下町洋食「キッチン トキワ」で ウィンブル丼に海老フライカレーに

tokiwa.jpg聖路加病院もほど近い、隅田川の河っ縁。 佃大橋の脇っちょに、巷でちょっと話題の洋食屋さんがあります。 それが、下町洋食と謳う「キッチン トキワ」。 例えば、町の印刷屋さんの事務所のような、スタンド看板がなければ素通りしてしまいそうな佇まいもまた、魅力のひとつ。 さぁ、アルミのサッシュを引き開けましょう。
入って気が付くのは、カウンター頭上の壁一面にわさわさと品書きの札が貼られていること。tokiwa01.jpgtokiwa02.jpg初めて訪れたヒトはきっとみんな、口をポカンと開けて、両の眼をきょろきょろさせて、あれこれと迷うこと必至であります(笑)。 う~ん、まずは素朴に、ということでお願いしたのが、「チーズハムカツ」。 揚げ上がるまで、じっと待つのも醍醐味のひとつ。 「お待ちどうさまでした~」。 お皿には、見事に雁行したカツが6片。tokiwa03.jpgどれどれと断面を覗くと、重ね合わせたハムの間からトロケたチーズが糸を引く。 うへへへ、そそるね~。tokiwa04.jpgそして噛めば揚げ立てサックリ。 ハムの甘さに似た旨味とチーズの風味と衣の味わいが一体となって、ソースも醤油もなんにもつけないで、そのままうははといただけてしまいます。 一時話題になった「キムカツ」のミルフィーユが、なんだか勿体ぶっていたことを思うと、いいなぁ、さりげなくも旨い感じが。 そしてやっぱり此処ではこれも、いただかねばなりませんねと別の昼。 同じカウンターに座って品書きを見上げ、お願いしたのが「ウィンブル丼」だ。tokiwa05.jpg つまりは、ハムカツのドミグラソースかけ丼(ハイカラと呼んでいる)なのだけど、これがなんとも堪まらんほどに、旨い。 tokiwa06.jpgtokiwa07.jpgtokiwa08.jpg 例のしっかりした味わいのサックリ衣に包まれたハムカツの軽快な歯触りをデミソースの深~い旨味が包み込む。 そこらのレストランのシェフも見習って欲しい気もする、そんな実直丹精なデミソースだ。tokiwa09.jpgやるなぁ、オヤジさん。 ガツガツと掻き込むように、平らげてしまうのね(笑)。 tokiwa10.jpg 海老フライも食べたくて、今度は夜にお邪魔してみました。 やや小降りの海老フライが5尾も並んだ「海老フライカレー」。 スプーンの横で海老フライをサクッと小口に切っては、カレーとご飯と一緒に口に運ぶ。tokiwa11.jpg甘そうなフリして、絶妙にちょい辛な加減としっかりゆったりと旨味を煮含ませるセンスに、何気ないのに自然と惹かれてるのであります。

湊の隅っこで、ひたひたとその魅力を発露する、下町洋食「キッチン トキワ」。tokiwa13.jpg全品コンプリートしちゃいたい気にさせるほどの、 まだまだ気になるメニュー目白押し。 揚げ物メニューに、 「茶ワンカレー」とか「茶ワンハヤシ」をプラスするってのもいいかも、だ。


「キッチン トキワ」  中央区湊3-12-7「Map」 03-3552-4081
column/02847 @800-

焼鳥酒場・立ち呑み「ジョー」で夕立と極JOE愛JOE黒ハイ角ハイ

joeebisu.jpgとある日の恵比寿駅前、駒沢通り。 突然の土砂降りにこいつは堪まらんと丁度店頭でお姉さんが呼び込みしていた居酒屋に飛び込む。 立ち呑みの店かなぁという印象のままポンと入ってみると、ビールケースにベニヤをのっけたテーブルにビールケースに座布団を置いた椅子が並ぶという店構え。 こうしてふらっと訪れた客もすいっと受け止めてくれる気安さがいい。 壁際のビールケースのひとつに陣取りました。
joeebisu02.jpg 「ジョー」では、ハッピーアワー的な時間帯を設けているそうで、 90分の呑み放題ができる。joeebisu01.jpgそりゃいいねーとまずはビールからお願いして、品書きを物色します。 よく読むと、「昼飲みはじめました」とあって、なんと朝の9時から990円の飲み放題ができるらしい。 う~む、ハッピー・アワーというよりは、ハッピー・デイタイム、だね(笑)。 まずは、定番と謳う中から「鶏皮ポン酢」、そして”さっぱり系”から「馬鹿ウマもやし」。 joeebisu03.jpgjoeebisu04.jpg もやしをシャキシャキといただく醍醐味には、ふと三軒茶屋「東京餃子楼」の「もやし」を思い出す。 シャキシャキ具合も味の輪郭も参考になると思うので、お店の方、一度チェックしに行ってみたらどうかな(笑)。 早速の二杯目は、話題の「ザ・角ハイボール」。joeebisu05.jpgハイブリッド炭酸を味わってください、という品書きの解説が、言い得て妙というか、語感は分かるような気がするというか(笑)。 シュワシュワとすっきりした呑み口が新しくて懐かしい、それが「角ハイ」だ。 数量限定「美桜鶏のレバ刺し」は、なるほど角の立って張り付くような鮮度とまったりした滋味を例によって胡麻油が引き立てる。joeebisu06.jpg そんなレバ刺しに合わせるにはと、ハイボールにビールの泡をトッピングするという変り種、その名も「極JOEハイボール」。 joeebisu07.jpgjoeebisu08.jpg ジンジャーエールも使っているようで、そこにビールのビターがほんのり香る感じ。 やっぱり焼鳥も注文まなくっちゃと、 心臓の根元という注釈のある「ハツモト」と「鶏つくね」をともに塩で。joeebisu09.jpg今度は、”女子におススメ、あめムチハイボール”というコピーが可笑しい「愛JOEハイボール」。 柚子蜜の爽やかな甘さに生姜の刺激を合わせたハイボールで、確かにジンジャーはっきりと活躍してるけど、”ムチ”ってほどの辛さじゃないのでご心配なく(笑)。 お時間そろそろコールをいただいたところで、呑み放題の仕上げにもう一杯と「黒ハイボール」。 なにを混ぜたハイボールか、皆さんもうお分かりですね。joeebisu10.jpgそう、コーラとハイボールのコラボなジョッキだ。 ふと思い出すのは、最初にして今に至るまで最高の二日酔いのこと。 夏のある日、友達の下宿に集まって、呑んだのがコークハイだった。 加減も分からず、濃いぃウイスキーをコーラで割ると、ウイスキーの刺激が陰を潜めて、ぐいぐい呑めちゃって呑めちゃって。 その翌朝の暑苦しさと強烈な二日酔いは、今では懐かしくも愉しい思い出だ。 呑んだのは角瓶じゃなくて、取っ手のついたレッドだったけどね(笑)。 この「黒ハイボール」なら、そんなおバカな酔い方はしないと思うものの、角の風味をちゃんと味わいたい貴兄には、デフォルト「ザ・角ハイボール」をおススメいたします。 joeebisu11.jpg 〆に「ささみ茶漬け」を啜れば、あ、雨も上がったみたいだね。 ちょっと寄ってってよと立ち呑みの気軽さで構えず誘う、恵比寿駅前・焼鳥酒場「ジョー」。joeebisu13.jpgなんで「じょー」なのと訊けば、オーナーの知り合いに「JOE」さんがいて、響きがいいからいただいた、という割りと安易な店名だそう。 ね、気安いでしょ(笑)。 口今回企画関連サイト   サントリー「東京 おいしい居酒屋 酒場 特集」 banner_blog_kakuhai.jpg   酒ログ×サントリー「みんなで作る 角ハイボールマップ」 「ジョー」 渋谷区恵比寿西1丁目8-10 木村ビル1F [Map] 03-3462-2667
column/02846 @4,100-

にぼしらーめん「玉五郎」で 味玉入りバランスを思う煮干出汁

tamagoro.jpgどこかで昼飯をと大阪駅前3ビルの地下飲食店街を徘徊しました。 つけ鴨の「鴨しん」という店の前に佇むも、うどん、そば、ラーメンから選べちゃうというどっちつかず感から食指が動かず、踵を返す。 「踊るうどん」はこの辺りだっけかなときょろきょろしたところで、フフフンと煮干しの匂いが鼻を誘う。 うむむと唸りながら近づくと、「玉五郎」という提灯の前に早くも席待ちの列が出来始めている。 気が付いたら、その最後尾に並んでいました(笑)。
tamagoro01.jpg 店頭のメニューの前には、大きなステンレス桶に出汁をひいた後のものかと思われる煮干しがわさわさとこれ見よがしに置かれています。 「玉五郎」のメニューは大きく、「らーめん」「つけめん」「辛味つけめん」。 変わらず漂う煮干しの匂いに鼻をひくひくさせながら、券売機の「味玉入りらーめん」のボタンを押しました。 スタッフにまだ経験の浅い者が少なくないのか、全体の連繋やオペレーションがどこかどきまぎしている印象がある。 頬杖ついてそんなことをぼんやり考えていると、トンと湯気と一緒にどんぶりがやってきました。tamagoro02.jpg 白濁してとろんとした見た目から期待を膨らませつつ、スープを啜る。 ほぉ、グググっと煮干出汁が迫るのかと思ったら、そうでもなくどちらかというと動物系の出汁と煮干しとのバランスにポイントを置いたスープのように思える。tamagoro03.jpgでもそう思うのは、「新宿 凪」の煮干がっつん濃厚スープや王子「伊藤」の質実直球な煮干スープと図らずも比較してしまっている所為かもしれないな。 そんな目線からどうしても煮干エキスに物足りなさを憶えてしまうけど、なかなかどうして悪くないスープなんじゃないかな。 tamagoro04.jpg にゅるっとしつつも意外と歯切れのいい麺にも、「伊藤」みたいなぱきぱき麺がより似合うとも思ってしまう。困ったものです(笑)。 大阪エリアの煮干しらーめんセクションを牽引するのか「玉五郎」。tamagoro05.jpg大阪駅前3ビル地階のお店は、天神橋の初代、日本橋の二代目に続く、三代目にあたるようです。 口関連記事:   うどん「踊るうどん」で 程よい靭性まいたけ天温玉肉うどん(08年10月)   新宿煮干「凪」で 特煮干ラーメン煮干出汁の野趣とぶりぶり麺(09年04月)   中華そば屋「伊藤」で 質実なる潔さと大盛りつゆ増しへの欲求(09年04月) 「玉五郎」大阪駅前第3ビル店 大阪市北区梅田1-1-3 大阪駅前第三ビルB1F-68  [Map]  06-6345-2399
column/02845 @780-

和風スタンディング・バー「壌」で 古民家二階和酒肴に馴染む角ハイ

joe.jpg赤坂サカス開業から早一年以上。 赤坂の顔TBSの長きに亘る工事期間には、街全体が地盤沈下したような寂しい表情をみせていた時期もあったけど、Bizタワー前はひと通りも多く、賑やかだ。 そこからすっと脇道に入ると、一等地エリアのこんなところに古民家があったの?的な光景に出くわします。 路傍の行燈には、「壌」とある。 覗き込むと、木の風合いを基調としたデザインのスタンディング・バーのようです。
joe01.jpg 「御勘定場」行燈の下、カウンターの手前に置かれたMacのモニターでメニューを選び、注文したグラスを手に、入ってすぐのスタンドで談笑しながら、立ち呑みするのがおそらく基本形。 すっすと呑んで、さっと去る、江戸っ子な(?)呑み方もできるよう、オーダーと支払いはキャッシュオンデリバリー。 今夜は、4人で訪れたので、そのまま中央の階段を上がります。 joe02.jpgjoe03.jpgjoe04.jpg 二階は椅子席になっていて、吹き抜けの手摺りを辿り、窓寄りのテーブルに陣取りました。 透かし彫りの欄間を手摺りの腰に飾り、華奢な格子の硝子戸が如何にも古民家テイストだ。 一杯目は、やっぱりプレモル。 グラスを手に階段を上がり、呑みながら行ったらテーブルつく時になくなってたりして、なんて笑いながら乾杯すると、案の定すぐグラスが空いちゃった(笑)。 早速再び、一階のカウンターに戻って、今夜のお目当て「角ハイボール」をお願いします。 「壌」のタワーは、「プレモル」一機に「角ハイボール」二機体制。joe05.jpg氷満載のジョッキをカチャンと合わせてコックを倒せば、二杯が同時に出来上がる、テンポ良く。 シュワシュワが強く残っているうちにと、早足で階段を馳せ登る。 テーブルにジョッキを置いてみると、洋風なおツマミは勿論のこと、「えいひれ」や「きゅうりの古漬け」といった超素朴系の和の酒肴が囲む風景にもまったく違和感がない。joe06.jpg しっかり漬かった「イカの沖漬け」とだって、炭酸とレモンと角の風味がバランスよくカクテルされた「角ハイボール」が、すっきりと受け止めてくれる感じ。joe07.jpg またまた階段を上下して、お代わり角ハイ。joe15.jpgカウンターに肘をついてハイボールを待っているとふと、ハイボールというとまず脳裏に浮かぶのは、バー「サンボア」だったなぁと思いつく。 氷を使わず、最後にレモンピールで仕上げるハイボールは、やっぱり正統な「BAR」のノリ。 ほんの少し気取って呑むのが似合う「サンボア」でのハイボールも、使っているウイスキーはサントリー角瓶。 そうやって考えると、誰が作っても安定した味わいが愉しめるようにした「角ハイボール」は、角瓶によるハイボールの明快なカジュアル路線。 構えず気軽に、場合によっちゃゴキュゴキュ呑んじゃってもいいよってのが「角ハイボール」なのだ。 今度は何にしよーかなと再びモニターから選んだのが、 「黒酢肉団子」に「豆腐ハンバーグ ポン酢がけ」。 joe08.jpgjoe09.jpg 呑んでいると、こふいふつくね系のつまみが欲しくなるのは何故でしょう(笑)。 joe10.jpg 「鶏とジャガ芋のトマトチーズ煮」でお腹を落ち着けたら、 またまた階段を降りて、カウンターへ。 ジンジャーエールを使った角ハイもあると云うのでお願いすると、 差し出されたのはステンレスのグラス。joe11.jpg これには、「クリームチーズの醤油漬け」、「トマトのおひたし」が合う感じかもねーと、ちゅるちゅる。 joe12.jpgjoe13.jpg うーん、でも、おのずとジンジャーの風味が立ち過ぎることになるので、やっぱりデフォルト「角ハイ」のバランスがいいかな。 木の温もりを活かして、 加減よくスタイリッシュな和風スタンディング・バー「壌」。joe16.jpg 雑然としたオヤジの巣窟系立ち飲みはちょっとという淑女も、すんなりとStanding drinking。 もちろん、オヤジ系立ち飲みも大好き、という貴女にもおススメの古民家一軒家。 西麻布、新橋にも兄弟店があるようです。 口今回企画関連サイト   サントリー「東京 おいしい居酒屋 酒場 特集」 banner_blog_kakuhai.jpg   酒ログ×サントリー「みんなで作る 角ハイボールマップ」 「壌」 港区赤坂3-14-5 [Map] 03-5545-4241 http://www.grace.fm/joe/
column/02844 @2,600-

CAFE「MILlIONS DELI-CARTE」で村田の夏とアボカドバーガー

millions.jpg最寄り駅といえば、日本大通り。 待望の新譜「ずーーっと、夏。」をリリースしちゃった村田が、 横浜でライブを演るってことで出掛けたのは、横浜スタジアムを見上げる中区区役所前。 椰子の木が迎え、デッキのテーブル席で呑気にビールのグラスを傾けるのもロコな風情の「ミリオン・デリ」。 地階への階段のその先がステージだ。
millions01.jpg例によってフロアをうろうろ徘徊してくれている開演前のオッチャン、村田。 さすがに新譜CDにサインをもらうようなミーハーノリは性に合わないので、どもども早速聴きましたよ、とひと言。 演奏が始まる前に腹拵えをしなくっちゃと、 「ミリオン・デリ」のハンバーガーシリーズの中から選んだのが「アボカドチーズバーガー」。 どうしても一斉に注文が集中することになるので、キッチンは早くもてんてこ舞い。 そろそろ始まっちゃいそうな気配の中でやっとこ届いたハンバーガーは、 スリーブに包み切れない堆さだ。millions02.jpgmillions03.jpgなにかが飛び出さないように慎重にバンズとバンズをタテ方向に圧縮してみる。 これだけの量感の具が挟まっちゃー、そうそう潰れるもんでもないやね。 まさに、人目も気にせず、あらん限りの大口を開けて迎え撃つ。 粗く挽いたパテからは、香ばしさと脂の甘さと赤身の風味が渾然と主張して、そこへ熟したアボカドのねっとりが拮抗してきて、口腔を満たす。 こうなると、ちょっと口の廻りがソースで汚れようが関係ない勢いで貪る感じになっちゃうね(笑)。 添えてくれたデミソースで変化をつけてもいいンだぞ。 ちょっと変わりダネかも、とハワイアン・パイナップルワインの「Maui Blanc」を呑み干したところで、さぁ、ライブが始まった。millions04.jpg「台颱少年」はじめ新譜からの数曲に加え、夏らしい選曲がニクイ。 Only One Liveもいいけど、「三バカ」(村田・圭右、小板橋)もいいなぁ。 今夜のようなLIVEはもちろん、 さまざまなパーティの舞台として活躍してくれそうな山下町「ミリオン・デリ」。 millions06.jpgmillions07.jpgmillions08.jpgmillions05.jpg横浜西口・相鉄ムービルのLIVE&BAR「ThumbsUp」も兄弟店。 ずいっとウッドデッキが迎え、ネオンさんも呼んでます。 「MILlIONS of Tastes DELI-CARTE」  横浜市中区山下町194-3 ニューポートビルB1F [Map] 045-681-6481  http://www.stovesyokohama.com/millions/
column/02843 @5,800-