若鳥焼「鳥樹」蒲田店で 大胆肉厚切りの鳥料理たち

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時折通る京急蒲田とJR蒲田との乗り換え徒歩ルートにあって、気になっていた「鳥樹」の蒲田店に行ってみました。 真向かいにはピンサロが並び、お隣近所にはキャバレー「ミカド」(閉店)がある。 そんな、東口中央通り沿いでも特に妖しい一角toriki_kamata01.jpgに、毅然と佇む表情toriki_kamata02.jpgをみせています。

縄暖簾を払い、予約の名を告げると、「ご予約席」を示したtoriki_kamata03.jpgすぐ目の前のテーブルに招かれました。小さなテーブルですが、これで実は4人掛けらしい。 カウンターは満席。2階席も既に一杯だという。予約しといてよかった~。 口開きは、あらかじめお願いしてあった「レバ刺」に「砂肝刺」。 今や定番となったレバ刺ではあるけれど、この滑るような澄んだ食感とエッジの立った切り口は鮮度ゆえのことなのだろうね。 toriki_kamata04.jpg 砂肝は、サクと軽く歯の先が刺し入る感覚が、なは、楽しい。 toriki_kamata05.jpg さらに定番の「煮込み」toriki_kamata06.jpgあたりで季節もの(?)「柿サワー」を呑ってるところに焼き物がやってきました。 たっぷりとした量感の「レバ焼」toriki_kamata07.jpgに、鳥樹逸品のひとつ「ももたたき」。 パリッとした皮目とほどよくジューシーに火の廻った身肉自身の旨味を回しかけたタレが引き立てる。さぁ、どんどん食べるぞ(笑)。 toriki_kamata08.jpg 一方、「ささみ焼」は特製な”わさマヨ”で。ここでも、”大胆に肉厚に切る”「鳥樹」の本懐が窺えます。 toriki_kamata09.jpg 目先を変えて「鳥樹風きのこ焼」toriki_kamata10.jpgtoriki_kamata11.jpg最後にもう一品と、「なんこつ揚げ」をお願いすると、既に売り切れだという。もうないと聞くと余計に欲しくなるのは何故(笑)? 「ささみでもできますけど~」「あ、じゃ、それでお願いします」。で、やってきた、つまりは「ささみ揚げ」。ほほぉ。ぱさついたりせず、ささみとしてはジューシーかつ繊細な身質がナイス。だけど、なんだか注文がダブっちゃったね(汗)。 背後に空席を待つひともいるので、ここいらでお会計をお願いする。うん、お安い感じ。お愛想が安心なのも、「鳥樹」の人気の所以なのでしょうね。 人気と云えば、今やさらに大きな支持を得ている五反田「庭つ鶏」の店主は、ここ「鳥樹」蒲田での修行を経て自らの店を構えたのだそう。なるほど、「庭つ鶏」の洗練された鶏料理の端々にも、一羽から捌く「鳥樹」の実直な仕立てがみられるのも、自然なことなのですね。 今宵のご同席多謝は、「美味しいもの大好き」の恵比寿婦人さん。ありがとう。 口関連記事:  若鳥焼 「鳥樹」本店 でこれを食べれば鳥樹を全部(過去記事)  鶏料理 「庭つ鶏」 で洗練鶏料理の行方を想う(過去記事)


「鳥樹」蒲田店  大田区蒲田5-18-11 03-3739-3955 http://www.toriki.jpn.org/
column/02450

レストラン「御茶ノ水 小川軒」で チョコパイな?チョップドビーフ

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聖橋を渡り、東京医科歯科大学を横目に進む。 そして本郷通りの向かい側に見つかる朱色の日除けogawaken01.jpgが、「御茶ノ水 小川軒」の目印です。 1階はカフェになっていて、「ビーフカレー」や復刻版「デミカレー」「特製ハヤシライス」なんかがいただける、そう。 今日は地階のレストランへお邪魔してみました。

案内されたテーブルからは、厨房の動きや表情が、まるで超ワイド画面のモニターを観るようogawaken02.jpgに映ります。 玉葱、人参の「野菜のスープ」の優しい味わいでスタート。 ogawaken03.jpg ogawaken04.jpgごく普通のサラダかと思ったお皿には紅芋のペーストが添えられていて、ちょっと気が利いてる印象になる。
そして、「チョップドビーフ」のお皿がやってきました。 見た目にも丁寧に仕込んだことが窺える、チョコレート色のデミソースに正円に近いフォルムのチョップドビーフが浮かんでいます。一瞬、ロッテの「チョコパイ」を連想しちゃった(笑)。 ogawaken05.jpg ナイフの刃先を挿し込むと、手応えしっかり。 ogawaken07.jpg 包丁による粗みじんというか、まさに”叩いた”赤身肉をぎゅぎゅっとハンバーグパテにしている感じ。 といって、ネガティブな硬さはまったくない。うん、量感も美味しいハンバーグだ。 選んだもち麦入りライスogawaken06.jpgにも当然よく合う。 云われるままデミソースにマスタードを少々足してみたら、これが意外に双方の風味を引き立て合う。ふむふむ。 付け合わせのお豆ogawaken08.jpgは、フラジェレという隠元の仲間だそうだ。 プティフールogawaken09.jpgと珈琲をいただき、満足のお昼となりました。 今度はカフェで、「デミカレー」あたりを試してみたいな。あ、代官山にも行きたいな。 「御茶ノ水 小川軒」 文京区湯島1-9-3 03-5802-5420 http://www.ogawaken.com/
column/02449

つけ麺「ajito」で ロッソ冬バージョンとピザソバ予告

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くにさんに誘われて、再び大井町「ajito」に潜入してきました。 アジトスキーゆきむらさんもご一緒です。 ん~、改めて感心する、この路地にしてこの立地。 お隣の「スナック瞳」の看板をチラ見しつつ、忍び入ります。

冬に入り、甘さを含んだトマトの魅力炸裂の「ロッソ」に適したトマトが入手できなくなったことから打ち出した仕立てが、この日から展開の「ロッソ 冬バージョン」なのであります。 早速いただきましょう。 冬バージョンは、麺へのトッピングもまた違う。チーズに加え、フライドオニオンが載っていて、店主曰く、「降りしきる雪と落ち葉をイメージしちゃいました」。そして「赤のアクセントは、”春よ来い”ってね(笑)」。 ajito1_01.jpg ソースは、フレッシュトマトをホールトマトに切り替え、バジルをサルサにバージョンチェンジ。 ひっ掴んだ麺をとぷとソースに浸して啜ると、まずサルサな風味がすいっとして、例のとろみを伴った甘みと酸味とうま味の競演が味わえる。 うむうむ。 そうね、あのトマトの才気煥発な印象は大人しいけど、これはこれで、うまうまだ。 ajito1_02.jpg 「やっぱりセモリナ粉が入ってるように思えちゃうンね~」と云ったら、どうやら狭い厨房の小さな寸胴で上手く湯がく工夫から生まれた食感なのだという。なんせ、製麺所(菅野製麺)のヒトが「これ、うちの麺?」と怪訝な顔をしたンだって(笑)。 そのあたりにもこっそりと”天才”を自認する店主が繰り出す手管のほどが窺えます。 ajito1_03.jpgあっという間に平らげて、3.5玉の通称”ビグザム盛り”に挑んでいたくにさんの麺に触手を伸ばす。ガンダムに登場するジオン軍のモビルアーマーを連想させるンだそう(ピンとこないのが切ないけど…)。 結局、スープを舐めるように食べちゃったゾ(てへ)。 店主がイタリアンの厨房にいた時に、賄いで大盛りの麺をわしわし食べて、”こんな料理を提供するお店ができないかな”と思ったことが発想の根っこにあるという。 ラーメン店からアプローチしたつけ麺ではなくて、レストランシェフの感性から編み出した麺料理。 それゆえ店主は、誤解を恐れず「ウチ、ラーメン屋じゃないっすから」と云うのだ。 そんなことからも、「ajito」のつけ麺にパスタを想っても、強ち間違いとはいえないことが判る。 ajito1_04.jpgラ・ベットラの落合シェフも興味を示している(という噂はホント?)中、店主がさらなるキラーコンテンツを打ち出すという。その名を「ピザソバ」! ステンレスのボウルに盛られるイタリアンエッセンスど直球を味わえるのは、金土夜のみの25食限定。いそいそと並ばなくっちゃ、だ。 そうそう店主からくれぐれもよろしくとの伝言があります。 スープに「芋は使っていません!」。 口つけ麺 「ajito」 で潜み入る僥倖な麺料理ロッソ(過去記事) 「ajito」 品川区大井1-41-1(未確認)
column/02399再会

中国料理「帝里加」で 楽しいとりじゃがい”毛”メン

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汐留の高速地下の駐車場に知るヒトぞ知る中華料理店があるという。
ネタ元は、「散歩の達人」。
この雑誌らしいお店の拾い方が微笑ましくて、早速足を運んでみました。
「帝里加」と書いて、「デリカ」と読ませるらしいンだ。

郵便局前あたりdelika01.jpgから煤けた階段を下りて、薄暗い構内をきょろきょろ。 ん? あれですね~。
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こんなところで暗がりの赤提灯delika03.jpgに誘われるとは(笑)。 店頭には、A定食、Bセットのサンプルが並び、ホワイトボードにはE定食の手書きもあり。 あれあれ、「とりじゃがい毛煮」になっちゃってますdelika04.jpgね~(苦笑)。 店内は男性客ばっかりでほぼ満員。 近所の建築現場の職人さんたちの姿も多くて、なんか飯場という雰囲気でもあります。 ホールを動き回る女性同士が大声で交わしているのは中国語(らしい)。 Bセットの「とりジャガイ毛メン」(どうも”モ”を”毛”と書いてしまうらしい)をご注文してみました。 ま、簡単に云ってしまえば、トッピングにジャガイモが入っているのが楽しいラーメンです。 delika05.jpg ぶつ切りの鶏肉や椎茸、ピーマンなんかと一緒にごろっと入っているのね。 delika06.jpg ズルズル。
でも店頭のサンプルには、この3倍くらい具が盛ってあったような気もします。麺もスープも極普通。ジャガイモを含めた具材ごろごろだったら、先のE定食がオススメなのかもしれません。 そしてなにより、定食にして580円という安さ!夜ともなれば普通値段があがることが多いのに、夜のABEは、500円ですぜ、旦那(って、誰?)。枝豆180円に始まるおつまみメニューもまた安い。 650円の「カキ味噌鍋」ってどんなかな。 「帝里加」 中央区銀座8-16汐留駐車場B1 03-3542-1270
column/02448

洋食「さんばん」で うまうまジャーマンライスの謂れはワカンナイ

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少々アテが外れて、武蔵小山をプチ徘徊。 と、赤いテントを歩道に張り出したお店を見つけました。 近づくと、味あるショーケースsanban01.jpgを綺麗に整えていて、古いながらも草臥れていない、そんなちょっとした気概を感じさせてくれます。 今宵は、そんな町の洋食屋「さんばん」さんsanban04.jpgで。

テーブル4卓はどれも空いている。 小さなテレビが置かれていて、そこへ向かい合うように座りました。 水を運んでくれるオバチャン。厨房にはご主人らしきオッチャン。ご夫婦で営まれているようです。 メニューの筆頭は、野菜入りポタージュ。続いてみそ汁100円(笑)。「オムライス」は別掲だけど、それ以外は「玉子料理各種」って括られちゃってます。あとは、「メンチカツレツ」にはじまる揚げ物系に「ビーフシチュー」「スパゲッティナポリタン」「マカロニグラタン」と日本の洋食屋の王道メニューがラインナップ。 そこで、「ジャーマンライス」というどっかで見聞きしたようでいて、正体の判然としないメニューに挑んでみました。 正円なグラタン皿の白にコントラストをつけるように、デミソースの黒褐色、玉子の黄色、ケチャップの赤、そしてピーマンの緑色が挿し色になっています。 なんか、いい感じ。 sanban02.jpg スープンの先をそこへ挿し入れて掬うと、トッピングとソースに隠されていたケチャップライスが顔を出しました。 おー、ご飯のひと粒ひと粒がほろほろとしていて、デミソースのコクも麗しく、意外と云っちゃー失礼だけど(笑)、なかなかイケる。 sanban03.jpg はふはふ。おかあさん、ウマイっす。 ところで、なんで”ジャーマン”なの?と訊いたら、「どうして?」って聞き返されちゃった。 いや、あの、なんでかなぁって…。 そして、厨房に訊くでもなく、「ワカンナイわよ~」。 だはは、なんかそんな空気感も楽しく思えてしまうのですな。 そうそう、ミートソースのバターライス添え、と添え書きのある「グレッキュライス」も気になります。


「さんばん」  品川区小山4-3-14 [Map] 03-3787-8033 [閉店]
column/02447