ちゃんぽん・皿うどん「長崎」

nagasaki.jpg買い物ついでに並木橋方面まで足を伸ばしてみました。競馬ファンには周知の場所であろうと思われるWINSの近く、金王八幡宮の裏手あたりにある「長崎」へ。石垣の上を見上げると、黄色い菱形というか、凧の形なサインが見つかりました。WINSが開いている時間帯には混み合うのかもしれませんが、この夜は先客もなく落ち着いた様子の店内です。「ちゃんぽん」をお願いしました。ピンク色のかまぼこが矢鱈目に留まるトッピング。もやし等々の具材ともども口にしつつ、それらを半ば押し退けるようにして麺に到達する。スープは、割りとあっさりとした中に野菜の甘さと烏賊海老の風味がほんのりと漂うもの。長崎の中華街で食べた、クリーミーなスープに魚介エキス満載のちゃんぽんとは違って、どっちかっていうと、日本橋「長崎楼」のちゃんぽんをライトにした感じ。胡椒が利きすぎていたりしないのは、好感だね。「皿うどん」には細めんと太めんがある。あれ、「しゅうまい」と「ひとくちしゅうまい」があるぞ。「しゅうまい」の方がでっかいンだろね。ちなみに餃子は、「ひとくちぎょうざ」だけだ。そっか、このあたりでビール呑んで、「ちゃんぽん」「皿うどん」へと移行するのがいい流れかもしれないね。「ハモ皮の酢のもの」とか「ゆでた大根の煮物」「山川漬」(薩摩半島由来の大根の壷漬)といった渋いつまみも揃ってます。 「長崎」 渋谷区東 1-14-12 常盤松マンション1F 03-3409-2932   
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創意膳「wanofu.CLUB」

wanofu.jpg緋色と云えばいいのか、煉瓦色と云えばいいのか。はたまた珊瑚色と表現すればいいのか。松阪牛懐石「築地 さとう」の左隣に伸びる壁は、黒枠とのコントラストも際立つ印象的な色合いに塗り込められています。如何にも敷居の高そうな老舗料亭・割烹とは趣を異にするのは、入口にランチメニューのパネルが掲げられ、その脇で灯りを洩らすサインには、カジュアルさを思わせるデザインが記されているところ。どうやら激しくビクつきながら敷居を跨ぐ必要はなさそうです(笑)。そうは云っても、「オリジナル特製和牛ビフテキ丼」は2,500円、「黒豚の胡麻かつ膳」は1,700円で「鯛茶漬け料亭仕立て」は1,600円であります。きっと随分と頑張っている値段設定ではあるのでしょう。禁煙エリアの奥の部屋へと案内されました。一番お安い「こだわり親子丼」1,200円をいただくこととしまひた。玉子本来のものかと思わせるほんのりと自然な甘さの溶き玉子は、いい具合の火の入り、トロトロ加減。ごろごろっとした鶏肉の滋味をその玉子が包んでいる。固めのご飯は絶妙の汁だく状態。大山地鶏と奥久慈地玉子の組み合わせだという。突出した美味しさというよりは、どっしり王道のしみじみした味わいの印象が残ります。ゆるりと夜の部に訪れるのもまたいいんでしょうね。 「wanofu.CLUB」 中央区築地4-2-10 03-3543-3450 http://www.wanofu.com/  
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盛岡冷麺「ぴょんぴょん舎銀座百番」でコク味冷麺にゅるつるん

pyonpyonshaゆく夏を惜しんでいるうちに9月も終わってしまいそうだ。
ということで(?)、行列必至だという盛岡冷麺のお店に行ってみました。
果たして~とその路地の様子を窺うと、案の定空席待ちの列。10人ほどいましょうか。
順次メニューを訊ねている行列対応の兄ちゃんに30分待ちを宣告されます。
思わず、「へ~、回転あんまりよくないンだね~」と応えると、「なにせ10席しかない狭い店なので、すんません」との由。
少々暑いくらいのいい陽光が路地にも射し込んでくる。
待つこと20分強で、店内へと案内されました。

確かにテーブル奥への出入りにも難儀するような手狭なお店だ。
さらに待つこと数分、お願いしていた「盛岡冷麺ミニピビンパセット」が届きました。pyonpyonsha01.jpg辛味であるキムチを混ぜる前に、スープを啜ってみる。
おほほ。
なかなかいいお味がでてるではありませんか。
あとは麺とスープ全体をまぜまぜしてから、見た目から涼しげににゅるつるんとしたその麺を啜り上げてみます。
見た目通りのにゅるつる感としっかりしながらどこか儚げなコシツキがいい。
そして麺そのものの味わいに辛味の加わったスープが寄り添ってくる。
赤米を使ったピビンパを挟みつつ、ゆで玉子の黄身をスープに溶いてというお作法に従って、最後のスープまで完食です。
美味しい冷麺、特にあっさりコク味のスープに抱かれた冷麺には意外と巡り会えていないので、なんかそんな意味でも満たされた気分になりました。
あ、屋号「ぴょんぴょん舎」の、その由来を訊ねようと思っていたのに、訊き損ねちゃったな。

「ぴょんぴょん舎銀座百番」
中央区銀座四丁目4-1 [Map]03-3564-1963
http://pyonpyonsya.co.jp/

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中華粥「香港ロジ」

hongkongroji.jpg「粥専門店」という赤い看板が前を通る度に気になっていたものの、意外に混み合っているのを覗き見て次回送りしていたのが「香港ロジ」というお店。なんかこのところ肉&脂な食事が多くなっている(いつも?)のに鑑み、お粥なんていいんじゃないのと再び店内を覗くと、今夜は空いている。よしよしと、カウンター奥のスツールに座り込む。10種のお粥の中から、ベーシックな「鶏糸粥」つまりは鶏肉粥と、ついでに「煎韮菜餅(焼きエビニラマン)」をお願いしました。蓮華で掬ったお粥をフーフーしつつ口へ。決して強すぎずそして不足のない、いい塩梅のお粥だ。フーフー。優しいだし味が最後まで飽きさせないゾ。これの半量版をいただく朝なんてぇのもいいね。「味ついてますから、そのままで」というエビニラマンは熱々のうちに。眼前の厨房では、北京鍋を手早く小気味良く動かして、点心に焼き色をつけたり焼き飯を煽ったりの様々な所作が見られて面白い。カウンター越しに早口の現地語が行き交って、一瞬彼の地にいるかのような錯覚も味わえます。 「香港ロジ」 渋谷区桜丘町2-3堀ビル1F 03-3464-1866 
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グリル「スリーエイト」

threeeight.jpgあれ?こんなところにバドワイザーブランド提供のスタンド看板があるね。「グリルスリーエイト」と店名表記されてある。見上げると古びた赤いテント地の庇にも同じ表記がされている。一瞬、もうやってなさそうに見えて、ドアの脇には「営業中」の札がかかっていました(失礼)。擦れて消えかかったプレートには、「カレーライス」「ハンバーグ」「アジフライ」に「ロースカツ」なんてメニューが載っている。へー。ちょっと怖い(笑)感じもするけど、お邪魔してみましょう。「いらっしゃいませ~!」。ハキハキとした声が店のおくからかかり、厨房前のカウンターへ案内されました。厨房では店主らしき人物が寡黙なオーラを発しています。男性客ばかりながら、意外と席は埋まっている。「ナ~ニを召し上がりますかぁ~」。店内の黒板から「ハンバーグ」をお願いしてみました。ややコロンとしたパテを噛めば、断面から食感を残したサイズの玉葱が見つかる。ベタつかず甘くなくのデミソースがたっぷりかかっていて、ご飯が進むね~。「キッチン柳」でのお約束所作を思い出して、半熟目玉焼きをご飯にのっけてかきこむ。キャベツの千切りにポテトサラダ。日本の洋食屋さんがこんなとこにもあるの、知らなかったなぁ。 「スリーエイト」 中央区日本橋茅場町2-11-5山口ビル 03-3666-9483   
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