酒と魚の店「築地 活鮮市場」で 路上宴会刳り貫く鮪頭身塩焼き

kassen.jpg建設中の東京ビルヂング向かいのガード下にある店の前には、椅子やテーブルを持ち出して路上宴会を繰り広げる人影がありました。 店の奥に空席を見つけ、とりあえずジョッキを干す。 「海老団子」「真イカの丸焼き」「〆さば刺身」「厚焼き玉子」などといった居酒屋メニューで「さつま兵六」をペロペロ。
特筆したい「鮪頭身の塩焼き」は、マグロの頭の部分の輪切りを焼き上げたもので、直径が30センチ近くある豪快な逸品。 骨の間の充分な量の身を円く刳り貫いていただきます。kassen01.jpg残りの骨はお持ち帰りして犬にあげると、それはもう大喜びするそう(笑)。 そんな、オトウサンたちの味方「築地 活鮮市場」は、東京駅を中心としたエリアに7店舗を展開しているようです。 「築地 活鮮市場」丸の内南口店 千代田区丸の内1-10-12及び13 [Map] 03-5219-3966 http://www.kassenichiba.com/
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みそかつ「矢場とん」東京銀座店で わらじとんかつ衣の表情

yabaton.jpg名古屋の代表的なみそかつの店「矢場とん」が東京に進出を果たしたと聞いてからしばらく。 やっとトライしてみようかという気になり、いざ三原橋へ。 「わらじとんかつ」を定食でお願いしました。 たしかに、デカイ…。 そして、赤味噌のタレにどっぷりと浸けてしまったかのようで、衣の衣らしい表情はみられません。
噛めば柔らかい肉ですが、肉の味よりもなによりもまずみそだれの味が纏わりつく。yabaton01.jpg 甘いたれの責め苦がじわじわと効いてくる中、半分を過ぎたところでお茶碗のご飯がなくなってしまった。 かつだけを食べるっていう訳にもいかんよなぁと「おかわりお願いします」と告げると「105円かかりますが…」との応え。 気持ちのなかで「あぁ」と脱力しつつも仕方なく了承。 そもそも安くないのに、お代わりご飯にお金を取るとは、どういう了見か知りたいところ。 キャベツ・味噌汁・ご飯のお代わりOKな「平田牧場」あたりのサービスを見習ってほしいところ。 芥子をつけたり、擂り胡麻を振り掛けたりしつつなんとか無理して食べ切る。 やっぱり揚げ物は醤油だな(笑)。 「矢場とん」東京銀座店 中央区銀座4-10-14 [Map] 03-3546-8810 http://www.yabaton.com/
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大衆食堂「つるかめ」で ソイ丼ジャンクな表情と不思議な魅力

tsurukame.jpgジーンズの裾を直す待ち時間に昼食を済まそうと、新宿通りを駅の方へ漫ろに歩く。 ふと、あの辺りでキワモノの匂いのするもんでも喰ったろと思いつき辿り着いたのは、「思い出横丁」。 俗に「しょんべん横丁」と呼ばれた界隈で呑んだのも随分と昔のことになりました。 昼なお如何わしさの残る小道には、意外に小奇麗にしたジンギスカンのお店なんかもあったりして、再開発の波が迫る中、様変わりしているようです。
で、「つるかめ」で「ソイ丼」。 ソイ、とはつまり大豆(=soybeans)のことで、豚の挽肉と豆腐、そして大豆をカレー味に煮込んだものがどんぶりにのってくる。tsurukame01.jpg玉葱も入っていると思ったら、どうもそれはセロリのみじん切りらしい。 ハムが一切れ入って500円、昼には味噌汁付き。 ジャンクな表情だけど、半年に一度くらいに思い出して食べたくなりそうな不思議な魅力があるな。 真昼間からすっかりできあがってた酔っ払いは、座っていた丸椅子から道の真中まで転げ落ちたりして、あ、やっぱりしょんべん横丁だ、と思わせるのでした。 「つるかめ」 新宿区西新宿1-2-7 [Map] 03-3343-4078
column/01515

カフェ「Pour cafe」で オープンエアの山形冷しらーめん

pourcafe.jpg麗らかな5月の陽射しの下、昭和通りに面して扉を開け放っているカフェの店先に「山形冷しらーめん」と縦書きされた木札が立て掛けられているのが目に留まりました。 「ロコモコ」などのカフェらしいメニューの中に「山形らーめん」そして「山形水らーめん」というメニューが並んでいるのです。 ここかぁ、と早速闖入。 通りに向かうテーブルでいただきます。
緩く冷えたスープを啜ると、鰹の香りがフンとして、すっきりした旨味が残る。pourcafe01.jpgホタテ、アタリメ、日高昆布、しいたけ、煮干、鰹で取ったダシにオリーブオイルで作った香味油を加えたというスープに冷たく絞めた喉越しのいい麺がマッチして、たしかに”冷やしたラーメン”的な風情がある。 pourcafe02.jpg中央にシャーベット状に凍らせたスープがトッピングされていて、次第に解けてはスープを冷やしつつ濃度を維持している模様。 二日酔いの残る体には、一興の一杯でありました。 「Pour cafe」 中央区銀座1-14-9 [Map] 03-3535-0516
column/01514

築地の活貝焼専門屋台「和光」で 亀の手平貝蛤白貝大アサリ

wako.jpg通り掛かりの鈴らん通り。 古びた木造店舗の土間に屋台が突っ込まれている光景が目に留まって気になっていました。 まだ暮れ切らない時間帯にいそいそ訪ねる。 ところが、店の奥まで入り込んでみたものの、ひとの気配がない。 う~ん、どうしたものか。 暫く入口の前でワンワン吠える犬を眺めていると、スーツ姿の男が「あ、丹羽さん、いませんか」とやってきました。 「とりあえず、呑んでましょう」と云う。 いや、え、いいかな、いや、でも…。 そこへ、「いや~、ちょっと買い出し行ってまして~」と、店主が戻ってきた。
その店主の説明によると、この店ではメニューは貝のみ、飲み物はオール1杯500円で自らその都度箱に現金を入れて勝手に呑るシステムだという。 初めての客には、既に店に入っている客が先達として、どこにビアサーバーがあるかなどと指導する慣わしなのだという。へー、面白いじゃん。 2杯分!などと呟きながら、千円札を投げ入れて、エビス黒を注ぎグイと干す。 折角なのでと「からくち浦霞」を舐めつつ、屋台の入口側に座り込みます。 「はい、亀の手」。wako02.jpgおー、久々に見る珍味。 如何にも日本酒にぴったりな野趣ある酒肴だ。 wako03.jpgwako05.jpg 続いて「ハマグリ」「白貝」、そしてデッカイ「平貝」、学名ウチムラサキの「大アサリ」などなど。wako06.jpgwako07.jpg炙りたて熱々の、エキスの迸る活貝の醍醐味が堪能できて、 お酒が進むというものです。 「浦霞」に「大七純米 生酛」。 すっかり酔っ払いとなってしまいました。 この店のなによりの魅力は、瑣末な時流や客になんら阿らないあるがままが潔い店主のキャラ。 下田発のメロン売りから紆余曲折を経て茅場町に至るその遍歴を聞くのも楽しい。wako01.jpg店の奥には常連の巣窟もあり、夜な夜な”勝手しい”な連中による変幻自在なコミュニティが形作られているようです。 「和光」 中央区日本橋茅場町2-5-5 [Map] 03-3751-0141 http://yatai-wako.jp/  [移転]
column/01513