若鳥焼「鳥樹」本店で これを食べれば鳥樹を全部  

toriki.jpg新鮮な若鶏をカウンター越しの眼の前でガシガシと捌いては、捌く端から供してくれるというので話題の「鳥樹」がずっと気になっていました。身近にありながらなんともモドカシくもあり。そんなモヤモヤが晴らせる日がやってきました。やっぱり本丸から攻めておこうと一応予約を入れておく。「カウンターの端っこでもいいっスから」。旗の台の火曜日だから心配いらんと思うけど、ま、念のため。時間より早く到着すると、既に手前のテーブルや奥の小上がりに先客があって、にこやかに呑んでいる。名前を告げるとトイレ前のテーブル席に案内されました。どうやらカウンター席は、対象の手元が垣間見れるカブリツキの特等席になっていて、予約をせずにやってくる常連系の根城になっている、らしい。初心者は隅っこで(笑)、素直におススメを訊いてみました。オカーサンの指が示すお品書きに、そんなヒトにはバッチリの項目がありました。「これを食べれば鳥樹」。迷うまでもなく、「これ全部ぅ」とオーダーしました。オカーサンの笑顔が我が意を得たりと語ってます。「鳥樹」の「煮込み」は、よくある味噌味どろどろの濃いぃタイプのものとは対極の見た目もさっぱりタイプ。でもね。器持ち上げて汁を飲んじゃうほど旨味しっかりの煮込みなんだ。「やきとり」は、塩梅バッチリ、脂絶妙の串たち。「とりわさ」はといえば、外周だけ白くした鮮度弾けるレアレアアイテム。タレとの相性もよろしく、唸ってしまう。で、もっと唸らせるのが「ももタタキ」。ぶりん!としたももの身をカリっとした外皮が包んでいて、にんにくと酸味がいい具合のタレと相俟って、堪りませんて~、もう。ぶっきら棒なステンレスのお皿にのってくる「レバー」やももの下側「フクラハギ」も旨い。気がつけば、念のために予約なんて考えていたのが杞憂でなかったことを強く思い知らされるほどの大盛況。もっと寒くなったら「鳥水炊き雑炊付」食べに来なきゃいかんし、手放しでカウンターに陣取れるような常連への道もまた憧れだ(なんちて)。 「鳥樹」本店 品川区旗の台3-11-13 03-3785-8472 http://www.toriki.jpn.org/
column/02021

欧風カレー「ボンディ」神保町店で 息苦しきビーフカレー

bondy.jpg前菜にジャガバタを出すスタイルをアイデアしたのがここらしい、という神保町「ボンディ」に行ってみました。 のんびり歩く神保町交差点近くは、古書フリークでなかなかの賑わいだ。 神田古書センターという建物の外階段を2階にあがる。 コミックが並ぶ古書店だけど、「ボンディ」はどこ? 迷路の辿るようにぐるぐるっとすると、あったありました。 通りからは奥まったところに位置にしています。 安くはないカレーだとも思うのですが、席の9割方が埋まっていて、人気のほどが窺えます。
「アサリカレー」なんてのにも惹かれましたが、とりあえずメニュー筆頭の「ビーフカレー」中辛を思いつきでチーズのっけにしてみる。 熱々のそれをえいっと一気にライスにかけて、いただきます。bondy01.jpgう~む。 チーズに緩和されているのか、ピリピリするような辛さは感じないのに、 なんだか妙に息苦しくなってくる。 スパイシーさというよりは辛味を伴った骨太のコクに圧倒される感じ。 考えなしにのっけたチーズがそれに拍車をかけてるのかもしれないな。ふ~。 ブラウンソースをベースにしてカレー素材を加えて出来上がった”インドの香り、ヨーロッパの味”と謳ってあるけど、所謂ドミグラスの片鱗はもはや思わせないほどに昇華している。乳製品をふんだんに使ってコクを醸しているという点が、しつこさにも転じてしまうのでしょう。なんとか食べきりました。 チーズは避けて(笑)、甘口のポークあたりにしとくとOKなのかもね。 「ボンディ」神保町店 千代田区神田神保町2-3神田古書センター2F 03-3234-2080  http://www.bondy.co.jp/
column/02020

純系名古屋コーチン「東京 やきとり亭」銀座店

yakitoritei_gi.jpg中央通り沿いのスタントサインに「コーチンたまごどんぶり」というメニューを認めて、「親子丼ね~」と階段を昇りました。夜には焼鳥屋然とした賑わいをみせるのであろう店内も、ランチタイムには妙に落ち着いた表情です。右奥のカウンターに廻り込んで、「たまごどんぶりを~」と告げると、「あ、それ、今日、ないんですぅ」。ぬわんだと~~。キ、キミは路上からそのどんぶりをイメージしてわざわざ階段を上がっていた客の想いを蔑ろにしようとするのか~、メニューの上に今日はないって貼っとけ!と叫びそうになるのをグッと堪えて(笑)思わず、「え、なんで?」と訊いてしまった。「今日、コーチンの挽肉が入荷してないんです、スイマセン」との応え。どうやら挽肉を使ったどんぶりだったらしい。ま、しゃーないか。仕方なく「やきとりどんぶり A」にしておきました。ちなみにBは、かしわが1本多いもの。「伊勢廣」あたりでイメージする焼鳥丼とは違った、少々気取った盛り付けのどんぶりがやってきました。バリっとした皮とジューシーな身のコントラストをみせるかしわやいいレア具合のささみは、悪くない。違和感を覚えるのは、どんぶり全体をカレー風味が被っていること。ご飯の上にカレーの粉末が散布されているんだ。濃い味のタレで折角の鶏肉の味わいを殺しちゃうのもなんだけど、う~ん、カレー風味かぁ。鶏肉にではなく、ご飯に調味したところが勘所なのかもしれないね。あ。六義園の系列店に行ったことがあったのを店を出てから思い出しました。 「東京 やきとり亭」銀座店 中央区銀座7-8-8 銀座グランディアビル3F 03-3289-131
column/02019

大衆魚料理「つかさ」

tsukasa.jpg大岡山駅近くの気になるお魚の店「つかさ」でやっとお昼を摂ることができました。店頭にはお魚中心の定食ラインアップが並んでいます。魚屋さんによる経営らしいという話にも納得だ。店内には、東工大の学生らしきグループや近所のご隠居さん風爺さまが丼めしを手にしていました。目星をつけていた「鮭ハラス焼き定食」を。おおっ。届いた角皿にはなんと、大ぶりなハラスの身が3枚も 載ってきました。当然脂ののりもよく、ご飯が進みます。ちと残念なのは、焼き立ての醍醐味に欠けるところがあって、きっと下焼きしちゃってるんだなぁと思わすところ。時間かかってもいいから、焼き立て熱々を食べたいなぁというのが客側の希望。ま、お店の事情もあるのかもしれないけどね。ショップカードの裏面を見ると、「お客様と共に28年」とある。創業から30年近い、歴史あるお店なんだと知りました。夜にじっくり日本酒で、って感じが「つかさ」を堪能する方策なのでしょうね。 「つかさ」 大田区北千束1-49-3 03-3724-5945
column/02018

蒲焼と御料理「竹葉亭」銀座店

chikuyotei_ginza.jpg四丁目交差点近くにありながら、微妙に敷居が高いのか行ったことのなかった「竹葉店」銀座に初見参してみました。2階の案内されて座敷を見渡せば、既に箸を手にしている人たちのほとんどが蒲焼なご様子。ううむ。お品書きを開いて「白焼き」の件を見ると、「池波正太郎先生おすすめ」と添えてある。白焼きでまず一杯、てなことなのでしょうね。当然鰻も気になりますが、ここは初志貫徹、「鯛茶漬け」をお願いしました。こちらは、「ご存知 竹葉亭名物」だ。まずは小さ目のお茶碗にご飯をよそり、刻み海苔と一緒に漬け状態の鯛をそこへのっけていただいてみます。鯛の身云々より、胡麻と醤油とその他諸々が合わさったようなタレがご飯を進ませる感じ。一膳なんかあっという間だ。二膳目も同じようにしてあっという間。最後の三膳目になって初めて、擂った胡麻を振り、山葵をのせ、ほうじ茶を回しかけてみました。う~ん。やっぱりお茶漬けにしない方がおいしくいただけるのねん。そこそこ脂ののった鯛だけれど、タレの強い味の前では実にあっさりした具材で、食感を楽しむ感じにもなる。もしかすると、鯛よりも「鮪茶漬け」の方がイケテたりするのかも~。 「竹葉亭」 銀座店 中央区銀座5-8-3 03-3571-0677
column/02017