フルーツパーラー「たなか」で 店先の枇杷や桃のパフェラッチ!

tanaka.jpgいつもの村田和人「Again」ライブに向かう道すがら、そのひとつ手前の西小山で途中下車。 武蔵小山駅の改札はちょくちょく通っているけれど、その隣の西小山となるといつ以来なのかと思案することになる。 あ、「杉山亭」以来かな。 少なくとも目黒線が地下化して駅が整備されてからは初めてなのかもなぁと思いつつ、碑文谷方向へと足を向けます。 小ぢんまりしていい味の横丁があったのだねぇと話しながら、その先の通りを左へ折れました。
信号の角のところに「氷」の旗が揺れている。 その足元には、果物のオレンジ色や黄色が覗いています。tanaka01.jpg西小山への寄り道の目的地は、そのくだもの屋さんなのです。 通りの向かいから眺める、昔ながらのくだもの屋さんの佇まいに癒されつつ、果物たちの前に立つ。tanaka02.jpgtanaka03.jpgあ、枇杷があるね、安くはないのだね、なんて話しながら木枠のショーケースを覗き込む。 なはは、陽射しに色が褪せて、バナナが白くなっちゃてるね。 黒いペンキの手書きな筆致で「フルーツパーラーたなか」とある硝子扉越しに覗く店内から小さな子供がニンと笑顔を返してくれた。 こんにちは、いいですか、と足を踏み入れたところには、テーブルが3つ。tanaka04.jpg古びたパイプ椅子に腰を下ろすと、正面のカウンターにオトウサンとオカアサンが仲良く並んでいる光景に出会えます。 tanaka05.jpg黄色い紙に書かれたメニューには、「氷」あれこれ。 そして、「パフエ」があるのです。 「パ」より「エ」の文字の方が間違いなく大きいので、「パフェ」ではなくて「パフエ」なのだけど、それが愛らしくも微笑ましい(笑)。 初めて訪れる身でありながら、オカアサンに我が侭を云ってしましました。 今さっき店先で見た枇杷でパフエできないですか、と。 え、あ、びわ?やってないのよねぇと応えたオカアサンがちょうど奥に入っていたオトオサンにごにょごにょと会話する。 すると、あのね、びわ、できますよ、とオカアサン。 ありがとう、では、枇杷のパフエとピーチパフエ、お願いします。 店先にあった枇杷を箱から外して調理に入ったオカアサン。 tanaka06.jpg待つ間眺める壁には、例のノリタケペレのサインがあって、カウンターにはの☆ひとつ半の認定証とトロフィーがある。 そうなんです、ここフルーツパーラー「たなか」は、れっきとした「きたなシュラン」認定店なのです。 はい、おまちどうさまね。 わーいと思わず拍手して(笑)、受け取ったパフエのグラス。tanaka07.jpgマンゴーのそれに似た鮮やかなオレンジ色の半円が重なって、その間を搾った生クリームが飾っています。 クリームを端に載せたままそーっと口に運べば、さくっと澄んだ甘さが広がってくる。tanaka08.jpg旬はこれからよね、と仰るオカアサンに、でもいいっスおいしいっスと頷いて応えます。 桃のパフエはというと、こちらも艶かしくも品のいい甘さが愉しめる。tanaka09.jpgtanaka10.jpgオトオサンが自ら建て付けて自らペンキを塗る光景を彷彿とするベニヤの壁や入口の硝子戸を背景にしたグラスからまたひと口。 うん、いいなぁ。 如何にもおやぢらしいオヤジさんがひとり客でやってきて、ぶっきら棒にでもどこか嬉々としてひと言こう告げる。 「ふるーつぽんち!」。 なんだか微笑ましいではありませんか(笑)。

フルーツパーラー「たなか」の創業は昭和37年のことだという。tanaka11.jpgご夫婦が、店先のフルーツの魅力をもっと知って欲しいとお店の脇を間仕切って始めたであろう当時が偲ばれていい。 町場のくだもの屋さんがお店の脇や二階でフルーツパーラーを営む姿にはほっこり和む情緒があるもんね。 □関連記事:  西洋料理「杉山亭」 で赤黄褐色酸味ほの甘コク味オムライス(08年02月)


「たなか」 目黒区原町1-14-16[Map] 03-3714-1048
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