鮨「徳助」で 真鯒煮烏賊鱚昆布〆煮鮑づけ煮穴子徳さんの所作

tokusuke.jpgどこかで寿司をつまみたい。 そう考えた時に真っ先に脳裡に浮かんだのが尾山台のハッピーロード。 そして、中国家庭料理「華門」階下の、気取らずも凛としたカウンターと大将の尊顔を思い出しました。 路上から連絡を入れると案の定、満席だという。 辺りを散策徘徊しながら席の空くであろう時間まで待つことにしました。
振り返ればもう、二年半振りのカウンター。 でもなんだか、ちょこちょこ通っているような虫のいい錯覚(笑)に陥らせてくれるのはなにより、大将徳さんの気の置けない佇まいによるのでしょう。 tokusuke01.jpg お通しの小鉢で麦酒を少々いただいて、 つまみをみつくろってもらいます。tokusuke02.jpgtokusuke03.jpg夏のアイナメに鱸、ミル貝に青柳。 ほんのりした甘みがある白身と澄んだ香りの貝ふた品。 冷たいお酒がいいねとお願いすると、如何にも涼しげな酒器がやってきた。tokusuke04.jpgつつつーと傾ける猪口の呑み口は、きりっとし過ぎず、豊かな奥行きのする。 そこへ、ちょっぴり悪戯っ子な表情した大将が、 まだ動いていそうな黒いイガイガを届けてくれた。tokusuke05.jpg割った海栗から直にいただくにはと手にしたスプーンで雲丹を掬う。 乙なる磯の香りに包まれた雲丹の甘さにこんな幸せがあっていいのかと黙想する。 勿論、ミョウバン由来の苦みなんてありません。 ほいよ、ってな感じで渡してくれたお皿には、見た目から既に柔らかそうな蛸の足。tokusuke06.jpgそっと口に含むとそれが、想定以上の柔らかさ。 とろんとそしてこっくりと蕩けて、 煮汁に滲む旨みとともに独特の香りを口腔に残す。 そこへ、冷たいお酒をきゅっと、ね(笑)。 tokusuke07.jpg 徳さんが、すっとつけ台に据えた小皿には、 新生姜によるしっかり厚みのあるガリ。 繊維にさくっと歯の先が通り、辛さ柔らかな風味にこれだけで、お銚子一本呑めてしまいそうです。 そんなガリを合図に、まず握ってくれたのが、小鰭。tokusuke08.jpg前回の、ちょっと斜めに握っていた小鰭が印象的だったのだけど、 今夜の握りは、すっと尾を引くよなお姿。 ああ、でも、この酢飯とのバランス、好きだなぁ。 続く白身は、真鯒の身。tokusuke09.jpg徳さんの煮切りは、こんな白身でも強過ぎることなく、 塩梅のよく旨みを引き出してくれるんだ。 煮烏賊のツメもまた、いいね。tokusuke10.jpgそして、徳さんの手元を見ているのがとっても愉しい。 寸分の躊躇いもなく刺身包丁を操り、海苔を廻し、握り、ツメの塗る。 以前と同じく、先の尖った金物の菜箸を、水を張った桶の底にタン!と刺す。 再びの白身は、鱚の昆布〆。tokusuke11.jpg昆布〆にすることで、甘みがくくっと凝縮していて、うん、好きだな。 そして、何気なくの大とろ。tokusuke12.jpg煮切りの包む鮪の薫りと脂が織り成す小さな宇宙が口の中でふわっと解ける。 もう、うんうんと頷くばかり。 あはは、蛸さんも魅力的な柔らかさだったけど、 この煮鮑の粋な柔らかさにもウットリ。tokusuke13.jpgたっぷりのツメのさらりとしたコク味が美味しさをさらなる高みへと引き上げてくれるンだ。 クライマックスは、鮪のづけ。tokusuke14.jpg赤身の香気豊かにして、脂の甘さとは違う凝縮感がそそる。 ただふっくらと云えば陳腐な云い回しかもしれないけれど、tokusuke15.jpgこの煮穴子の舌触りと味わいの深みは、素直に愉しみたいところ。 ひと通りが収まって、もう少しなにか〆たものがあればと所望して、鯵をいただく。 軽い〆加減の中に鯵の甘さを知るのでありました。 tokusuke16.jpgtokusuke17.jpg カウンターの逆の隅のお客さんが注文んでいたものをこちらにもとお願いして。 見惚れる所作で素早く巻いたその中身は、 叩いた御新香に、茗荷、胡瓜、紫蘇、白胡麻。 乙な仕上げに便乗しちゃったね。

朱塗りのつけ台に徳さんファンが夜ごと集う、尾山台、鮨「徳助」。tokusuke18.jpg徳さんのカッコいいにぎりを堪能しにまた、お邪魔したいと思います。 □関連記事:  鮨「徳助」で 堪能のカッコイイにぎりたち(07年11月)


「徳助」 世田谷区尾山台3-10-10 OSビルB1[Map] 03-3701-2383
column/03008

Osteria「UNETTO」で 白のラグー赤のラグーふたつのパスタ

unetto.jpg何処でランチしよーかなぁと茅場町のすずらん通りを歩いていると、ホテルの角辺りにトリコローレを隅にあしらったA看板が目に留まる。 UNETTO? オステリアとあるから、 イタリアンのお店なのでしょう。 どこだろうと通りを覗くと、 以前そば屋だった場所が衣替えしていて、 三色旗を風に靡かせていました。
「UNETTO」と書いて「ウネット」と読ませるらしい。unetto01.jpg一階は、右手の窓寄りに斜めにカウンターが切ってあって、その奥が厨房。 左手に少々背の高い小さめのテーブルがある。 すぐさまバールノリの立ち呑みの店になれそうな、そんなつくりだ。 unetto02.jpg その「UNETTO」のランチはというと、 ラグーのパスタが赤白2種類と日替わりパスタ。 2階のテーブルでは、それに前菜がついて、値段が少々違うというスタイルです。 「赤と白のパスタ」ってのもちょっと面白いねと、 まずラグーパスタの「Bianco(白)」を。unetto03.jpgメニューには、豚肉を白ワインと塩味、ハーブで煮込んだオリジナルミートソース、とある。 平打ちの麺は、トレネッテかタリアテッレか。 ちょっと乳化したソースに塩とちょこちょこと入れたペペロンチーノの辛味が利いていて、豚の脂旨みを上手に引き立てている。 unetto04.jpgunetto05.jpg ソースのからみはあまりよくなさそうにも思えた麺にも意外とよく馴染んでいます。 あ、ハーブの香りが何気に全体を包んでいるね。

日を替えての「Rosso(赤)」はといえば、 牛肉を赤ワインと野菜で煮込んだ自慢のミートソース、とある。unetto06.jpgunetto07.jpgunetto08.jpg赤でも使っているパスタは同じ。 さらっとしながら牛肉と野菜の旨みをぎゅっと引き出した赤ワインソース。 後半は粉チーズでコクを足すとまたちょっと違う美味しさが愉しめるね。

unetto09.jpg テーブル脇の壁に掛けられた黒板には、 ワインのお供たる惣菜たちが書き出されてる。 人気ナンバーワンだという「ランプレドット」は、フィレンツェのモツ煮込み。 「キャベツのアーリオ・オーリオ」や鶏肉を使った「ミラノ風カツレツ」なんてのもある。 こいつぁ、これら気の利いたお皿と一緒にイタリアワインをがぶ呑みしに、繰り出さなければいけないね。

日本初のトリッペリア!と謳う、 茅場町のイタリア市場食堂「UNETTO(ウネット)」。unetto10.jpg「UNETTOってどんな意味?」と訊けば、 イタリア語で100g単位、というような意味だという。 そこにどんな想いが籠められているのか、 今度は夜の部に出掛けて、訊ねてみたいな。


「UNETTO」 中央区日本橋茅場町3-4-8[Map] 03-6206-2129 http://www.unetto.com/
column/03007

手打ちうどん「こせがわ」で 武蔵野うどんらしい武蔵野うどん

kosegawa.jpgまたまた武蔵野うどんの店を訪ねに、 聖地のひとつ、東村山の駅に降り立つ。 長らくほったらかしだった西口もやっとロータリーの整備がされている。 目指すお店はそんなに遠くもないのだけれど、茹だるような暑さと刺すような陽射しを避けようとそのロータリーに停まっていたタクシーに手を挙げました。 店の名を聞いて走り出したタクシーの運ちゃんが、こう話す。 他のうどん屋さんを目的地にするお客さんはちょくちょく乗せるけど、「こせがわ」へのお客さんは初めてですよー、でもなんか嬉しい、なんせボクもあそこで年中生うどん買って食べてますから(笑)。
なるほど、正に地元に人気の店なんだなぁと思っているうちに、 踏切を渡ったタクシーは、電機屋さんのガレージの前に停まりました。kosegawa01.jpgそこですよー、ということで降りた、その目線の先には確かに「うどん」の幟がはためいてる。 電機商会転じて手打ちうどん店、ということなのでしょうか。 正対するお店には左右の建物それぞれに暖簾が掛かっています。 どうやら左の暖簾は、生うどんなどを売るスペースで、 イートインできるのは右手の暖簾のよう。 早速、右手の暖簾を払いました。 お店はとっても小ぢんまり。 厨房前のカウンターと右手スペースにテーブルがふたつ。 ビール!と叫びたいところをぐっと堪えて、壁に掛かったお品書きを見詰めます。kosegawa02.jpg手作りしちゃったであろう葦簀を背景にして、 「ざるうどん」にその大もり、特もり。 温かい「かけうどん」に「肉うどん」。 ポイントは、その並びにある「肉汁 50円増し」のプレート。 50円で「ざるうどん」のつけ汁を「肉汁」にできる。 できればデフォルト肉汁であって欲しいのはやまやまなれど、 肉汁にできるのであれば文句はありません。 「大もりうどん」を勿論「肉汁」でお願いしました。 あ、「糧三種盛り合わせ」もお約束、ね。 麦茶をちびちび飲みつつ、うどんの笊と肉汁の到着を待つひと時。 割としっかり時間が掛かるのは、 注文を受けてから湯掻いているからに違いありません。 お待ちかねの膳がやってきました。kosegawa03.jpgつやつやとしながら、どことなく茶色みがかったうどんに豚バラ肉を浮かべたツユ。 その向こうには、茄子、隠元、大根の「糧」。 慌てて薬味を入れたお椀に、箸でひっ掴んだうどんを浸して、ズズズと啜る。 kosegawa05.jpgkosegawa06.jpg そうそうそうそうそう、そう(笑)。 この小麦粉の風味が、武蔵野うどんの真骨頂。 こうでなくてはいけません。 武蔵野うどんのフリしてすっかり讃岐うどんなお店に、はてな?マークを浮かべることもあったなぁとちょっと遠い目になる。kosegawa04.jpg少々久し振りに、武蔵野うどんらしい、武蔵野うどんに出逢えました。 「特もり」にしとくんだったなぁ。 「うまかったス!」とお礼を云ってお代を済ませ、暖簾を払う。 そのままお隣の暖簾を潜って、もう一度、こんにちは。 生うどんを1パックお願いすると、 「じゃぁ、打ち立て切り立てのところを入れましょね、暑いのでちょっと塩が強めになってます、8分くらい茹でてくださいね」とオカアサン。 kosegawa07.jpgkosegawa08.jpg もう一度、おいしかったですよーと告げ、生うどんを手に電機店のガレージを後にするのでありました。

昔ながらの手打ちで粉の香る、武蔵野うどん「こせがわ」。kosegawa09.jpgkosegawa10.jpg「こせがわ」の「肉汁ざるうどん」は、 東村山ブランド「里に八国」に認定されているんだそう。 店名の「こせがわ」は、ご主人のお名前かと思ったら、然にあらず。 それは裏手の河に架かる橋の欄干ではっきりしました。 この小川が「小瀬川」なのですね。


「こせがわ」 東村山市諏訪町1-23-5[Map] 042-391-3440
column/03006

手打ち「首里そば」で 澄んだ一番出汁スープと一本気な剛性麺

shurisoba.jpg琉球王国の栄華興亡を物語ると云われる首里城には、今までに二度訪れている。 だけれど、その「首里」の名を冠した、沖縄そばの有名店には寄れずにいて、ずっと気掛かりでありました。 そして再び訪れた首里城前。 守礼門を潜り、園比屋武御嶽石門を拝んで写真を数枚撮ったりなんかして。 正殿周辺までを辿って引き返し、横手の金城町石畳道の木陰へ廻って、束の間の涼み。 そこから赤マルソウ通りを登って、汗掻き汗かき、ご存知「瑞泉酒造」へ。 空調に涼みながら泡盛古酒のあれこれを試飲させていただく。 泡盛の、年嵩が増すごとに円くまろやかになっていくのがよく判る。
その「瑞泉酒造」からほどなくの、 龍譚通りから少し入ったところにあるのが「首里そば」だ。 開店にはちょっと早過ぎたかなぁと思いつつ店先を覗くと、 既に数台のレンタカーが開店を待っている。 炙る炎天にこりゃ堪らんと庇の下にいけば、手作りなシーサーがお出迎え。shurisoba01.jpgだんだんとお客さんが並び始めました。 shurisoba02.jpg「お待たせしましたー」と、一番ノリで案内されたのは、 表に面した窓際のカウンター。 窓枠の棚では、小さなシーサーがプリンとお尻をこちらに向けています。 お待ちかねの「首里そば」がやってきました。 ラフテーによくみる形状の三枚肉をやや厚めにスライスしたものが三片にかまぼこが二片のっている。shurisoba03.jpgやっぱり目を瞠るのは、澄んだスープ。 先日の「山原そば」以上に透明度の高い。 ほほー、と唸りながら、そっとスープを啜る。 啜ってまた、ほほー(笑)。shurisoba04.jpgカツオの出汁旨みが鮮やかに利いていて、それを豚の出汁が支える感じ。 一番出汁のみの贅沢を堪能しちゃってね、という器を改めてじっとみる。shurisoba05.jpgその澄んだスープに泳いでいるのが、みるからに粉々しくて力強そうなやや平打ちのストレート。 shurisoba06.jpg早速啜ってみると、見かけ以上の剛性がある麺。 壁に貼られたポスターの隅には、テコを応用した独自の手法を用いた手打ち麺、 だとある。 余分な加水をせず、 押し捏ねる力の反復で麺に纏め込んでいるということなンだろね。 伸びて次第にだらしなくなるような気配のない、一本気な麺であります。 具の三枚肉やかまぼこはもとより、 嬉しがらせるのは、トッピングされていた針生姜。 デフォルト投入で紅生姜が入っているような事態に思わずタジロぐことが少なくないのだけれど、こうであれば出汁の風味を殺さず、色で濁らせることもなく、香気を添えてくれるね。 時間掛かります!と云われていた「ジューシー」が届きました。shurisoba07.jpg残しておいたスープを時折口に含んでは、 上品な味付けの炊き込みご飯を分け食べます。 つやつやぱらぱらした食べ口に旨みの艶がある感じ。 外の暑気から逃れるように、そして折角だから(?)と「氷ぜんざい」。shurisoba08.jpgshurisoba09.jpg どちらかと云えば、ふんわり細かく削った氷が好みなれど、こうして粗めに粒にした氷と金時豆との取り合わせも悪くない。 ん~、涼やか。

1993年まで首里にあったという、 「さくら屋」のおばぁの味を伝承するお店としても有名な手打ち「首里そば」。shurisoba10.jpg嗚呼それにしても、そこいらの茹で置き麺と化調なスープの沖縄そばとは明らかに一線を画する、そば、なのであります。 □関連記事:  本場「山原そば」で 三枚肉そばソーキそばやんばるの中の洗練(10年08月)


「首里そば」 那覇市首里赤田町1-7 コンサートギャラリーしろま1F[Map] 098-884-0556
column/03005

古酒琉球料理「うりずん」で 琉球料理居酒屋ドゥル天に血イリチイ

urizun.jpg「美ら海水族館」から58号線を海岸線沿いに戻って、途中の小さな砂浜、ミッションビーチで水浴び、フィンはなし(笑)。 すっかり涼んで、さっぱりしてから再び自動車道にのって那覇へと戻ります。 さてどんな夕食をと考えて、腕組思案。 世の飲食店の多くがそうであるように、観光地沖縄・那覇であっても、日曜日の夜ともなれば、営業しているお店が極端に少なくなるのです。
どこぞか、気の利いた居酒屋が営ってないかなぁと探して、行き当たったのが古酒琉球料理の「うりずん」。 既に周知されている、居酒屋の中の代表的な一軒ゆえ、すっかり観光地モードに陥っていないか気がかりに思いつつ、タクシーに乗り込みました。 処は、国際通りとひめゆり通りが交差する、ゆいレールでいえば安里駅近く。 通りから少し引っ込んだところに建つ、古色に艶ある二階家が「うりずん」だ。 なるほど超満員の店内。 予約の名を告げると、そのまま二階へと案内される。urizun01.jpg階段の踊り場の棚に並んだ、厚く埃を被った泡盛・古酒の瓶たちにご挨拶。 urizun02.jpg 額に入った「うりずんの歌」を見上げながら、座敷の卓につく。 オリオンと一緒にまずお願いしたのが、「ニガナの白和え」。urizun03.jpgニガナ(苦菜)は、ンジャナと呼んで、その名の通りほろ苦い葉なのだけど、豆腐と和えることで柔らかくいただける。 発酵の風味を感じたのは、白味噌あたりを添えているのか、それとも島豆腐の個性か。 urizun04.jpg続いて届いたのは、ご存知「スーチキ」。 都内の沖縄料理の店でもきっと定番になっているのじゃないかなの塩漬け豚肉だ。 適度に塩抜きしてあって、下に敷いたキャベツそして胡瓜と一緒に。 そして、「うりずん」オリジナルで人気ナンバーワンだというのが「ドゥル天」。 一見するに、それはただの素っ気ない揚げ物の表情。urizun05.jpg薩摩揚げかなにかを掴むような調子で箸を動かすと、意外な重量感のする。 「ドゥル天」の「ドゥル」はきっと、「どぅるわかしー」の「どぅる」。 田芋(たーんむ)にかまぼこや豚肉、椎茸を混ぜて揚げた、つまりは「どぅるわかしー天」なのだ。 珠玉な「どぅるわかしー」の作り手、彩香さんはどう思っているのだろうと余計なことを考えながら、熱々のところを齧る。 なるほど、唐揚げとは勿論違う田芋の魅力がホクホコトロンと伝わって悪くない。 「うりずん」店主がブレンドして、首里の蔵の甕で8年寝かせたという「特製古酒」を舐めながら、受け取ったのが、「魚てんぷら」。 衣に塩味ついてます、ってことでそのままでいただいてもいいのだけど、ソースでもどうぞとオカアサン。urizun06.jpgどうも風味が強過ぎるとウスターソースを好んでは使わないのものの、そう仰るのであればと試すと、角の丸いソースのせいか、白身魚の天ぷらに不思議なマッチング。 この白身、グルクンかなぁ。 古酒にはやっぱり、「豆腐よう」でしょうと注文んでみた。urizun07.jpgそうすると彩香さんの豆腐ようと比べてしまうことになる。 比べてしまうと、紅麹の風味が単調で、泡盛の角がまだ残っていて若い感じがする。 比べなければきっと、特別な遜色のない豆腐ようなんだ。 ちょっと野生な味わいもいかがと「血イリチイ」。urizun08.jpg豚肉の中身(内臓)を豚の血で絡め炒めたスタミナ料理だ。 それなりに匂うのだろうなと気構えて口にすれば、レバーに似た食感と風味の中身。 「くさいはうまい」派なので、喜んで食べちゃいますが、確かに、ちょっと遠いところで鉄分な香りがしなくもないので、苦手なひとは苦手かもしれません。 urizun09.jpgヨモギの入ったものが食べたいとのリクエストにお応えして、 〆にと「フーチバジューシー」。 ところがね、もしかして入れ忘れちゃった?ってくらいにフーチバが見当たらない。 ヨモギの風味がご飯を包んでいるのがウリなはずなんだけどね(笑)。

1972年創業の古酒と琉球料理の店「うりずん」。urizun10.jpg例えば初めて沖縄を訪れて、初めてだけどなんちゃってじゃない琉球料理をまずは愉しみたい、なんてニーズにしっかり応えてくれそう。 「うりずん」とは、旧暦の二・三月、春分から梅雨入り前までの頃を指す言葉。 海や大地に光が潤いが増してきて、空気が景色がビビットになり、わくわくしてくる時季を云うのだろうね。 なんと「うりずん」は、新丸ビルにも出店していようです。


「うりずん」 那覇市安里388-5[Map] 098-885-2178 http://www.urizn.gr.jp/
column/03004