甘味どころ「ぎをん小森」で 桜色アイスのさくらパフェ祇園新橋

komori.jpgすっかり桜の花びらの散り落ちた祇園新橋あたり。 切り通しが渡る巽橋から白川を眺めると、 辰巳大明神に繋がる意匠の朱色の灯籠や玉垣が目に留まる。 玉垣の連なる、その先の橋が、祇園の新橋。 そして新橋の袂にあるのが、 甘味どころ「ぎをん小森」です。
着物のご婦人が振り返る姿なんぞがよく似合う風情。komori02.jpgkomori03.jpgkomori04.jpg 白川の水面で戯れる蒼鷺を橋の上から見下ろす人々を横目に暖簾を払います。

二階の窓際なんかいいんだけどなぁと思うも、係りの方は一階の奥へ。 中庭を囲む座敷にご案内です。

品書きを眺めるも、甘味どころを訪れる目的は、そう、パフェラッチ! 「わらびもちパフェ」に始まるラインナップは、 「抹茶ババロア」「あずきババロア」「抹茶プリン」「マロン」「白玉」と続きます。 そうか、プラス50円で黒蜜を添えられるんだね。

komori05.jpg一応と、丸めたもう一枚に品書きを広げるとそこには”限定”の文字。 相変わらず弱いによねと呟きつつ、 春期限定、数に限りがございますの「さくらパフェ」をお願いしました。

ややあって到着したパフェグラス。komori06.jpg運ばれるまで間があったのか、 溶けたアイスが垂れてすじを成しているのが見映えを愛でるにはとっても残念も、 気を取り直してスプーンを手にします。

トップは仄かなピンク、なるほどな桜色のアイス。komori07.jpg桜花の塩漬けを白湯に解いた時のような、儚げな香りが微かにいたします。

桜色を削っていくと顔を出すのが、バニラ、そして八重桜色にも見えるアイス。 やっぱりストロベリーのアイスだよねとニンマリしながら食べ進むと、 白玉やら栗やらラズベリーの紅い実やらを掘り当てることになる。komori08.jpgkomori09.jpgkomori10.jpgその下には抹茶のシフォンに小豆あん。 さらには抹茶のゼリーと続く。 最後に甘くないゼリーあたりでさっぱりと仕上げるのは、 パフェの定石なんだと今頃気づきます(笑)。

なんと呼ぶのでしょうか。komori11.jpg灯火燈した畳敷きの廊下を玄関へと戻りましょう。

甘味どころ「ぎをん小森」は、祇園新橋の正面にある。komori12.jpg今度はぜひ二階のお座敷で、黒蜜付き「わらびもちパフェ」をいただきたい。 お抹茶と一緒にね。


「ぎをん小森」 京都市東山区新橋通大和大路東入元吉町61 [Map] 075-561-0504 http://www.giwon-komori.com/
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魚料理「らんまん」で 華咲く〆立て鯖浜暴風土佐酢金目の煮付

ranman.jpgとっても久し振りの中野駅。 ずっと前に達郎のコンサートでサンプラへとやってきたことしか思い出せない。 はてそれ以降足を向けてないのだろうかと考えながら改札を出ると、なにやら工事が進んでる。 はて、バス乗り場はどこだろう。
結局、サンプラザの正面から乗ったバスで早稲田通りを馬場方面へ。 とあるセミナー会場へとやってきました。 一日のセミナーを終えて、暮れ泥むよな時間帯。 のんびりと住宅地の裏道を歩いて、ブロードウェイ方向へと戻ります。

ranman01.jpgアーケードの気配がする辺りで、まさに久し振りの光景に出会した。 魚介と豚骨のダブルスープの老舗といえば、そう中華そば「青葉」の本店だ。 懐かしさにすっと寄ってしまいそうになるけど、もうちょい先に足を進めます。

寄り道してやろうと目論んでいたのは、その「青葉」と目と鼻の先。ranman02.jpg三番街に燈す提灯の「魚料理」の文字が目的地だ。

看板建築の名残りのような、緑青の吹いた壁を見上げながら、暖簾を払う。ranman04.jpg白木のカウンターでは、 常連さんらしき御仁がきっといつもの一番奥の席で品書きを見上げていました。

目の前の硝子ケースには、金目やえぼ鯛、鯛に甘鯛、平政あたりが出番を待っている。ranman05.jpgranman06.jpgranman07.jpg これまたふと頭上を見上げると、舌代を示す額装。 「三千盛」を冷やでいただきましょう。

ranman08.jpg最初だけとお酌いただいて、 お通しでツツと呑りつつ、ゆっくり眺める品書きは、 なるほど”魚料理”と謳うだけあって、そのほとんどが魚介タネの酒肴だ。

「〆さば」をお願いするとなんと、注文を受けてから〆るのがここのスタイルだという。 それはそれはとそのようにお願いをして、「たらの芽天ぷら」を。ranman09.jpg しゃくっとした歯触りの後から、蒼くほろ苦い芳香が広がって美味い。

お銚子をお代わりして、ちょっと小粋に土佐酢にした「浜防風」。ranman10.jpg たらの芽とはまた違う、瑞々しい香気。 土佐酢の柔らかな旨みがゆるゆるとさせてくれます。

お酒を松の司「楽」に代えたところにお願いしていた「〆さば」がやってきた。ranman11.jpg 思わず、綺麗ぃ〜と口走ってしまう華咲くような見映え。

鮮度ありありの鯖の身は、今さっきまでの酢漬けで側面を薄く白く縁取って。ranman12.jpgranman13.jpg甘く解け始めたばかりのところに酢〆の輪郭。 所謂〆鯖とはまた別の魅力に唸る。 あしらいの紫蘇の花がよく似合います。

大将に新聞の競馬欄を開いて置かれ、いやいやもうと云いながら思わず手に取る、 件の常連さん(笑)。

調子に乗って(笑)、さらにゆるゆるとお猪口を傾ける。 お品書きにみつけると思わず注文んでしまうもののひとつ、「もずく」。ranman14.jpg大阪・お初天神の「門」でいただいたと同じく青森あたりのもずくかと思ったら、 山陰からのもずくだそう。 やはり石垣のもずくと太さが違うのは、石垣の方が特別なのかもしれません。

ほろ酔いの勢いで(笑)、「金目鯛煮魚」を奮発しちゃいます。ranman15.jpg金目の切り身はもうちょと大きい感じかと思うものの、 豆腐と魚卵が一緒に煮付けてあってのひと皿になっている。

鮮やかな皮目の下の身のとろんと甘旨いことといったら、それはもう期待通り。ranman16.jpg卵は鯛のものだそう。

中野ブローウェイ脇路地、三番街の魚料理・季節料理「らんまん」。ranman17.jpg訊けば、お酌をしてくれた姐さんの祖父母が、秋田の酒「爛漫」の普及のためもあって同じ場所に店を開いたのが起源となったそう。 そうか、やっぱり「爛漫」が店名の由来だったのだね。 ちなみに今は、「爛漫」の用意はないようです。

口 関連記事:   酒肆「門」で 鱧の炙りうまいぃもずく名物ねぎあな名物サバサンド(11年10月)


「らんまん」 中野区中野5-59-10 [Map] 03-3387-0031
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中華料理「光楽亭」で 女将さんの拍子とタマゴ入りショーガヤキ

korakutei.jpg東急バスの馬込銀座循環が巡る、 大森駅西口方面の三角地帯。 駅前を発車したバスは、 ロレンス卿の記事でもお馴染みのダイシン百貨店の前を通り、春日橋交差点で右に折れ、 馬込銀座交差点で急角度に右に折れして、 山王口へと戻ってくる。
そんな経路のバスに乗り、降り立ったのは、南馬込三丁目バス停。 界隈は東京の大動脈、環七沿いだというのに、歩道を歩くひとの姿も疎らで暗いのだ。

と、そんな暗がりに揺れる白い暖簾。korakutei01.jpg「たばこ」の文字が目に留まって戸惑うも、 暖簾の縁を飾る雷文にそこが中華のお店であることが判り安堵します。

そっと開く引き戸の向こうには、小さな女将さん。 建物や建具のあれこれが既に傾いでいて、その古色が味わい深い。korakutei02.jpg雑然とした中に、気遣い溢れる手作りの品札、およそ40枚が壁に貼られています。

お品書きの中から探すお目当ての品は勿論、 ジンジャーちんもスペサルプッシュな逸品「肉ショーガヤキ タマゴ入り」。 ワカメスープとライスを添えて、定食に仕立ててもらいます。

ひょ、お、すー、と、うん。 独特の拍子をとって、リズミカルに素早い所作で調理を遂行する女将さん。 あっという間に出来上がったお皿は、しげしげと愛でたくなる見映えであります。

生姜焼いた豚バラ肉に最後の仕上げは玉子とじ。korakutei05.jpg過ぎないように火を入れた玉子の幕が否応なしにそそります。

生姜の風味を殺すことなく甘く包み込んだ玉子がただただズルい。korakutei04.jpgkorakutei03.jpgキャベツとの相性の良さを思いつつ、勢いよくご飯を頬張ることになる。 若布たっぷりのスープも嬉しいな、女将さん。


“タマゴ入り”でない「ショーガヤキ」でもいいかもなぁとふたたび環七の暗がりへ。 今度は、大森駅西口からのんびり歩いてアプローチ。

まずは麦酒をとお願いしたいところだけれど、ここ「光楽亭」にはお酒の用意はありません。 ちなみに、持ち込みもお断り。 きっと長っ尻の客や酔客のお相手は避けたいのでしょう。 僅か数席のカウンターに腰掛けていると、 女将さんの気持ちに素直に合点がいくのです(笑)。

方針換えてのご注文は、過日から気になっていた「肉入りタンメン」。 そう聞いた女将さんは、早速足元や背中の冷蔵庫から具材を揃え、 独特の調子でリズムをアゲてくる。 北京鍋を煽るも力強く、スープの味をみては頷いて、ムーンウォークで冷蔵庫の前に戻り、 麺茹で用の寸胴の中を綺麗にして麺を入れ、ドンブリを湯で温める。
はい、おまちどうさま! 目の前に、捧げるように置かれたドンブリの意外な量感にちょっと驚く。korakutei07.jpgそうか、これはきっと中盛りなんだなと思いながら、割り箸を開きます。

化調の助けは借りているものの、 塩梅よく野菜の甘さとシンプルな出汁がじわじわと嬉しがらせるオツなスープ。korakutei08.jpg日頃お野菜足りていないでしょ、とでも云われているような(笑)。 麺をひと通り平らげた後半は、野菜スープをいただいている感じなってきます。

中盛りかと疑わずに女将さんにお金を渡すと、なんと小盛りのお釣りが返ってきた。 ええっと思って訊けば、間違いないと女将さん。 中盛りは、麺がふた玉になるからね、と。 うわぁ、それじゃ中盛りはきっと食べ切れないですーと応えると女将さん、 にこっとしてうんうんと頷き返してくれました。

環七の暗がり角の「たばこ」も目印に雷文縁取る暖簾は、「光楽亭」。korakutei09.jpg時々思い出しては、ただいま~と訪れたい、そんな雰囲気がいいのです。


「光楽亭」 大田区南馬込3-27-1 [Map]
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居酒屋「虎丸」で 蔵中の気になる魚介酒肴たちかき土手ねぎ焼

toramaru.jpg近鉄の伊勢市駅と宇治山田駅。 存外に近いふたつの駅の間を抜ける街道沿い。 ひと気も疎らな通りからさらに脇道を入って、 一本裏手へ隠れるように忍び込む。 静かな住宅街と思う中にぽつりぽつりと商店や飲食店が見つかるのに、ちょっと驚く。 そのまま足を進めれば目に留まる白壁の蔵。 そこが今宵の止まり木、「虎丸」だ。

がっちりと重厚な鉄扉が入口かと思い近づくと、 その脇に「入口は路地奥で御座居ます」と示す板。toramaru01.jpgtoramaru02.jpg成る程そうなのかぁと当の路地を往くと、 電燈の向こうに三段の階段が見える。 蔵の横っ腹にある扉へと辿り着きました。

石積みの壁の上には、木組みの屋根が載っている。toramaru03.jpgtoramaru04.jpg外から眺めた鉄扉の内側には、 虎の文字を丸で囲んだ意匠の暖簾が提げられています。

壁の棚に沿ってずいっと横長に貼られたお品書き。toramaru05.jpg正に毎日認めるのであろう達筆の品書きは、 いちいち気になる酒肴ばかりで困ってしまう(笑)。 はてさてどのように運びましょうか。

まずは、伊勢の地ビールという「神都麦酒(しんとびーる)」。toramaru06.jpgラベルには、伊勢志摩産古代米使用とある。 苦味を含んだ柑橘系のホップの香りが印象的な飲み口だ。

やっぱりここからでしょうと、本日のお造りからお得「盛り合わせ」を。toramaru07.jpgそれぞれが天然活けモノの石鯛やハマチ、ふえふき、赤はたなど。 卓上の品書きの隅に、「魚料理を注文いただけない方はお断りします」とあるくらいで、 お造りには相当の自信と拘りがあるようです。
toramaru08.jpg 続いて到着は、 「ずわいかにと玉子のコロッケ」。toramaru09.jpg一見、ころんと肉厚なだけのコロッケにみえるけど、 ひと齧りすればなるほど、お題通りの魅力が弾ける。 粗く刻んだ茹で玉子にたっぷりのずわい蟹の身、バジルの風味。 麦酒にもよく、似合います。

初孫の「玄の舟唄(くろのふなうた)」をオススメの燗でいただいて、 今年は特に美味と謳う鳥羽産の牡蠣料理。 鳥羽は安楽島の「はちろべ」というかき屋の牡蠣であるらしい。 「かきフライ」「かきバター焼き」「かき土手ねぎ焼き」とあって、 全部!と叫びたいくらいだけど(笑)、やや珍しい「かき土手ねぎ焼き」を所望しました。

きっと殻付きで届いたものなのでしょう。 自らの殻を受け皿にソリッドなフォルムを魅せる牡蠣の身。toramaru10.jpg広くは中京圏ということか、土手の味噌は赤味噌で、 そんな濃いぃめの味付けにもまったく負けずに滋味を主張する鳥羽の牡蠣。 要衝は、牡蠣の旨味に味噌の風味と葱の甘みが交差するところ。 それ以上、何を語る必要がございましょう(笑)。

お皿といえば、こちら「虎丸」の器たちは、その多くに作家モノの匂いがする。toramaru11.jpgカウンタ-の目の前に積まれたものもまた然り。 横長に品書きを貼った棚には、値段をつけた焼き物もずらっと並んでる。 器にも相当の拘りがあるようです。

燗のお酒もちょうどとなったので、 〆の御飯をいただこうかと品書きの「ごはんもの」欄を眺めます。 流石お魚居酒屋と思わせる、 「うに丼」「まぐろ丼」から「てこね寿司」「ししゃも天巻」「握り寿司」と続くラインナップ。 お茶漬けに至っては、六種類も用意があるので、これまた大いに迷うところ。 「鳥羽産のり茶づけ」に的を当ててみました。toramaru12.jpg手加減なくたっぷりの海苔を大判に千切った感じで鏤めたお茶碗。 海苔の濃緑色でご飯がまったく見えない茶漬けというのは初めてだ。 存分に磯の滋味を堪能させてくれました。

ふと、カウンター越しにみえる奥の壁に見つけたのが、「杏仁豆腐」の文字。 “杏仁に人生と命を捧げた竹内俊記の絶品杏仁豆腐”と謳っています。toramaru13.jpgそうとまで云われると気になるでしょう(笑)と、デザートに。 なるほど、滑らかさこの上なく、杏仁粉そのものの風味が活き生きとしていて美味しい。 ここにも「虎丸」の拘りの一端が現れているようです。

伊勢の隠れ家居酒屋「虎丸」は、白塗り蔵の壁の中。toramaru14.jpg魚介を活かした酒肴たちは、そのどれもに正しい完成度を予感させる。 拘りが堅苦しさに繋がらなければとの危惧も一瞬過ぎるけれど、 スタッフの活きいきとした表情と快活な応対にはそんな心配も杞憂に過ぎないものと思う。 季節を追って訪ねられる、ご近所さんが羨ましいであります(笑)。


「虎丸」 伊勢市河崎2-13-6 [Map] 0596-22-9298
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名物焼だんご「武蔵屋」で 炭火の焦げと醤油の郷愁道灌団子

musashiya.jpg今は航空公園にある所沢の市庁舎。 航空公園に移転する前は旧町の宮本町に本庁舎があったのだけど、今は何に使われているのかな。 その旧庁舎の向かいには、 所沢唯一と思う醤油蔵「深井醤油」。 そして旧庁舎の裏手には、 小さな神社、所沢神明社がある。
久し振りに旧庁舎裏手から神明社の階段を上る。musashiya09.jpgベンチに座って読書する女性の脇を抜け、手水舎で両手を清め、お参りします。 正月の頃の境内しかおよそ知らないので、反って厳かな気持ちになるもので。

戻る途中から今度は、横手の階段へ進んでみます。musashiya10.jpgこちらの参道は、峰の坂からのアプローチ。 ゆっくりと一歩一歩降りていきましょう。

参道入口近く、峰の坂の中程で見つける櫨色の暖簾。musashiya01.jpgmusashiya02.jpg足元の看板が示すは、名物焼だんご、武蔵屋。 ふとトタン屋根だった頃の店先を思い出します。

ガラガラっと引き戸を開けて、二本だけで御免なさいと声を掛けます。 ちょうど一緒になって、同時に注文したオバさまは、お持ち帰り10本オーダー。 ボクはココでいただいていきますと、既に白いだんごの串を手にした姐さんに伝えます。

ちょっと失礼して、店の外から硝子越しにだんごを焼く様子を拝見する。musashiya03.jpgmusashiya04.jpg当然ながらの慣れた所作で、 団扇を煽り、並びを整え、醤油タレに潜らせては、また団扇を煽る。

はい、お待ちどうさまと小皿に載った焼きだんご。musashiya05.jpg炭火に炙られ、ちょっと焦げたあたりの芳ばしさに漂う醤油の香り。 ちょっと粗めに捏ねた感じの歯応えと醤油の甘辛さが郷愁を誘う。 醤油はきっとご近所、深井醤油のものなのでしょう。

一緒に居合わせたオバさまは、 ちょっと焦げ目を多くして!なんて注文をしてた。musashiya06.jpgオバさま、なるほど、通ですなぁ(笑)。

壁に掛かった額には、所沢焼だんごの由来が示してある。musashiya07.jpg康正元年(1455年)、かの太田道灌が、 江戸城を構築中に鷹狩りにと武蔵野の地を訪れた。 その際に土着の名族が手捏ね団子を焼き、自製の醤油につけて献じたところ、 道灌の賞賛を得たのが名物となってゆくきっかけであったと。 道灌団子とも呼ばれた焼きだんごは、永き歳月の間に徐々に幾分かの変遷を遂げて、 今の竹串に刺したスタイルになったのは、享保年間からと云われているよう。 そしてその頃から、”所沢名物焼だんご”と称されるようになった、とある。 そうか、所沢の焼きだんごは、そもそもは”道灌団子”であったのだね。

峰の坂中程、所沢神明社の参道口辺り。 昭和35年創業、所沢名物焼だんごの老舗「武蔵屋」。musashiya08.jpg額の文書は、こんな句で結んでいます。 武蔵野に鷹狩りをせし道灌の歌宴を偲ぶ焼だんごかな 惣五郎


「武蔵屋」 所沢市宮本町1-8-14 [Map] 04-2922-5614
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