スタンドバー「日の出理容院」で床屋の残り香とイエーガーマイスタートニック割り

hinodeちょくちょく通うという訳にはなかなかいかないけれど、横浜で大好きなスポット、それが都橋商店街。
大岡川に沿ってカーブした細長い二階建ての建物が100m以上に渡って続き、そこに沢山の飲食店が連なっている。
両脇と中央の3箇所ある階段から二階に上がれば、川に面した外廊下に出る。
弧を描く廊下を歩けば、スナックやバーの小さな行灯看板が次々と顔を出す。
有名店「ホッピー仙人」の素敵なマスターも都橋商店街二階の住人のおひとりだ。

野毛の聖地「武蔵屋」の閉店を寂しく思い出しつつ、
野毛の中央通りに入り込む。
折れ入って焼き鳥「末広」の店先の空気を拝んだり、
洋食「センターグリル」の碧い看板を見上げたりしつつ、
都橋へと出る。
例によって商店街の二階廊下を徘徊し、
いつも満席の「ホッピー仙人」のギュウギュウ具合を覗き見て、
ずっと気になりつつ未だお邪魔したことのなかった、
商店街近所のバーの前へと寄ってみる。

すると、やや早めの時間にはいつも、
暗くてとても営業するようには思えなかった、
古びた店舗の硝子戸から明りが漏れていました。

木戸に填めた硝子には「日の出理容院」と、
懐かしい丸ゴシックの文字。
ほんの少しだけホラーハウスの扉を押すかのような、
そんな気分も織り交ぜながら開いた木戸は、
意外な程に軽やかだ。hinode01それでも覗き込むような風体で、
店の中に躰を入れる格好になる。
それとは対照的にとても落ち着いた笑顔が、
カウンターの中から迎えてくれました。
木戸の中は成る程、
此処が嘗て本物の床屋であったことを窺わせるような床や壁。
内装の基本は、朽ちるに任せるのが味であるぞとばかりに、
敢えてそのままにしているよな様子であります。

特徴あるボトルが目に留まってお願いしたのは、
イエーガーマイスター Jägermeisterのトニック割り。hinode02部屋の角の壁から壁に渡した小さなテーブルで、
傾けるグラスがキャンドルの火に透けるは深緋こきひ色。
ハーブの風味がトニックに解けてなかなか美味い。

イエーガーマイスターのボトルを眺める度に思い出すのは、
ザルツブルクの街角にあった揚げ物食堂、
Gassenverkauf「Steirische Weinstuben」。
扉を入ってすぐのところに100本を超える本数の、
緑のボトルが樽の上にぎっしり並べられていたのだけれど、
突然店を閉めてしまって今は営ってない。
それがなんとも残念なのです。

野毛の裏手、都橋商店街エリアに知るひとぞ知る、
「日の出理容院」という名のスタンドバーがある。hinode03いっそのこと、青白赤のクルクルサインポールでも回してくれると、
営業しているのかいないのか遠めにも判っていいのじゃないのか!
なんて思ってしまうものの、
だってもう、床屋じゃないし、
サインの灯りなんか点灯したら妖しい魅力が台なしじゃんと、
即座に思い直すのでありました(笑)。

「日の出理容院」
横浜市中区宮川町1-8 [Map] TEL非公開

column/03681

Brasserie「Gyoran」で蝦夷鹿赤ワイン煮鴨肉コンフィ仔牛カツレツ牛ハラミ肉に満足

gyoran八丁堀エリアと京橋エリアとをはっきりと区切っているのが、首都高の都心環状線。
深い川の下を走るようにも見える高速道路があるのは元々、楓川という風雅な名前の付いた川だったという。
川や掘割を干上がらせ、海を埋め立ててきたのも江戸~東京の歴史なのだとすればそれも已むなし。
いま渋谷で暗渠になっている宇田川の支流、河骨川が、童謡「春の小川」のモデルなのだとしたら、楓川も「秋の小川」とか「秋のお壕」とかに歌われていても可笑しくないなぁなんて思いつつ、首都高を渡る橋の脇にある公園の喧騒に佇みます。

小さな公園の近く、高速道路を背にした区画にあるのが、
Brasserie「Gyoran」の紅いファサード。gyoran01gyoran02かつて楓川の護岸だったのではとも思い、
高速道の擁壁の上に位置するのじゃないかとも思う、
いつもの中二階のテーブル席へ。
振り返れば硝子越しに首都高の京橋ランプを知らせる、
大きな標識が見下ろせます。

ギョランのランチメニューにはすべて、
自家製のパンとスープがついている。gyoran03gyoran09gyoran11或る日は牛蒡のクリームスープ、
或るお昼は、マッシュルームのポタージュ、
別の雨の日にはグリーンピースのポタージュ等々と、
素材の風味を真っ直ぐ活かした、
時季のスープがちょっとした愉しみなのだ。

ランチでいただく機会はなかなかないと思うのが、
「エゾジカの赤ワイン煮 人参のピューレ」。gyoran04gyoran05滋味を包み込むように肉塊に煮た、
蝦夷鹿のすっきりとした旨味とコク。
赤のグラスをと叫びたくなるのはお約束ということで(笑)。

ジビエをしっかりなら鴨もある。
でもローストとかではなくて、この日のメニューは、
「フランス産 鴨肉のコンフィ シュークルート添え」。gyoran06gyoran07バリッと芳ばしき皮目の魅惑は勿論のこと、
それによって包むように蒸し揚げられた身肉が旨い。
成る程、この食べ口にザワークラウトが良く似合います。

洋食的定番なお肉料理にも映るカツレツも、
此処ではやっぱりひと味違う「フランス産 仔牛のカツレツ」。gyoran08シュニッツェルのように薄めに叩いたでもなく、
仔牛の風味をしっかりと閉じ込めた、
カリッとした衣と一体となって齧らせるに適切な肉の厚み。
うん、美味いであります。

定番と云えば此方の定番のひとつともお見受けするのが、
「フランス産 牛ハラミ肉のステーキ」。gyoran10噛み応えと一緒に愉しめるのが、
焼き包んだハラミ肉そのものの脂と旨味。
ベタつかない食べ口が好ましいのであります。

春を迎えた頃に店先のA看板で、
このメニューを見つけて飛び込んだ(笑)。
「フランス産 ホワイトアスパラとパルマ産生ハムのサラダ」。gyoran12この日は、スープもアスパラガスのポタージュ。
細めのアスパラではあるものの、
歯触りとジューシーさとアスパラ独特の香りが楽しめる。
アスパラというとオランデーズソースのシュパーゲルが、
真っ先に脳裏に浮かんでしまうのだけど、
こふいふサラダ仕立ても美味しいね。

八丁堀の裏通りにあるBrasserie「Gyoran」は、
紅いファサードが目印のフレンチ。gyoran13敢えて店名「Gyoran」の由来を訊けばやっぱり、
イクラとか数の子とかキャビアとかの魚卵、ではなくて(笑)、
八丁堀への移転前に、白金高輪の魚籃坂下近くに店を構えていたから。
オーナーシェフの羽立氏は、
三田「コートドール」での修行に渡欧、
「ブラッスリーオザミ」の名物シェフを経て独立、
今に至るのだそうです。
もしかしたら銀座でもお世話になっていたのかもしれませんね。

「Gyoran」
中央区八丁堀2-1-9 川名第一ビル1F [Map] 03-5244-9523
http://gyoran.com/

column/03680

すみ処「寺田屋」でぽてサラごまサバあじフライにウチワエビ美味じゃありませんか

teradaya赤坂の居酒屋「さきと」もその日はお休みという日曜日の博多のひる下がり。
天神の地下街”てんちか”を右へ左へと徘徊すれば、それは成る程なかなかの規模。
全長600メートル、150を超えるテナントがあるという。
地上に出て警固公園を通り抜け、岩田屋本店の脇を往き、親不孝通りを漫ろに歩く。
ひと息入れてから今度は、けやき通り近くの知人宅をこっそり眺めたり(笑)、警固の信号近くのスペインバルの止まり木で0次会。
開店時間を見計らうようにして、大名地区の裏通りにあるすみ処「寺田屋」へとお邪魔しました。

行燈点る格子戸の白暖簾を払って靴を置く。
板廊下をずいっと進んだ奥のカウンターへとご案内。teradaya01teradaya02掘り炬燵式に足を延ばして座り、
視線を右に振れば小上がり風の座敷が窺える。
正面には硝子ケースがでんと構えて、
その中にはぎっしりと食材が出番を待っています。

硝子ケースの中身を眺めつつ、
麦酒と一緒に「ぽてサラ」をご註文。teradaya03ほっこりとしっとりのテクスチャのバランスが絶妙で、
過ぎないコクに旨味をそつなく湛えてる。
ポテトサラダの出来映えで、
その店の手腕を測るなんて云い回しがあるけれど、
そんな意味からは、期待を高めてくれる逸品と云えましょう。

この日のお刺身ラインナップから、
目敏く「ごまサバ」を見付ける。teradaya04大分空港に降り立った時から頭の片隅にあった、
関さばへの思慕(笑)がまたまた頭を擡げてくる。
周囲を固めるは、たっぷりと摩り下ろした白胡麻に、
細やかな刻み海苔、醤油タレに山葵、浅葱。
でも中央のスターの存在感は揺ぎない。
脂の甘さとともに鯖独特の香り旨味が真っ直ぐ届く。
美味しいじゃありませんか。

「かきフライ」をと思いつつも選んだのは「あじフライ」。teradaya05それは開きではなくて、半身を二片とした揚げスタイル。
関鯵とは謳っていませんが、
今度は鯵らしい香りが揚げ立ての細やかな衣の中から、
ふわんと湯気を上げて華開く。
美味しいじゃありませんか。

舐めてるのは、芋焼酎「坊の津」。
硝子ケースの中からのご対面は、ウチワエビ。teradaya06teradaya07ゾウリエビでもセミエビでもなくてウチワエビ。
ゾウリエビはぺったんこで、
あまり食べる身がなかった記憶があるけど、
焼いてくれたコイツは身のつまりもよく、
しかもその身が甘くて旨い。
あれま、美味しいじゃありませんか。

店の名に冠たる炭焼きモノは、
黒毛和牛に豚に鶏などなど。
品書きに豚も鶏も”やきとり”と呼んでいるらしきところを見付けて、
東松山を思い出す(笑)。teradaya08鶏の「四つ身」に「砂ずり」をいただい後、
こんなん如何と受け取ったお皿には、こんな串。
お手間をお掛けして申し訳ない気分も交錯しながら、
炙り立ての一粒ひと粒を口に含めば、
期待以上の甘い弾ける芳ばしさ。
なはは、美味しいじゃありませんか。

右目の隅でずっと気になっていたのが、おでんの湯殿。teradaya09teradaya10teradaya11選んだ具は「大根」に「ぎょうざ」。
水餃子みたいなことかと思った「ぎょうざ」は、
コロコロした丸天の中に餃子がインしちゃった感じで面白い。
そして、おでんにレタスと柚子胡椒。
うんうん、美味しいじゃありませんか。
いただいていた日本酒「寒北斗」にもよく似合います。

勢いあまって〆ちゃおうと「牛ねぎやきめし」。teradaya12刻んだソバは入っていないけど、
三宮の春日野道駅の高架下にある、
お好みハウス「ひかりや」の「そばめし」をちょっと上品にした感じ。
美味しいじゃありませんか。
ご馳走さま。

福岡は大名の裏通りに、
炭火焼と行燈に点した居酒屋、すみ処「寺田屋」がある。teradaya13すみ処「寺田屋」は、
狭い路地の奥にあって、
まさに”隠れ家”と謳われる本家「寺田屋」の新店であるらしい。
「寺田屋」と云えば「寺田屋事件」。
ただ、寺田屋騒動も坂本龍馬襲撃事件も舞台は京都。
此方の店名が、その「寺田屋」由来なのか、
それとはまったく関係のない、
寺田さんちの居酒屋、なのかの謎解きは、また今度。
この後、余裕をかまし過ぎて、
飛行機にギリギリで飛び乗ったことは内緒です(笑)。

「寺田屋 炭処」
福岡市中央区大名1-4-22-101 ドリーム大名 [Map] 092-714-4886

column/03679

Bistro「2538②」で4種ワイン野菜たっぷりポトフにカスレに牛ホホ肉赤ワイン煮込

2538日曜日というのはやっぱり、定休日にしている飲食店が多い。
キリスト教でいうところの安息日は土曜日を指すようで、その翌日の日曜日は礼拝を行う日であり、一般に休日であるとされてきている。
日本の官庁は、幾つかの法律により日曜日および土曜日・祝日等を休日と定められていて、民間企業においても日曜日が休日であると、一般には認識されている。
だから、休日の日曜日に飲食店がお休みしていても当然といえば当然のことなのだ。
そんなことを今更のように考えてみると逆に、休日の日曜日に営業している飲食店が実に多いことに気が付く。
土曜日よりは圧倒的に選択肢が狭まるのも事実だけれど、日曜日に営ってくれているお店にはちょこっと感謝しなければなりません。

北千住は荒川の堤防際に建つ学びピア21では、
七階にあるレストランさくらのバルコニーが素晴らしい。
恒例の講座からの打ち上げに絶好のロケーションなのだけど、
その日に限って貸切されてしまっていて、残念無念。
已むなく打ち上げの店を探しつつ、
北千住駅方面へと漫ろ歩きしたのでありました。

いつぞやの牛串煮込み「藤や」はまだしも、
そのお向かいの有名店「徳多和良」は立ち呑みの店で団体さまお断り。
居酒屋「大はし」は勿論のこと「千住の永見」も日曜はお休みだ。
どうしてこう、居酒屋みたいなところしか知らないのだろう(笑)と、
苦笑いしながらサンロードという裏通りを歩いていたら、
横張りした板の空色が印象的な店のファサードに立ち止まる。
駅前の路地でも見たような気もする記号は「2538」。
ここなんか、いいのじゃないでしょか。

そんなこんなで、開店直後の店の二階に上がり込む。
253801女性受けもしそうな、どこか可愛らしいインテリア。
その隅っこのテーブルを囲みました。

グラスワインの4種セットなんて嬉しいタイトルを目に留めて、
早速白ワインで註文してみるい。253802説明によれば、仏蘭西の「フラマン」に、
西班牙の「ファウスティーノ7世」。
ブルゴーニュのシャルドネ「レ・ロジェ」に日替わりのもう品。
地域も葡萄品種もあれこれ異なるグラスを愉しめて、
グラスの凸凹変化もまた一興。
それで楽しくなってくるのは酔った所為(笑)?

俎板お皿に一緒盛りしてくれたのは、
「お肉の前菜盛り合わせ」。253803253804「パテ・ド・カンパーニュ」や「鶏白レバーパテ」「豚のリエット」、
生ハムや自家製ピクルスなんかの上に、
炙ったバゲットが被さるように載っている。
当然のようにワインが似合うお皿に、
これだけでいっか!みたない気分なってきます(笑)。

奥の壁に提げられた黒板を見上げると、
その筆頭にあったのが、この日のキッシュのご案内。253805253806今日のお題は、ほうれん草ズッキーニ。
うんうん、ジャガイモの甘さも、
ズッキーニの歯触りも悪くない。
そして勿論、グラスのワインがよく似合う。

2583(ニコミヤ)っつーくらいだからやっぱり、
煮込み料理をいただきましょうとお願いしていたお皿のひとつが、
2538オリジナルの「野菜たっぷりポトフ」。253807トマト風味のスープとしているところが特徴で、
煮込んでくたっとなった野菜と歯触りを残した野菜とが協演してる。
エキス滲むスープはスープで美味しくて、
ほろっとしたお肉はお肉であっさりといただけます。

煮込み料理5品のうちのもうひと品が、
ご存知「カスレ」。253808ソーセージ、塩豚と白インゲン豆の煮込みと副題があるように、
熱々のお皿目一杯に腸詰や豚の肉塊なぞが詰まっていて、
隙間を白隠元豆が埋めています。
太いソーセージを引っ張り出してから、
お豆がメインよとばかりに摘んではワインのグラスを傾けます。

ワイン吞み切っちゃったのでどうしようと悩んで、
選んでみたのが「シロックハイボール」。253809「シロック」というのは、葡萄でつくられたウォッカであるという。
ブランデーともグラッパともちょと違う葡萄の蒸溜酒であるらしい。
云われてみれば、葡萄の香りがするような柑橘の風味がするような。
あれ?でも、なかなか強いのかも(笑)。

そしてそして、煮込み屋名物と謳うは、
「牛ホホ肉の赤ワイン煮込み」。253810それはもう、期待通りの柔らかさと、
赤ワインやブイヨンの旨味を煮含んだ艶やかなコク味。
ハイ、赤ワインを貰いましょうね。

北千住の裏通り、サンロードの中程に、
煮込み料理を軸に据えたビストロ「2538②」がある。253813駅前の丸井の前から宿場通りに抜ける路地にあるのが、
北千住ワイン酒場・ビストロ「2538」で、
宿場町通り沿いのビル二階にあるのがItalian Bar「2538」。
そして、当のBistro「2538②」はその後、
和牛肉バル「2538」と変化を遂げているらしい。
黒毛和牛を一頭買いしての、
より肉々しい店になっている模様です。

「2538②」
足立区千住4-19-16 [Map] 03-3870-5600
http://www.c-second.com/

column/03678

長浜屋台「長浜とん吉一休」でご無沙汰の屋台街の静けさに焼酎お湯割り〆のラーメン

tonkichiずっとずっと昔の博多の思い出の一番は、タクシーで乗り付けた長浜の屋台街。
クルマを降りたところからその先に広がる屋台の連なりにまず驚いて。
おずおずと通りの両側に続く屋台の行燈看板を右へ左へとキョロキョロしながら歩き進んで、一番奥から今度は来た道をまたまたキョロキョロしながら引き返す。
結局どの屋台に入ったらよいのかまったく判らず、目に留まったお店にエイヤと飛び込んだ。
つまんで呑んでつまんで呑んでラーメン食べて、なにをどう計算したのか判らない少な過ぎるお愛想の金額にも吃驚したっけ(笑)。

何年振りかもう憶えていない、
長浜の屋台街へとふたたびタクシーで乗り付けた。
往時には確か、道の両側に屋台が居並んでいた筈なのだけど、
港に向かって右側には屋台がない。tonkichi01左手の屋台の数も随分と減ってしまって静かな印象です。

並びの屋台が兄弟店で、注文したツマミによっては、
別の屋台からそれが届くってなこともあったと思い出す。tonkichi02三つ並んだ「長浜とん吉」の屋台の、
真ん中の屋台に隙間を見付けて、
相棒と一緒に潜り込みました。

足許からスースー冷えるのでと、
焼酎のお湯割を所望する。tonkichi03ブロック塀の際に置かれた寸胴は勿論、
長浜ラーメンのスープでありましょう。

焼酎のお供にと一番最初に届いたのが、
「いわし明太焼き」。tonkichi04明太子を鰯のお腹に挟んで焼いたという、
ただそれだけのことなのだけど、
焼けた鰯の皮目の脂と独特の風味が、
半焼けの明太子に良く似合ってなかなかイケる。

串物類から「豚バラ」「味噌ホルモン」「つくね塩焼き」。tonkichi05恐らく冷凍してあるものを焼いたのだろうと、
そんな風にも思うけど、
こんな屋台にコップの焼酎とに良く似合います。

お代わりしたお湯割り焼酎を舐めているところへ、
自家製「餃子」のお皿が届く。tonkichi06ねっとりしたあんの餃子の、
薄手の皮の焼き目が芳ばしい。
焼き立てはなんでも嬉しいものでと、
また焼酎のコップを傾けます。

ここへ来たならやっぱり、
ラーメンをいただかない訳には参りませんと(笑)、
3つの屋台の背後を行き来するお兄さんに声を掛けます。tonkichi07以前の味はもう憶えていないけれど、
ややあっさりにも思うスープ。
やはりあんまりこってりしたり、獣が匂ったりするのは、
特に女性陣には受けが悪いのかもしれないと、
そんな修正がされてきているような気もします。

長浜屋台街の真ん中で、
三つ並んだ同じ屋号の屋台のひとつが「長浜とん吉一休」。tonkichi08どうやら、長浜の屋台9軒はこの2月に、
この場所から約150メートル離れた、
市鮮魚市場南側の市道に集団移転した模様。
福岡市が定めた屋台基本条例に基づく、
再配置の第1弾であるらしい。
屋台条例は、屋台を締め出して撲滅しようというものでもなく、
博多名物として観光資源になっている屋台の存在意義を明記した上で、
今後の存続を前提としつつ、
屋台に営業ルールを守ることを求めるもの。
地元の事情や賛否はきっと色々あるものの、
ぜひ屋台の情緒と活気を存続させて欲しいと、
たまーにしか訪れないクセして勝手なことを思うのでありました。
今度は天神辺りのあの屋台に行かなくちゃだね。

「長浜とん吉一休」
福岡市中央区港1-10 長浜屋台街 [Map] TEL非公開

column/03677