La Cucina Italiana「恵比寿DAL-MATTO」

dalmattoebisu.jpg西麻布に行けずにいるうちに、躍然と恵比寿にも展開していた「DAL-MATTO」。恵比寿西一丁目の五叉路の奥の、ひっそりとした隠れ家エリアを探し入るように訪ねてみました。壁に浮かぶ文字を頼りに進むとその先は、正面に小さなカウンターを設えたフロアになっています。案内されるまま右手の階段を降りると、オープンキッチンに正対するゆったりとしたカウンターが臨めます。明るく清潔感に溢れてそして、潔くシンプルで華美なところがないのも好感なインテリアです。メニューはおまかせのみ。嫌いなもの苦手なものアレルギーはないかを丁寧に訊ねられてから、スプマンテで乾杯デス。前菜には豆乳のムースに雲丹をあしらった冷製。添えられているフリットもそれぞれに美味しい。皮目を炙って、洋装なたたきとも云えそうな太刀魚は、おお、予想外にとろりとした滋味に溢れている。フォカッチャには、3種のオリーブオイルが用意されます。順序は左から、ね。メルローにカベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨンなどによる、しっかりしながら柔らかい呑み口の「LE SERRE NUOVE BOLGHERI 03」を。続いてやってきたお皿は、なんと桃のパスタ。濃厚で甘い香りが乳化したほどよい酸味に包まれて、絶妙な鮮やか仕立てになっている。さらに、赤パプリカ、オクラ、ズッキーニなどをブイヨンで纏めたテリーヌ。ほおずきトマトも楽しいゾ。一転メインは、透明なプレートに盛られた骨付きラム。ちょっと甘めのグレイビーな感じのソースが良く合う。焼き目の香ばしさの中にラム肉独特の薫りがと脂の甘みが重なって、旨いウマイ。自分史上一番のラムだ。もうちょっといけますか?に頷いて届いたのは見た目シンプルなトマトソース。いやはやニクイ展開だね。ここで1Fへの移動を促されます。ドルチェとコーヒーは、階上のソファー席でいただくという構成になっているのです。食後のひとときを過ごす場所と待機の場所を兼ねたスペースを用意することで、スムーズなゲストの回転を図ったものなのでしょう。見渡せば、やはり満席の「DAL-MATTO」。様々な食材を盛り込んだサプライズなお皿たちが、ただの創作に陥らずに、しっかり旨い 。西麻布にも行ってみなくちゃだね。 「恵比寿DAL MATTO」 渋谷区恵比寿西2-7-8 03-3780-9955 http://www.dal-matto.com/
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カレーの店「マーブル」

marble.jpg目撃していた行列の記憶をふと思い出して、有楽町ビルの地階へ。この日も「マーブル」の前には空席待ちの人影がありました。回転早くとんとんと順番が来て、左端の丸椅子へと促されます。「インドカレー」に玉子を添えてもらおうかな。ザクザクとしたキャベツの千切りが一緒盛りになってくるのも「マーブル」の特徴のようですね。カレーそのものは、辛さほど良い懐かしのスタンドカレーという感じのお味。学生街にあった食事モノにもウルサイ喫茶店の情景がフラッシュバックしそうです。変貌への動きも活発な丸の内~日比谷界隈。開業するビルが話題になる一方で、古参となったビルの食堂街には脈々と変わらない味を提供しつづけているお店がまだまだありそうです。 「マーブル」 千代田区有楽町1-10-1有楽町ビルB1F 03-3212-3400 
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ラーメン「二郎」品川店で ヤサイ増しあな恐ろしや二郎の魔性

jiroshinagawa.jpg 北品川の駅から旧東海道方向へ踏切を渡り、 蕎麦「しながわ翁」の前を素通りして、その先へ。 こんなとこならいくら「二郎」でも行列作ってたりしないだろな~と高を括っていたら、暗がりに人影が見えてきた。 あれれ…。 うわっ、並んでるじゃん! 暑い夜でなくて良かった~。
謙虚に「小ブタ」の黄札を券売機で購入し、しばし後店内へ。 ヤサイ、でお願いします。 比較的スープがとろんとしているような気がするね。 ズルズルワシワシ。もやしも掴んでハグハグ。スープをズー。 ははは、「二郎」だ~。jiroshinagawa01.jpg でもね。 残念ながらブタふた切れ食べ切れず。隠すようにスープに沈めてどんぶりを戻しての退却となりました。 打ちのめされ感はないものの、最近「二郎」するとお腹が緩む。脂に負けてるに違いない。 カラダにいいワケないのに、時折無性に食べたくなる「二郎」。 むむ、あな恐ろしや「二郎」の魔性なり。
「二郎」品川店 品川区北品川1-18-5 03-3474-4026
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大衆割烹「藤八」

tohachi.jpg東横線ガード脇から目黒川を渡ると正面に、「藤八」の文字が見えてきました。ガラリとアルミ戸を引けばそこには、活気に満ちた紛れもない居酒屋世界が広がっています。左手カウンターに右テーブル、奥に小上がり。厨房の裏手の方にも席があるようです。小生を「茶マメ」でやっつけてから、やっぱり黒ホッピーに。「牛スジ煮込み」「手羽先」、塩梅のいい「うす塩らっきょ」に、とろとろとしたその身が旨い「新物さんま刺し」をいただく。ナカミをお代わりして、「藤八」のスペシャリテのひとつだという「自家製腸詰め」も追加。さらし葱と豆板醤をちょんとのせて口に運べば、熟成した脂の甘さがじゅんとくる。週の始めだというのに、後から後から客がやってきて空いた席に収まっていく。勝手知った様子のオンナノコも少なくない。赤いメガネのおかーさんのトークもさらにノッていくんだ。〆にと「のりうどん」をいただけば、いちょアガリってな感じになる。いい居酒屋ここにもあり 。あ、「冷やしなす」もらうの忘れてたぁぁ。 「藤八」 目黒区上目黒1-3-16 藤八ビル 03-3710-8729
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自家製粉石臼挽き手打「きだ」

kida.jpgガス燈通りをぼんやり歩いていたら、「煉瓦亭」と「GRILL Swiss」とに挟まれた蕎麦屋を見つけました。藍の暖簾の右上には、「布恒更科」の文字が染め抜かれています。あの、大森のお店の流れを汲んでいるんだぁ、と早速その暖簾を潜ることに。狭い間口の入口に、自家製粉の機械が存在感を現しています。「生粉打ち」に「荒挽き」を追加半せいろでいただくことにしました。生粉打ちらしい粉の濃さを感じさせる蕎麦切りに布恒系独特のとろんとした辛つゆが良く合う。少量のつゆを引き上げるように啜るのです。盛りもそこそこだ。続いてやってきたせいろには、短冊状とでも云えてしまいそうな特異なお蕎麦が載っています。やおら引っ掴んでズッっと啜ると、日向臭いような穀物の香りがフンと馨る。へ~、面白いねぇ。喉越しを味わう蕎麦とは趣が異なるけれど、荒挽きの挽きぐるみをなんとか繋いであげると、こんな香ばしい蕎麦になるんだね。 「きだ」 中央区銀座3-5-16 島田ビル1F 03-3563-6003
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