西洋料理「Chez Rossini」 12種類の薬味とずわいがにと筍のカレー

rossini.jpgこの1月、友人のご尊父のお別れ会へと訪れた東京會舘。その立食でいただいたカレーをもう一度口にしたいと丸の内まで。レセプションで訊ねると、そのカレーは「Chez Rossini」か「bar Rossini」でいただけるのだという。本館1階の「Chez Rossini」は、お濠に面した硝子の開口が明るいレストランだ。前菜、サラダ、スープ、魚、肉、オムレツ、とメニューを目で追って、ピラフ&カレー、スパゲティ。ありましたね、カレー。フィレビーフか、チキンか、小海老かシーフードか、と考えながら捲り返したページに「2月のスペシャルカレー」を見つけました。冬の味覚と春の息吹が交錯するような(気のする)「ずわいがにと筍のカレー」。これでいっときましょう。まずやってきたのが、このサーバー。12コマにセパレートされたそれぞれに様々な薬味が用意されているのです。パレスホテルの「IVY HOUSE」では8種類の薬味が壮観だったけど、こちらはそれを上回る12種類の薬味がテーブルごとに提供されるというスタイルだ。ほへ~(笑)。ちょっと感心しているところにやってきたカレーを、ソースパンから例によってどどどと一気にライスの上に注いでしまう。そして、すこし慌てるように、ひと口。先の会場でいただいたカレーの印象とはちょっと違っていて、しどけなく伝わってきた旨味の代わりに酸味が若干強い気がする。筍の、酸味に似た風味にヒッパラレテいるかもしれません。たらばの足肉は、ま、そのまんまたらばの足のお味。美味しいのだけれど、立食でのひと口の感慨から膨らんだ期待が過ぎたのか、再びの感激にまでは至らず。素直に「フィレビーフカレー」あたりをいただいていれば、また違ったランチになったのかもしれないな。

「Chez Rossini」
千代田区丸の内3-2-1 [Map] 03-3215-2123
http://www.kaikan.co.jp/

column/02136

BAR「Panacee」

panacee2.jpg恵比寿駅への帰り道、「ソナム」の2Fにある「Panacee」に寄り道。1年以上のゴブサタです。先客なく、窓際の席までカウンターを奥へ。パッションフルーツのカクテルをつくってくれたのは、以前はまだそこにいなかったはずだという女性バーテンダーさん。手元が落ち着かず、ストレーナーを変えてみたりまた戻してみたり。流れるような所作ではないのが、少し気にかかる。「LAPHROAIG」をお願いすると、奥から4本ほどのボトルを抱えて男性バーテンダーが現れた。彼女はシングルモルトのセレクトについてはまだ担当できない、そういうことなのでしょうか? バーボン樽のシングルカスクだという1本を選び、ロックで。そして、同じ杯を重ねる。丸い氷が光を集めたように綺麗で、じっとみつめる。うん、少し酔ってるね。 「Panacee」 渋谷区恵比寿1-25-3 2F 03-5791-9040 http://www.lapanacee.com/
column/01675再会

日本料理「賛否両論」で めくるめくおまかせにデザート全部

sanpi.jpg今宵は、やっとこ訪れるに至った予約の取れない店のひとつ「賛否両論」へ。 印象的な壁面のサインを横目に扉を押すと、遮るもののないオープンなキッチンに面してカウンターが奥へと延びている様子が目に映ります。 真ん中あたりに案内されました。 入口寄りにテーブル席も用意されているね。
ひとまず麦酒をお願いしたあとの口開きが、「白菜の擂り流し」。 品の良いコーンクリームのような前菜は、 優しくそして豊潤な野菜の甘さが満喫できる、いきなりの絶品だ。sanpi01.jpg冬の白菜の、芯の黄色い部分を使っているそうだけど、他には塩少々程度のシンプルな食材がこんなに美味しい逸品に昇華するなんてなんだか不思議。 一気に期待の膨らんだところで届けられた次のプレートは、「蝦芋と新牛蒡と慈姑の唐揚げ」。sanpi02.jpg素材の風味を生かした素揚げに近い仕立てがニクイ。 蝦芋のほっこりした甘さがそそります。 ここで、栗の焼酎「古丹波」に切り替え。 椀もの「帆立のしん薯」は、ぶつ切りの帆立の香りと食感をしんじょのふんわりが包み、それをさらに正調なお出汁が含んでいる。sanpi03.jpg これまた旨い。 お造りその壱「平目の昆布〆と菜ノ花のゼリー寄せ」は、旨味の活性した平目の身と梅風味を添えたゼリーとの取り合わせが面白いね。sanpi04.jpg スプーンをお借りして、ゼリーを残らず掬ってしまいたい感じ(笑)。 お造りその弐は、「寒鰤の九条葱和え」。sanpi05.jpg脂ののった寒鰤独特の風味をしゃきとして野趣のある九条葱が引き立てる。 続くは、甘さに似た豊かな旨味の零れる桜鱒の「桜鱒の塩焼きと焼き蕪添え」。sanpi06.jpg 大根かじゃが芋かと眺めていたのは、煮含まれ炙られた蕪だったンだね。 小休止にと食用の鬼灯(ほおずき)。 ふと「恵比寿DAL-MATTO」で口にしたほおずきトマトを思い出し、そして、おまかせコースでの設定といい、ひとつひとつに感心してしまう展開といい、和と伊の別はありながらなんか似た魅力を持っているのに思い至ったりする。 sanpi08.jpg 燻した漬物にチーズを合わせるなんて、の「いぶりがっことマスカルポーネ」でグラスを干した。 お食事は、「京人参とじゃこの炊き込みご飯」。sanpi09.jpg フルーツに似た京人参の紅がご飯の白と小粋なコントラストをみせ、そしてその風味が全体を巡っていて、えへへ、うんまい。 ならばと同調して、”デザート全部攻撃”にでてしまった。 「プリン」「杏仁豆腐」「きなこアイス」「柚子シャーベット」「自家製つぶあん生八ツ橋」「生チョコ」に「いよかんの桂花陳酒ジュレ」。 sanpi10.jpgsanpi11.jpgsanpi12.jpgsanpi13.jpgsanpi14.jpgsanpi16.jpgsanpi18.jpgこんなことしちゃっていいのかしらん、ワタシ(笑)。 気がつけば、他約1名の男性客を除いて客席すべてを女性陣が埋めている。 それも納得の仕上げだね。満足満腹であります。 今の人気もなるほどと頷ける日本料理「賛否両論」。sanpi00.jpgちなみにこの日に予約をすると、それはほとんど4か月以上先のことになるというから改めて吃驚だ。 「賛否両論」 渋谷区恵比寿2-14-4 太田ビル1F [Map] 03-3440-5572
column/02135

長崎カリー「蜂の家」銀座本店 で佐世保発ビーフカリー

hachinoya.jpg霞町さん情報で知った、歌舞伎座裏手のカレーの新店に行ってみました。狭い階段を下ればすぐに、ナチュラルな色合いのカウンターをコの字に配したこちらのお店の店内です。辛い方からの順番で云えば、「チキンカリー」「ビーフカリー」「野菜カリー」「ハヤシライス」となるそう。目星をつけていた「ビーフカリー」にしてみましょうか。ほんのりした甘さのあとから、すっと辛味がちょい挿ししてくる。粘度はあってもクドイ感じはなくって、厭味のない旨味を含んでいる。市販のルーを使ったおうちカレーのような、昔食べたカレーの缶詰のようなカジュアルなノリが身上だ。1951年創業の老舗が長崎・佐世保からやってきたとのだという「蜂の家」。町おこし的横須賀カレーのような物語は訊けなかったけど、同じ港町としてなにか似たような背景があったのでしょうか。素朴な味わいが魅力だけど、「佐世保バーガー」のようなちょっとしたプレゼンテーションがあると、それはそれでまたいいのかも。おススメいただいた、佐世保限定だというヨーグルトドリンク「クールソフト」はパックのまんま出てきます。甘いです。 「蜂の家」 中央区銀座4-12-7 03-3547-0810
column/02134

旬菜と魚介料理「美食亭Rin」

rin.jpg店頭にあるサインの“500円”がなにかと云うと、お料理・お酒が全品税込み500円だということらしい。百均ならぬ五百均の居酒屋っつーワケだ。奥のテーブル席では地元のおっちゃん達が宴会中。カウンター中央のベンチシートへ案内されました。へーもうそんな時季なのかなぁとお願いした「天豆焼き」や「アスパラの天麩羅」でビールをクイっと。野菜も魚も出回る時季がどんどん早まっているような気がするけど、それってホントにいいことなのか。少なくとも本来の旬がいつ頃なのか、ますます分かんなくなっちゃうね。芋焼酎に切り替えて、「ぶり大根」や「肉じゃが」、そして炉端焼きした帆立あたりを酒肴とする。ケースに収まっているタラバガニも同じく500円なのかと訊くと、それはワンコインではなく2コインなのだという。なんだ、全品じゃないじゃん(笑)。川越の市場で自ら仕入れているという魚介からさらに、鯵を刺しでも焼きでもなく、なんて注文をしてみたら、こんな酒蒸しがやってきた。日の出にみたてた玉子がのっていて、ほう、旨いやん。こちらの若い大将は、近くの日本料理店「楓」からこのお店を任され、切り盛りしているんだそうです。 「美食亭Rin」 所沢市日吉町19-12 04-2903-1739
column/02133