タイ料理「バンコック ポニー食堂」で 大好物かもゲーンキョーワン

pony.jpg新川の「がんぎ」から道を隔てた角のところ。 以前も飲食店があったような気はするものの、どうもはっきり思い出せない。 カレーハウスだったか、韓国料理のお店だったか。 去年の暮れ近く、そのビルに山吹色がきりっと目立つテント地の庇が取り付けられました。 楕円に白く刳り貫いて、「バンコック ポニー食堂」。 どうやらタイ料理のお店のようです。

店内は、主要部分に古材を使いっていて、 チープにならずにでも飾らない雰囲気がなかなか好ましい。 pony01.jpgpony02.jpgpony03.jpgタイのアイドルなのでしょうか。 下がり壁にはそんなレコードジャケットやタイの雑貨らしきものが整然と飾られています。

pony04.jpg 呼びなれないメニューが並ぶ中から最初にお願いしてみたのが、 鶏肉と茄子のグリーンカレー「ゲーンキョーワーン」。pony05.jpg意外と小さな器に鶏肉や針生姜、茄子を浮かべたグリーンカレー。 添えたお皿にジャスミンライス。 なんだか、いい香りなのは、カレーとライスと双方から漂って。

それがタイ式に正しいかは別にして、 スープカレーの要領でいただくことにする。 ステンレスの蓮華にジャスミンライスを掬って、 グリーンカレーの小さな器に浸すようにする。 加減良くカレーが沁みたところで、口へと運ぶ。 pony06.jpgあああ、美味いなぁ。 ココナツのさらとろんとしたコク風味とナンプラーが、 パクチーなぞの緑色を上手に融合してる。 青唐辛子でヒーヒーした経験もあるけれど、そんな心配の全くない、 マイルドさも魅力のグリーンカレーであります。

晴れたお昼には、「ガイガパオ」。pony07.jpgpony08.jpgころころとした鶏の粗挽肉とホーリーバジル。 こちらも辛さの心配なく、バジルとナンプラーの風味漂って。 鶏挽肉の旨味が優しくジャスミンライスを誘う仕立てです。

三席ばかりのカウンターから見上げたら、淑女たちが宴の真っ最中(笑)。pony09.jpgタイのリカちゃんなのでありましょか。

そんな手許に「レックナーム」のどんぶりが来た。pony10.jpgpony11.jpg細めの米麺をセンレックと呼ぶらしく、ナームは”汁あり”的な意味らしい。 なるほどあっさりしたナンプラースープにつみれやパクチーが載っていて、 その下から米麺が顔を出す。 ベトナムの「フォー」のイメージに近いどんぶりだ。 こふいふのをいただくと、普段なんて脂ギトギトで塩分過剰な汁麺を食べているのかと、 少々反省してみたりいたします(笑)。

タイ屋台式・週替わりメニューで見つけた数量限定品は、 「ガイパッキン」タイ式・鶏の生姜焼き。 しょうが焼きに恋してる兄さんは、専ら豚の生姜焼きで、 鶏の生姜焼きに興味がないかしらんなぁんて考えながら(笑)、 出来上がりを待つひと時。pony13.jpgタイの家庭ではこれが定番で、それは目玉焼きも大概セットらしい。 生姜風味鶏野菜炒め、ってな仕立ても悪くないね。

お隣のおねえさんの注文を聞いて、よくよく今のメニューを眺めたら、 「トムヤムスープ」が50円で販売中。pony14.jpg池袋の某デパートのレストランフロアで刺激的な「トムヤムクン」に打ちのめされてから、 「トムヤムクン」が苦手なままなのだけれど、 このくらいの辛さ酸っぱさなら心地よくいただける。 こんなのはトムヤムスープではないと断ずる方もおられるかもしれませんが(笑)。

12年の11月にオープンしたタイ料理の店「バンコック ポニー食堂」。pony15.jpgpony16.jpg建物側面の硝子には、馬のイラストなんかも描かれているので、 そんな馬のポニーに肖った店名かと思って訊ねたら、然にあらず。 タイの言葉で、”丁度いい”ってな意味の”ボニー”が、日本では”ポニー”と聞こえることから、「ポニー食堂」としたのだそう。 辛さ酸っぱさの加減を日本人に”丁度いい”感じに仕立ててくれています。


「バンコック ポニー食堂」 中央区新川2-12-17 マルコウ八重洲通りビル1F [Map] 03-6228-3392 http://bkk-pony.com/
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洋食舗「吾妻AZUMA」で的矢産カキフライ元祖とろとろオムライス

azuma.jpgなかなか足を運ぶ機会のない本所吾妻橋。 浅草からアサヒビールの例の黄金オブジェ越しに、 スカイツリーを目掛けるように吾妻橋を渡ればもう、 その界隈なのだけどね。 貝料理の「海作」へはそうやって向かって、 ちょっと迷子になったっけ(笑)。 そんな本所吾妻橋吾妻橋駅は、 周知のことながら、浅草の隣駅。 今度は、都営線でアプローチです。

駅改札から浅草通りと三ッ目通りとの交叉点に上がれば、 ビルの隙間からスカイツリーの雄姿が迫る。 あ、三ッ目通りをここから南下すれば、酒亭「わくい亭」の辺りじゃんと思い出す。 でも今日は、それとは逆方向に進みます。

東武線の高架の手前にあるのが、レストラン「吾妻AZUMA」。azuma01.jpg店先の歩道には、古の瓦斯燈よろしくレトロな街路灯が立っている。 向かい側の住宅展示場の背後にスカイツリーを望みます。

azuma02.jpg扉の脇の貼り紙には、こうある。 毎朝直送、志摩半島的矢湾から愛を込めて「的矢かき」。 あるねあるねと呟きながら(笑)、その先のカウンターへと進みます。

カウンターの隅から振り返る店内。azuma03.jpgしっとりした木の色合いや表情が落ち着いた老舗の風格を思わせます。

ご注文は勿論、「的矢湾産カキフライ」。 オープンな厨房脇の壁には、大事そうに額に収めた写真が飾られている。 その下でキャプションしているメモには、蛎養殖の父 佐藤 忠勇博士とある。 azuma04.jpgazuma05.jpgカウンターに準備されたフライヤーによると、 佐藤博士は明治20年、ご当地本所生まれ。 プランクトンや海洋資源の研究を東北帝大(今の北海道大)で積み、 北海道庁技官として永年、全国の海、湾、入江を実踏記録調査。 志摩半島、的矢湾を理想の海と定めて、牡蠣の養殖法を完成させ、 的矢湾蠣養殖研究所を設立、全国に指導、普及した。 近年注目される海水の紫外線殺菌による無菌養殖法を早くも実施し、 昭和30年には特許を取得。 フランス他、国際的にも指導、貢献し、「的矢カキ」を世界に知らしめた、と続く。

日本の牡蠣養殖の父といえばそれは、 かの料理研究家岸朝子さんの父上でもある宮城新昌さんだとばかり思い込んでいたけれど、 およそ同時期に的矢湾を根城に世界的にも活躍した先生が他にもいたってことになるね。 ううむ、石巻か、的矢か…。

そんなことを気にしてどうするとばかりに芳ばしい匂いを漂わせながら、 カキフライのお皿がやってきた。azuma06.jpgazuma07.jpgまさに狐色に染まった細かめのパン粉を纏った牡蠣。

まずはそのままで、とのアドバイス通りに、 檸檬すら搾らず、すっとナイフを挿し込んで、 熱々具合の様子を窺いながら齧り付く。azuma08.jpgあああ、いいね。 火入れに活性した牡蠣の旨味と揚げ立て衣の芳ばしさのコンビは鉄板だ。


日を替えて、またまたカウンターの隅にいる。azuma09.jpg二階のテーブルから眺めるスカイツリーの借景も悪くないのではと訊ねると、 二階には席はないと断言された。 外観や二階への階段の設え具合からみても、二階も客席であったことは容易に想像がつくのだけれど、ランチ時は開放していないとかそういうことでもなくて、兎に角ない、のだそう。 ちょっと残念に思いながら、メニューを開きました。

azuma10.jpgコックコートのお三方の動きを眺めながら、 お願いしたのは先代創作と謳う「オムライス」。 意外に思うカレー風味のカップスープを手にふたたび、 厨房の所作を興味深く眺めます。

届いたお皿には、艶やかなチキンライス。azuma11.jpgライス型でこんもりと伏せたようなフォルムから、 ゆっくりと湯気が上がっています。

と、そこへフライパンがそのままやってきて、 うりゃっと一閃するようにこんもりチキンライスの上にひっくり返す。azuma12.jpgとろとろっとチキンライスの斜面を雪崩落ちる玉子。 あっという間もなく、オムライスへと変身していく。

そこへ更に手鍋のデミグラスを回しかけ、 グリーンピースを散らせば、先代創作「オムライス」の完成だ。azuma13.jpgazuma14.jpg厨房に向けて翳したスプーンを徐に玉子の幕に挿し入れる。 どうも溶き玉子の表情に目を奪われがちだけれど、 その玉子で包んだチキンライスの出来がなかなか秀逸で、 炊き加減のよいゴハンの一粒ひと粒が立ちながら纏まり、そして解れる感じは、 まるで鮨のシャリの粋を思い出させてくれるかのようです。

ご主人と思しきコックコートの御仁は、 大げさなくらいに客あしらいに気を利かせてくれて恐縮至極(笑)。azuma15.jpgお隣さんが注文した「カキフライ」をちょっと多めに揚げてひとつ。 食べかけの「オムライス」のお皿の隅に、どうぞと載せてくれました。 こふいふのって、何気に嬉しいよねー。

大正二年創業の洋食舗、レストラン「吾妻AZUMA」。azuma16.jpgファサードの壁に貼り込んだシートを改めてよく見ると、 「元祖とろとろオムライス」と謳ってる。 その下のフレーズが、なるほどご主人の思いをきっとそのまま表現しているのでしょう。 「また あなたに会える 下町のおもてなし」。 お値段の方ももう少しおもてなししていただけると益々嬉しいであります(笑)。

口 関連記事:   貝料理「海作」で 貝づくし床伏煮牡蠣甘辛揚げみそ玉焼き焼蛤(10年10月)   酒亭「わくい亭」で 洋風居酒屋メンチ赤ワイン煮トマトバジル炒め(11年07月)


「吾妻AZUMA」 墨田区吾妻橋2-7-8 [Map] 03-3622-7857
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つけ麺中華そば「月と鼈」で 煮干し中華そば一段搾り煮干し増し

tsukito.jpg「幻のマッカーサー道路」。 そう呼ばれていた道路計画がある。 最高責任者マッカーサー元帥指揮する連合国総司令部が、虎ノ門の米国大使館から東京湾の竹芝桟橋までの軍用道路整備を要求した等との俗説から、虎ノ門から新橋までの区間をそう俗称する。 そんなことを何かの機会に知って、そうなんだとすっかり刷り込まれていました。

ところが、どうやらマッカーサーがそんな要求をした的な理解は間違いのようで、 敗戦国にそんな道路は必要ないとGHQはむしろ反対の立場だったらしい。 幻は幻のまま、きっと実現しないのだろうなとも思い込んでいた道路計画が、 都市計画道路環状二号線の主要区間として事業化され、 一部開通が予定されるまでになった。 道路上に建物を建てられるように法律まで改め、こんな都心の真ん中で用地買収を果たし、 事業を具体化した強引な手腕には敬服するばかり。

新橋を縦断するように占める工事現場を金網越しに。tsukito01.jpg建設機械の向こうに見える高層ビルは、 環状二号線の上に建つというビルでしょか。

工事の進む環二の帯を跨ぐようにして、その向こう側へ。 思えば、旧き「鮎正」へは足を運べず仕舞いだったなぁなどと考えながら向かうは、 恐らく、環二が事業化して開発エリアを区切った後からオープンしたであろうお店。 煮干し出汁の中華そばも人気と聞く「月と鼈」がずっと気になっていたのです。

中央に亀甲を据えた金文字の看板。tsukito02.jpg何処かで見憶えのあるその意匠に、あれっ?と思う。 嘗て西新宿にあった「凪」の一軒が煮干し中華の店にして同じ味わいの看板を掲げていた。 「凪」の新店ということではないようですが、 何かの関係はあるのでしょうか。

tsukito03.jpgそんなことをぼんやりと考えながらポチッとしたのは、 「煮干し中華そば 一段搾り」の黄色いボタンです。 玉ねぎ増しでお願いしましょう。

素朴な景色が麗しきどんぶり。tsukito04.jpgいい感じだなぁという想いは、 そのスープを啜って、おおおーと確かなものになる。 ううむ、これは旨いぞと。

澄んだ煮干しスープの青森「まるかい」や浅草「つし馬」とも違うし、 粒子系ニボニボの大泉学園「伊吹」とも明らかに違う。tsukito05.jpg 別の動物系スープをほんの少々加えているのかのようなバランスのとれた旨味のコク。 それがすかっと濁りなく素直に届くのがいい。

別の夜、ふたたび環状二号線の工事現場の向こう側。 今度は、「肉中華そば」を「煮干し増し」で挑みます。

なははは、こりゃいいや。 なるほど、煮干しの旨味がじわじわぐぐっとくる。 そしてそれが淀みなく明瞭に広がる。tsukito06.jpgtsukito07.jpg新馬場「いまむら」で想った、 煮干し使いの巧みさとバランスの良さが、ここにもある。

麺は、モチっとしながら歯切れのいい仕立て。tsukito08.jpg無かん水の細ストレート麺よりも、 なるほどこんな作りの麺の方がより似合うかもしれません。 調子に乗って、今度は「濃厚煮干し中華そば」。tsukito09.jpg大概「煮干し中華」に”濃厚”の冠がつく時は、 動物系のスープとの合わせ技。 動物系の脂を丁寧に乳化させたスープに魚介の風味が薫る。 妙にベッタリさせない手筈に感心するところ。 でも、「煮干し増し」の「中華そば 一段搾り」には敵いません。

巧みなる煮干し使いのつけ麺中華そば「月と鼈(つきとすっぽん)」。tsukito10.jpg今はなき西新宿「凪」は嘗て、 なかなかの完成度を魅せる特級煮干し中華そばの店でした。 その西新宿「凪」の看板と酷似した意匠の看板を掲げているのはなるほど、 同じ看板店に製作を依頼したからで、「凪」とは関係ないということのようだけれど、 煮干し中華の完成度とを併せみるに、 実は西新宿「凪」のスタッフがなんらかのカタチで関わっているのではないかと、 勝手に臆測しています。

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「月と鼈」
港区新橋4-27-7 [Map] 03-6450-1059

column/03356

串かつとん焼「のんき屋」で 串牡蠣フライ想定外の旨さ見詰める

nonkiya.jpg仮囲いに包まれて何やら工事の進む、 名駅松坂屋やバスターミナルの跡地。 想像以上に広大な敷地を横目に、 線路の高架に沿うように名駅通りを北上すると、 牛島町という交叉点に辿り着く。 そこから斜め右に道を折れた辺りに、 店先もちょっと賑わう暖簾がある。 どて焼き、串かつ、きも焼きの「のんき屋」で、 久方振りに一杯ひっかけようというのです。
暖簾越しに覗き込んで人数を告げると、 たまたま空いていた横並びの丸椅子をすぐさま指を指す。 早速腰を下ろして、麦酒を所望します。

背後を振り返れば、 「どてやき」などなどの串を八丁味噌に湛えた鍋がクツクツと湯気を上げている。nonkiya02.jpgその脇で串焼きを炙る炭が赤々としているのが覗けます。

nonkiya01.jpgまずは「串かつ」と「どてやき」とをいただいて、 久し振りだけど、やっぱり旨いなぁと頷くと、 名古屋に居ながら初めてやってきたと話す同僚もうんうんと頷いている(笑)。

「とんやき」と「きもやき」の串を平らげたところで、 厨房側とを仕切りる硝子あたりに「牡蠣フライ」と品札が提がっているのを発見! ここでそれに出逢えるとはと、すぐさま発注すると、 「何本?」と訊かれた。 あ、そうかと気がついて、本数を告げました。

当然のように串に刺さったカキフライ。nonkiya03.jpgありそうでいて、思い返すに、初めてかもしれません。

これが、あなた。 想定外の旨さ。nonkiya04.jpgなんでこんなにうめぇのだろうかと、 しばし齧ったところを見詰めてしまった(笑)。 揚げ立ての弾ける魅力以上のものが、宿っているような、 そんな牡蠣の串揚げ、串牡蠣フライだ。

「のんき屋」では、胡瓜の浅漬けも串刺しでやってくる。nonkiya05.jpg本来の屋台の姿を彷彿とさせるような、何処かのテキ屋で売っていそうな姿だけれど、 小休止というか、呑む中での読点にもいい塩梅だ。

そして、小休止したところでふたたび、 牡蠣の串を注文してしまうのでありました(笑)。

名古屋駅もほど近い牛島町交叉点近くの有名店「のんき屋」。nonkiya06.jpg店先で立ち喰い立ち呑みしているひと集りがその目標。 今迄知っていた「どてやき」の魅力に加えて、 冬場限定の串牡蠣フライの魅力も知ってしまいました。

口 関連記事:   串かつ・とん焼「のんき屋」で 串かつとん焼どて焼赤味噌なおでん(07年09月)


「のんき屋」 名古屋市西区名駅2-18-6 [Map] 052-565-0207
column/03355

そば處「長生庵」で 讃岐産牡蠣天ぷらそばかき天カレーに温まる

choseian.jpgそれはもうしっかり寒くなった、 11月の末頃だったでしょうか。 ザルツブルクから久方振りの帰国を果たしていた、 seppさんに朝の築地を体験してもらいましょうと、 そう誘って早起きを強要したことがありました(笑)。 そうとなれば、つきじろう師匠のお力を借りるのがなによりも心強い。 習志野習志さんも交えてまずは、「かとう」に集結。 燗酒少々と謹製「かき豆腐」とで身も心も温まります。

かつての引き込み線に沿うようにカーブを描く屋根とその下の仲卸売場。 その先に朝日新聞の社屋や汐留のビル群が見渡せる。choseian01.jpgこの屋上から場内を俯瞰する景観は、 つきじろう築地ツアーには欠かせない場面なのです。

右にカーブした屋根の形状を脳裏に残したまま、仲卸売場へと久し振りに闖入だ。 仲卸の店々もカーブを描いて配置されているのが、当然のことながら面白い。 ちょこっと買い物したりなんかしながら縫うように仲卸売場を抜けて、 そのまま青果市場も徘徊したっけね。

そして、混雑する場内外の店々を横目に足を運んだのが、ご存じ「長生庵」。choseian02.jpg釣りキチ四平さんも合流して、いざいざ。

choseian04.jpg店頭の貼り紙には、 香川県讃岐産牡蠣による「かき」「かきの天ぷら」「かき天カレー」そば・うどんが 旬のおすすめとある。choseian05.jpg choseian06.jpgchoseian07.jpg 何時ぞやかいただいたのは、そば粉で包んだ牡蠣の天麩羅だったけど、 この日は通常バージョンの牡蠣の天麩羅。 ちょっと甘汁に浸ったところを無造作に齧り付けば、ああ、じわわんと旨みが滲みてくる。 これまた妙に温まる一杯なのでありました。

choseian08.jpgその時お隣の四平さんがいつもの感じで注文していたのが、 「かき天カレー」の”付け”バージョン大盛り。 そうだその手もあったのだと、膝を打ったことを思い出す。

いそいそと築地場外の外れへと向かいました。 暖簾を潜ってすぐのテーブルに収まってからちょっぴり気が変わって、 ご注文は、”付け”でなく、温かいおそばの「かき天カレーそば」。choseian09.jpgchoseian10.jpg choseian11.jpgchoseian12.jpgまったりとした濃度の出汁カレーと牡蠣の天麩羅が不思議とよく似合う。 カレー風味に負けじと牡蠣と牡蠣を纏う衣の風味が対峙して、相乗するように。 こふいふ風にカレーとマッチするのは、 牡蠣フライじゃなくて牡蠣天麩羅の方だということなのかもしれません。

時季時季の食材魚介を色々な創意工夫で愉しませてくれる、そば處「長生庵」。choseian13.jpg酒肴が愉しいのも夙に知られたところ。 気の置けない仲間たちの小宴会なんかは、此処も候補にしてよいね。

口 関連記事:   そば處「長生庵」で 一興なるかきのそば粉天ぷらそば(07年11月)   和食・定食「かとう」で はふほふはふかきどうふかきフライの恵み(12年03月)


「長生庵」 中央区築地4-14-1 モンテベルデ101 [Map] 03-3541-8308
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