Bar「SAMBOA BAR」数寄屋橋で ハイボール泡粒とロゴマーク

samboasuki.jpg日本オイスター協会とサントリーワインインター社がタッグを組んで催してくれたイベント会場、「MAIMON」銀座からの道すがら。 もう少し呑もうと、コリドー街から一本離れた数寄屋橋通りに流れて来ました。 もしやと思いながら足を向けたのは、 日曜定休のバー。 窺うように通りの先を眺めると、半円のテントに灯りが点っているのが見つかりました。
ちょうど先客さんを見送りにドアを開いたバーテンダー氏に、 今日は定休日では?と訊くと、12月は書き入れ時なので開けるようにしているンだそう。 おお、それは願ったり叶ったり。 早速ちょっと、お邪魔します。

定番スタンディングスタイルのカウンターを横目に、奥にあるテーブル席の4名さま。

背後から見守るカウンターには、男性ふたりに女性がおひとり。samboasuki01.jpg女性はどなたかと待ち合わせの間だったようです。

別の店の某バーテンダー氏によると、ここ「SAMBOA」数寄屋橋のインテリアは、 ホテル「リッツ パリ」のバーのひとつにそっくりだそう。 リスペクトがそうさせたものなんだろね。

ご注文は勿論の「ハイボール」。 グラスの上から覗く、コースターには、”Established 1918″の文字。samboasuki02.jpg今はなき神戸の店を除く、京都・大阪・東京の「SAMBOA」の空気が一気にくるくるっと脳裏を巡ります。

グラスの側面には、「SAMBOA」の”S”をモチーフにしたロゴマーク。samboasuki03.jpgウィルキンソンの炭酸の泡粒もグラスを飾って、いい感じです。 勿論、氷は入りません。

バーテンダー津田氏が、ヒルトン、堂島、そして銀座店での勤務を経て、 10年に開業した「SAMBOA BAR」数寄屋橋。samboasuki04.jpg津田さんの表情や立ち居振る舞いからも、「SAMBOA」のバーテンダーとしての誇りと自信と覚悟のようなものが柔らかに伝わってきます。

浅草が加わって、東京にも3本の「SAMBOA」カウンターがあることになる。 そうそう、数寄屋橋のお店の場所は、あのステーキ「かわむら」のある路地の左側です。

口 関連記事:   Oyster Bar「MAIMON」で ローラン・ペリエと好相性牡蠣どーれだ(12年01月)   バー 「祇園サンボア」 でやっぱり角のハイボール(07年04月)   Bar「木屋町サンボア」で ホットなホワイトラムにバターが似合う(07年01月)   バー「SAMBOA BAR」北新地で 山崎蒸留所Owner’s Cask1990(07年06月)   バー「SAMBOA BAR」梅田で 大きめ蝶ネクタイとハイボールと(06年11月)   純正酒々場「北サンボア洋酒店」で ラフロイグ和むバーの風景(06年04月)   BAR「浅草サンボア」で 吉例ハイボール新店にして風格を想う(11年07月)   ステーキ「かわむら」で 甘露なるコンソメと軽やかなるステーキ(10年04月)


「SAMBOA BAR」数寄屋橋 中央区銀座7-3-16 東五ビル [Map] 03-3572-5466 http://www.samboa.com/
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珈琲の店「ハナミズキ」で ダブルカレーにオムライスパフェはもう

hanamiduki.jpg新川の裏通り。 ちょうど、晩酌処「ごふくの丘」の向かい側にあるのが、挽き立て煎れ立て珈琲の店「ハナミズキ」。 女性スタッフがきびきびと立ち動く様子が硝子越しに窺える。 店頭のパネルには、ランチ用メニューもあれこれ。 ナポリタンはないけれど(笑)、ふとした喫茶店気分の時にお邪魔します。
おひとりさまは原則、Lの字のカウンターのいずれかの席に。 ゆったり座ること意図したらしき、ひとりソファーに収まると、 ひと眠りしたい気分にもなります(笑)。

何度もいただいているのが、「特製ダブルカレー」。hanamiduki01.jpg橙や緑の彩り添えたドライカレーと形の崩れかけた豚角肉を含んだコク味カレーのコンビ。

ダブルなカレーというと、 新大橋通り沿いの「カレー革命」や長原「MOON」の「カレーチャーハン」を思い出す。hanamiduki02.jpghanamiduki03.jpg 北京鍋で豪快に炒めた感じのカレーチャーハンとキーマなカレーとの組み合わせに対して、こちら「ハナミズキ」の「特製ダブルカレー」は、どこか品良く端正で、女性のキッチンから運ばれたものの感じがします。


豚のしょうが焼き付きの「鶏五目ごはん」とか、 1日10食限定の「ステーキ丼&とうふサラダ」なんかも気になりつつ、 「ダブルカレー」と交互にいただく勢いなのが、「オムライス ハヤシソースがけ」。hanamiduki05.jpg ケーキの玉子生地で包んだようなオムライス。hanamiduki04.jpg包んでいるのは勿論、チキンライスだ。

さらりとしたコク味のハヤシソースを切り分けるようにしながら、いただきます。hanamiduki06.jpgうん、定番としての安定感がありますね。

新川の裏通りに、挽き立て淹れ立て珈琲の店「ハナミズキ」。hanamiduki07.jpg一青窈も謡う「ハナミズキ」を店の名前に冠した由来を訊こうと改めて足を向けたら、 平日の昼だというのに、営ってない。 特に貼り紙などはないので判然としんないけど、閉めてしまったのでしょうか。 暖かくなったら、14時から提供の「ミニパフェ」もいただこうと思っていたのにな。

口 関連記事:   晩酌処「ごふくの丘」で 冷製卵かけうどん花味鶏の炙りヅケ丼(08年06月)   本場の味「カレー革命」で 冷やしカレーとカレーチャーハン(08年08月)   カレー居酒屋「MOON」でなかなかにソソる風景カレーチャーハン(08年10月)


「ハナミズキ」 中央区新川2-6-14 [Map] 03-3297-1721
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大衆食堂「末廣屋」で 生姜焼き定男前豚丼蔦の覆う創業来45年

suehiroya.jpg西武新宿線がガードの上を走り、 その下を東川という水量の少ない川が流れる。 川の両側をそれぞれ一方通行の道が囲んでいる。 坂の上から始まるその道の名は、「飛行機新道」。 明治44年頃に我が国初めての飛行場が所沢に出来て、所沢停車場(今の所沢駅)から飛行場(今の航空公園)へと飛行機を運ぶために新しく造った道らしい。 そうだと知るヒトは余り多くないけれど、所沢が日本の航空発祥の地なのだ。
そんな飛行機新道は、左に折れて川から離れ、 かつて米軍が駐留していた場所にある航空公園へと向きを変える。 その曲がり角辺りに、今にも朽ち落ちそうな食堂があるのです。

もうとっくに閉めてしまっているものと思い込んでいたのに、 「ラーメン」や「名代うどん」とくっきりと示す幟が風に揺れている。suehiroya01.jpgああ、スゴイ。 いまも営業しているんだ!

硝子窓さえも覆い尽くそうとする蔦に包まれている。 かつて店の名を灯られていたであろう看板の表示板は、 今ではもう見ることのなくなった、硝子製だ。suehiroya02.jpgもう文字も掠れて、割れて、隙間が開いている。

蔦越しに見上げるペプシの看板は、店名を蔦が隠してすっかり見えない。suehiroya03.jpgその裏側はといえば、店名が陽に焼けてやっぱり見えない。

建物右手のショーケースを覗くと、これまた期待に違わぬ出来上がり(笑)。suehiroya04.jpg煤けたように積もった埃のベールを纏ったサンプルたち。 笊蕎麦の下敷きになってしまっているのは、タンメンでしょか。

車の撥ねた汚れをそこそこに、力強くホワイトボードに認めたメニューたちがまた強く誘う。suehiroya05.jpg「豚生姜焼定食」650円に「肉汁付ざるうどん」に「男前豚丼」600円。 「鍋焼ラーメン」に「キムチ豆腐おじや」なんてのまである。

お昼の時間をとうに過ぎていたけど、幸いなことにまだ営業中の札が掛かっている。 いざいざとサッシュのドアを引き開けようとすると、あれ?固い。 もう一度と力を込めて引くと、ズズズという音とともに開けることができました。

店内は、ひと言で云えば、おばあちゃん家の食卓。suehiroya06.jpgお客さんに出すのとは明らかに違うお惣菜やら湯呑みが載ったテーブルが中央にあって、 必然的に右側のパイプ脚のテーブルに座ることになる。 改めて見渡す店内は、使い込んだ食卓にふさわしい雑然さ。 色々なものが貼られ、提げられ、吊るされている。

suehiroya07.jpg筆ペンで描いた品書きに混じって、 チラシに裏に自らの人生訓のような文句を綴った貼り紙もある。 冷蔵庫の貼り紙にはこんな台詞もあっていい。 「人生を美しく生きるにはおいしい料理」。

奥の厨房にいるじいちゃんとなにやら声を掛け合いながらの調理の様子が漏れ聞こえてくる。 しばし後、「豚生姜焼き定食」がやってきました。suehiroya09.jpgsuehiroya08.jpg生姜がぴりりと効いて、いい感じのロース肉。 玉葱の甘さも映って、なんだかとっても正しい気がする。 これで650円でいいんでしょか。

そんな安さの所為もあって、やっぱりこれもいただかなければと「肉汁付ざるうどん」。 プラスチックのザルに載ったうどんは真っ白い。suehiroya10.jpgもしかしてここで絶品の武蔵野うどんに出会えてしまうのかも、 という一抹の期待はやはり無謀なもので、ザルのうどんは讃岐モチーフの普通なヤツ。 すぐ脇の手洗いの鏡には見沢製麺の文字。 ご夫婦のお歳でうどんを手打ちするのは、無茶なことですものね。

気なるメニューに呼ばれて、ふたたびの昼下がり。 営業中の札を確認して、硝子越しに覗き込むと、目の前の食卓でまさに遅いご昼食中。 お食事中御免なさいと呟きながら、固い引き戸を開きます。

気になっていたのは、「男前豚丼」。 中途のご飯に新聞紙をかぶせて、調理に勤しんでいただいた成果がこちら。suehiroya11.jpgこってり濃い味に焼き上げた豚ロースの上に、たっぷりのおろし山芋。 中央には、当然の如く、黄卵が載っています。 豚肉の濃い味を山芋の自然な甘さが受け止めて、まったりしたコク味で迫るドンブリ。 “スタミナ”などと呼ばず”男前”と呼ぶなんて、オヤジさん、粋じゃないですか。

これまたもしや!と思いついて、「ラーメン」400円也を追加注文してみます。 渦巻きナルトなんか浮いちゃって、まさに懐かしい顔立ちの中華そば。suehiroya12.jpgただ、味わいは至って普通。 これでしみじみ旨かったら、さらに嬉しさ百倍なんですけどね(笑)。

飛行機道の曲がり角、東川の畔にいまもある、蔦の覆う大衆食堂「末廣屋」。suehiroya13.jpg「末廣屋」「末廣食堂」の創業は、まだ米軍基地が返還される前の昭和42年のこと。 ああ、45年も此処にあるのに、やっと最近お邪魔できたなんて。 suehiroya14.jpg 思わず、お元気で!と云ってしまいそうになるけど、帰り際に、 また来まーす!とご挨拶。 だって、ホワイトボードにもっと気になるメニューを見つけそうなんだもの。


「末廣屋」 所沢市西新井町21-18 [Map] 04-2992-2289
column/03223

Oyster Bar「MAIMON」で ローラン・ペリエと好相性牡蠣どーれだ

maimon.jpgそれは、師走の日曜の昼下がり。 日本オイスター協会の会長さんからお誘いをいただいたイベント会場へとやってきました。 処は土橋の信号の近く、銀座コリドー街の一方の入口辺りといえばいいでしょか。 円柱形の建物を憶える静岡新聞の縁石に寄り掛かって、会場が開くのを待つ。 当の会場は、有名オイスターバーのひとつ、「MAIMON」銀座店であります。
マリンブルーが目を惹くブロックアイスざくざくのカウンターを横目にしながら二階フロアへ。 スタイリッシュかつ落ち着いた空間は、牡蠣好きさん達で満員御礼、満杯だ。

今回のイベントは、題して「”牡蠣+工藤シェフ連合軍” vs “サントリーワイン軍団”」。

なんだか対決モードに仕掛けようとする節もありますが(笑)、要は牡蠣とシャンパンの相性について改めてみんなで向き合ってみようよ!ってな趣旨なのです。

工藤シェフは、MAIMONの全店舗総料理長。 一方の、”サントリーワイン軍団”というのは、 あの「ローランペリエ」でお世話になったサントリーワインインターナショナルの方々。

振り返れば、新丸ビルの「四川豆花飯荘」のセミナーで初めて出逢った「ローラン・ペリエ」。 ウイリアム王子の結婚式の夜の晩餐会で皇太子御用達のシャンパンとして振る舞われたものとしても知られる「ローラン・ペリエ」を「玻璃 青山」のプールサイドや六本木「HYGGE」のカウンターで味わったことを想い出す。

その後、山本実樹子さんlaraさんが、 六本木の小さなサロンで催したチャリティーコンサート。 チャリティーのちょっとした後押しにと、 コンサートの休憩時間に、軽ーく”牡蠣とシャンパン”を愉しんでもらおうと思い付いたのが、 オイスター協会とサントリーワインインターの方々を結びつけることになり、 今回のイベントのきっかけになりました。

それはさておき、早速いただく「ローラン・ペリエ」は、主力のブリュットL-P。maimon01.jpgああ、やっぱり、繊細にして酸と華やかさのバランスがいい、美味しいシャンパンだ。

さて、どこあたりの殻付き牡蠣がやってくるのかな?と待っていると、 牡蠣のお皿ではなく一枚のシートが配られました。 そこには、牡蠣の味わいの相関や分布を示す図表が示されている。maimon02.jpgそして、司会進行のジャージ佐藤氏がこう宣ふ。 これから供するどの殻付き牡蠣が”シャンパンやワインに合う”のかを答えなさい!

謂わば、産地やブランドを伏せて味わう”利き牡蠣”的な。 こりゃ、美味しい旨いとヘラヘラ牡蠣やシャンパンをいただくのとはちょっと勝手が違ってきました(笑)。

華開くように盛り付けられた牡蠣には、AからFまでの記号が附されてる。maimon03.jpg形の違い、大きさの違い、身の厚みの違いを眺めても、 それだけでひょいと産地が判るべくもなく。 いつもの檸檬スライスが添えてないのは、 シャンパンの酸が牡蠣に利く具合を確かめることを意図してる。

「ローラン・ペリエ」をいただいては、殻から外した牡蠣をつるんとして。maimon05_4057f.jpgこれはさらっとしながらちょっとしたクセがあるなぁとか、なかなか濃いぃコク味だなぁとか、 ミネラルな感じも強いよねとか、唸るように呟いたり目配せしてニヤついたり。 ウハハこれは濃厚だわぁと、カキタベ!委員長も愉しそう(笑)。

でもね、いただく順番で結構印象も変わるし、個体差もありそうな気がする。 段々自分の好みの牡蠣の味わいを確かめてるのか、シャンパンと相性のいいと思うものを選んでいるのか判らなくなってきた。 さっきのあれより、いまのこの濃厚さ、でもミルキー一直線なものよりバランスの良いのがいいけど、あれどれだっけ?みたいな(笑)。 手元にメモっていても、混濁してくる。

因みに殻付きで供された牡蠣のひとつは、 「MAIMON」オリジナルの「マイモン・ダイヤ」はこの時期福岡から。
maimon07_4059c.jpgmaimon08_4050b.jpgmaimon04_4055e.jpgmaimon06_4061d.jpg
そして、唐泊の「恵比須」、長崎はご存知「九十九島(くじゅうくしま)」、 飛んで北海道の汽水モノ「サロマ湖」。 「キリタベイ」はニュージーランド、「キャッツアイ」はタスマニアからやってきたヤツ。 「キリタベイ」、結構好みかも。 これも宮城の牡蠣のDNAを継いでいるンだぞ。

うーんと、結局、どの牡蠣が一番「ローラン・ペリエ」に合うのか分かんなくなっちゃった、 ゴメンナサイ(笑)。 ブリュットには、クリーミーさ控えめなヤツが合う気はするのだけどね。

でも、シートが示す、昆布ダシ(磯なアミノ酸的旨み)と海水(ミネラルな感じ)、貝柱・蛤(貝のエキスな感じ)と生クリーム(グリコーゲン的濃厚さ)といった位相の交わりは、殻付き牡蠣の味わいのバラエティを愉しむ時の指標になりそう。 どっちにしても、まだまだ修業が必要なのだ(笑)。

この日の”利き牡蠣”修業はそのくらいにして。 届いたのは、「恵比須」牡蠣のワイン蒸し。maimon09.jpgmaimon10.jpg工藤シェフによるとこの蒸籠、サントリーの手摘みシャブリ「ウィリアムフェーブル」で蒸し上げたものだそう。 それをサントリー「甲州」でいただいたりなんかして。

次のお皿は、不思議な光景を運んできた。 カリッと揚げた牡蠣のフリットに小さなスポイトが幾つも刺さっているのです。maimon11.jpgmaimon12.jpgそのスポイトには、 同じく国産ぶどうの「マスカット・ベリーA」を使ったポン酢が入っている。 それを垂らすのではなくて、 ちゅーっと身の中に注入して召し上がれ!という趣向。 でも、上手いこと注入できない……。 ジュレにしちゃう、なんて手もあったかもね。

それからは、ビュッフェスタイルのテーブルで、牡蠣料理の争奪戦! 塩ダレをいただいた牡蠣フライや牡蠣のパエリア風などなど。maimon13.jpgmaimon14.jpgmaimon16.jpgmaimon15.jpg「ローラン・ペリエ」の絶品ロゼ、もっと吞みたかったなぁ(笑)。

コリドー街に印象的なブルーライトで誘う、Oyster Bar「MAIMON」銀座。maimon17.jpgイベントへの会場提供と工藤シェフはじめスタッフ面々の尽力に多謝多謝。 そして”サントリーワイン軍団”のワインエキスパートの方々にはまたまたお世話になりました。 会長、ジャージ佐藤氏、お疲れさまでした。 口 関連記事:   Nuovo Chinese「玻璃 青山」で 水辺の中華とローラン・ペリエと(11年07月)   BAR「HYGGE」で燻製牡蠣とオイルサーディンとローラン・ペリエと(11年07月)


「MAIMON」GINZA 中央区銀座8-3先 銀座コリドー街 西土橋ビル [Map] 03-3569-7733 http://www.secret-table.com/brand/maimon/
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もつやき「しげちゃん」で にこみたんしろこぶくろと熱いお茶割酎

shigechan.jpgイヴイヴですからねー、イヴイヴ! いい調子でめんどっちく出来上がったナポちんが、 新川の洋食&居酒屋で、そう告げるのをよく憶えていました。 イヴイヴの晩に何処でなにがあるかというと、それは大井町。 中央口に集合したのは、 大井町と云えばのゆっきーグヤ兄さん、 ナポちんに練馬から遥々の一合とっくりん。 そう、所謂”ボンクレーの会”に初参戦したのでした。
ボンクレーの会は、思いつくまま大井町を徘徊しては、 梯子酒をして酩酊するのが主題の会、らしい(笑)。

今回は趣向を変えて、東小路入口脇のあのビル一本でイクっつーのは、どや? とグヤ兄さんがニヤリとするも、ちょっと歩き始めた途端に空かさず路線が変わる。 なはは、それもまたボンクレーの会ならではなのでしょう。

5人組は、いつもの東小路の右っ側をつつつつっと往く。 「永楽」を横目で眺め、そのまま真っ直ぐ進んで、 「ブルドック」の料理サンプルのくすみ具合を確認し、 新進のバル「肉寿司」の前に立ち止まる。 ナポちんとメニューをひっくり返しているうちに、 兄さんはもうその先のゼームス坂へと突き進んでいました。

辿り着いたのは、打ちっ放しのコンクリートの外壁に牛豚鶏のイラストを掲げたお店。shigechan01.jpgもつやきの「しげちゃん」だ。

常連さんが腰を落ち着けているカウンターを左手に、奥のテーブルに陣取る5名様御一行。 寒空の下歩いてきて、悴んだ両手を擦りながら飲み物を注文します。 冷えた麦酒 って気分じゃないかもとお願いしたは、焼酎のお茶割、「お茶割酎」熱いやつ。shigechan02.jpg湯気をフーフーしてからズズといただけば、おお、旨い。 そして、なかなかにアルコール濃いぃ。 素直に「面白いっすね〜」と云ったら、「面白い言うな」とグヤ兄に咎められた(笑)。

カウンターを振り向けば、等間隔で並ぶ常連さん達。shigechan03.jpgこの後、その間も埋まることになります。

そこへ、お願いしていた「にこみ」がやってきた。 如何にもホルモンな部位の向こうに半丁ほどの豆腐がとんと載っています。shigechan04.jpgコッテリ過ぎず、あっさり過ぎず、それでいてド直球の旨み。 ああ、脂の甘さが沁み入ります。

木札にみるこの晩のモツは、8種類。shigechan05.jpgshigechan06.jpg辛子味噌でいただく「たん」をぐにんと齧れば、じゅわんと滲む旨味。 端っこの焦げた玉葱の合いの手もいい。 いいねいいね、とまた「お茶割酎」をクピクピ。

一見鶏皮のようにみ見えるのが「しろ」。shigechan07.jpg食感もなんだか鶏皮のようで、噛む程に滋味がまし、すっと消える。

噛み応えももつやきの重要なファクターなのだよなぁと、 今更のように思うところへ「こぶくろ」の串がきた。shigechan08.jpg火の性格や焼き方も勿論大事だけど、 そのためにどんな大きさで刻むか、も塩梅のあるところ。 小さかったら難しいような、大きい方がしっかり火を通しつつ通し過ぎないようにとか、 手連があるのだろうね。

ウーロンナポちんは、例によってウーロンハイのピッチが上がる。 ゆっきーは、熱いお茶に対抗して、冷たいお茶割酎。 二杯目の「お茶割酎」がズンと効いてきて、脳みそがふわふわし始める(笑)。 仕舞いにゃ「ゴーヤ酎」なんか呑んで、苦い!と眉を顰めるとっくりん。

「チキンボール」は、表面のしっかりしたタコ焼きのルックスだ。shigechan09.jpgはふっと齧ると、湯気が立つ。 ふんわか素朴な、でも毎回注文んでしまいそうな逸品であります。

「ソバ」って、蕎麦かいな?と発注したのは、普通の焼きそば。shigechan10.jpg大阪の焼きそばは、豚肉じゃなくて牛肉がデフォルトなのかな、 今度どこかで試してみようかな、などと酩酊の入口の頭が考える。 ま、いいか。 青海苔たんまりが歯にくっついて、いいぞ(笑)。

大井町、ゼームス坂のオヘソといえば、もつやき「しげちゃん」。shigechan11.jpg改装する前はきっとちょっとキッチュな魅力の風情だったのかもなぁ。 改装前にも来たかったな。
と、考える間もなく、一同は再び、底冷えの大井町の横丁へと泳ぎ始めるのでありました。

口 関連記事:   洋食・居酒屋「とおさんぼ」で 町角のカキフライとナポと生姜焼き(12年01月)


「しげちゃん」 品川区東大井5-5-12 [Map] 03-3474-8946
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