バー「サンボア」島之内

samboashimanouchi.jpg食事を済ませた後、ナイトキャップを兼ねた数杯をいただこうと近くの雑居ビルへ。スナックや小料理屋が入居する昭和な会館1階にあるのが島之内「サンボア」です。こちらは立ち呑みスタイルではなく、カウンターに10席ほどの止まり木の並ぶ、スタンダードな様式。枯れた、そして朴訥とした表情のマスターにお願いするのは、やっぱり「ハイボール」。入口近くの先客がガハハとがなる関西弁をツマミに、続けてお願いしたグレンフィディックの琥珀をゆっくりと舐める。凛としたバーの雰囲気を一笑に伏すような大声だけど、地元に根ざしたお店の情緒のようにも思えて不快ではない。ごちそうさま、よく眠れそうです。 「サンボア」島之内 大阪市中央区東心斎橋1丁目6-23 清水町会館 06-6241-9513
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グリル「ばらの木」

baranoki.jpg周防町通りまでタクシーを走らせて、ラストオーダー間際の「ばらの木」へ。創業当時から約50年間同じ製法で仕上げているデミグラスソースを是非一度、と手書きされた黒板を横目にドアを押しました。奥へと伸びるカウンターに先客はないけれど、コックコートのふたりが朗らかな笑顔で迎えてくれます。「トルネードステーキ」「牛ヘレ肉ステーキ」以下のガッツリ系グリル料理以外にも、「和牛ほほ肉のビーフシチュー」「ビーフカツ」、お魚系グリルにコンソメと目移り必至のラインナップが大ぶりのメニューに書き込まれていました。目当ては、そのメニューの右隅にある「ハッシュドビーフライス」。小瓶のビールに添えてくれたコールスローが妙に美味い。レーズンを思わす風味があとをひくンだ。のんびり待ってやってきたソースパンには、たっぷりどこどこと肉や玉葱の具材が満載。その全部をどどっと一気にライスに載っけちゃいます。ははは。見るからに旨そ~だ。べたつきやしつこさがないのに豊饒な旨味と適度なコクを湛えたデミソースと歯応えを残した野菜、そして牛肉たち。ははは。見た目通りに旨いぞ~。一気に食べてしまいます。世のチープなハヤシライスが霞んでみえる、満足充分な1,000円ディナーでありました。カツやシチューやハンバーグ、そしてやっぱり各種ステーキにも興味津々でっす。 「ばらの木」 大阪市中央区東心斎橋1-16-14 06-6271-7417
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お粥・ヘルシー料理「玄武庵」

genbuan.jpg西天満の裏通り、老松通り近くの「玄武庵」でお昼をいただくことにしました。落ち着いた小料理屋さん風の佇まいです。店頭の黒板には「お昼の玄米定食」とあって、主菜に山口県の自然薯のとろろと野菜の炊き合わせ、鶏もも肉のカレー煮、そして玄米御飯か玄米かゆ、味噌汁椀に小鉢に玉子付きとある。なんだか思わず健康になっちゃいそうな定食がいただけそうです。暖簾を潜った左手のカウンターの真ん中に一席だけ空きがあって、促されるままそこへ潜り込みます。気がつけば、両側ともすべて女性客だ。なかなかいい仕事をしそうな雰囲気を持った、そんな面構えの店主が、お粥を左に載せたお膳を眼前に据えてくれます。黒褐色を帯びた自然薯のとろろ。自然の灰汁がこの色味にさせているらしい。そうかとろろには玄米御飯だったかなぁと思いつつ、お粥にとろろを投入してズズッと啜る。回りが女性ばかりなので音は少々控えめに(笑)。鶏のカレー煮も野菜を炊いた小鉢も最初のひと口ふた口は物足りなさを覚えるけれど、食べ進むにつれだんだんしっくりしてくるのが面白い。この優しい味わいたちが、成程オンナノコウケするのが良く分かる。ほんとはメタボリックなオッサンが挙って来なけりゃいけないのにね。 「玄武庵」 大阪市北区西天満4-12-22 第三青山ビル1F 06-6362-2555 http://www.genbudou.com/genbuan/
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豚骨湯「げん家ラーメン」お初天神店

genyaramen.jpg浪速の宵闇にちょっと箍を外して、禁断の呑んだ挙句ラーメンを。イベリコ豚をスープに使ったラーメンてどないやねん、と気になってしまったのです。早速デフォルトの「イベリコラーメン」を。すっかり白濁したスープは、謳い文句の”コラーゲンたっぷり”を確かに想起させるとろみ具合だ。その濃厚さの割りにベタつきがなく、さらに豚骨特有の臭みも一切ない。見た目と極端に違う、意外に澄んだ旨味だと云えば言い過ぎか。スペイン産イベリコ種黒豚の背脂を加えた、とあるけど、それがイベリコ豚ゆえのことなのか、仕立てのバランスがいいからなのかは判然としない。これに博多な極細麺を合わせてみたいな、なんて思ったりもするスープだ。大阪のフードサービス企業が展開する「げん家ラーメン」は、大阪から岡山、そして丸亀に店舗を持つようです。 「げん家ラーメン」お初天神店 大阪市北区曽根崎2-13-18 06-6367-8866
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バー「SAMBOA BAR」梅田で 大きめ蝶ネクタイとハイボールと

umedasamboa.jpgJRの線路を空に仰ぐ梅田の高架下。 新梅田食道街という古びた雑居ビルの2階にもバー「SAMBOA」があるのです。 ドアを押し開くと、狭い間口の右手に立ち呑みのカウンターが目に入ります。 今までで一番狭くて簡素な印象のサンボアだ。
マスターが喋る台詞のトーンも今までで一番ベタな大阪弁で、 赤を注し色にした蝶ネクタイも大きめで新喜劇を連想させるもの。 ほど近いワシントンプラザ「SAMBOA」で感じたホスピタリティを想うと、 同じサンボアでも随分雰囲気が違うなぁと思うけれど、この気安さも悪くない。 お決まりの「ハイボール」には、レモンピールの香りがほとんど感じられなかったのがちと残念ながら、細かいことは鷹揚に、続いて「グレンモランジェ10年」をロックで舐める。 ほろ酔い加減で低い天井の通路を辿り、食道街を出ればすぐに地下街。 1、2盃ひっかけてさっと帰りの電車に忍び乗る、 そんなオッチャンのイメージが浮かぶンだ(笑)。


「SAMBOA BAR」梅田  大阪市北区角田町9-26 [Map] 03-6312-8987
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