レストラン「ハングリータイガー」で ダニエルわしわし、なはは~

hungrytiger.jpgかつて日参していた虎ノ門の裏路地で久々、ランチタイムとなりました。
目指すお店のその名は、言わずと知れた「ハングリータイガー」。
入口廻りには既に空席を待つヒトが佇み、それを掻き分けるように中からオバチャンがひゅーっと顔を出して「はい、なに?」と訊いた。
準備がなかったので、慌てて硝子越しにメニューをチェックして、「ダニエル中盛り!」と告げる。

「あ、3人さんね」「お先に、入って!」。
どゆわけか、入口脇で待っているヒトたちを追い越して中に入れという。
そして、お店中程の円卓に空いた3脚の椅子に押し込まれました。

4人がちょうど良いサイズのギンガムチェックのテーブルに、
7人が座ることに。
思わずきゅっと、膝を揃えちゃう感じです。
なるほど、並んで空いた座席の数にジグソーを合わせるようにして、
客を当て嵌めているんだ。

見回す店内はまさに、ラッシュアワーの熱気帯びるほどの満席。オバチャンのそんな意図に反して、
店内のもうひとりのオバチャンが別の席に座らせようものならもう大変!
「ちがうわよ!あんた!」「よけーなこといわないでっ」。
仕舞いには、「バカぁー!」と大声が飛ぶ。
それがなんだか微笑ましいンだ。
元気なオバチャンはおいくつなのでしょう。

さて「ダニエル」がやってきました。hungrytiger03.jpgお冷やのグラスをどこに置こうかというぐらいの狭さのテーブル上。
そこにお皿をドンと据えて、湯気とともに立ち昇る芳しい香りを嗅ぐ。

”オリジナルカルボナーラ風”と解かれている「ダニエル」。
その第一の特徴はと云えば、
所謂カルボナーラに連想する生クリームを使っていないこと。hungrytiger04.jpg

ベーコンと玉子を炒ってそこに太麺を投入、
もしかしたら醤油までもちょちょんと入れて味付けしつつ、
豪快に炒めた感じの力強さだ。
真横から臨む嵩のある量感がいい。

わしわし、むにむに、わしわひ。
なはは~、うめぇな、うめぇな。

纏うソースが意外やしっかり乳化させてあって、
むにっとする麺とどんぴしゃの相性をみせている。
うへへ、ぺろんと完食。
この炭水化物の膨満感はなんとも罪で麻薬的であるなぁ。
そうだ、久々「ジャポネ」にも行かなくちゃ。

「ハングリータイガー」
港区虎ノ門1-12-5 第2土橋ビル1F [Map] 03-3591-7081

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ラーメン「博多濃麻呂」で シルキーなネギチャーシューメン

kokumaro.jpg少し遠回りをして、二子玉は髙島屋の裏手まで。「柳小路」を背に、246の高架を仰ぎ見るところにある「博多濃麻呂」は、丸椅子7脚ほどの小体なお店です。道路に沿って並べられた椅子を横目に暖簾を潜ると、ちょうど一席の空席。隣の女の子はひとりビールを呑んでいる(苦笑)。本格派博多ラーメンの店にしては、体全身を包むような所謂トンコツ臭が感じられないのが少々不思議ではあります。「ネギチャーシューメン」をお願いしました。どんぶりの半面を薄切りのチャーシューが覆い、残りの半面を小口切りのネギがこんもりと覆っています。うん、うまそー。啜るスープは褐色がかった白濁で、意表を衝かれるほどにすんなりと舌を滑り鼻腔を抜ける滑らかさ。脂のモタツキを上手い具合に軽減して軽快なのに、薄さや物足りなさもないという、ニクイ仕立て。ほろほろとしどけないチャーシュー。お約束の細麺は、デフォルトでアルデンテな適切なる固さ柔らかさ。久々に替玉しちゃったじゃないか、困るなぁ(笑)。例えば「田中商店」みたいなガッツン系も好きだけど、こういうシルクタッチの博多麺もいい。仕込みにどんな秘密があるのか知りたいぞ。お愛想をして店を出ると、さっきの表の椅子が空席待ちの連中で埋まっている。たまたま、いいタイミングでお邪魔できたようです。 「博多濃麻呂」 世田谷区玉川3-14-6 03-3708-2790 口related column:>博多長浜らーめん「田中商店」 でばりかたで赤オニ(過去記事)
column/02410

cafe-wine「DEL SOL」で シーフードクリーム煮プレート

delsol.jpgラ・ベットラ本丸の向かいにカフェ&ワインのお店ができていました。カフェランチは得意ではないけれど、ちょっと寄ってみましょうか。テーブルに沿って白いダイニングチェアーが並び、キッチンカウンターの上部にはワインボトルが並ぶ。如何にも、な装いです。座ったテーブルから窓越しに「LA BETTOLA」の文字が窺える、落合シェフ牙城の真っ正面です。メニュー筆頭の店名を冠した「デル・ソル・プレート」は、パルマ産プロシュートが主菜。ランチとはいえ、プロシュートがメインではあまりにもすぐにお腹が減ってしまいそうなので、メニューから「ハーブ豚のワイン煮」のプレートを選んでみました。ホールの女性が伝える注文を聞いたキッチン方面から「え、いや、今日、ワイン煮ないよ!」の声が漏れ聞こえる。あ、ないんだ(笑)。しばらくして「ごめんなさい」のお知らせが告げられました。やむなく次点だった「シーフードクリーム煮・プレート」で。内心心配ではあったものの、案の定やってきたのは、オンナノコ・ポーションのプレート。ちょんちょんと盛られたクリーム煮にカップによそったポテトサラダ、そしてバゲットがひと切れ。あいたたた(笑)。うんでも、海老、帆立それぞれの風味を活かしたクリーム煮に裏漉ししたかのようなしっとりしたポテサラで、悪くはない。ぺろんと食べちゃうのがちょっと恥ずかしいだけさ(ふっ)。デザートも用意がないのか、ドリンクでということでいただいたカプチーノ。シナモンの香りを嗅ぎつつ啜っていてふと気がついた。こんなお店の佇まいで、こんな可愛いランチプレートを食べているのが全員オヤジばかりって、どゆこと(笑)? そして、折角「LA BETTOLA」の正面に立地するのだったら、堂々イタリアンのお店であったら面白かったのに~、なんて勝手なこと思いながら改めて窓の外を眺めるのでありました。 「DEL SOL」 中央区銀座1-24-11 03-5524-2500 口related column:>cucina italiana「LA BETTOLA da Ochiai」 でBランチ(過去記事)
column/02409

ラーメン専門店「天天有」で 煮卵入りチャーシューメン

tentenyu.jpg京阪終点の出町柳で叡山電鉄に乗り換えてトコトコと一乗寺という駅まで。 ホームに降り立ったものの、切符はどうするのだろうとキョロキョロしていたら、運転手がすっ飛んできた。 そうか、ワンマンのバスみたいなものなのね。 銀座の「一乗寺」とはなにか関係があるのかなぁなどと考えつつ、住宅地を抜けて目的地近くの交差点に辿り着く。 なるほど、もう既に10数名ほどが空席待ちをしています。
暗がりに浮かぶ店の名は、「天天有」。 京都で有名ラーメン店の一角を成すお店だ。tentenyu02.jpg 最後尾に並ぶも比較的回転は早く、すんなりとカウンター奥へ。 メニューではわざわざ別々に書いてあるけど、煮卵や温泉卵を入れても値段は変わらない。 そして、1.5玉の中盛がある一方で0.5玉のお子様盛りがあるのは、 家族連れには嬉しい対応だろうね。 「チャーシューメン」を煮卵入りでお願いします。tentenyu04.jpg“中華そば”にイメージする浅めのドンブリをひたひたと満たしたとろみのあるスープとチャーシュー。 引き上げた麺はストレートな細麺。 tentenyu06.jpgtentenyu07.jpg 一見こってりしていそうなスープはよく見ると乳化白濁は過度でなく、鶏ガラメインの透明感があって、啜れば野菜の甘さのようなすっきりとした旨味に溢れている。 tentenyu08.jpg滋味、といっちゃってもいい。 謙虚に並盛りにしたのをちょと後悔。 すっかり綺麗に舐めるように(笑)完食です。 麺はおおよそ同じ系統だと考えても、スープは「新福菜館」「第一旭」や「ますたに」、ましてや「天下一品」とも違う。 そしてこの一乗寺界隈にも気になるお店がまだ数店ある。 京都のらーめん店は、まだまだ探訪し甲斐がありそうだ。 「天天有」 京都市左京区一乗寺西杉ノ宮町49 [Map] 075-711-3255
column/02408

Osteria「Lucca」で 増田和牛のカルパッチョと岩中豚のグリル

lucca.jpg明治通り沿いのレストランの一軒、「ルッカ」でお食事。ムーミンのニョロニョロも連想する、印象的な対の偶像が迎えてくれます。コンパクトで気取りのない、居心地のいい店内。ドライシェリー「ティオ・ぺぺ」からはじめてみます。底部がぷっくりとしたシェリーグラスがまた、印象的だ。先日のお皿からの連想含みでお願いした「群馬県増田和牛のカルパッチョ バルサミコ風味」は、ほどよい厚さにスライスされた牛肉の魅力をあっさりとしたバルサミコの風味がグイと引き出していて、美味い。添えられたルッコラは、セルバチコという野生のルッコラだそうだ。ふむふむ。お供のワインは、ピエモンテの「BARBERA D’ASTI」。抱いたイメージに近い、深みがありながらあと味がすっと華やぐ感じのバランスいい、赤であります。入荷がなく涙を呑んだホワイトアスパラガスに替えてアンティパストからもうひと皿と、定番「帆立貝の香草パン粉焼き」。しっとりと焼いた帆立と香ばしくしたパン粉の相性って、やっぱりいいのんね。中はもちふわ、岩塩の塩っけが美味しいパーネ。お代わりを届けてくれた初老の紳士は、シェフのオヤジさんなのだという。時たま手伝うのだそうだけど、還暦を過ぎて息子のレストランを(気ままに?)手伝うなんて、なんだか幸せなことのように思っちゃうな。プリモから「ルッカ名物 フレッシュトマトとゴルゴンゾーラ タリオリーニ」と「ポルチーニのリゾット」。お皿の縁に振られた粉末が香りを誘っている。茶濁のソースにふつふつと潜むライスの粒が程よくしっかりしていて、ポルチーニ風味のコクを纏って、いくらでも食べれてしまいそうな、イケナイお皿だ。セコンドにと選んだ「岩手県 岩中豚のグリル マスタード添え」は、思い出せば涎がすぐ出る、肉の魅力を直球で表現したお品。そのまんま齧々するのが一番イケル。ぎゅぎゅっと詰まったお肉エキスがじゅじゅん素敵に滴って、うま~い。ここでいう“岩中(いわちゅう)”とは、岩手中央畜産を縮めたモノだそうで、つまりは岩手県産の銘柄豚なんだという。へ~。ドルチェには、「ラッテパンナ」。そのまま読むとミルク&生クリームだけど、お皿には苦味が粋なカラメルを頂く固め濃いめのプリン、そしてバニラ系ジェラート。生チョコの濃いぃ風味が罪な「生チョコのブリュレ」もまたいい。気の置けないお店の佇まいと同様に、シンプルにイタ飯を愉しませてくれる「ルッカ」。ふらっとランチもいいかもしれないね。 「Lucca」 渋谷区広尾1-6-8第2三輪ビル1F 03-5789-3631 http://www.osteria-lucca.com/
column/02407