大衆酒場「魚三」

uosan.jpg生憎の曇天で花弁の仄かな桜色もいまひとつ冴えないものの、降られることなく楽しめた葛西臨海公園でのお花見。昼前からのビールと濁り酒とワインによる酔っ払いが思いついたのは、ずっとずっと気になっていながら、噂に聞く混雑具合から暖簾を潜る機会のなかった門仲「魚三」でありました。16時を幾らか過ぎたあたりか。大きな暖簾の前には数人の空席待ちがあり、そこから覗く店内は当然満席だ。「おこさんづれおことわりします」の貼紙越しに中の様子を窺おうとすると、鼻先を「くさや」の芳しき薫りがむわんと襲う。おお。既に時間の概念が相当怪しいものの、15分ほどで1階カウンターへ収まることができた(気がする)。「魚三」ビギナーさんは、壁一面に貼られた品書きに圧倒されつつも見上げる。百円台、二百円台、比較的値が張っても五百円台か。なるほど、この値段設定が「魚三」なんだね。例えば、「いさきさし」が瑞々しい厚切りの身がたっぷりと載って450円だもんね。常連には常連それぞれ、この肴から入ってこういって、あーいって、最後はこれで〆るみたいな流れが出来上がっているんだろうなぁ、などと朧げに思いつつも、昼間の酒が効いちゃっているのがなんとも口惜しい。はぁ。お腹空かせた素面でまたお邪魔したいと思いまふ。 「魚三」 江東区富岡1-5-4 03-3641-8071
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