中華そば専門「新福菜館」本店で 嗚呼やってきました黒いヤツ

shinpukusaikan.jpgまだおやつの時間帯(?)ながら、帰り際に「第一旭 本店」の隣に居並ぶ「新福菜館」に寄ってみました。 中途半端な時間なのに、店内はほぼ満席。 そこで、中途半端な腹具合なのだけど食べたい、そんなヒトにピッタリのメニューを見つけました。 女性や子供、はたまた酔っ払い用とも思われる「中華そば(小)」だ。
どれどれどんなラーメンかなぁと待っていると、嗚呼、やってきました黒いヤツ。 初めて東京の蕎麦のかけ汁を見てタジろぐ関西人の気持ちがちょっと分かってしまいそうな色合いのスープだ。 shinpukusaikan01.jpg 多少塩辛いかなぁと思うものの、醤油の魅力をストレートに生かした、どこかで啜ったことのある懐かしさを含んだスープ。

そこに合わせた麺は、粉っぽくさえ思わす、加水のない、歯切れのいい細麺だ。 shinpukusaikan02.jpg 博多の麺とはまた違う剛さがあるぞ。

チャーシューはお隣「第一旭」にも近く、いわば京都主流の仕立てか。 思えば、新京極の方で食べたいラーメンは、「第一旭 本店」と「新福菜館」の間に生まれたもののような気がしてきた。shinpukusaikan03.jpgやっぱりこの2軒が京都のラーメン事情に及ぼした影響は少なくなさそうです。


「新福菜館」本店  京都市下京区東塩小路向畑569 [Map] 075-371-7648 http://www.shinpuku.net/
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和食「阿吽坊」

aunbo.jpg八坂神社の南楼門からそのまま南へ下った下河原通も、京町屋の風情を残しつつ、割烹、和菓子店からフレンチ・イタリアンが点在する道筋になっています。その中の、店頭のお品書きが気になった一軒、「阿吽坊」さんにお邪魔してみました。飛び石を辿り、手前の広間を抜けるようにして、苔庭を臨む奥のカウンター席へ。御昼食は「一汁三菜」。「豆腐のそぼろあんかけ」と「生春巻」の“梅”と「湯葉蒸し」「賀茂茄子の田楽」の“松”。二択に迷いまくって決したのは、“松”。和え物盛り合わせをアテに、京都桂川上流の伏流水を使用したケルシュだという地ビール、その名も「京都」をいただく。和食によく合う、軽く柔らかな呑み口だ。竹の匙で啜る「湯葉蒸し」は、たおやかな湯葉を楽しむに加減のいい、上品かつ充分な味付けだ。う~ん、しみじみ。ふと見た横の女性がイイオンナだなぁと気がついたその途端、さらにそのお隣から聞き覚えのある独特トーンの声が漏れ聞こえてきた。おお、松方弘樹じゃん。こちらも当たり前のように存在感のあるイイオトコだ。続いて、「賀茂茄子の田楽」。味噌が強すぎたり、皮が強わかったりすることある茄子の田楽だけど、ここでは賀茂茄子自身の甘さと香りが楽しめる仕立てになっている。ご飯はじゃこ飯。お椀は「呉汁」。大豆を摺り、京の白味噌で仕上げたものだという、この「呉汁」がまた旨い。「おぶおいれします?」「へ?」「あ、京の煎り番茶どすけど」「あ、お願いします」。なるほど、おぶ、ね。デザートは、「黒砂糖のくず餅」。ぷるっとしてほんのりした甘さを黄粉の香りが包んでいます。なんだか妙に満たされちゃったな。うん。 「阿吽坊」 京都市東山区八坂鳥居前下ル下河原町472 075-525-2900 http://blog.aunbo.com/
column/02284

寿し「さか井」

sakai.jpg錦市場のアーケードを離れて、大丸の脇道に折れたところに「寿し」と染め書かれた白い暖簾が見つかります。設えよく整えた屋台、とも云えてしまいそうな簡潔な造りのお店が用意した座席は、詰めて掛けても5、6人ほどの白木のカウンターです。19時の閉店間際ということもあってか、先客はなし。その小さなL字のカウンターをひとり占め。お品書き筆頭に「にぎり寿し」とありますが、主流を占めているのは、「鯖寿し」や太巻き・細巻きの巻物、そして様々なタネのどんぶりモノです。「穴子丼」をいただきましょう。もみ海苔をたっぷり頂いた穴子は、柔らかくも張りのあるもの。ただ、酢飯とのバランスを考えると、にぎるか巻くかした方がより美味しいことになりそうな気もする。タイミングが悪かったのか、酢飯の酢が浮いて感じられたからかもしれません。明石の穴子がいいとか、韓国・中国産の穴子がどうとかの話を女将さんとしているうちに、大阪・京都の夏と云えば”鱧”ということになって、勢い、「はもの季節姿寿司」をいただくことに。骨切りをした身を炙って、タレに浸し、簀に巻いて形を整え、さらにツメを塗っているという。「手間かかってんのよ~」と女将さん。確かに、梅肉で食べるハモとは違って面白い。面白いけど、これでハモの魅力が引き出せているかというと、ちょっと小首を傾げてしまう。タレやツメに頼らない仕立てができないかなぁ、ナンテネ。〆て、3,400円となりました。 「さか井」 京都市中京区高倉通錦小路下ル西魚屋町592 075-231-9240
column/02283

うどん「梅田はがくれ」本店

hagakure.jpg新橋駅前ビルとなんだか同じ匂いのする大阪駅前ビル群。第3ビルのB2フロアに降りるとそこは、シャッターを閉ざしたテナントが多く、寂れ枯れた雰囲気を醸しています。夜のみ営業の店が少なくないということもあるのかもしれないね。角を折れたところで、以前、人形町のお店にお邪魔したことのある「ネスパ」を発見。おー、と思いつつ視線を送ったその並びに忽然と行列を作っているのが、有名店「梅田はがくれ」です。間をツメツメに!と指示された20人ほどが、小さく前にナライとばかりにジリジリと進んでいきます。順番がやってきました。とっくに済ませていた注文の品は、「かまたま」に「半熟玉子とちくわのてんぷら」。平らに伸ばした生地を機械にかけている様子を眺めているところに、「食べ方分かりますか」と声がかかりました。一応、ぶんぶんと顔を左右に振ると、「では、作りますね~」と云いつつどんぶりをカウンターに置いて、「黄身の廻りにいちにさん!」と円を描いて醤油を3周分注いで、「あとはぐわっとよく掻き混ぜてお召し上がりくださいっ」。で、まぜまぜ。で、ずるずる。ん~、カルボナーラというよりは、玉子かけご飯のうどん版ってところか。讃岐のように麺が矢鱈と主張するでもなく、かといってだらしなく緩いこともない。玉子ダブったと思いつつ、半熟玉子やちくわ天を挟んでは、啜る。つまりは、あっという間の一気に喰い。でも、醤油はひと廻し半ぐらいが丁度よいかも(笑)。次回は、そうしてみ~よぉっと。 「梅田はがくれ」本店 大阪市北区梅田1-1大阪駅前第3ビルB2 06-6341-1409 http://www.hagakure.cc/
column/02282

バー「SAMBOA BAR」北新地で 山崎蒸留所Owner’s Cask1990

samboakitashinchi2.jpg久し振りの新地で、あるスパゲティハウスを探してその閉店を知り、止む無く別の店を物色しようと徘徊。 とあるビルの前で携帯の地図をチェックしていた時に背後からこう声が掛かった。 「わりゃー、そこでなにしとんじゃー!」。 ひ? どうやら組事務所のある建物のまん前だったらしい。 やべぇやべぇ、きっとホンモノだ。
ややこしくなってもあかんとスタコラその場を離れて向かったのが、 これまた久し振りの北新地「SAMBOA」です。

カウンターの右端に佇んで、まずはやっぱりハイボール。 そしてバックバーに銀座のお店で目にしていた山崎蒸留所「The Owner’s Cask」の、1990年の方をいただく。samboakitashinchi2_02.jpgラベルに”北新地・銀座サンボア”と記されているだけあって、 注視されているのかボトルの琥珀はもう残り少ない。 サンボアの中では比較的値の張る一杯は、 ガツンと座りのしっかりした、親分な風格の呑み口だ。

その親分をちびちび舐めながらカウンターに着き離れするお客さんの様子を眺める。 女性ひとりで来て、 日経の夕刊を読みながらハイボールを一杯だけ飲んで帰っていったキャリアな女性。 方や、初めて息子を連れていつのサンボアにやってきた親父サン。samboakitashinchi2_01.jpg サンボアは何気ない人生模様の舞台にもなっているのですね。

口 関連記事:   バー 「SAMBOA BAR」北新地(過去記事)


「SAMBOA BAR」北新地  大阪市北区曾根崎新地1-9-25 [Map] 06-6344-5945 http://www.samboa.co.jp/
column/01999再会