野菜を食べるカレー「Camp Express」で完全食に生姜焼きカレー

camp.jpg山手線の車両から池袋駅のホームに降り立つ。 階段を降りようとしたところで、 お、今日もやっぱりと思うことがある。 それは、ホーム周辺に漏れ漂っているカレーの匂い。 その匂いの主がどこにあるかといえば、 ホームからそのまま階段を辿ったところ。
山手線外回りホームの階段を降りて正面にあるのが、 時に空席待ちの行列をつくっているカレースタンド「Camp」。camp01.jpg以前は別のカレースタンドがあったような気がします。

「Camp Express」は、その名の通り、 “キャンプ”をコンセプトにした作り込みに徹したお店のスタンド版。 そう、キャンプといえば、カレーだもんね(笑)。

店内は、右手に洒落たバンガローを思わせるアメリカングリーンの板壁。camp02.jpgcamp03.jpgリックサックが幾つも飾られているかと思えば、 柱には飯盒が幾つも並んで、ご丁寧に野山歩きのガイドブックなんぞをあしらってある。 スタッフは、「Camp」と白抜きしたオリーブグリーンのTシャツにレインハット。 もう、雰囲気出しまくりであります。

用いる食材にも当然のように自然派な拘りたっぷり。 届いたばかりと思しき野菜の絵柄の段ボール箱や 艶のよい緑や赤や橙の野菜たちが店の隅に何気なく置かれてる。 中央のショーケースにも幾つかの食材がスタンバイ。 土香る有機野菜っていいよねと思う、そんなひと達を惹きつけています。

camp04.jpg まずはと気になるメニューはやっぱり、 太鼓判!と謳う「一日分の野菜カレー」。 厚労省推奨の一日の野菜の摂取量と同等という350g以上の季節野菜を使っているらしい。 そこへ「鶏手羽煮込み」をトッピングすればなんと、 「完全食セット」になってしまうという。

すっかりオープンなキッチンではふた皿同時進行のオペレーションが望める。 その所作には、早くブレなくカレーを提供するための細かい工夫が色々ありそうで興味深い。 脇では、電熱のプレートがカレーを盛るフライパンを熱くしています。

お熱いのでお気をつけくださいと注意喚起してくれつつ、 鍋敷きの上にスッと据えられた「完全食セット」のフライパン。camp05.jpgふつふつとして、湯気を上げています。

camp06.jpgスプーンは、カウンターの各所に置かれた飯盒の中に用意されていて、 取り出せばそれは、スコップ型。 正直云ってちょっと持ち難いけれど、それはキャンプでのご愛嬌(笑)。 お冷は勿論、水筒にて準備されています。

カレーそのものは、トマト由来とも思う酸味の利いたもの。 如何にもルーを用いた濃度のあるタイプではなくて、 スープの旨味がそのまま活きるような、 さっと湯掻いて炒めた野菜たちとすぐに仲良くなりそうな仕立てです。

金柑みたく黄色い実は、イエロートマト。camp07.jpgその下でごろごろと折り重なるように顔をみせている野菜は、 トマトに茄子、カリフラワー、蓮根に南瓜、じゃが芋、薩摩芋。 パプリカ、小松菜、さらには舞茸、占地、エノキと続く。 生野菜って意外と沢山摂れないけど、 こうするとはふぃはふぃ云いながらペロッと平らげることができてしまう。 こんな量なのですね、厚労省担当者殿(笑)。


ラーメン店にも朝メニューがあるご時世ゆえ、 「Camp」にも朝食メニューがあって、 その中にある「朝のしょうが焼きカレー」が気になっていました。 でも、その時間帯にお腹を空かせて池袋にいる機会がなかなか、ない。 と、思っていたらいつの間にか、通常メニューにも「生姜焼きカレー」が登場していました。

そんな要望相次いだのかなぁなんて想像しつつ、 早速お願いした「生姜焼きカレー」が、 これまたふつふつとしながらやってきました。camp08.jpg瑞々しくも繊細に刻んだキャベツがたっぷり。 それに負けじと豚バラ肉と透き通った玉葱が肩を寄せている。

どれどれと生姜焼きな部分をスコップ型のスプーンで杓っていただけば、 カレーに負けじとジンジャーな香りがたっぷりと豚バラの甘さを包んでる。camp09.jpg千切りキャベツを折り込みながら、 トッピングした温泉玉子を崩しながら、 これまた、恥ずかしいくらいに一気に平らげてしまうのです。

JR池袋駅のコンコースに、 野菜を食べるカレーの駅ナカスタンド「Camp Express」池袋店。camp10.jpgcamp11.jpg本丸は代々木の北参道の交叉点近くにあるらしい。 そして、改修の進む所沢駅の駅ナカにも新店舗ができました。


「Camp Express」池袋店 東京都豊島区南池袋1-28-2 JR池袋駅構内 [Map] 03-3987-7575
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創味魚菜「いわ倉」でままかり岡山千両なす連島蓮根名物たこ飯

iwakura.jpg岡山市、福山市は訪れたことがあったけど、 倉敷を訪ねるのは今回が初めて。 倉敷といえば、倉敷川沿いの美観地区が観光名所の筆頭でしょうか。 でも生憎の時雨れた空模様と上がらない気温。 出来ればスカっと日本晴れの美観地区に浸りたかったのだけど、それもまた巡り合せですね。

ひと影疎らな長い長いアーケードを辿って、地方都市の切ない顔も目の当たりにしつつ、 ホテル近くの国指定重要文化財「大橋家住宅」に寄ってみました。

入館料と引き換えにいただいた小冊子には、 大橋家の先祖は、豊臣氏に仕えた武士であったけれど、大阪落城後には京都に移り住み、 幕府の追及を逃れて大橋を称するようになった。 江戸に入ってから倉敷に住むようになり、水田・塩田を開発して大地主となる一方で、 金融業も営んで大きな財をなした。 飢饉の際の献金や塩田の開発などにより名字を名乗り、帯刀する事を許され、 江戸時代末期には、倉敷村の庄屋を務めるに至った、とある。

そんな大橋家の住まいは、倉敷町屋の典型を示す代表的な建物とされていて、 通常の町屋の域を超える規模と格式を呈するもの。 旧街道に面した長屋門から中庭に抜ければ、忽ち財力ある往時の空気に包まれます。

土間をずずずいと進んだ奥には、土間に面して板の間の台所があり、 成る程、沢山のひとがこのお屋敷で日々を営んでいたことが窺える、 羽釜を据えたおくどさん。iwakura01.jpgiwakura02.jpg据え膳に畏まってご飯をいただく様子が想い起こされます。

何部屋もが続く座敷を回遊するようにしていると、 今はもうない奥座敷側の硝子戸を通して、裏手の様子が覗ける。iwakura03.jpg其処に、創味魚菜「いわ倉」というお店をみつけました。
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フローズンな麦酒を口開けに「真いか下足フリッター」。iwakura05.jpg瀬戸内産の真烏賊と思しき烏賊ゲソは、歯応えしっかり柔らか。 噛んで嬉しい滋味が弾けます。

岡山界隈で思い浮かべる魚と云えばやっぱり、ままかり。 いつぞや新幹線車内でいただいた駅弁を思い出す。iwakura06.jpg生からのものに加えて焼いたものもあるという「ままかりの酢漬け」。 駅弁のままかりは開いてあったけど、 こうして一本ものなのが本来の姿なのかもしれません。 甘酢に〆たサッパ(小魚)を骨ごと喰らう野性味は、 新子や小鰭の繊細さとは趣きが異なって面白い。

岡山千両なすを使った「焼きなす」に続けて、 「海老と蓮根のはさみ揚げ」。iwakura07.jpg瀬戸内の地物、連島蓮根に瀬戸内の小海老のミンチを挟んで揚げたやつ。 サキュっとした期待通りの蓮根の歯触りと小海老の身のズルい甘さが相乗して、 嬉し美味し。

これもやっぱりいただいておかねばと、「名物たこ飯」。iwakura08.jpg下津井産の蛸を含めて蒸し上げたご飯に錦糸卵がたっぷりと。 真ん中に載せた蛸下足が愛らしく映ります。 あっさりと仕立てたご飯に蛸の身を含んで蒸し上げたご飯に、 瀬戸内の蛸の滋味が滲みています。

倉敷は国重要文化財「大橋家」の裏手に、創味魚菜を謳う「いわ倉」。iwakura09.jpg乙島しゃこ、がらえび、いしもちの「瀬戸の小魚唐揚げ」とか、 「いかなごの釘煮」「真鯛のあらだき」とか、 寄島産の特大しゃこの「子持ちしゃこ酢」等々、 瀬戸内魚介を活かした気になるメニューに今も後ろ髪を引かれています。


「いわ倉」 倉敷市中央2-1-18 [Map] 086-427-3100
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ワイン食堂「蒔弦」で 大人のナポリタン新店のその名はZIGEN

zigen.jpg新川の裏通りの角にあった珈琲の店「ハナミズキ」。 いつの間にか灯りが燈らなくなってから季節は巡り、 短い秋が過ぎて冬の色が濃くなってきたそんな頃。 「ハナミズキ」のあった場所に工事用車両が駐まり、 作業着姿のひと達がなにやら作業中。 新しいお店の準備が始まったのだなぁと、 暫しの間その様子を眺めていました。

オープンエアな使い方もできる折戸はそのままに、 Fix硝子のひとつに幕板を流してある。zigen01.jpg「ハナミズキ」の頃の調度を上手に活かしつつ、 独自の設えも追加して仕立てる感じなのでしょう。

店頭の開店告知には、ワイン食堂「蒔弦 ZIGEN」とある。 ワイン食堂というのは、如何にもそうなりそうな雰囲気だけど、 「ZIGEN」というのはなんだか曰くがありそうで、気になります(笑)。

そして迎えたオープン日の11月15日。zigen10.jpg店頭には、開店を祝う生花が飾られて。 硝子部分に対して作業していたのは、 ワインボトルのショーケースを設えていたンだね。

カウンターの天板も特異なデザインの椅子も、 「ハナミズキ」のものそのままのような気がする。 その向こうに新しく設けた棚に並ぶワインボトルの列。zigen03.jpgzigen04.jpg厨房を見上げれば、紅いSTAUB鍋が幾つも詰まれています。

オープン早々のメニューから選んだのは、「大人のナポリタン」。zigen05.jpgzigen06.jpg目の前から聞こえてきていた炒め音。 麺がつるんとしたタイプゆえなのか、 ケチャップの粘度がそうさせるのか、 妙に艶めかしいテリのあるナポリタン。 その辺りが”大人の”と形容する由来なのでしょか。

zigen07.jpg オープン当初メニューの「和牛100%ハンバーグプレートランチ」がその後、 「黒毛和牛100%ハンバーグランチ」に。zigen08.jpg滴る肉汁なんて、ただの脂じゃんと思っていても、 やっぱりそそられるものでありますね(笑)。

一見なんの変哲もなさそうな「ビーフカレーライス」。zigen09.jpgドミグラの気配を帯びた粋な仕立てで、一気呵成に平らげてしまいます。

新川の裏通りに生まれたワイン食堂、その名も「蒔弦 ZIGEN」。zigen02.jpg店長らしき方に、店名「蒔弦 ZIGEN」の由来を訊ねてみました。 「次元大介のジゲン、ではないですよね?」。 ところがそのお応えには拍子抜け(笑)。 社長の閃きからつけられた店名らしく、次元大介とは関係ないらしいけど、 それ以上については今度またよく聞いておきます、と。 あ、もう一軒の”ジゲン”を思い出した。 恵比寿一丁目の手打ち蕎麦店も「慈玄」でありました。

口 関連記事:   珈琲の店「ハナミズキ」で ダブルカレーにオムライスパフェはもう(12年01月)   手打ち蕎麦「慈玄」で 旨味ひたひた鴨汁せいろ三色そば柚子切り(09年01月)


「蒔弦」 中央区新川2-6-14 新川2-6ビル [Map] 03-3553-5833
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RESTAURANT「VINOBLE」で 牡蠣に合うワイン裏路地の隠れ家

vinoble.jpg振り返れば、半年前の「シークレットオイスターバー」。 会場となったのは、丸の内仲通りにあるワインショップのラウンジ「THE LOUNGE」でした。 その「THE LOUNGE」のオーナーソムリエにしてグランオイスターマイスターなのが、濱岡さん。 そしてその濱岡さんの本丸は、 霞町交叉点も程近いひっそりとした裏路地にある。 通り掛かりに寄り道するひとはなかなか考え難い、 まさに隠れ家な立地。 そこに瀟洒な顔立ちのレストランがあるのです。

多分きっと此処だよねと入り込んだ先をクランクに曲がる角。vinoble00.jpg裏通りの「WODKA TONIC」の手前にあったポルトガル料理の「Vila Madalena」から、 徘徊心を発揮して回り道した時に「こんなところにレストランがあるんだぁ。」と、 そう思ったことをデジャヴュのように思い出します。

外装が抱かせてくれる雰囲気を一層盛り上げてくれる、 白基調が柔らかく、かつオーセンティックな内装と調度。vinoble01.jpgvinoble02.jpg吹き抜けも辿る二階席の奥へとご案内いただきました。 一番乗りとなった二階のフロアのテーブルたちも、 気がつけばすべてが埋まることになります。

実は、テーブルの予約を入れた後日、 日本オイスター協会の会長から嬉しい当選のお知らせをいただきました。 協会から届く”かき得メール”にあった、 「VINOBLE」濱岡さんから牡蠣に合うワインのフルボトルをプレゼント!

この夜は、クリスマスの特別メニューが設定されていた日なのだけど、 そんな訳で無理をお願いして、生牡蠣のお皿も添えていただきました。

届いた殻付き生牡蠣は、ご存知「大黒神島」。vinoble03.jpgあの、瀬戸内の清澄な海域で育まれた牡蠣だ。

そこへ濱岡さんが合わせてくれたのが、 ミュスカデのシュル・リー「MUSCADET DE SEVRE ET MAINE SUR LIE 2010」。vinoble04.jpgvinoble05.jpgキリッとした酸に角がなく滑らかで、 ミネラルな気配と蜜な華やぎが折り重なるように消えてゆく感じ。 美味しく、かつ成る程牡蠣の風味によくマッチしてくれます。

プチフールに続くお皿は、 「カワハギのカルパッチョ キャビア添え その肝のクリームをアクセントに」。vinoble06.jpg 桜色を帯びたその身。 お皿の縁に置いたのは、カワハギの肝を叩いてオイルで整えてソースとしたもの。 真冬の海上で極寒に耐えながらカワハギ釣りをしたことを思い出しながら、 肝のソースを載せた身をいただきます。 河豚より旨いンと違う?と思うことの多いカワハギと肝の組み合わせだけど、 うんうん、やっぱり美味しいね。

濱岡さんは、蓼科に自家菜園を持っているそうで、 そこで収穫した菊芋のスープに浮かべたのが、「鴨フォア・グラのソテ」。vinoble07.jpgvinoble08.jpg黒トリュフの馨りを戴くフォアグラの蕩けるような濃密な旨味。 それを包み込んでなおじっくりと滋味を深める菊芋のソースがいい。

手長海老とか、海老のエキスが香ばしいパスタって美味しいよね、 ってなことでお迎えしたお皿は、 「手打ちパスタ”タリエリーニ” 活オマール海老のソテとその濃厚なビスクを合わせて」。vinoble09.jpgオマールのぶりっと肉厚な身肉の甘さもさることながら、 そのガラも含めた身全体から抽出されたであろう旨味エキスが、ああ、堪らない。

「赤牛の真空低温調理 ローストビーフ仕立て」は、 生姜の香る赤ワインソースで。vinoble10.jpg生姜の風味が明快に活きる赤ワインソースって、初めてな気がする。 ややもするとクドくなりがちなソースに軽快さを添えつつ、 しっとりと仕上がった赤牛の魅力を引き立てます。

vinoble11.jpg デザートのひとつが、 「フロマージュブランのムース はっさくのジュレと共に」。 そして、「サブレをつかった苺のミルフィーユ仕立て ピスタチオのアイスクリームと共に」。vinoble12.jpgピスタチオのアイスは、今や定番だね。

霞町の裏路地の隠れ家レストラン「VINOBLE」は、 ソムリエにしてグランオイスターマイスターな濱岡さんのお店。vinoble13.jpgWebサイトには、 “「VINO」(ラテン語でワイン)と「NOBLE」(高貴な、素晴らしい)の造語。 世界各国の素晴らしいワインが沢山あり、 多くのお客様に楽しんでいただきたくこの名を選びました。” とある。 ソムリエである自分がワインと牡蠣との魅力にも出逢って、 これからはよりその点にも力を入れていきたいのですと語る濱岡さんは今、 麻布界隈で物件を探索中。 其処にずっとあって欲しいと想う、 まさに隠れ家と呼ぶに相応しい素敵なレストランなのだけど、 契約更改を機会にしてこの裏路地を離れることを決意したと云う。 恵比寿の隠れ家「園山」と同じく、 物件の契約更改は、次のステージに移るきっかけにもなるのだね。
厨房やホールのスタッフが散り々々になってしまうのはとっても残念ですと心配したら、 忙しくなっている丸の内「THE LOUNGE」に集結することになっているそう。 濱岡さんの新しい舞台にも期待しましょう。

口 関連記事:   ENOTECA「THE LOUNGE」で未来へのシークレットオイスターバー(12年07月)   ポルトガル料理「Vila Madalena」で バカリャウとカタプラーナ(09年03月)   BAR「WODKA TONIC」で暗がりのオーセンティックひそひそ話(02年08月)   家庭料理割烹「園山」で 玉蜀黍冬瓜蕃茄縞綱麻の野菜パフェ(11年11月)


「VINOBLE」 港区西麻布2-25-32 [Map] 03-6411-5051 http://vinoble.jp/
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麺匠「たか松」で あの店を想い出す全粒粉つけ麺酢橘を搾って

takamatsu.jpg残念ながら閉店してしまった、兜町「歌舞伎そば」。 今は廉価なパスタハウスが面している交叉点の斜向かいにあったのが、お気軽イタリアン。 でもそこもいつの間にか閉めてしまったなぁと思いつつ歩いた夏の終盤戦。 木目あしらいの改装がされたファサードに開店告知のポスターを見つけました。 今度は、つけ麺・らーめんのお店になるようです。

オープン日に様子を眺めてみると、 成る程、気になっていたひと達が集まって行列を作ってる。takamatsu01.jpgtakamatsu02.jpg建物の二階は、九州料理の「五島伊勢丸」。 陽射しの色合いと半袖姿にそんな頃のことであったなぁと思い出します。

行列を避けるように、ちょっとズラしたタイミングで訪れました。takamatsu03.jpgtakamatsu04.jpgtakamatsu05.jpg 案内されたのは、カウンターの一番奥。 右側をどんぶりを手渡し受け取るスペースにしている関係から、 そこだけ両サイドに仕切り板が立っていて、半独立ブース状態になっている。 なんだか「一蘭」の「味集中カウンター」を思い出して、笑ってしまいます(笑)。

壁には、長野と大阪を拠点にする柄木田製粉の小麦粉袋をディスプレイ。 厨房の中を見上げれば、圧力釜らしき寸胴の上部が覗けます。

麺匠「たか松」の一番のウリは、つけめんにある。takamatsu06.jpg冷水で〆る笊の音を聞き乍ら待った後、 麺と汁、「鶏魚介つけ麺」ふたつのどんぶりを受け取りました。

茶褐色にも映る麺は、如何にも全粒粉使用であることを示してる。takamatsu07.jpgああ、この仕立ての麺は以前何処かでと思い巡らすと、 京都は高倉二条のその名もそのまま、麺や「高倉二条」を想い出す。 これでもかというほどのツブツブ具合は、よりパワーアップした仕立てにも思う。 「高倉二条」の影響を受けてたりして~、なんて考えていたら、 どうやら「たか松」の本丸は四条烏丸界隈にあるらしい。

鶏と魚介のつけ汁は、今となれば少々凡庸とも云えそうだけれど、 なんだかんだ云ってもう3度もいたただいている(笑)。 takamatsu08.jpgtakamatsu09.jpg takamatsu10.jpgtakamatsu11.jpg貼紙に認めたご指南に従って、途中で刻み玉葱を投入したり、 麺に酢橘を搾りかけたりして味わいの変化を愉しみます。 ポットから割りスープを注ぎ、奥に用意された電子レンジで温めたスープに卓上のあおさ海苔を投入して、結局綺麗にスープも飲み干してしまうのです。

そして、「たか松」のもう一方の定番が、「塩鶏らーめん」。 takamatsu12.jpg takamatsu13.jpgtakamatsu14.jpg 目の前の大型圧力釜でゴトゴト炊いたであろう鶏出汁をしっかり乳化させた、 そんなタイプの基本形のようなスープ。 ベジポタっぽい粒子があるような不思議な舌触り。 塩辛く感じさせないのが好感も、麺はもっと工夫できそう。

茅場町の通称さくら通りの角っこに石臼挽全粒粉つけ麺の麺匠「たか松」。takamatsu15.jpg時々思い出してはお世話になりそうな、そんな予感がいたします。 今度は、あつもりでお願いしようかな。

口 関連記事:   麺や「高倉二条」で 全粒粉のツブツブ麗しき味玉らーめん(09年05月)   歌舞伎座厨房「歌舞伎そば」兜町で ここでも旨いかき揚げそば(11年05月)


「たか松」日本橋茅場町店 中央区日本橋茅場町2-3-9 ハヤオビル1F [Map] 03-3662-0088
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