炭火焼とり「羅生門」で煮込みポテサラしのえ焼き二葉橋高架下トンネルの暗がりは今

港区・中央区を代表する通りであるところの、外堀通り、第一京浜、昭和通り、中央通りとが交叉する港区新橋一丁目。
外堀通りは、そんな大きな交叉点を背にして進み、JRの線路下を抜けて西新橋・虎ノ門方向へと抜けてゆく。
幾つものレールを潜るそのJRのガード下、新橋駅の対面は、二葉橋高架下舗道。
何もなければ少し怪しい暗がりになりそうなトンネルに面して、炭焼きの煙とともに明るさと賑わいを供してくれるのが、炭火焼とり「羅生門」だ。

まだまだ明るい夕方。早くも満席の気配もするオープンエアな佇まいが、いい。

大将にいつも叱られながら新規客を捌き、
舗道側の客の註文や配膳に忙しい小柄なオヤジさんの姿も印象的。正真正銘の炭火焼きであり、
排煙のための大きな煙突を取り付けたい頭上は、線路。
それ故、勿論のこと、煙モクモクなのだ。

麦酒に煮込みにポテサラにではじめて、焼鳥の串、でもいい。しのえ焼きってナニ?と問えばそれは、手羽先餃子。
くりからな串ってな選択肢もある。

煙と油とその他諸々に燻されたお品書きの木札。ひやのお酒は、清酒両関。
ニラ玉子スープもあれば、ニラのおひたしもある。

煤んだ額装には「バッカスが夜警をつとむ羅生門」とある。ギリシャ神話の酒の神にして、
酒に付き物の狂乱の神様でもあるとされるバッカス。
その神様が夜な夜な警護してくれているのはなんとも心強い。
それで安心して呑んでヘベレケになって節度を失うと、
酒での乱痴気も程々にせい!
と強い戒めも下してくれていたのかもしれません(笑)。

新橋は外堀通りのガード下、
二葉橋高架下舗道のトンネルに炭火焼とり「羅生門」の賑わいがあった。「羅生門」のオープンは1947年(昭和22年)のことだという。
それが、ちょっとのご無沙汰とコロナ禍に感けている裡に、
シャッターが一向に上がらない事態になってしまった。
舗道側担当だった小柄なオヤジさんは、
今頃何をされているのでしょうか。

「羅生門」
港区新橋1-13-8 JR高架下 [Map] 03-3591-7539

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