GELATERIA「GelatOK」で久々のパフェラッチHalleinの街の陽射しと苺のパフェと

gelatokザルツブルクの街から見上げる電波塔のある頂が、ガイスベルクGAISBERG。
好天に恵まれた山頂から見渡すパノラマの素晴らしさを堪能した後、そのガイスベルク山頂に建つ憩い処「KOHLMAYR’S GAISBERG SPITZ」で雪解けの微風を照らす強い陽射しを浴び乍らいただいたブランチは、実に素敵なものでした。

ガイスベルクの山肌を縫う様に歩き降りて、
車に分乗して向かった先は、ハラインHallein。gelatok01gelatok02橋の袂に置かれた案内板を覗き込むと、
滔々と流れるザルツァッハを挟み込むよう、
形作られた街であることが判ります。
ザルツブルク州においてはハラインは、
ザルツブルクに次ぐ第二の都市であるようです。

冷涼で麗らかな陽射しの中、
ハラインの街中を散策します。gelatok03gelatok04ザルツブルク随一のお買い物ストリート、
ゲトライデガッセの店々の看板よりもさらに、
精巧な造りの看板が目を惹きます。

仲間達がハラインを目的地に選んだ理由がこちら。gelatok05なにやら子供達もお店のカウンターに集まってくる。

店先にたっぷりと用意されたテーブルたちの幾つかを占領して、
早速メニューを広げれば、極彩色が目に痛い(笑)。gelatok06そう、好天の元の陽射しも良く似合う、
GELATERIA「GelatOK」で久々に、
パフェラッチ!しちまおうという魂胆なのです。

スカした紳士がどデカいパフェのグラスに正対し、
みるみる裡に平らげんとする様子を愉しく眺めながら、
一体何種類のパフェがあるのだろうと、
右へ左へとページを往きつ戻りつしつつ選んだのが、
パフェ「fragola(いちご)」。gelatok07gelatok08大盛りサイズを註文まなくて良かったと安堵しつつ(笑)、
苺の果肉の甘味酸味と数種類のジェラートの協奏を美味しく愉しみます。

仲間のひとりが註文んだパフェもなかなかデカい。gelatok09お酒を舐めてる様子が似合うヤツが、
パフェのグラスを前に内心嬉々としている様子って、
なかなかにチャーミングなものなのですね(笑)。

オーストリアとドイツの国境近く、
ザルツァッハ沿いの町ハラインの真ん中に、
パフェもあれこれなGELATERIA「GelatOK」がある。gelatok10パフェが数え切れないくらい並んだメニューで思い出したのは、
京都は河原町通りにある「からふね屋」三条本店。
遥々やってきた欧州の片隅で京都を思い出すなんて、
ちょっと意外な気分でありました。

「GelatOK」
5400 Hallein Bayrhamerplatz4 [Map] +43 6245 87322

column/03705

お食事処「大力食堂」で甲子園裏手のカレーうどん爆盛りかつ丼の噂の真相

dairikishokudo西宮方面でホテルを取ろうと調べ始めた過日のこと。
東京はホテルがとれないとれないと聞いていたのも束の間、大阪のホテル事情も逼迫しているようで、びっくりするくらい空きがない。
西宮~西宮北口周辺からどんどん範囲を広げていって、やっと見付けたのが甲子園のホテルでありました。

当のホテルは阪神の甲子園駅を背にして、
阪神高速3号神戸線の高架を潜った、
甲子園球場と高速沿いに並びにあった。dairikishokudo01嘗て一度だけ外観を眺めたことはあったけど、
いずれその裡にと思いつつ、
未だに中に入ったことも、
況してや野球観戦などしたことがない、
阪神甲子園球場の外壁を眺めつつ、
ホテルに向かったのでありました。

部屋に荷物を下ろして、
ふらふらっと球場の裏手方面を散策する。dairikishokudo02球場の敷地内とも思しきテニススクールの先に、
新甲子園商店街なるアーケードがあって、
そのほとんどのシャッターが閉まった中に点る灯りに、
すーっと引き寄せられました(笑)。

覗き込んだ硝子ケースには、
お約束の如く中身がちょっとズレたサンプルが並ぶ。dairikishokudo03かつ丼に玉子丼、うどんのどんぶりあれこれと、
町の食堂の風情がいい感じに滲んできます。

玄関の暖簾を払うと、
左に四人掛けの、右に二人掛けのテーブルが並ぶ。
それぞれベンチシートなので、
詰め込めばもっと座れる造り。dairikishokudo04そして、左の壁一面に何故だか色紙が貼り込められている。
有名人著名人のサインということではなさそうです。

入って右手の壁には、扉を外して全開の硝子棚。dairikishokudo05お惣菜を並べてお好きなものをという、
大阪でもお馴染みのスタイルがここでもスタンバイ。
でも、時間も遅くて、残り数品の状態でありました。

おばちゃんに声を掛けると、
菠薐草のお浸しにたっぷりと削り節を載せてくれる。dairikishokudo06dairikishokudo07もうひと皿お願いした千切り大根は、
温めてくれちゃったのが仇となって、
少々妙な感じなのが微笑ましい(笑)。

カレーうどんをお願いしたら、
まず先に取り皿をおばちゃんが運んでくれる。dairikishokudo08蓮華がすっかりと黄色に染まっていて、
幾人ものひと達が繰り返し浸し続けてきたであろうことを、
容易に想像させてくれます。

カレーうどんがやってきた。dairikishokudo09表面張力よろしく、どんぶりの縁一杯の湖面に、
思わずしばし、じっと眺め遣ります(笑)。

割り箸でむんずと掴み、
とろみの強いカレー汁の中から引き揚げたうどんは、
乾麺を思わせるつるるん仕様。dairikishokudo10また~りとたっぷり汁を纏って、
しっかりスパイシー、
そして旨味十分の食べ口を堪能させてくれるのです。
大阪では豚肉じゃなくて牛肉なのが基本形だね。

徹夜仕事が明けて仮眠をとった後は、おひる時。
前夜と同じ暖簾を潜ると、また先客のないタイミング。dairikishokudo11おばちゃんがテレビを観てた(笑)。

どうやらこちらの食堂は、
かつ丼のボリュームが店先のサンプルとまったく違っていて、
「かつ丼」の爆盛りが有名なのだと知る。
ネットには「かつ丼(小)」でも二人前以上ありそうな、
こんもりと丸々と盛ったどんぶりの画像が載っている。
実はそんな注文のどんぶりを横目で拝見しようと、
甲子園球場の裏手までふたたび訪れたのだけど、
残念ながら他にお客さんがいないという(笑)。dairikishokudo12「カレーライス」を美味しくいただいて、
おばちゃんにご馳走さまをして辞したのでありました。

皆が知る甲子園球場裏側の商店街に、
お食事処「大力食堂」がある。dairikishokudo13ふと思い出したのは「力餅食堂」。
食堂の名前に”力”の文字が使われているからだけのことなのだけど、
なんとなく大阪っぽい呼称にも思えてきてね。

「大力食堂」
西宮市甲子園網引町2-29 [Map] 0798-49-0800

column/03704

居酒屋「ゆき椿」で栗渋皮揚げ桃白和え秋刀魚肝醤油四面道に大人の居酒屋がある

yukitsubaki高円寺、阿佐ヶ谷に荻窪ニシオギ吉祥寺。
中央線各駅停車は、運行系統の通称でいうところの”中央・総武緩行線”の一部であるらしい。
中央線というとどうもまず、新宿から三鷹辺りまで間を思うのだけれど、そこにおよそ共通するイメージとして、駅前に闇市の名残りのようなエリアがあって、それが魅力のひとつとなっている街々が中央線沿線だと思ったりもする。

ニシオギ南口の「戎」の一軒で一杯ひっかけてから、
ひと駅乗って荻窪駅を北口へ出る。
青梅街道を四面道方向へと向かい、
杉並公会堂の先辺り。
行き過ぎ戻りつして折れ入った横筋に、
「商い中」と示す木札を見付ける。
恐る恐る軋む階段を上がったところが、
今宵の止まり木「ゆき椿」なのでありました。

先陣のおふたりに遅れを詫びつつテーブルへ。yukitsubaki01夏が往くのがまだまだ惜しい頃ゆえに、
口開きにいただいたお酒は、
胴ラベルにかき氷の幟よろしく”氷”の文字を示した、
吟醸原酒「まんさくの花」。

銀座松屋裏の「野の花」を思い出しつつ、
「みずの実のお浸し」の滋味と歯触りを愉しんで。yukitsubaki02yukitsubaki03かち割り的ロックで呑る「まんさくの花」と合わせて、
夏から秋への季節の狭間を感じます。

ありそでなさそな一品が、
あの皮目の模様もくっきりの「小肌のフライ」。yukitsubaki04yukitsubaki05柴漬刻んだピンクのタルタルをちょいと載せていただけば、
酢〆に思う繊細で独特な風味がフライでも儚く過ぎる。
むほほ、小肌はフライでも美味いのね。

これまたありそでなさそなお皿が、
「桃と海老の白和え」。yukitsubaki06桃を酒肴に仕立てようと思案すると、
成る程、白和えに辿り着くんだという感心のする。

刺し盛りの三種盛りをお願いすると、
今宵の出座は、めじ鮪に太刀魚に鱸。yukitsubaki07太刀魚の皮の際の歯応えなんてのも、
なかなかオツなものなのでありますなぁ(笑)。

フレッシュな一升瓶には「栓が飛びます」なんて、
赤文字で示した札が下がってる。yukitsubaki08yukitsubaki09鯵ならぬ「新秋刀魚のなめろう」が、
そんなお酒に似合わぬ訳がありません。

届いた春巻をよく見ると、
巻き込んだ皮の端っこ辺りから葉のようなものが食み出てる。yukitsubaki10yukitsubaki11包丁の断面を開いてみれば顔を出す、
「イカとニラの春巻」の中身。
火傷に気をつけつつ韮の風味たっぷりをバリッと喰らう。
烏賊の身の部分の変化も愉しからずや。

お酒をお代わりして、
「イカ丸干し」のお皿を迎えた日にゃぁ、
呑兵衛気分が最高潮に(笑)。yukitsubaki14血圧気になるお年頃には、
余りに塩辛過ぎて思わず顔を顰めちゃう場合もある中で、
塩っ気の塩梅もよく、甘さすら感じさせる食べ口。
素晴らしき哉。

これまた秋口ならではの逸品が「栗の渋皮揚げ」。yukitsubaki15決して渋皮を剥ぐ手間を惜しんだ訳ではなくて(笑)、
渋皮が素揚げするにちょうどいい、
芳ばしき衣になるってぇ寸法なのであります。

今さっき、なめろうで堪能させてくれた秋刀魚くんが、
よりぐっと呑み助寄りに仕立てられてやってきた。yukitsubaki16その名も「秋刀魚肝醤油漬け焼き」。
“肝醤油”というフレーズにぴくりと反応してしまう方々と、
テーブルを囲むのって仕合せなことだと思うのです(笑)。

どこか似た様な色合いの酒肴が続いていたけれど、
それぞれが何気にちょっとした変化と工夫を織り交ぜていて、
それが愉しくも興味を唆る。yukitsubaki17「かつおの竜田揚げ」なんてのも、
ありそうでいてなかなか巡り合えない料理ではありますまいか。
それがきちんと仕上がっているのがニクイところなのだ。

荻窪は四面道近く、青梅街道からちょと外れた町筋に、
隠れ家の如く潜む大人の居酒屋「ゆき椿」がある。yukitsubaki18テーブルから見遣るカウンターの右手には、
料理人然とした大将の姿。
逆手にやや距離を置いて比較的若い職人がいる。
のむちゃんによると、左手の息子さんは中華の心得もあるらしい。
今度はそんなカウンターに陣取って、
春に雪解けが始まってやっとその姿を現すという雪椿を
店の名に冠したその訳を訊ねてみよう。

「ゆき椿」
杉並区天沼3-12-1 2F [Map] 03-6279-9850

column/03703

トラットリア「ナポリハウス」でアマトリチャーナを食べてアマトリーチェを救おう

napolihouse世田谷区の南の隅に、九品仏川緑道と呼ぶ緑道がある。
九品仏川緑道は、奥沢の浄真寺(山号を九品仏)付近を水源として、自由が丘の南口付近を通り、大岡山の東工大付近で呑川に合流する九品仏川の暗渠の一部が、緑道として整備されたものだ。
自由が丘南口の緑道には、カフェや雑貨店、服飾店が面していて、ちょっと小洒落た雰囲気も醸してる。
いつの間にか一年間学んだ料理教室「魚菜学園」も緑道に入口が接していたことを思い出します。

そんな九品仏川緑道は、
東急が操車場の跡地に造った「トレインチ」の向かい側にも伸びている。napolihouse01napolihouse02ここでもその両側に何軒かの飲食店が並んでいて、
その中の一軒「ナポリハウス」にお邪魔します。

入口正面の厨房を左手に回り込むようにして、
案内された一番奥のテーブルに落ち着いて。napolihouse03「ポルチーニ茸のクリームリゾット」や、
「しまね和牛のタリアータ」などなどの文字が並んだ黒板を横目に、
ランチメニューに一応、目を通しました。

一応、としたのは最初からご註文を決めていたから。napolihouse04napolihouse05白のハウスワインをいただいて、
先行するサラダをお供に暫しの時間を過ごします。

やってきました「アマトリチャーナ」。napolihouse06napolihouse07玉葱とパンチェッタのトマトソースと副題にあるように、
炒めた玉葱の甘さと塩漬け豚バラ肉の旨味、
ペコリーノのコク味が一体となっていい感じだ。

そして、メニューの表題は、
“アマトリチャーナを食べて、アマトリーチェ救おう”。napolihouse08napolihouse09「アマトリーチェ」のお代から、
その大半を占める500円を、
イタリア中部地震への義援金に充てるという、
取り組みがなされているのだ。
東日本大震災に対して世界から支援の声が上がったように、
他所の災害を思い遣る気持ちだけでも持てたらいいなと思うところ。
laraちんTONちゃんとご一緒した夜と併せてもまだ2皿だけど、
些少ながらも”食べて叶う支援”に参画できた。
Webサイトによると既に、
義援金の1回目の払い込みを行ったようです。

閑静なる九品仏川緑道に面して、
トラットリア「ナポリハウス」自由が丘店がある。napolihouse10自由が丘で創業30年を数えるという古株のイタリアンは、
シェフが代わってもなお、盛業である模様。
“アマトリチャーナを食べて、アマトリーチェを救おう”が、
より多くの方々に支持され、続いてゆきますように。

「Napoli House」自由が丘店
目黒区自由が丘2-14-8 住吉ビル [Map] 03-3725-6489
http://napolihouse.net/

column/03702