ビストロ「MARCH AUX VINS」で フォアグラポアレに目を閉じる

marcheauxvins.jpg外苑西通り沿いの「アルモニ」の山田シェフが、ひとりひとりのお客さまに目の届くサービスを、との想いを昇華させた定員9席のカウンター・ビストロ。 丹精を込めた宝箱のような空間がなんとも心地いいの。 食前酒に、シャンパンと苺のカクテル。 シャンパンと苺それぞれの香りの出会いが楽しめます。 この日の前菜の中から選んだのが、「ドンブ産グルヌイユのムニエル」と「フォアグラのポアレ・シュープリーズ」。
marche02.jpg 訊けば、魚だろうと憶測していた”グルヌイユ”とは蛙のことでした。 閉じ込められた旨味が迸る。蛙がこんなに旨いなんてね。 一方、たっぷりと豊かなフォアグラを堪能させるポアレは、口にすると思わず目を閉じてしみじみしてしまう。marche03.jpgうう、堪らん。 marche04.jpg悩んだ末のワインは、BORDEAUXの「CHATEAU CAMUS」。 キリリとした中にスッと甘さの香る白です。 主菜のひとつは、フレンチ仕立てのお好み焼きとも云える楽しい逸品。 織り込まれているのはもち豚。 marche05.jpgmarche06.jpg 煮込み料理と聞いて浮かんだ予想を見事に裏切られたのが「カスレ・トゥールーズ」。 白いんげんと肉類を煮込んだもので、南仏の郷土料理のようです。 ふむふむ、これまた旨い。 marche08.jpg 白を飲み切ったところで、「Chateau Puech-Haut」などの赤をグラスでいただいて、チーズを所望します。marche07.jpgハードタイプからウォッシュ、ブルーなどバラエティが嬉しいプレート。 気がつけば、あっという間に時間が過ぎていました。 今度いつこれるのかなぁ。 「MARCHE AUX VINS」は、広尾商店街を進んで、左に折れた先を右折した左手。marcheauxvins01.jpgところで、青山のお店はどうされているのでしょうか。 「MARCHE AUX VINS」 渋谷区広尾5-19-3 [Map] 03-3441-9979
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鰻蒲焼「人形町 梅田」で しら焼き丼いくらのせ危うしコテコテ蒲焼

umeda.jpg人形町通りからすっと脇へ反れた筋に下町らしい風情で佇んでいるのが「梅田」です。 暖簾を潜った途端に「煙草吸われます?」と訊かれる。 「いえ!」と応えるとそのまま1階のテーブルへ案内されました。 喫煙者は2階へどうぞ、という運営をしているようです。 できそうでできない配慮だよね。
早速お目当ての「しら焼き丼 松 いくらのせ」をお願いしました。 山葵を少々のせてから箸を横に通すと、そのまま素直に切れる。umeda01.jpgたれの沁みたご飯とともに頬張ると、ふんわり柔らかい食感の後ろから、甘さにも思える鰻自身の旨みがさっぱりとした醤油だれに包まれるようにやってきました。 充分に蒸すからか、しつこさのない上品な仕上がりになっていて、でも決してあっさりし過ぎない。 ん~、コテコテとした蒲焼の立場危うし。 100円トッピングのいくら醤油の鮮度がよければもっと嬉しいな。


「人形町 梅田」 中央区日本橋人形町3-4-2[Map] 03-3661-0160
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味一献「土風炉」所沢店で 広々チェーン店黒ホッピー豊後アジ刺

tofuro00.jpg炭火串焼・十割そばの「鳥元」と経営を同じくする「土風炉」は、関東一円に50店近い展開を見せています。 所沢プロぺにもゲーセン跡に忽然と姿を現して目を惹いていました。 1階の戸口から階下へ降りるとそこには、これでどうだといわんばかりの力強い和テイストワールドが広がっています。
ふたり用個室から40名近い宴会対応のスペースまでと客席仕様はバラエティに富み、意外に思えるほど広い。 4人用の個室に案内されました。 最近復興著しい「黒ホッピー」で「豊後アジ刺し」「沖縄・ハイトハタ刺し」「あん肝ぽん酢」などから卵黄付きの「特製つくね」、そして白味噌仕立ての「誉地鶏鍋」を平らげる。 一体全体”中身”を何杯呑んだやら。tofuro.jpgまた呑りましょう。


「土風炉」所沢店 所沢市日吉町3-7 所沢スカイビュービルB1F[Map] 04-2940-5611 http://www.tofuro.jp/
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麺屋「海神」で あら炊き塩らーめん鰤間八平目真鯛平政のあら

kaijin.jpg立地の選定は店主がしたのか、はたまたプロデューサー石神秀幸の思惑ゆえなのか。 その点は不明ながら、行列店「麺屋ごとう」の隣に出店した「海神」にやっとお邪魔することができました。 13時到着時点で「ごとう」はふたり待ちで、「海神」には空席が2席ほど。 すんなり入れる店の方が心地いい。
ほとんど唯一メニューともいえる「あら炊き塩らーめん」 をお願いしました。 この日のあらは、鰤・間八・平目・真鯛・平政。 澄んだスープを啜る。kaijin01.jpgむむ、塩辛いと感じさせる一歩手前までに加減された塩梅の上品な旨みが堪らない。 著名割烹のお吸い物でもこうはいかないかもね。 極細ながらしゃっきりとした麺も絶妙の仕立て。 所々に海老の身の混じる鱈のつくねに軟骨の食感を利かせた鶏つくねとトッピングも心憎い。 最後は、もれなくついてくる焼おにぎりを残ったスープに崩して茶漬け風にして食べる。 山椒の香りに引っ張られて、自ずと最後のひと雫まで綺麗にしてしまうという展開。 とんこつ魚介のダブルスープあたりとは一線を画していて、ああ、やられたって感じだ。


「海神」 豊島区西池袋3-33-17 サンライトビルB1F[Map] 03-3987-3620
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スパゲッティ「とすかーな」で ナスとシメジエリンギ醤油バター風味

tosucana.jpg武蔵小山の駅前でトリコロールの大きなフラッグをはためかせているのが「とすかーな」です。 その直球でくだけた店名からも気の置けないカジュアルな雰囲気が伝わってきます。 奥へと伸びるカウンターの一番手前に席を得て、メニューを眺める。 例に漏れず、こちらも種類が多いぞ。
注文を訊こうとしている高校生風のアルバイトの娘に「どれが好き?」と尋ねると、間髪入れずに「ナスとシメジエリンギ!」と応じてくる。 その小気味よさに「ではそれで」と応えました。 グラスビールとサラダと1/6ピッツアがセットできると聞いて、生ハムのピッツアでセットにします。 塩胡椒を利かせたサラダ仕立てのピッツアが面白い。 追加でハウスワインを。 醤油バター風味のスパゲッティは、如何にもスパゲティハウスのそれ風ではあるけど、旨いから文句もない。tosucana01.jpg 全体を包むアットホームな雰囲気がこの店の魅力だね。 かつて、あのタレントKABA.ちゃんも常連だったようです。


「とすかーな」 品川区小山3-26-9ハイツ武蔵小山ビル1F[Map] 03-3788-4257
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