中国家庭料理「大連」で 蒸餃子鍋貼児湯餃子に浅蜊水餃子の宴

tairen.jpg呑み仲間のひとりの生誕半世紀を弄ろうという宴がありました。 中華かタイ料理かという当人の希望を受けて、 幹事の労を執った姐さんが選んだのが、 行きつけの新橋「ネヂ」の大将もオススメだという、 大森の「大連」。 この面子でご近所城南エリアで呑むなんて、意外な展開がいい。 大森駅で集合です。
山王小学校の脇の道に差し掛かって思い出すのは、その先にある住宅地のフレンチ。 あ、そうか、あの時にその前を通った小さなお店が今夜の目的地、中華「大連」なんだね。 夜の営業開始前に到着してしまい、まだ休憩中のおばちゃんを急かすように店の二階へ。 早くエアコンが効いて欲しいなぁと額に汗を滲ませつつ、ビールで生誕半世紀を祝う乾杯を。 50にして天命を知る、なんて言葉はオトナになりたくない症候群の僕らにはとんと当て嵌まらない、かも(笑)。 さて、「ネヂ」大将のオススメもきっとつまりは、餃子のリコメンド。 全種類たのんだ中からまず届いたのが、「蒸し餃子」。tairen01.jpg湯掻くのと違って、皮に張りを湛えつつ、ぷりっとした食感も残そうとする感じ。 うん、いいね。 そして、代表選手「鍋貼児(焼餃子)」はといえば、この焼き目。tairen02.jpg羽根つきではないのだねと呟きつつ、かぷっと齧ると肉汁がじゅじゅんとして、八角由来と思われる香りがふふんとする。 特別なことはないけれど、その衒いない美味しさにふと大陸の安定感思ったりして。 tairen03.jpg 「水餃子」は、人数が揃った時の特別拵えの”浅蜊バージョン”。tairen04.jpg醤油タレもつけづにそのまま齧れば、なははは、浅蜊の風味がぶわんとして愉し旨し。 「湯餃子」というのは、つまりはワンタン風茹で餃子。tairen05.jpgきっとラーメンはこのスープでやってくるのだろうねと思いつつ、 そのスープたっぷりと餃子を一緒に啜る。 はふはふ、はふ。 スープ自体のデキは、まぁ、あれとして(笑)、醤油の利き具合が餃子啜るによく似合う。 半世紀の毎日にちょっぴり疲れた御仁にはと、姐さんが是非呑めとグラスに注いだのが、 鹿とオットセイと狼のイチモツ(!)のエキスと薬草の入った中国酒。tairen06.jpg薬膳の香りの強い紹興酒、という感じだけど、効きめは如何に(笑)。 あとはもう、思いつく儘にお皿を貪り、紹興酒(普通の)ボトルを重ねます。 tairen07.jpgtairen08.jpg 炒めて華開いた烏賊に、辛子炒めの茄子なんぞ。 〆にとお願いした塩焼そばがなかなかイケる。tairen09.jpg独特のやや平打ち麺がむにっとして、少々のスープをとろんと塩で纏った麺にちゃっかり旨みが乗っています。 うん、満足満腹。 愉しい宴をありがとう。

普段使いがよく似合う、餃子と中国家庭料理の店「大連(たいれん)」。tairen10.jpgtairen11.jpg三田の「大連」が両親の営む店らしい。
入口扉の硝子には、外側に「您好」、内側から「再見」。 冬には、50個以上要予約の「大根と牡蠣の餃子」をいただきに”您好”したいな。 口関連記事:  餃子食堂「ネヂ」で 酒肴に真っ直ぐ焼餃子生餃子ハギ肝タコの子(10年06月)  フランス料理「グランメール山王」 で鮭リエット桜ブランマンジェ(08年04月)


「大連」 大田区山王1-25-14[Map] 03-3776-7944
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家庭料理割烹「園山」で 玉蜀黍雲丹米娘豚冬瓜夏蜆秋葵唐柿

sonoyama.jpg恵比寿某所の園山さん家。 気がつけば、彼女のおウチにお邪魔してから、 早くも一年ちょっとが過ぎてしまっていました。 既に勝手知ったるルートを巡って辿り着く飛び石のアプローチ。 きっと柔らかく温かく迎えてくれる。 そんな、不思議な安心感が蘇ります。
「どうも、こんばんは~」。 今回は、玄関入って左手の、厨房に正対するカウンター席。 園山さんや料理長をはじめとする女性スタッフが滑らかに立ち動いています。 sonoyama01.jpg 葉月の「園山」の口開きは、 モロヘイヤと豆乳の擂りながし。sonoyama02.jpg口腔をすっきりとさせながら、さあ食べるぞー気分をさらにぐぐんと引き上げてくれます。 sonoyama03.jpg 金魚な人参を載せた、おからと角切り長いものポテトサラダで、 くぴっとビールを干した後。 すっとテーブルに置かれたのが、トウモロコシとウニの冷たい茶碗蒸し。sonoyama04.jpg濁りのない玉蜀黍の甘さと雲丹の澄んだコク味が心地いい、であります。 およそ八寸の丸皿に盛り付けられてやってきた七種の前菜たち。sonoyama05.jpg俯瞰してみると、ウインクしているピエロのようにもみえる(笑)。 粟麩の胡麻だれ焼きに蛸の梅煮、茶巾にした南瓜に、 炙ったカマスを載せた寿司なぞ。 sonoyama06.jpgsonoyama07.jpgsonoyama08.jpg赤酢色鮮やかな酢飯に柑橘注す、カマスの脂が乙であります。 いただいた焼酎は、”園山オリジナル”と謳う熊本の「いも姉妹(しまい)」。 イモねーちゃんじゃないよ(笑)。 米の娘豚(こめのこぶた)という山形のブランド豚を塩煮して、 そこへトマトを添えて。sonoyama09.jpgまさに、とろんとした脂の甘さが不思議に軽い。 穴子と炊いた冬瓜の天ぷらは、桃のソースとバルサミコ醤油でいただきます。sonoyama10.jpg時季のものといえども、天婦羅に桃のソースをというのはどうかなぁと思いつつ、 カラッと揚がった衣に音たてる。 なるほどとセンスが光るのは、 桃のソースだけでなくバルサミコの酸味風味も添えているところ。 フルーティな甘さを嫌味なく引き立てて、 穴子の旨みにくっきりと輪郭を与えてくれているようです。 sonoyama11.jpg 味滲み沁みに柔らかく炊いた皮つき人参や半切のじゃが芋がどどんと存在感を示すのは、 前回もいただいた「園山」名物の肉じゃがだ。 すすっと軽くふた口でいただくのは、 夏蜆(シジミ)の出汁で炊いたという、秋葵(オクラ)と黒豆のご飯。 続くも、ご飯さらさらの冷汁かと思ったら、 胡瓜や茗荷のトッピングの下に白い麺が覗いてる!sonoyama13.jpgありそでなさそな、そんな冷汁仕立てのそうめんは、魚の出汁がしっかり丁寧に出ていて、味噌と胡麻の風味がこっくりとしながらも涼味満点。 sonoyama14.jpgいいなぁ、うまいなぁ。 ご飯入れたヤツももうひとくちだけ!と我儘を云って(笑)。
デザートのプレートには、これも「園山」定番の黒豆豆乳プリン。sonoyama15.jpg黒豆は、園山さんの故郷、島根の黒豆を使っているそう。 繊細に滑らかなコクにしみじみ、そしてニッコリ。 添えたシフォンケーキは、玉蜀黍の。 オレンジビーツのソースを垂らした”ういろう”仕立ては、唐柿(トマト)だ。 あははは、幸せな満腹感にお腹を擦ります。

優しい満腹感で気持ちまでも満たしてくれる、 隠れ家家庭料理割烹、「園山」さん家。sonoyama16.jpg「ただいま!」と思わず口走ってしまうほどに、こっそり頻繁に通いたい(笑)。 口関連記事:  家庭料理割烹「園山」で 愛の食材達蕗味噌へしこご飯黒豆プリン(09年05月)


「園山」 恵比寿 某所
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自家製麺「伊藤」で 煮干し出汁中華そば自ずと想う親仁との比較

ito.jpg煮干出汁の中華そばに目覚めさせてくれたのが、 王子の先の商店街にある「伊藤」でした。 それ以来のことを思い起こせば、 浅草の「つし馬」や 「凪」のゴールデン街や西新宿、 そして遥か青森の「長尾」や「たかはし」「まるかい」のことまでもが脳裏に浮かびます。
そんな「伊藤」の息子さんが赤羽に店を開いたと知ったのは、 昨年(09年)の5月あたりのことであったでしょうか。 なのに、訪れる機会を得ることもなく、赤羽には足が向かずに過ごしてしまっていました。 池袋での所用を済ませて閃いたのが、そこから赤羽へと向かう埼京線ルート。 息子さんの店「伊藤」は、親仁さんの王子神谷の店よりは断然アクセスのいい、 赤羽駅ロータリーのすぐ近く。 わくわくしながら向かったものの、日曜日ということもあって、売り切れ仕舞い。 がっくりしながら、いっそ呑んじゃえとばかりにその足で「まるます家」へ(笑)。 ito01.jpgでもそれで、店の所在はしっかりと分かったのでと、 改めて足を運んだ赤羽駅前。 古い小料理屋を彷彿とさせる建物が「伊藤」の面構え。 入口はというと、正面の引き戸ではなく、その脇を身体を斜めにしながら入った一番奥の扉です。 扉の向こうに券売機。 なんだか沢山食べられそうな気分が背中を押して(笑)、 「肉そば大」と「スープ増し」のボタンをぽちとします。ito02.jpgたまたま席の空いたカウンターの風景も嘗ての居酒屋のカウンターを想わせます。 届いたどんぶりは、注文通りの麺の大盛りで、王子の店で見たと同じストレートな細麺がこんもりとしています。ito03.jpgすっかりスープから浮き上がっちゃっているのをみて、大盛りにしたのはやや失敗であったかもと、そんな考えを頭に擡げさせつつ、まずは蓮華でスープをひと啜り。 おお、ん、あれ? 断然旨いスープではある。ito04.jpgただ、あのストイックなまでに贅沢に煮干しの出汁の旨みと風味を強烈に利かせていた親仁さんのスープに比べてしまうと、どこか薄く弱い気がする。 最初のインパクトが齎す強い印象と比較してしまったせいなのかもしれない。 煮干しが当然持っている魚臭さを嫌うひとは少なくないけど、それに対処してその辺りを和らげた仕立てにしているかのよう。 使う煮干しの絶対量がおそらく必要なので、決して安くない煮干しの、原価としての課題もあるかもしれないなぁなどと思ったりもする。 とは云え、そんじょそこらの煮干しラーメンのスープと比べれば、やっぱり旨い。 早速、箸の先をそのこんもりした自家製麺へと伸ばして、スープをよく絡めるようにくるりとしてから一気に啜ります。 ああ、このぽきぽきとした歯応えと伝わる粉の風味がいい。ito05.jpg案の定、スープの量と麺の量とのバランスがよくないことになっちゃって、後半はちょっと和え麺を食べてるような、勿体ない事態となりました(笑)。 沢山食べたい自家製麺と沢山啜りたい煮干しスープではあるものの、一度に同じどんぶりに盛り込んじゃうのは、賢いいただき方ではないような感じ。 博多ラーメンではないけれど、替え玉に替えスープなんてできないかしらん(それなら二杯喰えって?)。

一週間後に再度、赤羽にお邪魔しました。 券売機で目にした「比内鶏そば」が気になっていたのです。 今回は、その「比内鶏そば」を中盛りでお願いします。ito06.jpg スープに浮かんでいるのは、透き通るようにした玉葱の粗微塵切りでしょうか。ito07.jpgどれどれと啜るスープに対してやっぱり、どこどこと比内鶏由来の旨みを探してしまいます。 おそらく、スープ単体としていただく構えであれば、加減のいい上湯なのかもしれません。 でも、麺と一緒に食べさせるラーメンのスープとしては、少々ピントが甘いのじゃないかなぁと、そう思う。 ただ、そう思うのは、化調に慣らされ毒された食べ手の問題かもしれません。 もう二度三度と啜ることによって、見えてくるものがあるのかもしれませんね。

赤羽の自家製麺煮干し中華そば「伊藤」。ito08.jpg目指すは、父にして都内煮干し中華そばの雄であるところの、 王子神谷「伊藤」の味か。 はたまた、そのDNAをさらに進化させた自身の味か。 兄さんが営むという鴬谷の「遊」にも行ってみなくっちゃ。 □関連記事:  中華そば屋「伊藤」で 質実なる潔さと大盛りつゆ増しへの欲求(09年04月)  中華そば「つし馬」で 青森煮干の中華そばと特濃バリ煮干し旨し(09年11月)  新宿煮干「凪」で 特煮干ラーメン煮干出汁の野趣とぶりぶり麺(09年04月)  中華そば「長尾」で 限定ごくにぼ夢にまでみた煮干ラーメン系譜(09年10月)  自家製麺「たかはし 中華そば店」で 羨望煮干し中華陶然を想う(10年01月)  ラーメン「まるかい」で 煮干し醤油ラーメン澄んだ中の旨み風味(10年01月)


「伊藤」 北区赤羽1-2-4[Map] 03-3598-2992
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築地仲卸・築地三代直営「地下の粋」で 夏の真牡蠣に岩牡蠣に

chikanoiki.jpg築地四丁目の交差点角。 マクドナルドの入ったビルが、 ご存知、いわゆる築地共栄会ビルです。 市場時間のすっかり過ぎた夕方となれば、 一階の店々はグリルシャッターを下ろして、 ひっそりとした表情をしています。 そんなフロアの一角で活気を帯び始めるのが、 築地三代目直営「魚や粋」。 なかなか間が悪くて、その活気の仲間に入れていないのだけど、今夕はその「魚の粋」を飛び越えて、「魚の粋」スピンアウトのオイスターバー、「地下の粋」へと潜入しました。
開店の17時ちょっと前に店前で待ち合わせ。 勝手を知らない仲間たちは、ビルの有料トイレを避けて、トイレを探して随分遠くまで行ってしまったらしい。すんません(笑)。 開店を待つ目線に急かせられてのことではないだろうけど、慌しく準備が済んだ店先で人数を聞かれ、中央の荷車的テーブルへ。 chikanoiki01.jpgビールをちょろっとスタイニー瓶でいただいて、早速生牡蠣をいただきます! この日の品書きにある限りでも12箇所の産地の名が並んでいて、どうしていいやら悩んでしまう。 思いつきでまず、京都の「舞鶴」、北海道の「昆布森」を一人ひとつづつ。chikanoiki02.jpg 檸檬をちゅんと搾って、ちゅるんといくミネラルと澄んだ磯風味。 嗚呼、生牡蠣の醍醐味よ。chikanoiki03.jpgぷっくりして、濃いぃ味わいの一派、「舞鶴」。 一方の「昆布森」は、どこかまだ若々しいような清澄さに磯エキスが包まれているような感じ。chikanoiki04.jpg「昆布森」ってどこかで聞いたことあるようなぁと腕組みして思い出したのが、 恵比寿の居酒屋「和」。 冬のシーズンに売り切れで食べ損なったのが、「昆布森」だったんだ。 そこであれれ?と品書きをよく読むと、「真牡蠣」と書いてある。 そうなの?とカウンターの兄さんに訊ねると、宮城の「気仙沼」は実は今頃(その日は7月末頃)が旬の時季で、「昆布森」は走りだという。そして厚岸などの方へと巡っていくと。 恥ずかしながら真牡蠣は冬だけのものと思い込んでいたので、ちょー吃驚。 10月に入って解禁されて市場に出回るものというスリコミをされている方も多いのではないかしらん。 産卵しない牡蠣、ともいわれる、三倍体牡蠣でのことなのかなぁ。 なぁんにも知らないよなぁと頭をポリポリしながら、 今度は、熊本「天草」(岩牡蠣)をいただいてみる。chikanoiki05.jpgそれは、丸くころんとして、どこかあの「クマモト」を彷彿とさせるようなフォルムの牡蠣。 種が復活しているのでしょうか。 オイスターバー「地下の粋」では勿論、生牡蠣以外にもあれこれ牡蠣メニューがある。 例えば、「釜石」を使った「真ガキのパテ」。chikanoiki06.jpg世のパテ好き&牡蠣愛好家には、ありそでなさそな待望の前菜、ワインの友であります。 なので、さっきから呑んでいたおすすめ白ワインのボトルをお代わりすることに(笑)。 chikanoiki07.jpg 割とミネラルな白ワインには、 「舞鶴」をつかった「岩ガキのオイル漬け」もよく似合う。 檸檬をほんの少々搾って、晒した玉葱と一緒にね。 「トマトチーズ焼きと並んやっぱり気になるのが、「牡蠣の西京味噌バター焼」。 西京味噌と牡蠣の相性悪かろうはずもなく。chikanoiki09.jpgchikanoiki08.jpg香ばしくした味噌の風味が堪らなく、 そこへ弾ける牡蠣の汁が輪を掛けて堪らなくします。
仕上げに「天然魚介出汁のスープカレー」に走るのもまた一興なれど、 今夜は再び生牡蠣で〆たりしてみたい。 ハッポーの箱には、ごろごろと大振りの牡蠣が出番を待っていて、 その中のひとつ、三重「鳥羽」を指名しました。 「特大」と示されているように、 デカイ殻にでででんと収まった牡蠣はもうグロテスクでさえある。 chikanoiki10.jpgchikanoiki11.jpg さすがに包丁を入れてないとしんどいけど、 それをニコニコしながら頬張る絵面って、どうよ(笑)。 うううむ、じつに濃密濃厚な味わいであります。

築地仲卸・築地三代の店「魚の粋」からスピンアウトした、 市場のオイスターバー「地下の粋」。chikanoiki12.jpgできれば、揚げモノなんかもして欲しい。 そう、フライなんかを是非に、ね(笑)。 □関連記事:  酒亭「和」で 和和和十四代とニクい酒肴スルメイカ肝あえ焼き(08年11月)


「地下の粋」 中央区築地4-7-5 築地KYビルB1[Map] 03-6228-4442
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焼肉「本牧亭」で マルチョウA5カルビハツ厚切り地元人気焼肉店

honmokutei.jpg池上線でとことこ往く長原駅近くの商店街。 その一角にずっと気になっている焼肉店がありました。 町場の焼肉店とは少々違うオーラみたいなものをどことなく感じさせて、硝子越しに覗く店内はいつも意外と混んでいる。 どうやら原則要予約らしく、ひとり焼肉するのはちょっとなんだなぁとその前を通り過ぎるばかりだったのが、焼肉「本牧亭」です。 予約を入れて臨んだ「本牧亭」のテーブル。 目ぼしいテーブルが埋まっていることでも人気のほどが窺えます。 足元にぼっこりと四角いスチールの箱があるのは、排煙のダクトが通っているから。 壁を背にして座ると、それを跨いで座るようになっちゃうけど、煙に捲かれないためとあらば、ね。 honmokutei01.jpg「ナムル」をいただいて、まずはジョッキをぐいとする。 「本牧亭」の本日のおすすめは、ホワイトボードに書いてある。 ビストロでは、黒板にチョークが定番だけど、焼肉店では黒赤青の水性ペンがカジュアルでいい。 ☆☆☆と書いてあるのかなと思いつつよく見たら、細長く「☆和牛」と書いてあるところも微笑ましい(笑)。 honmokutei03.jpg ホルモンあれこれの中から選んだのが、「マルチョウ」。 焼き網に載せると、みるみるコロンと丸まって、 もういいよと云ってくる。honmokutei04.jpgはふはふそっと口に含めば、コラーゲンちっくな脂がしゅるしゅると溶けて消える。 「A5牝カルビ」は、ザ・焼き肉として王道の安定感。honmokutei05.jpghonmokutei06.jpg脂の甘さと迸る旨みに、むほほと思わず笑顔になるね。
焼き肉店では定番の「JINRO」を氷水レモンでちゅるちゅる舐める。honmokutei12.jpgこれも最近では定番かもねと「センマイ刺し」もコリコリとそのアテにして。 honmokutei07.jpg ああ、厚切りタンといえば月島「凛」を思い出すけど、 これは「ハツ厚切り」だ。honmokutei08.jpgレバーよろしく、塩胡麻油に浸していただけば、 むにっとした独特の歯応えが愉し旨し。 ほかにもあれこれいただいて、「JINRO」を空けずして、いい気分(笑)。 honmokutei09.jpg「本牧亭」では、棒アイスを笊に沢山用意していて、 それを最後の口直しにいただける。 ガムもいいけど、その前にアイスをどうぞという愛想がいいね。


もう満腹でほろ酔いで、〆の麺類には至らなかったので、日を改めて訪れて。 「本牧亭」には、麺類が6種類ほどある。 太・細それぞれの「冷麺」に「温麺」「ビビン麺」。 「ユッケジャンラーメン」に「カルビラーメン」。 その中から筆頭人気だという「テールラーメン」をお願いしました。 まずはとレンゲを啜ると、しっかり煮出したテールスープから広がるしみじみした旨みとさらりとしたコクがいい。honmokutei10.jpg麺がおよそ一般的な業務用麺なのが惜しいけど、 焼き肉店としては仕方がないことだよね。 ちょこちょこ通って、他の麺類も試したい。 冬になったらの「カキと豆腐のチゲ」や「自家製蔘鷄湯」もいいね。 改めてみる店内の壁には沢山の色紙が貼ってある。 スポーツ選手の名前が多い傾向があって、女子ゴルファーの知った名やレスラーらしき名前もちらほら。 あれはきっと「把瑠都」だなぁなんて眺めていたら、力士ふたりが入ってきた。 最近引退した元大関が気さくな様子で大将と話しています。

東急ローカルの小さな商店街にある、地元の人気店、焼肉「本牧亭」。honmokutei11.jpgなぜに「本牧亭」と名乗っているのかと訊くと、以前のオーナーから店名ごと店を引き継いだので、その趣旨は判らないという。 ファサードがモダンに綺麗になったのは、そんな契機だったのかもしれません。 やっぱり、横浜・本牧となんらかの関係があると考えるのが順当なところかな。 上野の講談寄席「本牧亭」の関係者だったりして。 □関連記事:  焼肉「凛」で 超厚切り上タン塩焼きとんとろ巻ロースに満腹至極(06年07月)


「本牧亭」 大田区上池台1-10-7 コアビル1F[Map] 03-3727-4129
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