HAND MADE BREAD「ベニヤ」でぐっちょりして旨い惣菜パンの道

beniya.jpg茅場町で知るひとぞ知るパン屋さんと云えば、 桜並木の通りにある「ベニヤ」さん。 正午が近づくに従って、ひとり、ふたり、また一人とガラガラと開く自動ドアの中に吸い込まれていくご近所OLさんが増えていきます。 以前から気になりつつも今まで眺めるだけであったのは、イートインスペースがあるのを知らなかったから。 外から覗いただけでは分らないけど、お店の奥左手にイートインコーナーがあるのです。

特にアテのないまま小さなトレーを手にしたところで目に留ったのが、 冷蔵の棚にあった「ライ麦サラダ」という文字。 ポテトサラダを挟んだライ麦パンてなことだろねと思いながら手にしてびっくり。 想定外のずっしり感がその手にしっかと伝わってくるのです。beniya01.jpgどれどれと壁に向かうカウンターの椅子でラップを剥いでから、大口開けて齧りつく。 あああ、マヨネーズ使いに一切の遠慮なく、 ライ麦の香ばしさを押し退けるようにポテサラが圧倒してくる。 こりゃぁスゲーや(笑)。 これひとつでもお腹一杯になりそうだもの。

さて、中に入っているのはなんでしょう?と簡単なクイズにしたくなる断面を持つパンがある。beniya02.jpgbeniya03.jpgやや縮れた麺状のものが朧に透けていて、トッピングに紅生姜とくれば、 そう焼そばパンだ。 ホットドックパンに挟んだスタイルが通り相場だけど、「ベニヤ」では丸くなる。 一見コンパクトに見えて、挟むに負けないくらいぎっしりと焼そばが詰まっているのです。

そして、売れ筋人気の筆頭に挙げられているのが、「トマトボール」。beniya04.jpg甘そうに火の入ったトマトが零れ落ちんばかりに顔を出してる。 いろんなものが口の脇から垂れそうな予感に齧りどころを探りつつ、 またまた大口開けて噛みつきます。 beniya05.jpgbeniya06.jpg あああ、これは旨い。 beniya14.jpgトマトが迸らす甘酸っぱい旨みとそのトマトの回りを包むマヨネーズやチーズとが生むグッチャリが多くのひとを魅了するのがよく判ります。 他にも例えば、なぜその名前なのかまったく判らない「パリジャン」のぐっちょり具合も素敵なのだ。

beniya07.jpg なんだかんだで既にもう何日も通っているのだけれど、 必ずと云っていいほどカウンターの一番奥には、「御予約席」の札がある。 きっと毎日のように通う超常連がいるのでしょう。

ある日のおひる時には、 「海老かつ」「海老グラタン」などとラインナップのある海老モノの中から「海老マヨエッグ」。 当にその名の通り、炒り玉子の海の上にマヨネーズがふんだんに注がれて、 そこへ海老さんが仲間入り(笑)。beniya09.jpgbeniya08.jpgせーのー、と勢いをつけて齧りつけば、 そうそうこうやってたっぷしの玉子マヨネーズを食べてみたいと思ったことがあったと膝を打つ。 ぐっちょっと零れるのに気をつけましょう。

マヨネーズなくして、「ベニヤ」の惣菜パンはあり得ない感じであるけれど、 マヨの親戚、玉子をフィーチャーしたヤツも少なくない。 例えば、耳慣れたフレーズ「ベーコンエッグ」。 beniya10.jpgbeniya11.jpg beniya12.jpg なるほど、カリっとさせたベーコンと炒り玉子のドックじゃんとがぶっと齧りつくと、 みりみりとはみ出す玉子に驚く。 そうそう、こうこなくっちゃ「ベニヤ」のパンでありません(笑)。

半端のない量感とマヨネーズやチーズ、玉子を基本素材に”ぐっちょりして旨い”惣菜パンの道を真っ直ぐ突き進んでゆく、ブレのない気概がいい。 おちょぼ口で気取るばっかりのヒトには残念ながら判らない領域なのかもしれません。 そして、姐さんたちが極当たり前のことのように繰り出してくれる、パンを美味しくいただくための気遣いのあれこれといったら、なんだかそれだけでちょっと嬉しくなるのでありますね。

ザ・日本のお惣菜パン屋、茅場町「ベニヤ」。beniya13.jpg「ベニヤ」は、「紅屋」。 どんな由来で屋号「紅屋」としているのか訊ねてみたら、お祖父ちゃん亡くなっちゃっているので本人に訊けないので判らない、とのお応え。 「メロンパン」「はちみつバター」「北欧はちみつ」とかの甘い系にも挑戦しなければ(笑)。


「ベニヤ」 中央区日本橋茅場町2-4-7 [Map] 03-3666-7109
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