レストラン「ラ・ブリーズ・ドゥ・ヴァレ」

labrise.jpg平成通りの筋が築地方向へ抜けるあたりに、新富町~八丁堀界隈らしからぬ少々コジャレた佇まいを見せるお店があります。ピンクがかったベージュの壁にテントなど濃緑色のアクセントを配したファサードだ。1階は落ち着いたカフェ。2階へと奥の階段を螺旋に登ると、天窓から射す明かりがゆったりとした空間をさらに魅力的なものに演出していました。中央の円卓で「ニソワーズ」というランチコースを。アミューズは、ほうれん草・ベーコンがギュギュっと入ったキッシュ。トロリサクリとして美味しい。続く前菜が「新玉ネギのブランマンジェと新玉ネギのフリット 玄海灘で採れたメカブを添えて」。玉葱特有の甘味を香りが伝わるブランマンジェがこれまた美味しい。白金豚のバラ肉のコンフィ、となっていたメインを「豚バラのいいものが入らなかったので」という説明に素直に応じる形で、仙台の牛タンをローストしたものに。しっとり柔らかではなく、コリコリとした食感の残る仕立て。赤ワインのソースがぴったりとくる。添えられた椎茸の素揚げもいい。魚を選ぶと、「九州・玄海灘のホウボウのグリエ 菜の花とシジミのスープ仕立て」。失礼してスープをひと啜り。シジミのエキスに溢れたスープにしみじみとする。デザートに「大美伊豆牧場の牛乳のアイスクリームとマドレーヌのターバンと柑橘のコンフィチュール添え」(長い!)。柑橘のコンフィチュールとはいわばマーマレード、ですな。メインゲストのみ、「9彩のパレットデセール」に変更してもらった。厚手な硝子の、正方形の中に9箇所の窪みを作った特殊なプレートに苺を素材にした小さなデザート9片が載っているもの。オンナノコウケ、しそうだ(笑)。それにしても、なかなか日常使いはし難いと思われるのに、7割方席が埋まっているっつーのはどゆ訳だろね。 「ラ・ブリーズ・ドゥ・ヴァレ」は、奥沢の一軒家レストラン「ラ・ビュット・ボワゼ」の姉妹店にあたるそうです。 「ラ・ブリーズ・ドゥ・ヴァレ」 中央区新富2-4-3  03-3552-2155
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背脂醤油「のあ」

noa.jpg明治通りを並木橋方向へ。乳半の白地にスミ文字で4文字”背脂醤油”と記された、その看板の潔さが以前から気になっていました。階段を降りていって室内を覗くと、欧風調の椅子に空席待ちの数人が腰掛け、その脇には大きなスクリーンのプロジェクターが「マトリックス」の映像を流している。ガランとした床を挟んで、人工大理石のカウンター。そこにも不釣合いな欧風の椅子が並んでいる。奇妙な光景だ。食券を買おうとすると、千円旧札しか使用できないと書かれている。忙しそうな店主に声をかけると、店の角のボードで旧札と交換してくれと云う。新札を四つ折りにすることで厨房からも状況が分かるようにとも。つまりは、セルフ両替だね。「チャーシューメン」と「のり」「ねぎ」のチケットを買って、その椅子で待つ。改めて店内を見回してみて、やっぱりなにか他の業態の居抜きなんだろうなと思う。ラーメン屋を開業しようとしてこの内装・調度にしたのだとしたら、そのセンスは異様なものだ(笑)。食べ放題のキムチを幾片か小皿にとって、待つことしばし。意外に柔和でにこやかな店主からどんぶりが届けられました。おお。のり満載、辛味葱満載だ。そして、麺を引っ張り揚げようとしてなかなかうまくいかないのは、新宿「満来」ばりのチャーシューがドッシとのっかっているからだ。背脂さえも脇へ押しやってしまっている状態。図らずもトッピングてんこ盛りにしてしまい、少々タジログ。なんかもうスープの味もよく分からず、トッピングを食べるついでに麺を食べてる感じ。う~ん、オーダー、ミスった。お隣の「つけめん」なんか悪くなさそうだもの。特に、厚さ2センチはありそうなチャーシューには参った。「満来」でも食べきれなかった記憶があるけれど、こちらでもちょっと残してしまった。今後は、消化能力も考慮の上、チャーシューのトッピングには注意することとしよう(笑)。 「のあ」 渋谷区渋谷3-16-5 03-3499-8890
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七厘炭火焼肉と韓国料理「牛まい豚まい」

umaidonmai.jpg1F「ぐー」のマスターが営んでいた、備長炭七輪焼肉 「温弗」が、厨房スタッフがいなくなってしまったために店を閉めてからしばらく。そのまま居抜きの店舗が、韓国料理の店になっていました。ビビンパやカルビスープのラインナップも気になるところだけれど、前夜の豚の残像が無意識にそうさせるのか、米沢三元豚を使っているという「豚まいプルコギ定食」をいただくことに。熱々プレートの上にちょい辛でにんにくも利いたタレを纏った柔らかでジューシーなお肉。こういうのってご飯が進んじゃうよね~。と、いうことでご飯お代わり。三元豚というと「平田牧場」の名前が想起されるけど、ブランド牛肉の地米沢でも三元交配豚が肥育されているんだね。以前の「温弗」が特殊な部位やなかなかグレードの網焼き焼肉を提供してくれていたので、果たして「牛まい豚まい」の夜の部はどうなのか、気になるところです。 「牛まい豚まい」 中央区日本橋茅場町3-3-8ファストビル2F 03-3666-8288
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慶州鍋処「いずみ田」中目黒店

izumida.jpg「びーふてい」の先、中目銀座沿い。群青地に筆書きの円の白抜きが「いずみ田」の目印です。直前連絡で、最後に残ったテーブル席を確保できました。ひとまず”名物”と肩書きされた3品をいただきます。「美人クルビ」とは、頭から食べれる具合の唐揚げ。この日はノドグロだ。「紅茶煮」は、チャーシューの紅茶煮仕立て。さっぱりしっとりとさせつつ旨味を残した上品なチャーシューだね。「活イワシ磯辺巻き」は、その名の通り、身のシマリと脂のノリに鮮度を感じさせるイワシの刺身にわさびと万能葱を添えて海苔に巻いていただくというもの。「トマト天ぷら」「大根サラダ」あたりをはさみつつ、いよいよメインのお鍋に。豚バラ、ほんれん草メインの韓国風鍋「慶州鍋」とキャベツ、ギョウザなどをとりあわせた「満州鍋」。その両者の合い盛りが「慶満鍋」です。ステンレス鍋にオレンジ色の煮える様子はなかなか辛そうですが、なによりベースになっているスープが旨い旨い。ほどよい辛味が、その旨いスープに魅惑の輪郭を与えているかのようだ。軟骨入りのつみれも小粒のギョウザもヨイのだけれど、するするといただけてしまう相性の良さを発揮しているのが豚バラ肉だ。極々、薄くスライスされたバラ肉が充分にスープを絡ませて、う~ん、いいなぁ。替肉、替肉(笑)。お供は、店名ラベルの貼られた「くろいしだけ」で。「いずみ田」本丸は、博多・春吉にあるそうです 。 「いずみ田」 目黒区上目黒2-12-11戸田ビル2F 03-5722-8307
column/01804

ラーメン「海宝館」1階

kaihokan.jpg築地東通りにある「海宝館」の1階奥にある赤い暖簾に「らーめん」の文字。化粧板をぶっつけた感じのカウンターに座ろうとするも、その内側には誰もいない。あれれと、暖簾に挟まったままキョロキョロしていると、「ラーメンですか?」と椅子へと促してくれるオヤジさんがいた。「ほほ肉らぁめん」をお願いすると、不慣れそうな様子で動いてはどこともなくいなくなってしまう。どないなっとんねん。しばらくしからやっと主担当らしき人物が現れて、麺の投入へ。店主不在だったのね。出されたお茶を啜ると、これがほぼまったく味がしない。薬飲むわけじゃないので白湯ってことでもないかと不思議な心持ちでいるところへ、茶碗に入ったご飯がトンと運ばれました。おにぎり状のご飯の頂上に練りわさびのトッピング。あれれれ、どういうことだろう。そこへ「お待ちどうさまでした」とどんぶりが。「ご飯もセットなのですか」と訊くと、「はい、サービスです」と云ってそれ以上の説明はなし。ううむ。ラーメンはと云えば、化学調味料を始めいろいろと業務用材料の香りがちらつく、かつての典型的屋台の味。折角のマグロほほ肉の魅力を支えるには、余りに弱々しいな。あ、このご飯。もしかしてラーメンのスープで茶漬けにして食べろってことなのかな。う~ん、それはちょっと…。 「海宝館」1F 中央区築地4-13-7 03-5565-3907
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