牡蠣だし無化調ラーメン「麺や佐市」で牡蠣滋味エキスさらっと堪能牡蠣拉麺佐市麺

saichi春先の一時期、用事のあった都営新宿線は本八幡方面。
帰りがけに住吉駅で乗り換える。
なかなか普段からの馴染みの薄い沿線ゆえ、錦糸町駅が住吉駅の次駅だと知って、ちょっと驚いたりする。
地上に上がればそこは、錦糸町駅の北口四ツ目通り沿い。
総武線の高架下の表情を眺めてから、錦糸公園方向へ回り込んでみます。

ちょうど染井吉野がすっかい散って、八重桜が辺りを華やかにしてる頃。saichi01やや遠くにスカイツリーが姿も映る。
スカイツリーも今となればすっかり馴れてしまって、しげしげ眺めることも少なくなりました(笑)。

そんな錦糸公園近く、ロッテホテルの裏手に静かに佇む「麺や佐市」にお邪魔する。saichi02手にした食券をカウンターに置いて座り、今来た裏通りを眺めると、5年位振りに訪れたような、それはただのデ・ジャ・ヴュのような不思議な感覚に包まれます。

お願いしたのは「牡蠣拉麺」。saichi03成る程、大門「THINK」の鶏ポタにも似た濃度がスープの見た目からも感じられる。
じっくりと、でも柔らかく熱を入れた牡蠣の身がふたつ。
蓮華で啜るスープには、濃密な気配とさらっとしたテクスチャが同居しているような、そんな舌触りです。

麺はといえば、中太やや縮れのしこしこ麺。saichi04丸山製麺の麺であるらしい。
スープに負けずに寄り添うタイプを選んでいくとこんな感じになるのでしょうね。
刻み海苔もスープに麺に馴染んで、うんうん、美味しい。

また別の夕刻、今度は「佐市麺」をお願いしました。
店名を冠したどんぶりは、チャーシューや煮玉子を加えた豪華版。saichi05なにやらスープの濃度も前回より増して見えたりします。

牡蠣が嫌いなひと苦手なひとは、いずれにしてもNGでありましょうが、火を入れた牡蠣の風味は明快にあっても、それは臭みではなくって、牡蠣の自然な旨味エキスをたっぷり含んだ滋味スープ。
下処理して、ミキサーにかけ、裏漉ししたりするんだろうなぁとは思うものの、その工程は通常のスープどりとは違う要素を多分に含んでいそう。
原価と手間がかかっているであろうことは想像できる。
そこに化調を使ってしまっては、確かに勿体ない所業となりましょう。

錦糸町北口、錦糸公園近くの裏道に、
牡蠣だし無化調ラーメン「麺や佐市」がある。saichi06今度は、「生牡蠣」と「つまみ牡蠣」で焼酎でも舐めてから「牡蠣つけ麺」あたりに挑みたいと思います。

「麺や佐市」
墨田区錦糸4-6-9 小川ビル1F [Map] 03-3622-0141

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うなぎ「しらゆき」でうなたま丼うな重竹に月見親子丼鰻供するお店の苦慮と

shirayuki紅い看板の銀行の新富町支店がある交叉点の信号機が示すは入船一丁目。
築地に向かって左手に行けば、亀島川を新川に渡る南高橋(みなみたかばし)に至り、右手に往けば新富町の縁に沿い、首都高の京橋ランプを経て、昭和通りの新京橋から外堀通りへと抜けてゆく。
銀行の横手を新金橋方向へ進むと一本目の角にカレーの旨い「KHADONO」がある。
小さなパン屋さんの前を通り過ぎて、二本目の角にあるそば處「更科 丸屋」の手前にあるのが、うなぎ「しらゆき」です。

時に換気扇から流れ出る煙の匂いが鰻のものであったり、そうでもなかったり。shirayuki08厨房の気配を想いながら、店頭の品書きパネルを眺めます。

カウンターの隅に腰掛けると目の前には沢山の一升瓶の列。shirayuki02「獺祭」「五凛」「飛露喜」に「田酒」に「鶴齢」。
ここにずっと置いてあるのかちょと心配しつつ、その壁を眺めます。

まずお願いしたのが「うなたま丼」。shirayuki03それは、くたっとした玉葱を含む半熟玉子の覆いの上に蒲焼が三切れトッピングしたもの。
決して廉価ではない鰻さん故、お値段なりといえその通りなのですけれど、三切れの光景に一抹の侘しさも感じてしまいます。

ならば「うな重」をと思うも、竹、松、特とある中からの竹を選んでしまう消極派(笑)。
さすれば、当然のように周囲の隙間も甘んじて受け入れざるを得ない小振りのお重。shirayuki04松・竹・梅としないお店の苦慮をいじましく思ってはいけません。

「しらゆき」には、鰻以外のおひるメニューも並んでいて、例えば「きじ焼き丼」なんてヤツもある。shirayuki05一見、鶏サラダ?とも思わす見映えでありますが、炭焼きの雉の身の芳ばしさは悪くない。
サラダ菜を別のものにする工夫の余地はありそうです。

そして、メニューの筆頭が「月見親子丼」。
ゴロっとしたやや大振りの鶏肉と溶いた玉子のこんもり盛り付け。shirayuki06shirayuki07以前は「大山鶏の親子丼」というメニューだったのだけれど、いつの間にか大山鶏の冠が外れてた。
甘辛のタレはいい感じ。
値段が違うので比べちゃいけないと思いつつ、例えば茅場町「鳥ふじ」の「特上親子丼」やはじっこ銀座の「森川」あたりのどんぶりと比べると、もひとつシズルが弱いかなぁと思わないこともありません。

新富町の鰻処といえば、
「うなぎ青葉」か「とり福」か、はたまた「しらゆき」か。shirayuki01「しらゆき」という店名の由来を訊ねたら、こんなお応えをいただいた。
鰻の”しらやき”から転じて”しらゆき”としたンです。
気構えずに仕事帰りに寄り道して、居酒屋使いするのも似合いそうです。

「しらゆき」
中央区新富1-15-3 [Map] 03-6280-4524

column/03579

bar「MANZONI」でGradoの街の入り江とヨット眺めいただくカプチーノ

manzoniイタリア北東部のフリウリ洲Udineの石畳の路地にある食堂「FRASCA DI CITTÀ」で、ウディネ近郊の郷土料理をワインと一緒にいただいてから、時間に間に合うようにダッシュして駅前のバス停へ。
wi-fiフリーのバスは、およそ真っ直ぐに南下し、そのまま海中道路の上をひた走る。
両側に海が広がる光景は、沖縄の伊計島へと繋がる道路とはまた趣を異にしてかつ魅力的。
いつか訪れたいと思っていた海辺の街、グラドGradoにやってきました。

荷物を降ろして早速辺りを散策する。
街中まで入り江が入り込んでいて、そこに沢山のヨットが停泊していてイイ感じ。manzoni01manzoni02manzoni03対岸には、時季ともなればラグーナを巡る船も横付けされています。

入り江の導入部辺りへと向かう途中には、魚市場(つまりはグラドの築地)があったりする。manzoni04漁船の上には、海猫や鴎が優雅にとまり、鳴き声を上げては羽ばたいてを繰り返しています。

入り江に沿って戻ってきて、ひと休みしようかと腰を降ろしたのが、係留されたヨットも目の前のバール。manzoni05manzoni06カプチーノでもいただいましょう。

カップには「MATTIONI」の文字とGoriziaの地名。manzoni08manzoni07「illy」のトリエステTriesteも近いけど、ゴリツィアのCAFEÈを選んでいるのですね。

グラドの街の真ん中のヨットバーバーに面して、
bar「MANZONI」がある。manzoni09建物の横の通りの名も「MANZONI」。
通りの名が先か、バールの名が先か。
さて、どちらでしょうね(笑)。

「MANZONI」
Via Alessandro Manzoni, 5 34073 Grado GO Italia [Map]
+39 0431 80025

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味の店「末広」で豚肉のしょうが焼きとおたまのかたち期待以上の佇まい

suehiroそう遠くないところで暮らしていながら、一度も降り立ったことのない駅というのも意外とあるもので。
ふと考えたら、大井町-二子玉川間の路線距離10.4kmの東急大井町線では、辛うじて15駅全駅を利用しているものの、15駅、路線距離10.9kmの池上線では、御嶽山駅の改札を通った憶えがなかったりする。
御嶽山駅と云えば確か、東海道新幹線や横須賀線の跨線橋にホームがあるですね、グヤ父さん(笑)。

その横須賀線でも利用した機会がなかった駅のひとつが新川崎駅。
改札から出て鹿島田跨線橋を渡って吃驚いた。suehiro08なにやらいい顔している貨物機関車が何輌も待機中。
sepp先生曰く、かつての新鶴見操車場、今の新鶴見機関区あたりはその筋では有名な場所であるらしい。
なんだかちょっとワクワクする光景であることは間違いありません。

そんな新川崎駅から線路に沿って南へ延々と歩いた辺りが小倉地区。suehiro09矢向駅側に渡る陸橋近くにはパイオニア本社があったりします。

コンビニくらいしか見当たらない界隈でひる飯時となって思案する。
コンビニめしするくらいなら、バスに乗って川崎駅に出てしまおうか。
そう考えてバス停でバスを待つうちに、ふとバス停近くのフェンスに貼られた附近図が目に留まる。
何気なく眺めていたら、「洋食」の文字を発見!
バスをやめて早速、その地図が指し示す場所へと向かいました。

それは期待以上の佇まい。suehiro01色褪せたカラー鉄板の壁に掛けた看板の文字が掠れはじめてる。
洋食、定食、焼き肉の味の店「末広」さんでおひるをいただきましょう。

ショーケースを覗き込むと、「カキフライ」のサンプルがある。suehiro02時季でないことが一瞬悔やまれるものの、「オムライス」に「かつ丼」に「チャーハン」と和洋中混交が違和感なくなされていることを頼もしく思います。

暖簾を潜って顔を上げたところに目に映ったのは、すっかりいい感じに赤ら顔のオヤジさんのニッコリ笑顔(笑)。suehiro04カウンターには熱燗徳利が載っている。
テーブル席はといえば、職人さんらしきおふたりがウーロンハイらしきグラスを重ねてる。
いいねぇ、思わず「麦酒!」と叫びそうになります(笑)。

卓上にはメニューがなくて、キョロキョロさせた目線は壁の品書きに向かいます。suehiro03実はすっかり「チャーハン」な気分だったので、ショーケースのメニューはできますかと訊いてみる。
ハイ、できますよとのオカーサンの応えをいただいてから、何故だか口をついて出たのは、では「豚肉のしょうが焼き」に「チャーハン」つけてください、でした。
オナカ減っていたのですね(笑)。

カウンター越しにオトーサンが手渡してくれた「豚肉のしょうが焼き」。suehiro05でろろんと溶岩流的ソースがたっぷり。
胡椒の粒子もたっぷりと覗くけど、辛い訳ではなく、生姜がぴりりとするノリでもない。
でもなんか、まったりしたソースが素直にシズる。
付け合わせはトマトに千切りキャベツ。
素ナポはありません(笑)。

「チャーハン」は歴とした”おたまのかたち”。suehiro06パラッパラな炒め具合ではないけれど、オカーサンに北京鍋をガコガコと激しく繰ることを強いるつもりは毛頭ないのでなんの文句もありません。
ペロっといただいて、ご馳走さまです。

鶴見川と横須賀線の狭間の住宅地に、
ぽつりと味の店「末広」というオアシスがある。suehiro07もしも今度寄れる機会があったなら「日替わり定食」をいただきたい。
看板に描かれた、掠れた扇子の図もまたいい味だしてます。

「末広」
川崎市幸区小倉4-16-26 [Map] 044-588-5041

column/03577

純手打生蕎麦「奥藤 本店」で鳥もつ煮発祥の蕎麦の店信玄公像と舞鶴城公園の桜と

okutou甲府というと思い出すのは、そのちょっと先にある北杜市のこと。
中央本線の小淵沢駅からクルマで赴いたのは、サントリーの白州蒸溜所。
木々の間から覗いたキルンを模したという双頭の建物「ウイスキー博物館」で貴重なボトルたちを眺め歩いてから、蒸溜所のポットスチルをまじまじと見詰めたり、貯蔵庫に壮観に並んだオーク樽の山にオオオとただただ感嘆したり。
勿論、10年12年18年ものを呑み比べたり、「白州25年」なんぞも舐めたりして、とっても有意義な時間を過ごせたのでありました。

それからなんと7年程振りに乗り込む「あずさ号」。okutou01なんか車両がすっかり新しいような、前回もこの車両だったような。
ここでE257系の薀蓄を語れないようでは、鉄ちゃんには なれません(泣)。

そんな中央本線新宿駅9時発JR特急は、あずさ号9号。
あずさ2号は今は、信州に旅立つ旅客ではなくて、松本始発の上りの一番列車であるらしい。
ちなみに新宿発8時ちょうどの列車は、スーパーあずさ5号。
あ、前回はあずさ号ではなくて、きっとスーパーあずさだったんだ。

およそ100分の旅程を経て到着した甲府駅の南口駅前広場。
そこにはデデンと武田信玄公があらせられる。okutou02甲斐の国の守護大名、ここにありという風格でありますね。

午前中の用事を終えて向かったのは、身延線の国母という小さな駅。
辿り着いたのは静かな住宅地の中の蕎麦の店。okutou03okutou04手打ち蕎麦屋なのだけど、暖簾の手前には「元祖鳥もつ煮」の立て看板。
暖簾の内側にも「元祖鳥もつ」の大看板。
その隣には、「B-1グランプリ全国制覇」の文字が躍っています。
そんなことはもう、皆さんご存じですよね(笑)。

素直な気持ちで選んだのは、おすすめの「甲府鳥もつセット」。okutou05鳥もつ煮の小盛りにもりかかけかの蕎麦かうどん、小さめご飯に香の物がつくというものです。

どれどれと「鳥もつ煮」を凝視する。okutou06テラテラと照る様子から既に甘辛い風情が滲み出ています。
レバーにハツ、砂肝、キンカンまでもが濃いぃ飴色に包まれて、それぞれの食感と滋味を何気なく主張してくる。
品書きを改めて読むと、「甲府鳥もつ煮」は戦後間もない昭和25年頃、この店「奥籐」で誕生したとある。
“どこが元祖だ問題”は、色々な土地や事柄で起こり得ることだけど、こちらが甲府の「元祖鳥もつ」発祥の地なのでありましょう。

どうも鳥もつ煮にばかり気が向いてしまいますが、こちらはそもそも蕎麦屋さん。okutou07田舎蕎麦とは趣の違う蕎麦は、量を拵えているがゆえの端正さなのでありましょか。
仄かな香りと喉越しは決して観光地的ものじゃない。
なかなか美味しゅうございます。

腹ペコに勢い込んで註文んでしまっていたのが「信玄鶏の天ぷら」。okutou08初めて見知る”信玄鶏”。
名前そのものにはあやかり系の匂いも少々思うものの、身肉の味わいが濃くって旨い鶏天麩羅。
麦酒が呑みたくなってきました(笑)。

1913年(大正2年)に甲府の駅前に創業した手打蕎麦「奥藤本店」は、
甲府鳥もつ煮発祥の店。okutou09創業来一世紀を経て今なお親しまれ、繁盛している様子は、素晴らしい。
B-1グランプリによる町おこし取り組みも伊達じゃぁないなと、やっとこご当地に来れて思うのでありました。
事務局長、お元気かな。

午後の用事を済ませて、上りのあずさ号の時間までの束の間を甲府駅近くの舞鶴城公園を散策する。okutou10時季は桜の散る頃。
鉄門(くろがねもん)の前に置かれた解説を読むと、甲府城は豊臣秀吉の命で浅野長政・幸長によって築城されたもだという。
武田信玄の城ではないのかと頭の中?マークで一杯になったのも歴史的知識の浅きが故。
信玄公は、生涯城を持たなかったようですね。

「奥藤 本店」
山梨県甲府市国母7-5-12 [Map] 055-222-0910
http://www.okutou.com/

column/03576