餃子食堂「ネヂ」で 酒肴に真っ直ぐ焼餃子生餃子ハギ肝タコの子

neji.jpgいつぞやお世話になった、新橋の「雑魚」。 Public Barと謳いつつ、くだけた居酒屋ノリがオープンエアに心地いいお店。 角地にあって、隅切りから眺める佇まいがちょっと印象的だったのも覚えています。 そしてその「雑魚」に軒を並べるのが、今夜のとまり木、その名も「ネヂ」。 吊るした巻き簾には、”餃子がうまい居酒屋”とあります。
どーもーとドアを引き明ければ、 正面の厨房でどんと構えるマスターの笑顔がみえる。neji01.jpgふくよかな顔立ちと量感のある体躯が頼り甲斐ある雰囲気を漂わせています。 手にしているのは、餃子が収まったアルミのトレー。 どんどん焼くかんね、ってね。 既に幾皿かの餃子なんぞを平らげている先発陣に追いつけと、ビールを呷っての「焼き餃子」基本形と「ラム餃子」。 neji02.jpg「ネヂ」には、スタンダードに「しそ餃子」「チーズ餃子」「カレー餃子」「にんにく餃子」といった焼き餃子に「トマト水餃子」「肉と野菜の水餃子」「あさりの水餃子」といった水餃子のラインナップがあって、それ以外にも旬ネタを含めたいろいろな餃子がスタンバイしているんだ。 端正な焼き目のグラデーション。neji03.jpg 焼くタイプは、パリっとした食感とムニっとした食感が同時に果たせるような皮の仕立て。 まったりと練ったあんに、控えめにラムの香る餃子も面白い。 neji04.jpg刻んだ長葱をトッピングしているのは、「タン塩餃子」。 ラムもあればタン塩もあるだーと呟きつつ噛めば、なーるほど確かにタン塩の味わいが妙にマッチする餃子だ。 更なる変り種といえば、「ネヂ」オリジナルの「生餃子」。 えーそれって焼く前のお土産用じゃん!と思うなかれ。neji05.jpg柚子胡椒を添えたそれは、どこか二つ折りしたクレープを思わせるような質感の皮と包み方。 そのままどーぞー、と云われるまま、そのまま口に運ぶ。 例えば、生春巻きとは仕立ても食感も勿論違ってて、 皮も肉も野菜も生で食べる、当に「生な餃子」が愉しいな。 これは同じ新橋のご近所餃子処「玲玲」にもあったかも、の「トマトの餃子」。neji06.jpgゆるゆると火が入って甘酸っぱく弾けんとするトマトの魅力を包み込んだ、やや厚手の皮のふるふる。 タンブラーに無造作に注いだ赤ワインのお供にするのが粋なんじゃないかな、なんて考えが一瞬過ります。 「ネヂ」は、「餃子食堂」ではあるけれど、ただ餃子だけのお店ではありません。 釣り好きマスターの目点てもあってか、達筆なる品書きを賑わすその時季の魚介も注目に値する。 例えば、きゅんとした歯応えの中に品のいい旨みが解ける大原産の釣りものの「花鯛」の刺し。 neji07.jpgneji08.jpg 艶消しの黒い器に綺麗に広がった透明な身はなぁにと訊けば、「馬づらハギ」の薄造りだ。 たっぷり添えてくれた肝を目にすれば、くるんと包んで食べたくなるよね。neji09.jpgなはは、旨い。 あれあれ?その不思議な形状の、如何にも珍味な雰囲気を醸しているのはナニ?と問えば、その答えが「タコの子」だ。neji19.jpgちゅるんと啜って、恐る恐る歯を使うと、ぷちんと弾けて澄んだ海の風味が広がる。 いいね、酒持ってこい、ってね(笑)。 かと思えば、鮮度抜群と謳う、なんと「豚レバー刺身」、はたまた「ひと口レバカツ」があったりとそれぞれに嬉しがらせるのであります。 neji10.jpgneji11.jpg あ、フライと云えば、も一度食べたい!のが、「アジの納豆フライ」。neji12.jpg一見普通の鯵フライをひと口齧れば、納豆パラダイス。 鯵フライにこんなに合うなんてね。 neji13.jpg揚げものにも合うぞと、ハイボール。 ハイボールといっても、「ハイ(丸A)ボール」と標す赤いラベルがちょっと妖しい「天羽の梅」で作った「Aハイボール」をちゅるちゅると。 キンミヤを割る梅シロップはもしかしてこれなのかな、とか思いつつ、またちゅるちゅる(笑)。 neji14.jpg そして、〆には、「生姜チャーハン」という手もあるけれど、面白いのが「沖縄そばの釜玉うどん」。 neji15.jpgneji16.jpgneji17.jpg 確かに沖縄そば風のやや平打ちの麺に玉子が載っている。 あ、湯掻きたてを混ぜなければと慌てて、くにゅくにゅと混ぜる。 なるほど~、一般的なラーメンの麺やつけ麺の麺でなくて、沖縄そばの麺をもってきて、釜玉にしたらという発想した時点で成功とも云える。 すぐ混ぜるのが大事、だぞっと。

新橋の路地裏の餃子食堂「ネヂ」は、餃子が旨いだけの店じゃない。neji18.jpg常連の姐さんによれば、マスターが語る店名「ネヂ」の由来は、「ネヂが好きだからさ」ともハードボイルドに「ネヂれた人生送ってきたからさ」とも。 でも、合わせ呑むにどんぴしゃな酒肴を追い掛け工夫する心意気や発想は、ちっともネヂれず真っ直ぐだ。 「ネヂ」 港区新橋4-19-6 第二粕谷ビル1F[Map] 03-5401-0141
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鮨「京すし」で どんぶり三昧熟成のいなだ丼鉄火丼にあじさば丼

kyosushi.jpgひる時に八重洲ブックセンター辺りにいたりすると、そうだ、京すしに寄っていこう!とその度に閃く。 尤も端からその流れを狙っているのだけど。 中央通りにも面した、ひと区画まるまる仮囲いに囲まれたブロックにはなにがあったのだっけなと考えながら、「京すし」の暖簾を潜ります。 額縁に入った「鉄火丼」とか「いなだ丼」といった書を横目にね。
正午を廻ると、んー15分お待ちいただきます、と大将に告げられてしまう時間帯になるので、そのちょっと前に掃き清められたたたきに立つのがよい。 左の隅ぐらいの席がちょうどひとつだけ空いていて、そこへするっとお邪魔です。 kyosushi01.jpgkyosushi02.jpgkyosushi03.jpg ところどころに染みのついた、いつもの品書きから選らんだのは、さっき表の額縁にもあった「いなだ丼」。 他のタネとのハーフにもできるけど、いなだ一本でいきたい気分であります。 どこか枯れた気風を思うカウンターで、大将の手際を眺めながら、のんびり待つひと時というのも、いい。kyosushi04.jpg 受け取ったどんぶりは、 水辺に浮かぶ睡蓮を連想させるようなしっとりした華やかさ。kyosushi05.jpgいなだの身の薄紅色と縁取りの真朱がエッジの利いた包丁に活き活きとしている。 数滴の醤油におろし山葵の欠片をちょんと載せていただけば、一瞬こっくり甘いとさえ思う旨みがするんと消えてゆく。kyosushi06.jpg酢飯を寄り添わせては、またひと口。 うん、いいね、 もうすっかりその時季の風格があるよう。 しじみのお椀がまた何気に嬉しいんだ。 今度は、〆たヤツのどんぶりが食べたいと、別のお昼どき。 どふゆふ訳か、同じ席に案内されて、「あじさば~」と声を掛けます。 kyosushi08.jpg 表皮を剥いだ後の薄い薄い銀色が柔らかに光る鯵とやや控えめな風情にシメた鯖。kyosushi07.jpgやや赤味を帯びてきゅっと酢の利いたご飯に対して、〆の具合は決して過ぎない按配のよさ。 気取らず背筋のシャンとしたこういうドンブリって意外と稀少なのじゃぁないかなぁ。 kyosushi09.jpgあれも久々にいただかねばなりませんとまたまたお邪魔しました。 本日のお昼は「鉄火丼」。 これまたしっとりとした深緋色。 覗き込んで窺える赤身の表情には、心地よい熟成を済ませたような余裕がある。kyosushi10.jpgただの鉄火丼ですよと云い乍ら、仄かな酸味とあっさりした脂を含む、赤身の香気をちらりと魅せてくれるのですね。

ほとんどのお客さんが丼を所望する、おひるどきの京橋「京すし」。kyosushi11.jpgどうも額縁や品書きの「丼」の文字に条件反射してしまうのだけれど、次回はにぎりをいただきたいと思います。


「京すし」 中央区京橋2-2-2[Map] 03-3281-5575
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専門スポット「カレーうどん革新ラボ」で カレーうどんあれやこれや

currylabo.jpgベルビア館定点観測中ののむのむさんが、ランチ時に頭上のサインプレートを差し替えている現場に出くわしたという。 新たになったアクリルには、「カレーうどん100年革新プロジェクト」。 東京タワーにあるあの店とはどうやら関係なさそうだなぁと思うところに、なんと我等が愛Bリーグ事務局長がプロジェクトメンバーのひとりとして参画しているそうじゃぁありませんか。 メンバーには、うどん研究家 蓮見壽さんや「デリー」田中社長の名前もある。 一体どんなことになっているのでしょう。気になります。
プレオープンのところで、ちょっとお先にみんなでカレーうどん啜りません?ってな感じで集まった、ベルビア館の地階。 そこは煉瓦を壁に、どんなお店にも変身しそうな、そんな設えの地階フロア。 以前ココになにがあったかは、のむのむさんに訊いてみましょう(笑)。 currylabo01.jpgフロアは、核店舗の「游喜庵」とサブ店舗の「革新庵」とにゾーンが分かれていて、それぞれにメニューがある。 さあ、なにから注文もうかということで、 まずは、「游喜庵」メニューから選んでみる。 とは云っても、ほとんど全部なのですけど(笑)。 テーブルには既に、カレー汁飛び撥ね対応用の紙エプロンは用意されている。 でもね、ここ「革新ラボ」には、撥ねなんか気にせずカレーうどんをもっと気の向くままに思う存分啜りたい諸兄淑女のために、別のコスチュームも準備してある。 やっぱり色は黄色だよねと笑いながらモデルさん(?)が身に着けたそれは、カレー汁からほぼ全身を防護するもの。currylabo02.jpgつまりは、クリーンルームとかで着用するようなヤツなんだけど、これ着てカレーうどんする絵というのもなかなか愉しいぞ。 同じ不織布の帽子なんかもあれば、完璧だね(笑)。 と、そこへお願いしていたドンブリたちがやってきた。 currylabo03.jpg一気に5つのどんぶりが並んで、テーブルは壮観だ。 まず真っ先に目を惹いたのは、舞茸と獅子唐を載せた「キーマカレーうどん」。 currylabo04.jpgcurrylabo05.jpg ご存知インドカレーの名店「デリー」のスパイシーなキーマとつゅるんとしたうどんの出逢い。 さささと掻き混ぜれば、ますます涎を誘い、慌てて啜れば、なははは、疑いもなく、旨い。 小さなご飯にそのキーマをちょいのせしてひと口すれば、カレーうどんとしての美味しさと相乗して満足度が倍加します。currylabo06.jpg 「デリー」発でのもう一杯は、 「カシミール」をベースにした「ガラマーチャうどん」。currylabo07.jpgまだまだオトナになり切れず、「デリー」の「カシミール」にはハードル高さを思っていたのだけど、和風出汁と合わせていることで辛さの加減も利いていて、挑むような気構えのいらないままカシミール独特の風味を愉しめた。 昔ながらが漂うようなカレーうどんがいいなぁという方には、「和風カレーうどん」か「マイル和風カレーうどん」。 currylabo08.jpgcurrylabo09.jpg カレーうどんに生クリームとあればどうしても「古奈屋」チックなお味を想像するところ、和出汁の旨みがさりげなくも深くスパイシーさをやや控えた、優しい美味しさ。子供にもウケるんじゃないかな。 currylabo10.jpg 今度は、プロジェクトの認定店がオリジナルメニューを展開する「革新庵」のメニューからいってみよー。 こちらでやっぱり目を奪うのは、蓮見さんやっちゃいましたねー(笑)の「カツカレーうどん」。currylabo11.jpgうどんの白がチラ見えしてなければ、まさにそのままカツカレーと疑わぬお姿。 でも、カレーのかかったカツとうどんとの組み合わせに違和感がないのは何故でしょう。 ひよこ豆の粉を揚げ玉にした「牛すじカレーうどん」やらーめん「むつみ屋」発の「カレーつけ麺うどん」も面白い。 currylabo12.jpgcurrylabo13.jpg 「カレーつけ麺うどん」の旨み濃厚なつけスープも、ご飯にちょろっとのっけて食べてふむふむ、うどんを浸して啜ってふむふむ、なんてするのもいい。 「革新らぼ」では、定番メニューに載っていないカレーうどんもあって、 currylabo14.jpgcurrylabo15.jpg それは例えば、丁寧に焦がした小麦粉を想像させる「黒カレーうどん」だったり、女性におススメの「豆乳冷製サラダカレーうどん」なんてどんぶりもあるので、手元のメニューばかりでなくて壁のボードなんかもチェックした方がいいみたい。 currylabo16.jpg ちょこちょこ小さな器でいただいていたご飯は、長粒米にも見えたちょっと長手のもの。 訊けば、「華麗舞」と呼ぶ、カレーのために開発されたお米なんだと云う。 リーフレットには、タイ米なんかに代表される長粒のインディカ米とジャポニカ米の特長を併せもったお米だとあります。

カレーうどんが日本全国に広まって100年を機にと発足した「カレーうどん革新プロジェクト」が贈る、日本初の”カレーうどん専門スポット”、「カレーうどん革新ラボ」が期間限定で開場中。currylabo17.jpg勿論ひとりメシでもいいけれど、色々なタイプのカレーうどんが集結した此処には是非、仲間と一緒にテーブルを囲んで、ドンブリあれこれをシェアして意見交換するのが愉しいと思います。 あ、そうそう、周年でカレーうどんと云えば、五反田のカレーライスの名店「うどん」が祝・10周年。 ご存知の通り、うどんは置いてないカレー専門店にして「うどん」という店名の「うどん」なんだけど、10周年記念貸切限定メニューがなんと「カレーうどん」!! 嗚呼、参画できないのがとても残念で口惜しゅうございます(大泣き)。


「カレーうどん革新ラボ」(期間限定) 中央区銀座2-4-6 銀座ベルビア館B1[Map] http://curryudon.jp/
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