タイ料理「ブーゲンビリア」

bougainvillea.jpgこんなところにあるタイ料理店なんて閑古鳥が鳴いてるんだとばっかり思っていました。恐る恐るドアを押すと、先客がひと組。ホールのスタッフも姿が見えず、しばし放置状態。やっぱりなぁと思っていたら、後から後から客が訪れてなかなかの盛況になってしまった。意外に人気店ではないですか。「鶏肉のマサマンカレー煮込み」と「あげ春巻き」をお願いしてみました。と、どゆわけか「マサマンカレー煮込み」はできないという。それでは、と「鳥肉のイエローカレー」で。おススメの「グリーンカレー」はおこちゃまにはまだ早いものな(笑)。なに気に注文んだ春巻きは、ひと口サイズ。包まれた挽肉に旨味たっぷりで、シンハーあたりにもぴったり合いそうだ。「イエローカレー」は、まさに黄色いスープにオレンジの辛味が浮かぶカレーだ。スープカレーのお作法で、ライスをのせたスプーンをカレーに浸して啜ります。フフンとココナツ特有の甘みと匂いがやってきて、その後からスープの出汁と適度なスパイスが広がる。へ~、悪くないじゃん。ちょっぴり、はひ~、となるぐらいのクドサのない辛さだしね。うん。 「ブーゲンビリア」 品川区旗の台2-6-1Liberty旗の台1F 03-5498-0359
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てんぷら「深町」

fukamachi.jpgいまやすっかり有名店となった京橋の「深町」さんへお邪魔してみました。ピークと思われる正午とあって、カウンターは既に満席。運よく右手のテーブルに席へ。もう一卓のテーブルには予約が入っているようです。お目当てはやっぱり「特製かき揚げ天丼」です。まずは中央に横たわるグリーンアスパラを齧ってみる。はしゅっ、というアスパラ独特の歯応えは残りつつ、青臭みのない鮮烈な旨味に凝縮されている滴が、いい。さらりとしたタレに潜らせたかき揚げには、天豆、百合根、ゴーヤ、たけのこ、小玉葱、ホタテ、小海老などの具材がふんだんに収められている。タレに湿っていても、その軽快な揚げっぷりが容易に窺えるね。ああ、これ塩で食べたら、また旨いんだろうなぁ。そもそも比較するのもどうかとは思うけれど、酸化劣化した油で揚げる、時に打ちのめされたようになってしまう天麩羅とは対極にありそうだ。そしてやっぱり、本懐はコースで、ということになりそうです。鮮やかな橙の暖簾には、「山の上ホテル てんぷらより」とある。「深町」ご主人も、「てんぷら近藤」などの天ぷら職人を輩出した「山の上」ご出身なのですね。 「深町」 中央区京橋2-5-2 サブジュードグリン京橋 シノハラビル101 03-5250-8777
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そば処「港屋」で ワシワシ喰らう田舎黒太そばラー油辛汁

minatoya.jpg虎ノ門駅からも御成門駅からも内幸町駅からも微妙な距離の愛宕一丁目交差点まで神谷町駅から歩いてみた。 ひと通りもそう多くはない交差点の暗がりに「港屋」の黒い壁が溶け込むようにしています。 壁のスリットから中を覗くと、黒く広大なステージ中央に水が張られていて、その周りでドンブリの麺を啜っている光景が窺える。 外も黒けりゃ、内も黒い。 やっぱり、なかなか怪しいぞ。
右手の入口から直進して正面のカウンターへ。 声を掛けようとすると、「ちょっとお待ちください。」となる。 順番に捌いているようだ。 「温かい鶏そば」か「冷たい肉そば」か、その場に佇んでじっと悩む。 うん、後者にしてみよう。 釜揚げした麺を手元でシメてからドンブリに投入している。 遠目で見てもなかなかのボリュームであることが分かる。 背後の容器から笊で大胆に肉を載せ、さらにこんもりと刻み海苔をトッピング。 「お待たせしました~」。 ステージの壁側へ回り込んで、黒く光る石張りのトップへお盆を滑らす。 辛汁は、所々にラー油の膜が張った、まさに辛そうな汁。 刻み海苔を掻き分けるように、肉そしてそばへとグイと箸を進めます。 田舎な色合いの太めそばは、ガシガシと食べるに似つかわしい力強さ。 トプっと辛汁に漬けて啜れば、 辛味とかえしの味わいと一緒に出汁の旨味がフンと引き上げられてくる。minatoya01.jpgそれにしてもこのそば、まさにワシワシ喰らう、って感じだ。 添えられた生玉子を辛汁に落として黄身のトロンを纏わせたり、卓上にある天かすを入れたり、ちょっと七味を振ってみたりの変化を加えつつ、一気呵成に食べきってしまうのです。 食べ終わってみて益々、普通盛りにして大盛りの、そして食感も力強いこのそばには、柔なつけ汁では敵わないことがよく判ります。 そのラー油の残党も浮かぶ辛汁にはそば湯なんてどうかなぁと思いながらも試しに注いでみると、これがあなた。 さっきの出汁の旨味が改めてきっぱり味わえるという、なかなかどうしてイケテる仕掛けになっちょります。 minatoya00.jpg 「港屋」 港区西新橋3-1-10 [Map] 03-5777-6921
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みそらーめん「味香美」

mikami.jpg買い物ついでに、「キッチン ブルドック」への路地のとば口に位置するみそらーめんのお店「味香美」に寄ってみました。品書きには、「白味噌」「赤味噌」「味噌辛」のみそラーメンに、カレー味なんてのもあるちゃんぽん&皿うどん、そして中華料理店だったことを偲ばせるチャーハン、シューマイ、ギョーザなどが並んでいます。そんな中から、「ナン骨角煮入り」だという「正油とん骨ラーメン」をお願いしてみました。ふと正面にあった箸箱の但し書きが目に留まる。「麺のカタメはありません。当店の麺は含水率の高い多加水麺を自家製造しています。もちもちとした食感、これを当店の特徴としています。」とある。へーそうなんだと思ったところへドンブリが届きました。とろみが出るまで煮出した本場ばりのとんこつスープだ。黒ずむほどにじっくり煮込まれたナン骨角煮は、ちょっとエグイ臭みがでてしまっている。で、こだわりの自家製麺。スープそれぞれに合わせて変えているようで、「とん骨ラーメン」には博多ラーメンよろしくの極細麺。ああ…。どういう経緯による思い込みか勘違いか分からないけれど、これじゃ明らかに湯掻き過ぎだ。中太麺、太麺での”もちもち”は分かるけど、細麺はスープの中で温められても決してクチャッとしないよう配慮する必要があると思う。カタメをオーダーしたくなる客の心情を是非分かってほしいなぁと思います。 「味香美」 品川区東大井5-4-13 03-5460-1139
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BEEF CURRY・STEW「シンセリティ」で 脂の甘さアト引くカレー

sincerity.jpgこういう路地ってやっぱり好きだなぁ、 ほんのちょっとワクワクするなぁ、 って感じの日本橋本町の路地に「シンセリティ」はある。 庇のアーチは、懐かしくさえあるデザインだ。 入ってすぐのカウンターに空席を見つけ、 そのまま腰掛ける。 2Fにも客席があるようです。
「ビーフシチュー」「ハンバーグ」「ビーフカツ」に「牛ソテー」、「ミックスフライ」に「海老フライ」「クリームコロッケ」とこれまた肩肘張らない洋食のラインナップ。 ひと通り悩んだ挙句、すぐ脇の寸胴に煮える「カレー」をいただくことに。 「玉」ものっけてもらいます。 小麦粉を使っていないか、使っていても少量のさらさらとしたカレーだ。 スパイシーさは志向せず、肉と野菜煮込みの延長線上にあるような洋食屋さんのカレーだね。sincerity01.jpg煮崩れた牛肉はすっかり旨味を出し切ったあとの出汁ガラのようではあるけれど、脂の甘さがアトを引く感じ。 生玉子のコク味もまぜまぜして楽しむ。思わず和んでしまうぞ。 「シンセリティ」は、お向かいの高級ステーキ店「レストラン誠」の系列展開らしい。 お忍びで、こんな路地の看板のない店でステーキを頬張る著名人もいるんだね。 「シンセリティ」 中央区日本橋本町1-4-5 [Map] 03-3270-1099
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