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ただいま鋭意、旧サイトより記事移築中です。
2005年03月まで遡って移築が済みました。
でもまだまだ3合目くらい。頑張れ自分(汗)。


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口割烹「多賀山」で カキフライ定食路地裏割烹ひるどきの熱気

tagayama.jpg日本橋といっても、中央通り沿いとはガラッと雰囲気の違う本町あたり。
頭上に首都高上野線を載せた、昭和通りから路地に入り込む。
脇に停めたバイクの荷台には、ハッポーが括り付けられていて、これがきっと河岸への足なんだろなと思わせる。
今日はそのバイクを前にした割烹「多賀山」でおひるどき、です。

店内は既にほぼ満席で、ちょっと熱気を帯びた空気。
二階も一杯の様子の中、運よくカウンターの一番奥へと誘われました。
隣のおっちゃんに肘があたりそうな密集感にちょっと身を縮めながら腰を据えました。


オーダーは勿論、牡蠣フライ。「カキフライ定食」をお願いします。


小皿に鮪の赤身と鯵のお刺身。tagayama01.jpgそれだけで、なんだか贅沢なお膳の見栄えのする。


そして、フライ5つは、しっかりした揚げ色。tagayama02.jpg大きめ粒子のパン粉を使っています。


檸檬を絞って、火傷しないようにそっとひと齧り。tagayama03.jpg軽い衣と味わいに芯のある牡蠣の身の共演をただただ素直に愉しむように。
夜メニューとして貼られている品札には、岩手産生カキとあるので、このフライの牡蠣も同じ岩手産なのでしょう。
旨いもんは、あっという間に食べてしまうのね(笑)。


日本橋本町の路地裏に潜む、割烹「多賀山」。tagayama04.jpg夜は、おまかせコース4,000円の6品、5,000円の8品が基本形である模様。
この路地をふたたび訪れるのも一手と憶えておきましょう。



「多賀山」
中央区日本橋本町1-6-12[Map] 03-3279-5954

column/02957

口潤菜「どうしん」で ゆき菜むかご海老芋団子八ッ頭煮百合根ご飯

doushin.jpg新富町でワインバーといえば、
そう、happy wine bar「11plats」。
そして、そのカウンターを訪れた帰り際。
建物に向かって右手の硝子戸に小さな額が下がっているのを見つけました。
「潤」と落款を添えた丸っこい筆文字には、
「潤菜 どうしん」。
八丁堀同心の「どうしん」、なのでしょね。


そのうち訪ねたいなぁと思っているうちに、
それが意外と知られたお店であることを知る。
とある冬の夜、予約を入れてお邪魔しました。


「11plats」と同じ建物の幅に階段があるンだもの、
「どうしん」の店内は実にこぢんまり。
階段を上がるとまず、やや背の高い数席のカウンターが目に入る。
今上がってきた階段との間を飾り仕切るように、階段状の棚が据えられていて、なんだかそのまま屋根裏にでも潜り込めそうな錯覚が一瞬する。


「どうしん」での居場所はきっとほとんどの場合、通りに面したふたつのテーブルのどちらかになる。
そして、メニューはなく、予約の際にそう聞いていた通り「おまかせ」です。


麦酒をちょっといただいて、三品の先付けを愉しみます。
ひとつが、「ゆき菜と京揚げ煮浸し」。doushin01.jpgちぢみの入った雪菜は、こうしていたくのがなにより正しいのだと、頷いてみたりする。


doushin02.jpg
ふたつめの小鉢には、「香箱ガニ 茶碗蒸し」。
中央で構える暗緑色の味噌の廻りに、小さな小さな外子が鏤められていて、その周囲に蟹の身が解されて。doushin03.jpg茶碗蒸しそのものにもしっとりと旨みが沁みていて、香箱ガニの各部との相性、悪かろうはずもない。
やっぱり、蟹味噌がそそるのだねと思いつつ匙を動かすと、たっぷりとした外子(内子?)が現れて嬉しがらすんだ。


白い造形美をもって登場したのが「蕪の田楽」。doushin04.jpg八丁味噌のどろっとした濃厚な旨みが、すっと箸の入る蕪自身の甘さを引き立てる。


厚手のナチュラルな板を八寸に、海のもの山のものの盛り合わせ。
doushin05.jpgdoushin06.jpg
姫さざえの潮煮、鯵南蛮漬け、むかご、くわい揚げ煮、大根と干柿の紅白なます、京人参味噌漬け、大徳寺納豆、五郎島金時素揚げ、れんこんきんぴら、勝栗密煮、あさつき入り出汁巻き、と盛り沢山。
野菜やお豆の優しい滋味をちょっとづつ愉しめる趣向になっている。


椀はといえば、「海老芋団子 白味噌仕立て」。doushin07.jpg白味噌のこっくりした味わいと海老芋団子のこっくりのグラデーション。
ちょんと載せた和辛子の風味をほんのりアクセントに、しみじみ啜る。


doushin08.jpg
ポン酢ゼリーで和えた水菜と数の子を挟んで、
鰆の焼き物。doushin09.jpgあるがまんま丁寧に焼いた照りの表情がいい。


doushin10.jpgそうそう、もうかれこれ何本も熱燗のお銚子が空いている。
ちょっとチャイナちっくに変わったフォルムのお銚子なんかを交えて、三人それぞれ手酌でね。
旦八さんとはほぼ同じペースで、しずりんさんはのんびりマイペース。
時々お酌したりして、そんなのもまた、いい(笑)。


強肴に、にしん、干筍、干しいたけ、八ッ頭、プチヴェールの煮物。doushin11.jpg流れの中での、ザ・酒の肴。
あれ、これもさっきの雪菜かなと思った青菜がプチヴェールだ。


doushin12.jpg
そして、百合根ご飯にあさり清まし汁、香の物。doushin13.jpgおコゲの上に載ったほっこり百合根が、そっと優しく迫るのだ。


デザートに、柚子ゼリー。
doushin14.jpgdoushin16.jpgdoushin15.jpg
そして、茶釜の湯で点てた抹茶に黒豆を添えて。


新富・平成通りの隠れ家、「心、潤う野菜料理」の「潤菜(るさい)どうしん」。doushin18.jpg見送りに出てくれた主人は、32歳のつるんと若い。
訊けば、「馳走卒啄」の7年、「福寿」の半年、山口、京都。
そこここでの修業と経験が、野菜に対する思いを培ったのでしょうね。


□関連記事:
 happy wine bar「11plats」で 第一楽章ソムリエの手料理たち(08年11月)


「どうしん」
中央区新富1-9-11 亀田ビル2F[Map] 03-5542-8851 http://dousin.jugem.jp/

column/02946

口刺身Bar「河岸頭」で マテ貝がごめ昆布醤油鮪アゴ焼鰍鍋鯛めし

kashigashira.jpg晴海通り沿いの歩道に立つスタンド看板にはまだ灯りが点いていないけど、
その名は読める、刺身Bar「河岸頭」。
寿司屋かなにかがあったンじゃなかったかなぁ、以前この狭い階段を降りた覚えがあります。
予約の時間にはまだ早く、店内の様子はまさに開店前の準備に忙しそう。
ちょと早いけれどと窺うようにお願いして、隅のテーブルに入れてもらえることに。
早速のビールのジョッキ、ありがたや(笑)。


そのビールをクーっとしているところへすっと届けてくれたチップス状のオツマミ。kashigashira01.jpg訊けば、鱈の擂り身を揚げたものだそう。
なるほど、サクっと軽やかな歯触りの中にしっかりと鱈の風味がして、愉しくも気の利いた、ビールに最高のスナックだ。


kashigashira02.jpg
チャンバラ貝を追い掛けてテーブルにやってきたのが、
にゅおーっと長い貝。kashigashira03.jpgあら、珍しや、マテ貝だ。
どこかの砂浜で、マテ貝の巣穴に塩を入れて獲ったりした覚えがあるのだけど、あれはどこだったかな。
焼きではなく、湯掻いたマテ貝は、クセなく澄んだ甘い滋味がして、実に旨い。
なかなか出逢えないのは、弱い貝で、あまり流通しないかららしい。


kashigashira04.jpg
澄んだコクを愉しむ定番、白子ポン酢に続いて届いたのが、ドンとしたお魚系肉塊。
んんん、なんでしょ、マグロのカマのようにも見えるけどと訊くと、カマというよりは、鮪のアゴであると。kashigashira05.jpgこれはこれで、稀少な部位のようで、確かに初めて聞くフレーズだもんね。
じっくり焼いた皮目から旨みをたっぷし含んだ脂が滲み、身離れよくほろほろとして、そのまんま酒にも佳いけどご飯のおかずにも当然よく似合いそう。
ランチには、「アゴ煮定食」にして提供しているそうだ。


生牡蠣をちゅルンといただき、鰤大根でまた、泡盛を舐める。
kashigashira06.jpgkashigashira07.jpgkashigashira08.jpg
まぐろ、小肌にサーモンの刺身盛り合わせに、肌理の細やかな〆鯖に舌鼓。kashigashira09.jpg使うお醤油は、所謂煮切り醤油か、小さい醤油注しのがごめ昆布の醤油。
函館の尾札部町からやってくる「がごめ昆布」という昆布を使った醤油のほの甘さと旨みが刺身の旨みを引き立てるというこの不思議。
がごめ昆布醤油ね、覚えておきましょう。


結構お腹もキツくなってきたぞというところへ、土鍋のご登場。
湯気の中、鍋中央に黒い皮目の魚のぶつ切りが浮かんでる。kashigashira10.jpg大将曰く、鰍(かじか)の鍋であると。
口々にへー珍しいねーと云いながら、汁を啜り、その身をしゃぶる。
鰍からも結構なお出汁が出ているようで、はふはふこりゃうめーと一杯なはずのお腹にするりと収まってしまうのであります。


そしてさらに、薄い皮のイクラ弾ける鯛めしで、大団円。kashigashira11.jpgああ、満腹至極&よく呑んだ(笑)。


気がつけば、他のテーブルもカウンターも埋まって人気の築地場外「河岸頭」。
朝から昼過ぎにかけての賑わいに比べりゃ実に静かな夜の場外で、魚市場らしい真っ直ぐな魚介酒肴に出逢える地階のお店。
宵の口はもちろん、ランチにもまた来なくっちゃ。


「河岸頭」
中央区築地4-12-2 B1[Map] 03-6383-4597 http://kashigashira.com/

column/02944

口和食「よね津」で かつおたたき四万十ごり唐揚土佐清水鯖棒寿司

yonedu.jpg高知県出身のご主人が土佐料理を中心とした和食を供してくれるお店があるという。
ところは、学芸大学駅近く。
高架沿いを都立大方向に進んで左に折れる。
ずっと以前、「BELLE AIR」ってショット・バーにお邪魔した覚えがあるのだけど、この辺りじゃなかったかな。
そんなことも考えながら見上げた看板に、
和食「よね津」。
すっとその前を通り過ぎてしまいそうな、二間ほどの間口の小ぢんまり感がいい。


細目の格子の間からカウンターの様子が、なんとなく覗ける。
引き戸を開けると、L字に奥へと伸びるカウンターの先にテーブルがひとつ。
店内も狭からず広からずで居心地よさそうな、落ち着いた大人な空間だ。


「よね津」では、旬のおすすめ料理七品もしくは八品のおまかせコースやかつおと酒肴のセット料理があるけれど、アラカルトでいただくことにしましょう。


yonedu01.jpg
まず受け取ったお椀の出汁に思わず目を閉じて、しみじみ。
そして、やっぱり土佐といえばと「名物かつおたたき」。yonedu02.jpgああ、生姜や大蒜もいいけれど、この燻した香りってのも脂のほどよくのったかつおに不思議とよく似合うのだね。


高知の川といえば、日本最後の清流と云われる四万十川。
その四万十川で獲れた「ごり」と呼ぶハゼの仲間を使ったお皿が、
「四万十川ごりの唐揚げ」。yonedu03.jpgポリポリと軽ろやかに愉しむ衣の歯触りの中に澄んだ野趣を仄かに示してくれている、ごり。
うん、いいね。


目に鮮やかな紅でやってきたのは、「紅芯大根のサラダ」。yonedu04.jpg胡麻油を含んだタレが大根自身の甘さを誘って、
シャクシャクとした食感と合わせて、予想以上にイケる。


お待ちかねだったのが、「白子の春巻き揚げ」。
白子を春巻きの皮に包んで揚げちゃうなって、想像するだに旨そうでない?
さっと刻んだ断面からいまや溢れ零れんとする白子を思わず凝視(笑)。yonedu05.jpgきっと熱いよねーと云いながらそっと齧ると、あっつっっ!
やっぱり熱い。
ひと吹きだけ、ふーとして改めて齧ると、ふうむ、旨い。
生の白子以上にクリーミーな舌触りとコクとが活性しているようで、そこへ大葉の香りが気の利いた挿し色になっているンだ。


これもお待ちかねだった「甘鯛のかぶら蒸し」が、また旨い。yonedu06.jpgみぞれにして表面を覆ったかぶらの甘さ滋味が堪らない。
かと思ったら、甘鯛の白身がまたベクトルの違う甘さほっこりと伝えてくれる。


あとからだとなくなってしまうかもですよ、
と云うので慌ててお願いしておいた「土佐清水鯖棒寿司」を〆に。
銀の皮目に斜め格子に入れた包丁が印象的。yonedu07.jpgどれどれと口にする「よね津」さんの棒寿司は、
酢〆が浅めで、生に近い仕立てのもの。
酢がきゅきゅっと利いた鯖も好きだけど、
なるほどこふいふのもまたいいもンだと知る。
冬場の鯖はさらに脂がのってるってことでもあるのだろうね。
サバスキーは、八戸の鯖も京都の鯖寿司も土佐の鯖もどれも好きなのだ(笑)。


土佐料理を軸にした大人な和食と肴でお酒のすすんで困る、学芸大学「よね津」。yonedu08.jpgご主人の米津さんは、土佐料理の「祢保希」での修業を経て、ここ「よね津」を開いたのだそうです。


「よね津」 目黒区鷹番3-4-13 笹崎ビル1F[Map] 03-3716-5991

column/02940

口和食「仙厓」で師走の献立アリスの祝い花と仙厓師匠に思うところ

sengai.jpgそれは、去る11月の暮れの頃。
新富の「かどや」でオバチャンのつくるお昼ご飯をお腹に収めてから、辺りをふらふらと。
すると、視線の先に、なにやら道端が華やいでいる一角がある。
半地下に「彩絵」の入ったビルの前にスタンド花が並んでいるのです。
閉じてしまったイタリアン「il DESTINO」の後に新たなお店ができた、ということらしい。


正面に廻り込み、祝い花を贈り主の札が目に留って、あれ?っと皆思う。
だって、一台づつに、谷村新司、堀内孝雄、矢沢透の名前があるんだもの。sengai01.jpg一瞬、「アリス」の店?なんて思うも、自分達の店に花を贈ったりはしないよなぁと思い返して、はて、どんな素性の店なのだろうかと興味が沸いてきました。


sengai02.jpgランチ営業はしていないようなので、夜の部に突撃してみる。
「師走の献立」と題した品書きには、コースの、そしてハーフコースの内容が謳われています。
それぞれが2,500 円、1,500円と、随分とリーズナブルな設定なのが、反って心配になったりもするところ。


「塩いり銀杏」に始まって、「芋づくし籠盛り」「しじみ汁赤味噌仕立て」。
sengai03.jpgsengai04.jpgsengai05.jpg
「ちょこっと腹ごしらえ」は、高菜のおにぎりと出汁巻き玉子。
お酒のあてにと思っているところへ、いきなりのお食事モードでちょと戸惑う。


「若鶏ロール煮志乃多好み」は、
人参なんかを芯に巻いた鶏肉を油揚げで包んだもののスライス。sengai06.jpg
sengai07.jpgsengai08.jpgsengai09.jpg
酢味噌に和えた「アボカド」に「大根牛すじ煮」「湯豆腐」と、淡々とした惣菜が続きます。
そこへ、「白州」の10年を水割りにして合わせてみたりする。


気がつけば、コースがひと通り終わっていて、中途半端な心持ち(笑)。
なにかないかと品書きの続きをみると、「我儘単品」とする数行がある。
そのラインアップは3品、「和風ローストビーフ」「八丈島青むろくさや」「仙厓カレーライス」。


うーんと唸って、〆にカレーを興じてみることにする。sengai10.jpgやや酸味の利いた、でもお家カレーの範疇であるかなぁというところ。
ゴーヤが入っているのが、個性といえば個性か。


お愛想をお願いしている間に、「アリスの面々とはどんなご関係なんですか」と声を掛けた。
ご主人曰く、「以前、アリスのマネージャーをしていまして、それで」。
再始動をしていると聞く「アリス」だけれど、その役割にはもう別の担い手がいるらしい。
なるほど、祝い花の謎が解けました。


sengai11.jpg新富町の新店、和食の店「仙厓」。
入口右手の硝子面に走らせた筆の中にも「仙厓」の文字が窺える。
sengai12.jpg訊けば、「仙厓」というのは、江戸時代の僧侶、臨在宗 仙厓義梵そのひとに由来するそう。
それはご主人が、軽妙洒脱、ひょうひょうとして、ユーモアに富むと評される肉筆紙本・達磨図を成すお坊さんの絵の大ファンだというところから。

そうであるならば、是非仙厓師匠の世界感に習って、思わず感じ入るような軽妙洒脱にして粋な意図を含んだ世界を卓上に描いてくれるお店になって欲しいなと、そう思います。


□関連記事:
 食事処「かどや」で 吾が町新富45年お好み惣菜とおにぎり定食(09年12月)
 旬菜居酒屋「彩絵」で カキフライの衣に自問自答(08年11月)



「仙厓」 
中央区新富1-9-4 ファンデックス銀座ビル1F[Map] 03-6673-7057

column/02936

口せいろ蒸し料理「三原」で 三色せいろきざみ焼き穴子せいろ蒸し

mihara.jpg大阪高裁もほど近い西天満の一角。
通りすがりにみた「せいろ蒸し料理」というフレーズに惹かれて暖簾に向き合います。
きっとカウンターだけのお店だろうことが窺えるコンパクトな間口。
その幕板に立て掛けた一枚板には、「三色せいろ」云々といった文字が並んでいます。

ずずずいっとカウンターの奥へと廻り込んで、厨房を横から眺めるポジションへ。
厨房の真ん中にデンとあるのは、布巾を横へ垂らして湯気を上げる蒸籠の親分。mihara01.jpgその前には、枡状の蒸籠の子分が10段にまで積み上げられています。


「三色せいろ」は三色といいながら、四色にも映る。mihara02.jpgそれは、対角に並んだあさり、鮭、鶏そぼろの両脇を錦糸玉子が飾っているから。
そのまんま杓文字で掬って、フーフーして、ハフホフとすると、
じわんじわんと滋味が沁みてくる。
mihara03.jpgmihara04.jpgmihara05.jpg
脂っけの甘さとはベクトルの真逆な、ホクホクしながらしっかりした味わいがいい。


その2ヶ月後に再訪する機会に恵まれました。
今度は、「きざみ焼き穴子せいろ蒸し」。


mihara06.jpg
一見、刻んだ竹輪がわらわらと盛られているようにもみえる、長方形の蒸籠。
それは、たっぷりとした量感が嬉しい穴子の身たち。mihara07.jpgふっくらとした食感でなく、ぐっと締まった身質の焼き穴子は、一片一片がホレホレと実直な旨みを主張してくる。
タレの味の濃さみたいなところは、その下のご飯に仕込んであるんだ。
胃の腑がホカホカとして、額に汗が滲んできて、身体全体が温まっているのが判る。
寒空の冬場にはもってこいだよね。


お昼どきにはせいろ蒸しご飯があれこれいただける、せいろ蒸し料理「三原」。mihara08.jpgお品書きにはこれら以外に、「すき焼き」「牛肉そぼろ」。
Gingerちゃんには、「豚ロース生姜」のせいろ蒸しをリコメンド。
鹿児島霧島産の鰻を使った「鰻せいろ蒸し」はまたの宿題だ。


「三原」 大阪市北区西天満4-10-24 不動ビル1F [Map] 06-6364-4970

column/02910 @900-

口寿司割烹「日本橋 さくら井」で 鮭いくら丼鮪ユッケ丼真鯛利休丼

sakurai.jpg永代通りから一本室町に寄った筋は、
辛いカレーで有名な「紅花別館」やシウマイ&担々麺の「小洞天」本店がある通り。
どちらも時に、空席待ちの背広姿を店前に侍らせています。
そしてその並びにもう一軒、制服姿のOLさんを交えた空き待ちを生んでる店がある。
それが、寿司割烹「日本橋 さくら井」です。


佇まい新しき格子戸を進むと端正なカウンター。
奥にはテーブル席があるようです。


おひる時のお品書きsakurai01.jpgには、丼モノのランチが6品ほどに「ばらちらし寿司」「にぎり寿司」が並ぶ。
その中から「鮭いくら丼」を選んでみました。
解した鮭の身のサーモンピンクとづけにしたイクラの粒が、玉子のそぼろも彩りに華やぐ。sakurai02.jpgsakurai03.jpg鮭の身のそっと香ばしい風味と弾けるイクラの甘さ滋味の親子競演は、定番なれど魅力的。
ご飯の酢がやや強すぎて尖っているのが気になるものの、悪くないドンブリだ。


隣のOLさんが貪り食べていて(笑)気になったのが、「鮪ユッケ丼」。
sakurai04.jpg中おちと思しき鮪をたたいたユッケ状にしてドンブリの中央に盛り付け、そこに温泉玉子をのっけてる。
肌理の整った中おちに温泉玉子を崩し解いて、そこへちょろっと醤油を垂らす。
sakurai05.jpgsakurai06.jpg
それはもう、想定通りのお味がいたしますですよ、はい(笑)。


さらに日を改めて、「真鯛の利休丼」。sakurai07.jpg真鯛を胡麻醤油漬けにしたものをドンブリに広げて載せたものだけど、これはちょっといただけない。
胡麻醤油の味が強すぎて、なにを食べてるのか判らなくなる。
それに、寿司割烹だからって端から酢飯のドンブリであることもないのになぁとも思う。
少なくとも、寿司めしとドンブリめしの酢加減は別にしたらどうかと考えるのだけど、
どうだろう。


お昼にはドンブリあれこれが愉しめる、日本橋裏通りの寿司割烹「日本橋 さくら井」。sakurai08.jpgカウンターの真ん中で切り盛りしているのが、店主の櫻井さんか。
味噌仕立ての「深川丼定食」やにゅうめんでいただく「半田そうめんセット」を選ぶ一手もあるようです。


「日本橋 さくら井」 中央区日本橋1-2-16 BLUE MARK83 1F [Map] 
03-3270-1139 http://www.nihonbashi-sakurai.com/

column/02898 @1,000-

口鴨料理「鴨丸 祐天寺分校」で 鴨焼売鴨鍋鴨しゃぶ本鴨づくし

kamomaru.jpg祐天寺の改札を抜けて、左に出る。
そのままさらに左手の高架沿いを都立大方向へ往けば、やきとり「忠弥」へ至る。
でも今夜はちょいと西側へと進みます。
上目黒小学校という学校を囲む塀を回り込むように辿った住宅街。
さらに細い路地を探るように歩くと、駐車場の奥にある一軒屋が目に留ります。

点る灯りに、もしやここではと訪ねると、
硝子戸の向こうに飲食店らしいテーブルの並びが窺えました。kamomaru01.jpg


プレモルをいただいて、開くお品書き。
コースでお願いする手もあるけれど、「鴨丸」ですもの、気分はやっぱり、鴨づくし(笑)。
単品の組み合わせでそれを実現することといたします。


まず登場は、「祐天寺の鴨焼売」。kamomaru02.jpg薄手の皮にぎゅうっと詰まった鴨肉のミンチ。
鴨らしい風味がふわんと鼻腔を抜けていきます。


芋焼酎「小鹿 本にごり」のグラスをひと舐めしているところへ届いたのが、
「季節野菜のバーニャカウダ」アンチョビソース。kamomaru03.jpg彩り華やかなお皿には、グラパラリーフ、アイスプラント、天蕪といった聞き覚えのない新しい野菜や、ラディッシュ、ミニトマト、チコリ、オレンジピーマンなどの活き活きとした野菜たち。
kamomaru04.jpgkamomaru05.jpg
クリーミーに乳化させたアンチョビソースのバランスよく、野菜たちのパキパキとした食感の濃いぃ風味が真っ直ぐに愉しめるぞ。


kamomaru06.jpg
擂り鉢で山椒の実をゴリゴリと擂っていると、
ずんぐりした火鉢に載って鉄鍋がやってきた。
kamomaru07.jpgkamomaru08.jpg
たっぷりこんもりの葱の下にさらに、焼いた葱の並びが覗いています。


卓上に用意された「鴨葱の美味しい食べ方」に従って、鍋が煮立ってきたところでこんもりの葱の真ん中に穴を空けるようにする。kamomaru09.jpg
そこから覗く丸いところで鴨肉をしゃぶしゃぶする程度に火を通して、周囲の葱を背負わせるようにして一旦小皿にとる。


そして、そこへさっき擂ったばかりの山椒をぱらぱらっとして、徐に口へ運ぶであります。kamomaru10.jpgなはなは、鴨肉の甘さと独特の香りが葱の柔らか甘い香気と相乗して、堪らん感じ。
山椒の風味がひと風のキレとなって、次へ次へと箸を動かさせる。
国産厳選の本鴨肉を使っているというけど、なるほど、脂や身肉にどこかエグ味を思うことがある合鴨肉との違いが判るような気がしてくるな。


kamomaru11.jpgお品書きの並びには、「本鴨とクレソンのしゃぶしゃぶ」というのもあって、普通のお客さんは大体、この「鴨しゃぶ」か「鴨鍋」のどちらかを選ばれますね、と姐さんは云うのだけど、鴨づくしノリの勢い余って、両方をお願いしていました。kamomaru12.jpgクレソン&葱を脇に従えて運ばれてきた料理箱の鴨肉の艶がいじらしい。


沸き立ってきた打ち出し鍋に、今度は潜らせるようにしゃぶしゃぶっとして、
五島列島の天然塩をちょんとつけていただきます。kamomaru13.jpgむほほぉー(笑)。
ぎゅーっと内に籠めた滋味をどひゃっと零れさせる本鴨に喝采喝采。
やっぱり鴨って旨いもんなンだね。


kamomaru14.jpg
お約束の鍋の〆にと「玄米雑炊」。
これはもう、語るまでもないでしょう。


すっかり、お腹も気分も満ち足りたところで、デザートへ。kamomaru15.jpg手焼きだという皮に抹茶アイスや粒あんをみずから積めてどうぞ、という最中をいだたいて、
番茶を啜ってまったり、であります。


kamomaru16.jpgkamomaru17.jpgkamomaru18.jpg
高い天井や、なるほど教室チックな木枠の硝子窓を眺めながら訊けば、元々看板の製作工場だった建物に手を入れたものなんだという。


20年4月の開校だという鴨料理の学び舎、「鴨丸 祐天寺分校」。kamomaru19.jpg品書きにあった「Club子羊のチャンジャ」の「Club子羊」は、「イイコ」が営む、恵比寿にあるジンギスカンのお店の名前。
中目黒の高架下あった「村上製作所」「豚鍋研究室」も「イイコ」の経営で、高架の耐震工事開始ということもあって閉めてしまったけど、この「鴨丸 祐天寺分校」は両店が姿を変えて移転したものとも云えるお店なんだ。


口関連記事:
 やきとり「忠弥」で 煮込みぺてんツクネがつイケナイ特製カクテル(09年06月)
 看板のない店「豚鍋研究室」でやんばる島豚寿豚そして夏の豚鍋(04年07月)


「鴨丸 祐天寺分校」 目黒区五本木1-6-3 [Map] 03-3710-9804 
http://www.e-e-co.com/kamomaru.html

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口京寿司「祇園いづ重」で鯖姿寿司と鱧そぼろの箱寿司鯖の肝旨煮

idujyu.jpg八坂神社西楼門の目の前という立地ゆえ、どうもあからさまな観光スポットのひとつのように思えて、気になりつつもお邪魔することのなかった「祇園 いづ重」。
向かって左手の硝子越しでは、「鯖姿寿司」を筆頭に「箱寿司」「巻寿司」「小鯛笹巻」「海藻巻」「サンマ巻」「粟麩巻」といった京寿司がディスプレイされて、覗き込むひと達を誘っています。
ふと、ちょっと呑んでお腹を満たすのちょうどいい機会かと思い付いて、茜色の暖簾を払う。
奥でいただけるんですよね、と訊くと、ハイでもただいま満席ですのでお待ちください、と火鉢の脇の長椅子へと掌で促してくれました。


「く」の字を描くように奥へ進む、その両側は格子の壁。idujyu01.jpg能の謡か科白かを貼り込んでいて、
古色を含む雅な空間になっていて不思議に落ち着きます。


idujyu02.jpg店頭の品書きも念頭に、テーブルで睨むお品書き。
兎に角「鯖寿司」は外せないのだけど、一本はもとより半本でも「鯖姿寿司」だけだと飽きちゃうかもですよ、と小声でアドバイスしてくれる姐さん。
ですよね~と応えて、となれば、京寿司の組み合わせモノが相応しいのでしょう。
では、組み合わせ「鯖とぐぢ」では訊くと、「ぐぢ」が売り切れ(泣)。
気を取り直して、お願いしたのが「鯖と箱」であります。


ちょこっとお酒をいただいて、そのお供にとなにかと改めて品書きを眺めつつ、
何気なくちら見した柱の貼紙に「鯖の肝旨煮あります」の文字。
ほー、きっとそれは、いいんでないの(笑)。
姐さんは、はいよってな調子で注文を受けてくれ、さっと届けてくれた鯖の肝。idujyu03.jpgその姿のままでありながら、パテにした鶏レバーに似た柔らかなコクを思う食感と味わい。
こりゃ、まさにお酒がすすんで困る、って奴だね。


そしてタイミング良くやってきた、「鯖と箱」。idujyu04.jpg「箱寿司」は、つまりは押し寿司で、小鯛、とり貝、えび焼身、厚焼き玉子、椎茸の押し寿司を碁盤の目にパッチワークしたかのように艶やかに箱に収めたものが「上箱寿司」のスタイルらしい。


組み合わせの「箱」は「並箱寿司」で、この時季は活き鱧で拵えるもの。idujyu05.jpg鱧のそぼろがほの甘く香ばしい。
酢飯とよく馴染んで、シンプルな姿に一種の手練を思わせます。


その背後に控えるは、対馬産鯖による「いづ重」名代「鯖姿寿司」の三片。idujyu06.jpg「昆布はとってから召し上がってください」ということで、やや粘りをみせる昆布をその周りから剥がすと、鯖らしい銀の縞模様が姿を現す。idujyu07.jpg切れ味潔い断面を愛でながら喰らいつくと、うん、旨い(笑)。
鯖らしい風味が丸く柔らかく凝縮していて、角なくこなれた酢飯との一体感もいい。
半本くらいお土産に買って帰ろうかしらん。


「いなり」も気になる、祇園石段下京寿司「祇園 いづ重」。idujyu08.jpg初代が奉公先の「いづう」から暖簾分けを許され、明治の末に創業したという老舗。
その「いづう」との食べ比べもしてみたいな。


「祇園 いづ重」 京都市東山区祇園町北側292-1 [Map] 075-561-0019

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口豚ホルモンの店「DA介」で 横丁情緒と北日本もつ鍋ぞうせん

dasuke.jpg「サバの駅」で、八戸が誇るプレミアムな銀サバの魅力を思い知ったその足で向かうは、さっきの「みろく横丁」ではなくて、また別の横丁。
鷹匠小路からたぬき小路、五番街を抜け、昭和通りから廻り込むようにして辿り着いた木製ゲート前。
数段の階段の上に横たわる古びた幕板に示すは、
「ハーモニカ横町」。
「八戸横丁連合協議会」なるWebサイトによるとこの横丁は、戦後の色濃い昭和20年代後半に誕生した横丁で、映画館の前にパチンコやスマートボール等の娯楽施設に隣接しつつ、ハーモニカのリードのように並んだ飲食横丁だったことから「ハーモニカ横町」と呼ばれたンだそう。
吉祥寺「ハモニカ横丁」の呼び名の由来もきっと同じようなことなんじゃないかな(笑)。
ややうらぶれた風情が、情緒を誘います。dasuke01.jpg闖入するは、そんな「ハーモニカ横丁」の一軒、「DA介」だ。


臙脂の暖簾を潜った先は、数席のカウンターとそのカウンターから張り出すように設えた小さなテーブルがつくる、小ぢんまりとした空間。dasuke02.jpgトタンの波板の壁、品書きに混じって写真やイラストがそここに張られ、色々な雑貨が思い思いに置かれていて、その雑然とした具合が誰かの秘密基地に包まれているような不思議な安堵感を抱かせます。
プロ裸足のイラストを描いたのも、ホッケーのパックやマスクを飾っているのも、この店の大将だ。


おー、ここにも「角ハイ」がある!ってことでお願いすると、dasuke03.jpg霜降るほどにしっかり冷やされたジョッキでやってきた。


「角ハイ」のアテにとまず選んだのが、「さば缶せんべい皿」。
「お茶の友」と浮き彫りにした「せんべい」にマルハ缶詰のさば水煮をたっぷりとのっけて。
dasuke04.jpgdasuke05.jpgdasuke06.jpg
水煮の汁っ気とぎゅぎゅっと凝縮した鯖の風味がせんべいの素朴さと妙に合う。


そしてやっぱり「せんべい汁」しなければと、「北日本もつ鍋ぞうせん」。dasuke07.jpgたっぷりの野菜やきのこたちが鉄鍋の中で沸き上がり、その陰にモツがごろごろと。


二軒目ゆえのお腹具合を気にしながら、ハフハフと食べ進み、そこへ南部せんべいを適当に割って入れた。dasuke08.jpgその上に食用菊を散らしたりなんかしてちょいと待っていると、「せんべい」がふやけてきているのが分かる。
そろそろ?と訊いてから、鍋の中の「せんべい」を掬い上げ、フーと吹いてやおら口に運ぶ。


周囲の柔さのすぐ後に、しっかりした歯触りが応えてくる。dasuke09.jpg鍋の汁を吸ってひたひたとしているのに、意外や脆くなってない。
なははは、これが「せんべいはアルデンテで食べるべし」なんだね。


八戸せんべい汁については、「八戸せんべい汁研究所」に詳しいぞ。


戦後の残り香漂う、八戸「ハーモニカ横町」の秘密基地「DA介」。dasuke10.jpg八戸の人は「だから」を「だすけ」という方言で話し、それを一種の合いの手のように使って、会話にテンポを生んでいるという。そこから「DA介」と名付けたンだそう。
そうそう、「DA介」名物のひとつ、「ホルモンがっぱり焼き」は、つきじろうさんのむのむさんも食べてますね。


口関連記事:寿司と地魚料理「サバの駅」で 八戸前沖プレミアム銀サバづくし(09年10月)


「DA介」 八戸市岩泉町11-2 ハーモニカ横丁 [Map] 0178-73-1314

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口寿司と地魚料理「サバの駅」で 八戸前沖プレミアム銀サバづくし

sabanoeki.jpg初めて降り立った青森は八戸の駅。
青森在住のtakapuに導かれるまま、
在来の八戸線に乗り換える。
観光で八戸を訪れても、なかなかこの愛称「うみねこレール」に乗ることはない、意外とレアな場面らしい。
とかなんとか云ってるうちに本八戸へ到着。
朔日町、三日町、六日町、八日町、十一日町、十六日町、廿六日町などという町名が並ぶエリアへ。
八戸のメインストリートは、この界隈なんだ。

ホテルを定めて早速、夜の町へと繰り出した。
「みろく横丁」を冷やかしつつ通り抜けて、やってきたのが「サバの駅」。
「道の駅」は全国あちこちにあるけれど、「サバの駅」はきっとここだけ(笑)。
明るく小綺麗な印象のカウンターが迎えてくれます。
以前は「みろく横丁」の一角に店を構えていて、この春に移転したのだそう。

sabanoeki01.jpg
ひとまず麦酒をいただいて、そっと出されたお通しの鯖が何気に旨い。
おおおっと引き込まれて見つめるメニューsabanoeki02.jpgsabanoeki03.jpgに、今夜はやっぱり鯖づくしにしなっくちゃと勝手に思い込む。


まずは、「船凍銀サバ刺身」。sabanoeki04.jpgピキッと立った、切り口のエッジ。
とろんと細やかな脂を含んで、たっぷりと品のいい旨味を解いて消えていく。
なはは、鯖の刺身ってこんなに旨いもんだったんだ。
足の早さからか、サバと云えば〆鯖か塩鯖か、というのが通り相場になってる節もあるけど、そんな認識を翻す。
"船凍"で"銀サバ"だから、ってことなんだろね。


「サバの駅」ではすべて、「八戸前沖北緯40度30分海域限定の鯖」を使用しているそう。
わざわざ緯度まで謳って示す八戸前沖は、日本の鯖の漁場としては最北端。
鯖は、海水温が18度になると粗脂肪分が高くなるという。
例年9月に入ると海水温が急激に低下して、その海水温が日本一脂ののった鯖を育むンだ。
そんな「八戸前沖銀サバ」を堪能できるのは、目の前といってしまってもいい沖合いで獲り、すぐ水揚げした鮮度や、漁船の上で漁獲してすぐに瞬間冷凍した鮮度あればこそ、だね。


その銀サバの冷シャブなんてのもいいなぁと思いつつ、きょろきょろして目に留まったのが、
「サバの味噌じめ」。sabanoeki05.jpg味噌がじっくりと滲みて、旨味を凝縮・活性化。
刺身とも〆モノともまた違う魅力が芬々とする。
うひゃひゃ、こりゃ、堪まらん。
これにはやっぱり、日本酒かなぁ(笑)。


そこへお願いしていた「サバの串焼き」がやってきた。sabanoeki06.jpg魚を焼鳥的な串焼きにしたものって、余所で見掛けた記憶はない。
串にしたまま冷凍して解凍して焼いて、なんだかパサパサになっちゃってたらイヤだなぁとちょっぴり思った心配もなんのその。
威風堂々の串焼きの表情をみせる。
皮目ぱりっと、その裏側あたりから不足のない脂が滲み溢れてくる。
身肉の風味も活き活きとして、いいなぁ。
なはは、と笑っちゃうほど、イケる。


こりゃやっぱ日本酒かね~と品書きを見返すと、ドリンクメニューの中に何故か「イカスミ」、なんてフレーズがある。
イカスミそのまま呑んじゃう、訳じゃなく、イカスミと八戸の名水「がんじゃの水」を使用した世界初のお酒、八戸名物、と解説してある。
そいつぁーいただかなければいけませんねとお願いして待っていると、届いたのは予想通り、真っ黒い液体の入ったグラス。sabanoeki07.jpg恐る恐る啜ると、当然ながら生臭いなんてこともなく(笑)、さらっとした中にコクのある呑み口。
残り香に確かになんとなく、イカスミの風味が過ぎる。


sabanoeki16.jpgふと天井を見上げると、なにやら異物がぶら下がっている。
あ、漁の網を引き揚げるところで活躍する機械ですねーと訊くと、そーそーと応じてくれる大将。


sabanoeki08.jpg鯖のなめろうはないみたいだけど(笑)、「サバのたたき」はある。
細かくせず、軽くタタイた仕立て。
うんうんと頷いて、黒い滴をペロリ。


そうか、「サバのつくね」っつーのもなかなかないよなぁと感心して、大将に声を掛ける。sabanoeki09.jpg素朴な味わいが基調であるところは、例えば鰯のつくねと同義だけど、サバらしい風味がふつふつとして、いいな、いいな。


つくねがあれば、天ぷらもある、ということで、それもなんと「サバ棒寿しの天ぷら」。sabanoeki10.jpg寿司を天ぷらにしちゃうのー?とちょっと怪訝に思いつつ、ハフっと咥えるとこれがあなた、不思議な旨さ。
サバの風味旨味に酢飯、酢〆の仄かな酸味が混じる。
これも、あり、だと思います。
そして、決して時間の経っちゃった棒寿司の処理のための料理じゃない、とも思うな(笑)。

sabanoeki11.jpg

そして、これも食べなきゃの噂の「サバンド」。sabanoeki12.jpgしめサバの凝縮した旨味とトマトの甘酸っぱい風味と取り合わせが意外な好相性で、
なるほどなぁの逸品。


そして「サバンド」に並ぶ新機軸、登録商標「サバーグ」なんて裏メニューもあるらしい。
他にもsabanoeki13.jpgまだまだ、八戸が誇る「八戸前沖北緯40度30分の鯖」を活かした酒肴がある。
「しめサバ」「サバの棒寿し」「サバの味噌煮」「へしこ」は勿論のこと、「サバのづけ」「サバの竜田揚げ」「サバ出しせんべい汁」「サバ大根」「サバマリネ」などなど。
おまかせ「サバ料理コース」もあるぞ。


「駅」らしく、切符の姿のサービスチケットsabanoeki14.jpgを受け取って、ご馳走さまと振り返る「サバの駅」。sabanoeki15.jpg八戸来たなら寄らない手はない、そう思う。
全国幾千万人(?)のサバ・ラバーたちには、きっと垂涎。
漁船に載せた看板が目印だ。


「サバの駅」 八戸市六日町12大松ビル1F [Map] 0178-24-3839 
http://hachinohe-sabanoeki.com/

column/02880 @3,900-

口料理祖神「高家神社」で 糧の供養の庖丁式となめろうさんが焼き

takabe.jpg南房総に行きませんか。
そうお誘いをいただいたのは確か、
東京湾大華火祭りの夜でした。
当日、八重洲口のバス乗り場から乗り込んだのは、
安房白浜行きのJRバス「なのはな号」。
バスはするするとアクアラインを抜け、木更津を通過して、館山自動車道から富浦へ。
我々がまず降り立ったのは、道の駅とみうら。
南房総への入口、2000年に道の駅グランプリ最優秀の評価を受けたという「枇杷倶楽部」に寄り道です。


ここはその名の通りの枇杷づくし。takabe01.jpgジュース・ジャムにはじまり、ムース&ゼリー、羊羹にゴフレットに枇杷カレーなどなど。
店内には、枇杷を使ったさまざまなスーベニアが棚ぞ狭しと並べられています。


「枇杷倶楽部」初心者は、まず「枇杷ソフト」から。takabe02.jpg道の駅「枇杷倶楽部」で感心しちゃうところは、施設内に加工工場を持っていること。
特別に見学させていただいたけど、当地で収穫した枇杷を洗浄し、果肉を剥いたり、煮詰めたりする様子が容易に想像できる。
観光地の土産物売場では、当地とは全く別の場所で作られ運ばれたものであることに幻滅することが少なくないもんね。
「ここで作ってます!」がなんと真っ当なことか。
ちなみに枇杷の収穫期は5月末から7月初め頃だそう。


さて、枇杷倶楽部を後にして向かったのが、「高家神社(たかべじんじゃ)」です。
内房から外房へと半島を横断して、千倉駅付近を通って辿り着いた谷津地区。
石造りの鳥居の向こうで石段が登り、その先にお社が望めます。takabe03.jpg


山裾から千倉の町と太平洋を見下ろす「高家神社」は、日本で唯一、料理の祖神を祀る神社。
日本書紀に記されている、御食津神「磐鹿六雁命(いわかむつかりのみこと)」を主祭神として祀り、今では広く調理関係者や醤油・味噌などの醸造業者からの崇敬を受けているという。
お札には、左手に堅魚(かつお)、右手に白蛤を抱える磐鹿六雁命のお姿が描かれています。


まずは、お参り。takabe04.jpgtakabe05.jpgtakabe06.jpgtakabe07.jpg
包丁づかいが上手になりますように、健康で幸せな食道楽ができますようにと欲張りなお願いごとをして(笑)、「庖丁塚」にも手を合わせます。


そして、この日特別に披露していただいたのが、「庖丁式」。
「庖丁式」とは、平安時代から宮中行事のひとつとして行われてきた「庖丁儀式」を継承し、その古式に則った所作と熟練の包丁さばきで日本料理の伝統を今に伝える厳粛神聖なる儀式。
料理に造詣の深かった五十八代光孝天皇の命を受けた、側近で"日本料理の中興の祖"といわれる四條中納言藤原朝臣山蔭卿が様々な料理作法をまとめ、「犠牲となった生き物を供養し、霊を鎮める儀式の形にできないか」という天皇の想いを受け、儀式として定めたものが「庖丁式」のはじまりとされているそう。


拝殿から階段を降りたところにある庖丁式殿がまさに庖丁式を執り行うために設えられた舞台。
雅楽が流れ、厳かな空気に包まれはじめたところで、烏帽子(えぼし)を戴き、三宝(さんぽう)を額まで掲げた介添(かいぞえ)が現れた。takabe09.jpgtakabe08.jpgtakabe10.jpg
「名所」と呼ぶ俎板の四隅に緑・赤・白・黒、そして中央に黄と五色の包みをゆっくりと置いていく。
蛤を包んだ四隅の四色が四季を表わし、天下太平・五穀豊穣を祈る。
直垂(ひたたれ)の大袖を捲って、幣束を縄に結んだ俎板を清めるように中央に塩を置き、青竹で挟んだ紙で拭い、布で磨く。


入れ替わるようにして俎板の前に立った介添が、右手の式庖丁と左手の真魚箸(まなばし)とを宙に翳した。
それは、庖丁の曇りなき煌きを光に試すように。takabe11.jpgtakabe12.jpgtakabe13.jpg
両の手を巧みに使って、三宝に運んだ魚を額に拝むようにしながら俎板へと移す。
魚には鯛を用いることが多いというが、俎板にあるのは千倉の沖で獲れたイナダだ。
料理食材の命を尊び、その霊を慰めることを意味する献花を俎板に配して、ふたたび式庖丁と真魚箸を眼前に掲げる。
そして、一式の揃った俎板に向けて深々と頭を下げて、礼を伝える。


そして、刀主(とうしゅ)が俎板の前に背筋を伸ばして厳かに。
式庖丁と真魚箸を直角に重ね、間合いを量り魚の両側に立てて。takabe14.jpgtakabe15.jpgtakabe17.jpgtakabe16.jpgtakabe18.jpg
古式に則った所作に引き込まれるように見詰めると、真魚箸で抑えたイナダに式包丁がグイと刺し込まれた。
腹の部分を切り取り、胴を均等に輪切りにしていく。
一切魚に触れることなく、式包丁と真魚箸とでさばいていく技に日本料理の伝統と精神を伝えんとする想いが宿る。
庖丁を大きく頭上に翳し、礼によって奉納が終わった。


さばかれたイナダは俎板の上で、ヒレの切れ込みを花弁に菊の花を象っている。takabe19.jpg包丁式が「菊花の鰍」と題されているのは、舞台を遠目にしては分からない、俎板の上の表現によるものなンだ。


※「高家神社」の「庖丁式奉納」は、5月17日の大漁祈願祭、10月17日の旧神嘗祭、11月23日の旧新嘗祭の年三回執り行われるものです。


Ο


一同は、神社に隣接する「千倉町社会福祉センター」の料理教室用と思しき調理室へと移動して、
本題の試食会。


今回、「なめろう」「さんが焼き」を中心とした房州の郷土料理を準備してくれたのは、
千倉の寿し・割烹処「ちどり」さん、民宿「政右ヱ門」さん、泊まれるお鮨屋「銀鱗荘ことぶき」さん、富浦の民宿「曳船」さんの4軒。
さっきまで「庖丁式」の披露をしてくれた直垂姿から料理人姿に早替わりして対応してくれているご主人もいて、恐縮です。


順不同で振り返ると、やっぱりまずは「なめろう」のあれこれ。
「たたき」と違って、季節の地魚などをねっとりとするまでたたいて、大葉、葱、生姜に味噌で調味するのが「なめろう」の基本形。takabe20.jpg海況が優れず、前日の鯵となってしまったというのは残念だけれど、地の魚介を愉しむというのはそういうことと裏腹のことだもんね。
ただ、船上で獲り立ての魚をナタでたたいた漁師メシが起源の「なめろう」としては、まさに鮮度が生命線であることは間違いがない。
他に、鮑とあおり烏賊の「なめろう」も用意する予定だったのだけれど、と漁師町の料理人の気風に溢れる「ちどり」の大将。


それでも、鯵以外の「なめろう」を用意してくれていて、鯵に三分ほどの烏賊を織り交ぜて歯触りに変化を加える工夫もあれば、
takabe21.jpgtakabe22.jpg
「鰹のなめろう」や「イサキのなめろう」という手もある。


大葉を添えるのでなくて、茗荷を載せて握り風にするというのも悪くない。takabe23.jpg


なるほどの出色だったのは、「栄螺のなめろう」。takabe24.jpg富浦産だというサザエの身がしこしこと柔らかで、たたき加減よろしく食感の嬉しい。
磯の風味に旨味の凝縮感があって、こいつぁお酒をいただかねばと周囲をきょろきょろ(笑)。


こうしてみると、魚介の旬を追って、なんでも「なめろう」にしてみちゃおうよ!
なんてやや乱暴な想いも過ぎる。
青魚を対象とするのが「なめろう」の基本線かもしれないけれど、他に意外や「なめろう」にぴったりの魚介はないだろか。
脂を補うもの、食感を愉しくするもの、磯っぽさを添えるもの、甘さを足すもの、クリーミーさを助けるものなど、色々な二種類の魚介の掛け算で「なめろう」にたたいてみたい気もしてくる。
カルパッチョに仕立てる?オードブルに仕立てる?ユッケに仕立てる?
そして、南房総の「なめろう歳時記」ができないかな。
その中からキラー・アイテムが生まれればもっといい。


あ、そうそう、「なめろう」になってるこのサザエ。
これってきっと、過日お邪魔した銀座「ヤマガタ サダンデロ」で奥田シェフのスペシャリテの食材となったサザエと同じ出自のものに違いない。
今回のプロジェクトの皆さんに対して奥田シェフが勉強会を行っていて、勉強会を終えたシェフはそのまま幾つかの食材を銀座へ持ち帰ったという。
それが、くにちゃんに水を吹き掛けた、そして「サザエと小松菜のみどりのスープ」に昇華したあのサザエなンだ。
いやはや、こんな偶然って、ないよねー(笑)。


そして、主題その二が「さんが焼き」。takabe25.jpg云わば、「なめろう」を大葉で挟んで炙り焼いたもので、これまた酒の肴にはもってこい。
鯵ばかりでなくて、例えば飛び魚の「さんが焼き」なんて手もある。
ご飯の友としても、文句なく旨いのだけれど、わざわざ足を運んで食べに来るような動機付けには確かに不足がある。
「さんが焼き」のドンブリを出す店もあるようで、ライスバーガーの具にもなったりしているらしい。
う~む。


「なめろう」「さんが焼き」以外にも、色々と郷土料理を用意いただいた。
鯵の「たたき」に「水生酢」、素朴かつ滋味深い「かつおの擂り流し」、鯖のエキスで仕立てた汁「かけのえ」にジャッジャと鍋を煽った浅蜊、地蛸のぶつ切り、しみじみする出汁と磯風味の浅蜊のお椀、
などなど。
takabe26.jpgtakabe27.jpgtakabe28.jpg
アクアラインの値下げですっかり日帰り圏になった南房総だけれど、そこを敢えて一泊の宿をとり、ひとっ風呂浴びてから、こんな海辺の料理たちで一杯呑りたいものでありますなぁ(笑)。


4軒のご主人はじめ、プロジェクトの皆さん、お世話になりました。
プロジェクトではいよいよ、「南房総なめろう研究会」を立ち上げたようですね。


振り返り、鳥居越しに見上げる「高家神社」拝殿。takabe31.jpg料理の祖神のお膝元にはやはり、命を糧とすることへの感謝の念が滲むような、素材の魅力をより活かした、奇を衒わない実直な料理が似合うような、そんな気がいたします。


秋の一日のご一緒多謝は、
「日本食べある記」のぶれいぶさん
「築地市場を食べつくせ!」の築地王さん
「くにろく 東京食べある記」のくにさん
「春は築地で朝ごはん」のつきじろうさん
「フェティッシュダディーのゴス日記」のGenetさん
「Tokyo Diary」のromyさん
「色々だらだら」の魯さん
の皆さんでした。お疲れさまでしたー。


口関連記事:山形イタリアン「YAMAGATA San-Dan-Delo」で山形食材じっくり(09年09月)


「高家神社」 南房総市千倉町南朝夷164 [Map] 0470-44-5625(社務所)
 ※高家神社にお食事処はありません

column/02879

口京料理「修伯」で 鱧と冬瓜かますの柚庵あまだいと蕪むかごご飯

hakushu.jpg久し振りに八坂の塔への石畳をゆっくりと上がる。
例によって、なんちゃって舞妓さんが塔の前辺りで佇んでいるのをやや遠くに眺めながら、ゆっくりと。
塔に突き当たった処を左に行けば、「イル・ギオットーネ」だなぁと思い出しながら、のんびりと。
金剛寺の前からT字に折れる下河原通りという小路との角には、板塀で囲んだ日本家屋がある。
そこが、今日のお昼の目的地、京料理店の「修伯」だ。

hakushu12.jpg
白い暖簾を払い、格子戸を抜けると、その右手にある竃の羽釜が湯気を上げている。
おくどさんが迎える料理屋には、今まで出会ったことがなかったけれど、
風情のいいものですな。hakushu01.jpg


白木のカウンターの中央へ通されて、ひとまずプレモルを所望する。
大振りな海老の殻を剥いたり、刺身のさくに包丁を入れる主人の所作が目の前で眺められて、それを肴にツツッと一杯。
hakushu02.jpg
5,000円のコースの最初の器は、栗やお麩、三度豆などを含んだ白和え。
後口のクリーミーさが印象的だ。


続くお椀は、鱧と冬瓜。hakushu03.jpgやや濁りを思うも、しっかりとした旨味を伝える出汁にしみじみ。
ふんわりとした鱧の身と出汁をたっぷり含んだ冬瓜の身を交互にいただき、ぷちほっこり。


今度は、五つの小皿が並べられて、それは、天然鯛の昆布じめ、剣先烏賊のつくり、さわらのしゃぶしゃぶ、鯖の棒寿司、秋刀魚の肝醤油がけ。
hakushu04.jpghakushu05.jpghakushu06.jpg
hakushu07.jpghakushu08.jpghakushu09.jpg
熟成して甘くさえある鯛の身、細かい包丁が甘さを引き立てる烏賊の身、腸の香りが大人な秋刀魚の身。
それぞれをちょこっとずついただけるという訳だけど、雑然と小皿を並べられると、やや興が冷める感もある。
大きめの目の皿にゆったり離して配置して供する方がいいのじゃないのかな。


お次は、長皿の左にかますを柚庵で焼いたもの、右に万願寺甘唐、海老芋にフルーツトマト。hakushu10.jpgかますの身がほろほろとしながら脂で解け、皮目の香ばしさと一緒に嬉しがらせる。


出汁あんのたっぷりかかっているのは、蕪とあまだいの蒸しあげ。hakushu11.jpgあまだいの身の品のいい甘さに目を閉じて、その下のかぶの甘さにもまた目を閉じる。
あんを全部掬って食べちゃったのは、ちょっと下品だったでしょうか(笑)。


ここでご飯となって、それが入り口の竃で炊いてた、むかごご飯。
hakushu13.jpghakushu14.jpg
むかごの香りが微かにご飯にも移っている、ような気がします。


そして、デザート。
諳んじた内容を辿るように、七つほどのデザートの説明をしてくれ、そこからいくつでも選んでいいと云う。
思わず、「あ、賛否両論と一緒ですね」と云いそうになって、ここが京都だったことを思い出して、云い噤む(笑)。


お、選択肢の中にパフェがある!
ってことで、ここでまたまた急遽、「パフェラッチ!」hakushu15.jpg「桃のパフェ」は、下層にタピオカ、中層に刻んだ桃、
上層に生クリームとバニラアイスのトッピング。
hakushu16.jpghakushu17.jpghakushu18.jpg
桃の澄んだ甘さとむにっとしたタピオカの取り合わせは、なかなかどうして悪くない。


天火で炙った紅芋饅頭は、薄皮の中にたっぷりの粒あん。hakushu19.jpg甘さをおさえたあんの深いコクが口腔でむむっと花開いて、さっと消えるのだ。


八坂の塔を眼前に臨む、京料理「修伯」。hakushu20.jpgフレンチの経験を下地に持つという主の吉田修久さんは今、白木のカウンターの中にある。
ひとつひとつのお皿に、特別遜色があるという訳ではないのだけれど、全体の印象として、どこかちぐはぐというか、完成度がもう一歩緩いというか。
そんな気がする。
それは、ささやかでも、くっと引き込まれるような感動を期待しているからのことでもある。
そんな印象を抱かせるのは、まだ若い主人のフレンチの経験が京料理の中で昇華する途上でのことなのでしょうか。


口関連記事:
  RISTORANTE「IL GHIOTTONE」京都で お肉たちやわらか煮(08年06月)
  日本料理「賛否両論」 でめくるめくおまかせにデザート全部(07年02月)


「修伯」 京都市東山区下河原通高台寺塔之前上ル金園町392 [Map] 075-551-2711

column/02877 @6,000-

口居酒屋「北龍」ではもちり下足やきぐじみそづけいわし煮路地情緒

hokuryu.jpgここにも再開発の手が忍び寄る、お初天神脇の路地。
「北サンボア」の並びには、新しいビルが建ってしまった。
ずっと気になっている酒肆「門」は、今夜も満席。
ならばとその界隈で、店先の表情を眺めて回ります。
そんな広いエリアではないので、すぐにひと廻り。
鼻を利かせて、一軒の白い暖簾へと突入を試みます。
「北龍」というお店です。

窺うようにしながら人数を知らせるサインを送ると、
白髪のおばちゃんが、ニンと笑顔で入口側のカウンターに誘ってくれます。hokuryu01.jpghokuryu02.jpg麦酒をお願いして眺めるは、塩ビのケースに入った扇型のお品書き。
よく見ると、赤鉛筆で描いた赤蜻蛉が飛んでいる。
こっそりと季節のあしらいがするあたりが、いじらしいではありませんか。


達筆に読めないところを想像するのも愉しいかも、なんて云いながらまず選んだのが「はもちり」。hokuryu03.jpgもう、名残りの品なのかもしれないなぁと思いながら、そのふんわりと繊細な味わいに一気に和む。


続けて、「けんいか下足やき」。hokuryu04.jpgまだ活きている剣先烏賊をさっと捌き、じわじわっと焼けば、嗚呼ゲソってこんなにイケるのねって、再確認をする思い。
ちゃっと振った塩が烏賊の甘さと滋味を引き出すのだね。


「北龍」で燗酒といえば、「白鹿」のみ。
冷酒は、富山の純米吟醸。
酒肴につられて呑んでベロベロになってもいかんしなぁと自重して(笑)、「白波」ロックをもらいます。


「ぐじみそづけ」は、例によって、味噌漬けとか粕漬けとかってなんだかズルい!をそのまま体現してくれている。hokuryu05.jpgお酒にも勿論、白いご飯も欲しくなるヤツだよね。
ほっこりと甘い白身と皮目の魅力に、なぜかうんうん頷いている(笑)。


ご飯のおかずにもいいよなーという点では、「いわし煮」も負けてない。
おかあさんの素朴な酒肴に和みつつ、またグラスの焼酎をくぴくぴと。
hokuryu06.jpghokuryu07.jpg
西を訪れれば、南蛮にも鱧なんだねと「はも穴子南蛮」。
玉葱と酸っぱめ汁でさっぱりといただく、衣に揚げた鱧、穴子。
うんうん(笑)。


擂り胡麻を振ったいりこや沢庵をおまけにもらって、残りの焼酎舐めながら訊くと、奥さんが壁の写真のご主人を継いで数年になるという。
BGMがジャズなのは、ご主人が好きで流していたからなんだ。


お初天神東門の路地情緒によく馴染む、居酒屋「北龍」。hokuryu08.jpg店の創業来46年、当地に来て36年になるのだそうです。


「北龍」 大阪市北区曾根崎2-5-37 [Map] 06-6311-5212

column/02874 @6,900-

口豆腐 家庭料理「鉄砲洲 双葉」で とうふ生揚げ肉豆冨に麻婆豆腐

futaba.jpgふた月ほど前のお昼どき、
湊の洋食「キッチン トキワ」からの道すがら。
のんびりとした空気の路上で、OLさんたち数人が、
空席を待つかのようにしている光景に出会しました。
どんなお店だろうと眺めると、
暖簾には「築地 鉄砲洲 双葉」とある。
どこかで聞き覚えがあるような気もするなぁなどと考えながら、看板を覗くと「豆腐 家庭料理」とも書いてある。

そして、何気なくその右隣を眺めて合点がいく。
お豆腐屋さんが併設した料理屋さんなんだね。futaba01.jpg


まずはやっぱり、当店自慢のと謳っている「とうふ定食」から。
futaba02.jpgお豆腐は、絹ごしか木綿かが選べます。
絹ごしでお願いすると、待ってましたと膳がやってきました。


きっとこれで、一丁なんだろうなぁという量感でデンと横たわる、お豆腐。
高さ4cmはある厚みを横から眺めながら、薬味を載せ、醤油をかけ回す。futaba03.jpgへー、透明感のある大豆の風味に素直なコクが備わって、なかなかいい。
futaba05.jpg昼から冷や奴を口いっぱいに頬張ることって意外とないことに気がついて、
さらに頬張る(笑)。
絹ごしだからってこともあるだろうけど、滑らかにしっとりと解けていって、
大豆の仄かな香りと素朴な旨味がやってきては、すっと消えるンだ。


「生揚げ定食」もまた、素敵(笑)。
「とうふ定食」のお豆腐同様、厚みと量感のある生揚げが揚げ立てでやってくる。futaba04.jpgサクサクとした衣の品のいい香ばしさとお豆腐のはんなりを大根おろしとおろし生姜で。
動物性タンパク質を直接ガツガツ摂るような主菜でないと、なんだかヘルシーな気分になってくる。
女性のお客さんが多いのは、そんなことが理由にあるのじゃないかな。


futaba06.jpg
そしてお豆腐と云えば、「肉豆富定食」もまた嬉しからずや。
あっさりした味付けに、焼き目をつけた豆腐と豚バラ肉にしらたきが絡まって。futaba07.jpgここ「双葉」を賄っているのは、厨房を守っているオバチャンをはじめとする女性三人組なのだけど、なるほど男の料理とはどこか違う、丁寧な仕立てが気配に帯びる。


4本立てお昼メニューfutaba08.jpgの最後にあるのが、「おたのしみ定食」。
いわゆる日替わりメニューは、ロールキャベツだったり、鶏と大根の煮付けだったり。
そして勿論、お豆腐メニューになることもあって、それが例えば、「麻婆豆腐」。
お豆腐屋さんの「麻婆豆腐」というのは、意外と食べる機会がないンじゃないかな。futaba09.jpgややヒリヒリの辛さ加減で、家庭的な味わい。
でもそれが何故だか、不思議とあったかーい気持ちにさせてくれる。
豆腐そのものの甘さが引き立って、愉しめるンだね。


湊の裏通りに健気な情緒で佇む、豆腐料理の店「鉄砲洲 双葉」。futaba10.jpgどうやら、人形町・甘酒横丁の「双葉 本店」の流れを汲む店らしい。
ずっと以前、ちょっと一杯と飛び込んだ新橋のあの店も同じ、豆腐の「双葉」だったなぁと思い出す。
ここでも、あれこれ豆腐料理でちょっと一杯するのもきっと乙だねと訊ねたら、夜の営業はずっとお休みしているのだそうです。
うーん、残念(笑)。


口関連記事:下町洋食「キッチン トキワ」で ウィンブル丼に海老フライカレーに(09年07月)


「鉄砲洲 双葉」 中央区湊2-11-5 [Map] 03-3555-1028

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