ入りのものを「えびな」と呼びyorozuya03.jpg、おぼろ昆布入りが「よしおか」、とり肉入りが「つのだ」だ。


お願いしていた「ねぎうどん えびな」のどんぶりがやってきました。yorozuya04.jpgハキハキと小気味いい応対をしてくれるオバチャンが「生姜のってますから」と言葉を添えてくれる。
おろし生姜を解いて召し上がれ、ってことなのでしょう。

まずは蓮華で甘汁をひと啜り。
うむうむ。
箸の先で払うようにおろし生姜を鏤めて、ドンブリの底の方からうどんを引き揚げて啜ります。
細面のうどんは、噛み応えも柔らか。
yorozuya06.jpgyorozuya07.jpg
シャクっとしながら、独得の甘みをもつ九条ねぎの青々と一緒にまたひと啜り。
うどんよりも葱のボリュームの方が多いのでは?なくらいのたっぷりとした九条ねぎが嬉しい限り。
女性陣にもバッチリとウケそうな、そんなうどんでありますね。


祇園町南側の裏道で、はんなりしたひとときを九条ねぎのうどんと過ごせる「萬屋」。yorozuya08.jpg食べてみてやっぱり、呑んだ仕上げの一杯にもまた相応しい。
21時半がラストオーダーのようですよ。


「萬屋」 京都市東山区花見小路四条下ル二筋目西入ル小松町555-1 [Map] 075-551-3409

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口地粉つけうどん「福福」で辛味みそやつけカレーでもやはり肉つけ

fukufuku2.jpg武蔵野うどんをこんなに身近な場所で啜れる!ってことでいつもお世話になっている「福福」。
バール的かつ港屋的ソバの店「アマンシオ」は、路地を挟んでお隣さんだ。
丁寧な接客のおばちゃんふたりに迎えられて注文むのは大概「肉つけ」。
店内の様子を聞いていても、7割り方は「肉つけ」みたい。
皆さん、分かっていらっしゃる(笑)。

たまにはちょっと、趣向を変えてみようかとお願いしたのが、冷やしうどん「辛味みそひき肉」。fukufuku2_01.jpg云わば、ジャージャー麺のうどん版といったところでしょうか。
平皿に盛りつけた田舎うどんに胡瓜の千切りをあしらって、その真ん中にピリ辛味噌に仕立てた挽肉あんがトッピング。
たっぷりの薬味と一緒にぐにぐにと混ぜては、音を立てて啜ります。
fukufuku2_02.jpgfukufuku2_03.jpg
うんうん、ほの辛い味噌のまったりが絡んでズルい感じになってくる。
そこへ胡瓜のシャキシャキがリズムを生んでくる。
でも、折角の地粉の風味は頭を引っ込めちゃってることになる。


帰り際、温かい「カレーうどん」はあるfukufuku2_04.jpgけど、冷たい「つけカレー」はできないのですかとオバちゃんに訊くと、右手を口元に添えて、大きな声じゃ云えませんが的雰囲気で「できます~」と仰る。

ならばと間を置かず出掛けた、雨のそぼ降る日。
「つけカレー、お願いしたいンですけど~」「あ、あ、はい~」とウインク(はしていない、笑)。


fukufuku2_05.jpgとろみの強いつけカレー汁に量感逞しいうどんをどぶんと漬けて、跳ねないように気遣いながらも、ズズと啜る。
やや塩っ辛いカレー汁に噛み応えで応じる、田舎武蔵野うどん。
うむむ、うむむと唸っているうちに、あ、なくなっちゃった。
お約束の如く、茶碗小盛りのサービスご飯を残りのカレー汁に投入して、掻き込めば、思わずお腹を叩きたくなる満腹満足。


だけどやっぱり、武蔵野うどんは、これでなくっちゃと連チャンかましにやってきた。
オバちゃんに告げるは、「肉つけ大盛りで、ご飯なしで」。

届いたお皿に思わず、おお、っと小さく呟いてしまう。fukufuku2_07.jpgイワユル、5Lくらいのボリュームはありそうだ。


逞しくうねる地粉うどんをまさにムンズとひっ掴む。粉は上州のものを使っているという。
fukufuku2_06.jpgfukufuku2_09.jpg
そのうどんを堂々と迎えるは、ばら肉の浮かぶつけ汁。


噛み応えとともに粉の風味がぶわわんとし、そこにばら肉の脂の甘さと汁の出汁の旨味が相乗威力を発揮する。
fukufuku2_08.jpgfukufuku2_10.jpg
うん!と膝を打つ気分のまま、口の廻りに汁の飛ぶのも気にせずに、
ずずずとぶわわんを繰り返します。
こうでなくっちゃなぁ(笑)。


なぜか八丁堀で営む地粉つけうどんの店、「福福」。fukufuku2_11.jpg得られそうで意外に得にくい望郷の味にこんな身近で浸れることの幸せに、改めて感謝であります。


口関連記事:ソバール「アマンシオ」で 冷たい汁の肉そば温か汁で鶏そば(09年04月)


「福福」 中央区八丁堀3-11-8 [Map] 03-3553-2929

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口手打ちうどんそば「甚五郎」で糧うどんに知る武蔵野うどん繊細版

jingoro.jpg花小金井駅を南口から出て、小金井街道に出る。
今年一番の暑さの中、そのまま小金井カントリー方向へ南下すると、鑑賞鯉のお店の向こうに看板が見えてきた。
手打ちうどん、そば「甚五郎」。
郊外の、そして街道沿いのお店らしく駐車場を広く備え、
それなりの容量のハコだとその外観が示しています。
およそゆったりとテーブルを配した店内。
左手の小上がりの座布団に座り込んで、早速品書きを眺めます。

炎天を歩いてきた勢いで、「ビール!」と叫びたい気分をぐっと堪えて(笑)。
ところが、武蔵野うどんだったらやっぱり「肉つけ」系統だよねと決め込んでいるのに、パウチしたランチメニュー二枚の裏表にそれに該当するようなモノが見当たらない。

あれあれ、と思いながら綴じてある方の品書きを取り出して、そっちも捲る。
んー、ここにもないかぁ(落胆頭垂)。

それならどうする、と改めて品書きを眺めると、「糧」という文字が目に留まる。
以前「エン座」の「糧もり」で出会ったことのあるキーワードだ。


その「糧(かて)もりうどん」をお願いしましょう。
と、急にどこからかモノタリナイかもよーとの声が聞こえてきて(笑)、慌てて「野菜天ぷら盛り合わせ」を追加します。jingoro01.jpg


天ぷらが先に届くと、ますますビールへとイキたくなるよなぁと苦笑しているところへ、うどんの膳がやってきました。jingoro02.jpg

おかあさんが「糧のお野菜もツユにつけて召し上がって」とひと言。
うんと頷いて、早速箸を割ります。
此処でいう「糧」というのは、野菜を味付けせず湯掻いたもの。
素うどんではなんなので、畑の恵で栄養を摂ってよ、なんてことなのかな。


湯掻いて水で〆たばかりなのがその表情からよく伝わる艶めかしさ。jingoro03.jpg薬味をさっと入れ、うどんを浸し、ずーーっと一気に啜る。

太さ量感、そして粉の風味ともに意外なほどに繊細で、野生的な顔つきが本懐ともいえる武蔵野うどんの中では異端かもしれない、そんなうどんだ。
だけれど、讃岐のそれとも違う魅力を孕んでいて、透明感のある粉のコク、とでも云いましょうか。
jingoro04.jpgjingoro05.jpg
加減よく丁寧に湯掻いた、茄子、大根、菠薐草、人参、白菜といった瑞々しい野菜たちも今日の糧になるのですね。


小平の手打ちうどん・そばの店「甚五郎」。jingoro06.jpgできればうどん専門店であって欲しい、というのは勝手な思い込み(笑)。
手打ちそばうどん、でなく、手打ちうどんそば、であるところにきっと意図はあるのでしょう。


関連あるや否やは別にして、武蔵野あちこちの「甚五郎」については、「Con Brio!!」に詳しいぞ。


口関連記事:武蔵野本手打うどん房「エン座」で むほほーの季節の霙糧もり(07年10月)


「甚五郎」 小平市鈴木町2-865-8 [Map] 042-385-8551

column/02824 @1,800-

口讃岐饂飩「恩家」で 90分後のひやかけ旨い出汁遜色ないうどん

onya.jpg学芸大学駅の東口。
その先の路地には、学大十字街という名前がついているらしい。
実のその小路へ行くのはこれで三回目。
さぬきうどんが旨いと評判の「恩家」を訪ねるも、空席待ちの列にびっくりしてそのままスールしたのが一回目。
やっぱり行列しているのを確認して、間を置いてと所用を済ませてからもう一度行ったら、「本日終了」の札に直面したのが二回目。
今日は一丁、並んでみてやろうとやってきたのです。


到着は、正午ジャスト。
空席待ちの最後尾につくとそこは、お隣のアパートの一番端の窓の前。
雨上がりの太陽がじりじりと後頭部を焼いて、路面からの湿気が蒸してくる。

ラーメン屋だったら特別珍しくもないけどなぁと思うものの、東京のうどん店に今まで並んだ憶えはほとんどない。
そう云えば、神保町の「丸香」には並んだっけな、などと回想しつつ、「散歩の達人」の読書タイム。


ところがこれが、恐ろしいほどに進まない。
10分過ぎて一歩進む、そんなテンポで太陽じりじりに晒されて。
連れを横から列に引き込む輩が何組もいるものだから、段々イラっとしてくる(笑)。
んー、それにしても進みが遅い。
硝子越しに覗くと、小さな子供連れと夫婦らしきカップルがとっくに食べ終えているのに、のんきに駄弁っているではないの。
行列に気を遣うような気概ないのかなぁと再びイラっとしていると、さらにびっくりすることが起きた。
「いやいや、仲間が先に中で待ってるのー」と手刀を切るようにしながら暖簾に直行する女ふたり組。
通る声の主は、あの久本雅美とその妹だ。
おいおい、並べっつーの(怒)。
onya02.jpg随分並んでいたのに、途中で「本日終了」の足切りされちゃって、泣く泣く帰っていったお客さんもあるのというのに、芸能人は特別扱いとはお店も配慮が足りないよなー。


onya01.jpg空席待ちのひと達にひと言声を掛けるでもなく店を後にするマチャミ御一行を見送ったところで、「お待たせしましたー」とお母さんから声が掛かりました。
ふー、やっとだーと時計を見ると、なんと1時35分。
1時間半も並んでしまったのね。


全然そんなつもりじゃなかったのに、席に着きながら、「ビール」と告げる。
これが呑まずにいられましょうか(笑)。
後ろで空席を待っていた数組のお客さんに心中で詫びつつ、キューっと呷るビール。
ふう、とひと心地。


品書きonya03.jpgonya04.jpgの「冷たいうどん」の章には、「ひやかけ」「ざる」「ぶっかけ」「醤油」「明太ぶっかけ」の五種がある。
「ぶっかけ」と「醤油」の違いが判らなくて、お母さんに「醤油は生醤油でぶっかけは出汁醤油?」と訊いてみた。
すると、どちらも出汁醤油だけど、それぞれにちょと違う、と云う。
んー。
ま、いっか、と「ひやかけ」をお願いして、ビールにあてにもと天ぷらを添えてもらう。onya05.jpg


「ひやかけ」の出汁は、正直旨い。onya06.jpg一方、その汁に浸ったうどんそのものは讃岐にしては細身で、
たっぷりとした量感のあるコシは、ない。
口滑りは艶かしくあれど、まぁ、普通に遜色なくいただけます、ってところか。onya08.jpgちょっと拍子抜けして、このうどんのためにイラっとしながら1時間半も炎天下並んだのかと複雑な気持ちに包まれる。
んー。


onya09.jpg
試しに卓上にあった醤油注しを小皿にとって舐めてみると、なるほど出汁醤油で、なかなかに塩辛い。
こっちの方がうどんの魅力が真っ直ぐ伝わるのかもね。
でももう、また再び並ぶことは想像し難いのが切ないなぁ。


お母さんはじめ、スタッフのひと当たりの柔らかさが救いの讃岐饂飩「恩家」。onya10.jpg忙しなくて落ち着かない店にはしたくないのだろうけど、是非如何に回転をよくするかについても工夫を凝らしてほしいなぁと思います。


「恩家」 目黒区鷹番2-20-19 [Map] 03-3793-3722

column/02821 @1,600-

口ころうどん「でら打ち」で もつ煮込み豚もやしポン酢鶏団子八丁鍋

derauchi3.jpg割りとお昼に伺うことの多い、旗の台「でら打ち」。
その度に眺めるお品書きの冒頭部分にある、
酒のつまみ系メニューderauchi3_01.jpgが気になっていました。
時には満席ギリギリになるお昼どきに比べて、
夜の「でら打ち」はおよそゆったり。
今夜は、「でら打ち」のお酒のお供を紐解いてみましょう。

ビール中瓶をいただいて、まずはやっぱり「もつ煮込み」。derauchi3_02.jpgなるほどの味噌仕立てではあるのだけど、八丁味噌でグイグイでは全くなくて、白味噌に思う甘さのような風味が基調になっている。
そしてなにより、旨い。
さらりとすっきりした汁の中に濁りのない旨味がしっかとある。
んー、ここに開花楼の麺を入れて、啜ってみたーい(笑)。


「ブロッコリーの明太マヨネーズ」は、一見おウチでもできそうなお総菜的サイドメニュー。
でも、シャキッと茹でたブロッコリーに合わせたマヨネーズソースになんだかセンスを感じる仕立て。
derauchi3_03.jpgderauchi3_04.jpg
「豚もやしポン酢」はというと、淡い色合いの汁で炊いた豚バラ肉とモヤシをポン酢にちょんとつけていただくモノ。
豚肉の甘さ、モヤシの甘さポン酢が描く輪郭に引き立てられて、何気ないけど箸が止まらない。
ビールと交互に、ね。


これも夜のみメニューな「鶏団子の八丁鍋」。
八丁味噌の本領を鶏ツミレの小鍋でいただいちゃおうってな趣向であります。
derauchi3_05.jpgderauchi3_06.jpg
くどさなんかなく、仄かな酸味を含むような八丁味噌の風味が、お揚げや鶏団子に沁みて沁みて。
ハフハフしながら、ビールをクッと。


derauchi3_07.jpg
そして〆にと、うどんを物色。
涼しい夜には、「きつねうどん」なんて手もあるけれど、「でら打ち」の本懐は、「ころうどん」と「カレーうどん」。
そうそう、冷たいうどんと温かいカレーの「冷やあつカレー」もまた乙なもの。
derauchi3_08.jpgderauchi3_09.jpg
冷水にシメて適度に量感を湛えたうどんにトロンとしたほのスパイシーなカレーがたっぷりと絡む。
いつものように「ころうどん」のたまり系の醤油を垂らしたい気もするものの、これはこれで文句なし。
ふー、満足ぅ(笑)。


うどん前にちょっと一杯呑る手もあるよの、手打ちうどん「でら打ち」。derauchi3_10.jpg
夜に来る機会も増えそうです。


口関連記事:
  ころうどん「でら打ち」で 梅干しめかぶズズズ肉とろろズズズズズ(08年09月)
  ころうどん「でら打ち」で ころセットハーフ堪能の仕方と釜揚うどん(07年05月)


「でら打ち」 品川区旗の台2-7-3 [Map] 03-3787-0591

column/00028 reprise03 @2,250-

口信州戸隠そば「百々亭」で 一寸一杯おろし浅間にざる戸隠に

momotei.jpg長原~旗の台界隈で、蕎麦屋といえば思い浮かぶのは、長原駅前にあって残念ながらなくなってしまった「ちしま」か、中原街道沿い「長寿庵」か、旗の台駅裏の「笛家」か。
そしてもう一軒が、こちら「百々亭」。
江戸流のそばではなくて、信州戸隠そばを謳っています。
以前より、ちょこちょこお世話になってるんだ。

momotei01.jpg一寸一杯と生ビールをたのむと、突き出しに出てくるのが、そばせんべい。
ポリポリと素朴で軽快な口触り。

ひとまずその揚げたそばを齧りながら眺める品書きは、どうだとばかりに筆文字が迫る。
酒肴の品揃えもあれこれとバラエティがあって、例えば焼きものの中から選ぶ「うずらピョコピョコ焼」一串180円を二本ほど貰って、小さな玉子一個を口にしてはビールをくいっとして、また次の玉子でぐいっとする(笑)。momotei02.jpg燻製玉子のうずら版のような香ばしさがいいンだ。


そばを使ったつまみも幾つかあって、
「そば豆腐」は豆腐とそばがきと豆乳プリンの間にあるよな一品。
田楽風にタレが載せてあって、胡麻をふって。これはまぁ、ふ~ん、って感じ(笑)。
momotei03.jpgmomotei04.jpg
「そばコロッケ」ってのもあって、それは一見するに普通のコロッケ。
箸の先を割り入れると、中はやや鴬色がかったそばペースト。
もっちりまったりした、ちょっと不思議なコロッケなのです。


焼酎呑むなら、名物「そば湯割」かな。


さて、「百々亭」のおそばというと、品書きmomotei05.jpgには「戸隠」「真田」「小布施」「信濃路」「田毎」などといった信州の地名などに因んだざる・かけに「鴨葱」「天婦羅」「山菜」などが織り込まれています。


例えば、揚げ茄子を頂いた冷やかけの「茄子」。
時には、大根おろしを山頂の雪に擬えているという「浅間」という手もある。momotei06.jpg


momotei07.jpgでもまぁ、素直に基本形の「戸隠」をざるでいただくのがよろしいようで。
ぼっち盛りと呼ぶ盛り付けをした笊から、盛り付けのままのひと束をつゆに浸して一気に啜る。momotei08.jpgズ、ズズ、ズズズー。
つゆの甘さやほのかに残るエグみがちょっぴり気になるものの、
そばそのものの喉越し風味は悪くない。
うんうんと頷いて、ズズ、ズズズー。


ちょいと信州に小旅行しちゃってる気分が味わえるかも、の戸隠そば「百々亭」。momotei09.jpg外気が気持ちいい時季には、店先のテーブルで冷たいお酒をやっつけるのも、きっとオツなんだな。
大井町のお店については、ゆきむらさんのレポートでどうぞ。


口関連記事:
  手打ち蕎麦「ちしま」で おろし生姜がなんともオツなかきたまそば(06年06月)
  総本家「長寿庵 くり田」で 有頭海老の天もり長寿庵の潮流(07年09月)
  手打蕎麦「笛家」で 曇りなき牡蠣の魅力蕎麦打つ音を聴き乍ら(09年02月)


「百々亭」旗の台本店 品川区西中延2-15-19 [Map] 03-3783-0801

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口手打ちうどん「きくや」で これぞ武蔵野うどんぬはははスルンと3L

kikuya.jpg西武多摩湖線の武蔵大和駅と八坂駅の間の踏切近く。
ここも武蔵野うどんの聖地のひとつと知りながら、足廻りの具合もあって参拝することができていませんでした。
車を線路脇の駐車場に停めて、いざいざ。
群青の幟の向こうに、潔い白の暖簾が揺れています。

食べ終えて満足そうな表情のお客さんと入れ替わるように店内に入ると、カウンターの真ん中に一席だけ空いていて、そこいいですとオバチャンに目配せすると、どうぞどうぞと柔らかな笑顔で迎えてくれます。
kikuya01.jpg
見上げるとそこに黄色い品札が貼り下げられていて、
「LL」とか「4L」「5L」といった記号たち。
武蔵野うどんのお店はこうでなくっちゃねぇ~をほくそ笑む。
控えめに、「3Lミックス」をお願いしました。


kikuya02.jpgつけ汁にぬらぬらと脂が浮かんでいるのを見ては、こうでなくっちゃと心の中で膝を打つ(笑)。
おろし生姜と葱の薬味をつけ汁に投入して、刻み海苔と一緒にむんずとうどんを掴んで汁に浸して、一気に啜る!
kikuya03.jpgkikuya04.jpg
ぬはははははー。
またまた、こうでなくっちゃと頷いて、掻き揚げにも手を伸ばす。
うどんそのものは、讃岐のヒトが啜ったならば、なんじゃこりゃと驚きそうなノット・アルデンテ。
コシや滑らかさには特段関心のないところが、武蔵野うどんの真骨頂なのであります。
ちょっとクタっとしたノリで、ほんのり飴色の粉の滋味を素朴に真っ直ぐに愉しむ。
kikuya05.jpg
それは、是か非かではない。
武蔵野うどんとはそういうもんだ、と是非ご理解いただきたい(笑)。


3Lは、スルンと。
5Lでも良かったなぁ。


武蔵野うどんの正統派、「きくや」の廻田町店。kikuya06.jpg近くにないのが、とっても残念です(笑)。


口関連記事:手打うどん「涼太郎」所沢店で 特製かまだし4L肉汁武蔵野うどん(06年02月)


「きくや」廻田町店 東村山市廻田町2-12-11 [Map] 0423-94-9141

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口讃岐手打ち「釜たけうどん」で ちく玉ぶっかけ温いヤツの出色

kamatake.jpg「肉吸い」の「千とせ」や洋食「しき浪」を思い浮かべる、
千日前の道具屋筋界隈。
讃岐で修行し、そこへ大阪うどんのエッセンスを融合し、感性の求めるがままに進化させている天晴れなうどん店があるという。
グランド花月の前を通り過ぎたその先辺り。
極普通の町場のうどん店な風貌がまた、いい。

入れ込み状態の店内。
人数を訊かれ、そのまま奥のテーブルで相席となりました。


kamatake01.jpgその間でも耳に入ってくるのは、「ちく玉天ぶっかけ」というオーダーの声。
どうやら、それがダントツ人気の一杯のようです。
おねえさんに「同じく、ちく玉天ぶっかけ、温いヤツ」と告げます。


茹で上げとのタイミングにより若干時間がかかるのはむしろ当然のこと。
壁に貼られた芸人・芸能人の色紙をぼんやり眺めながら、ドンブリの到着を待ちます。
待っている客には、「あと2分ほどかかりますので、お待ちくださーい」とおねえさん。
忙しい中でそんな気遣い、プチ嬉しいじゃありませんか(笑)。


「はーい、ちく玉天ぶっかけ、でーす」。kamatake02.jpg届けてくれたドンブリには、20cmはゆうに越える長さのちくわ天ぷらと玉子の天ぷら。
檸檬の半月切りが添えられています。kamatake03.jpg

テーブルの天かすをちょっとのせてから、おろし生姜を鏤めるように混ぜ回し、いざいざ。
ひと廻りふた廻り太い印象の麺には量感があって、柔そうでいて力強さがある。
讃岐に思う明快なコシつきとは違う、妖艶なプルフルがいい。
kamatake04.jpgkamatake05.jpg
エロ旨いとはこのことか(笑)。
といって、しつこいかというとそんなことはなくて、とろけるようにあっけなく喉元を過ぎていく。
オヤジ、やるなぁ。

玉子の天ぷらを火傷しないようにそっと齧ると、あっけなく黄身が零れ出る。
天ぷらにしているのに中は半熟というのは、それなりの手管があるのだろうね。
レア気味に茹でておいた半熟玉子をさーっと揚げる感じかな。


道具屋筋で才気煥発「釜たけうどん」。kamatake06.jpg
瀬戸内を渡り、大阪に土着した讃岐うどん店も少なくない中での、出色を思います。


口関連記事:
  うどん肉吸い「千とせ」で 肉吸いと玉子かけご飯これはいい(07年07月)
  グリル「しき浪」で 特製ランチはチャプスハンバーグ大海老フライ(08年06月)


「釜たけうどん」 大阪市中央区難波千日前4-20 せんだビル1F [Map] 06-6645-1330 http://kamatakeudon.kt.fc2.com/

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