「ザにっぽんの洋食屋」カテゴリーアーカイブ

レストラン「たいめいけん」で牡蠣フライにポーク生姜焼丼海老ナポ老舗の暖簾を思う

永代通りと昭和通りが交わる交差点が江戸橋一丁目の信号。
そこから間もなくの日本橋交差点の角に建つコレド日本橋は、いつの間にか、グランドオープンから10余年が経つらしい。
コレド日本橋の裏手、江戸橋周辺にある老舗洋食店と云えばそれは勿論、日焼け真っ黒三代目シェフでもお馴染みのレストラン「たいめいけん」だ。

10月へとカレンダーを捲ったその週に訪ねて訊いてみた。
カキフライありますか?
さも当然のように頷いて、
コールスローは付け合わせにありますからと云い添えてくれた、
ホールのお姉さんの笑顔に安堵して、暫し。正調を素直に思わせるお皿がやってきました。

頃合いのいいサイズの牡蠣フライが4個。玉子玉子していないタルタルを横から添えるようにして、
今季初めて!と心中に呟きながらそっと歯を立てる。
あ、あああああ!
旨い。
何も衒うこともないそのままの牡蠣フライが、
思わず大きく頷かせるほど、旨い。
そうだ、老舗の暖簾は伊達じゃないのだ(笑)。

コールスローと一緒にたっぷり盛り付けられた素ナポもいい。ケチャップやトマトソースの水分をちゃんと飛ばしてある、
その加減が何気に絶妙なのであります。

「コールスロー」に並ぶサービスメニューのと云えば、
それはご存知「ボルシチ」。大鍋で作るから美味しいという側面もきっとあるはず。
学校併設の給食室で作った汁物の美味しさにも似ているかも、
なぁんて思ったりもする。
マヨネーズを使わないコールスローもなんだか正しい気がします。

ナポちんも絶対食べてる「たいめいけん」のナポリタンは、
メニューの最後に具材を語る「スパゲッティナポリタン海老」。ノーモアアルデンテな素ナポの出来に対して、
ややシャツに飛びそうな仕上がりは賛否の分かれるところか。
ちなみに、海老があるなら「ナポリタン蟹」もあるようです。

「特選ランチメニュー」の中から見つけたのが、
ジンジャーちんも絶対食べてる「ポーク生姜焼き丼」「たいめいけん」の丼物メニューは他に見当たらない。
飾らない盛り付け具合を愛でつつやおら箸の先をドンブリの頭に伸ばす。
キリッと利いた生姜の風味が実にいい。
食べ終わったところでお隣のテーブルのご婦人が声を掛けてきた。
「それって何です?メニューに載ってます?」
それとは別の註文を済ませてしまったものの、
隣の芝生が妙に興味深く見えたようです(笑)。

「たいめいけん」一階のテーブルで食事をしていると、
厨房の右手の隅からカウンターに立つひと達の姿が覗ける。お久し振りにそのカウンターに立つと、
こんなに明け透けに厨房の中を覗けてよいのだろうかと、
そんな気にさえさせるシェフズカウンターである。
もっともここで三代目シェフの真っ黒なご尊顔を拝する機会は、
今のところないのだけれど(笑)。

券売機に「三代目おすすめら~めん」とテプラで示しているのが、
「ローストポークら~めん」。チャーシューの代わりにローストポークを浮かべるのはやはり、
これまた老舗洋食店としての心意気でありましょか。
麺もまた、フェットチーネかタリアテッレかという平打ちタイプ。
まぁ、ねぎチャーシュー麺バターのせ、
あたりの方が好みですけどね(笑)。

夙に知られた老舗洋食レストラン「たいめいけん」此処にあり。一階フロアや麺屋コーナーは幾度となく訪ねているものの、
どうも敷居が高くって、未だ二階へは足を踏み入れたことがない。
どなたか連れていってくれませんでしょうか(笑)。

「たいめいけん」
中央区日本橋1-12-10 [Map] 03-3271-2465
https://www.taimeiken.co.jp/

column/03736

Restaurant「たかじ」でポークソテー生姜ソースにナポリタン上池上循環のバス通り

大森駅西口周辺から発着する東急バスのひとつに上池上循環という路線がある。
馬込銀座信号から環七に入り、夫婦坂交叉点で上池上商店街方向へと左折する。
そのまま坂道を下って新幹線の高架を潜り、第二京浜を横切って、本門寺を廻り込むようにして池上通りを大森駅方面に向かう。
その名の通り、上池上エリアをなぞるようにぐるっとひと廻りするルートの内回りで、逆方向の外回りもある。

そんなバス通りであるところの上池上通りが、
Y字を描く東雪谷五丁目信号近く。
いつぞやお邪魔した「マウンテンバーガー」のご近所に、
Cafe & Restaurant「たかじ」はあります。

’14年03月のオープンと訊けば合点のいく、
まだまだ真新しくて明るい店内。入口のサッシ枠の赤にソファーの赤がアクセント。
案内に沿って着いたテーブル脇の柱の黒板を横目で見つつ、
お品書きを眺めます。

別註のクラムチャウダー。ゆっくりとスプーンを動かしつつ、
のんびりしたひと時を過ごします。

お願いしていた「ポークソテー生姜ソース」のお皿がやってきた。頃合いのいい厚さのロース肉二片が、
ジンジャーソースに浮かんでいるようにも見える角度。

薄く小麦粉の衣を纏っていたのか否か。
噛み応えや脂の甘さのバランスは、こんな感じがいい。もっともっと生姜が利いていても悪くない。
そしてそんなソースに浸したキャベツの千切りが大好きです。

裏を返すように次の次の週末に同じテーブルに。
生姜焼きをいただいておいて、
ナポリタンをスルーするなんて片手落ち(笑)。太麺ノーモアアルデンテ系ではないものの、
相応によく炒めしてケチャップソースがよーく絡んだナポリタン。
ご馳走さまでした。

バス通り上池上商店街の一辺にカフェレストラン「たかじ」がある。 最寄りと思われる西馬込駅でも徒歩15分程と、
循環バスがグルグルする理由がよく判る、
そんな立地ののんびりスポットです。

「たかじ」
大田区上池台3-47-5 [Map] 03-6451-7242

column/03723

レストラン「ほてい家」で有終のほてい家パック海老フライにふんわりハンバーグ

hoteiya所用にて京成線は千葉中央駅という駅の割と近くに明け方までいるということがありました。
深夜の小腹を黙らせようと辺りを徘徊していた時に、懸垂式モノレールの橋脚の向こうに紅いネオンサインが目に留まる。
一瞬、ちょっと妖しい旅館のそれのようにも古びた料理屋のそれのようにも見えたネオンが示していたのは、「レストランほてい家」。
全貌は暗がりの中なれど、なかなか気になる佇まいであるなぁと思いつつ、その場所を離れたのでありました。

翌朝遅めにホテルの部屋を出てそのまま、
気になっていた場所へと戻ってみる。hoteiya01hoteiya02成る程、深夜に眺めたのは幻でもなんでもなく(笑)、
葭川という川の上を走るモノレールの高い橋脚越しに、
二階建てながらどっしりとしたフォルムの建物が佇んでいました。

ショーケースと入口を覆うテントには、
since1929と表示してある。
1929年といえば、ええっと、
昭和4年創業ということになるではありませんか!hoteiya03hoteiya04そうなのかぁとショーケースを眺めていると、
開店時間早々だというのにどふいふ訳か、
続々とお客さんと思しきひと達が硝子扉を開けてゆく。
有名老舗にしても随分な人気なのだなぁと慌てて後に続きます。

それでもテーブルは少なからずありそうなので、
特に心配せずに案内を待っていたらなんと、
予約のお客さんでほとんど既に満席なのだという。
一体全体どうなっているのかと訝っていると、
支配人と思しき老紳士が「新聞に出てしまって」と仰る。
訊けばなんと、この10月末で閉店してしまうことが、
記事になり伝わって、混み合っているのだと云う。

そうとは知らずにひょっこりやってきたものの、
ギリギリでなんとか待たずに隅のテーブルに潜り込めた。hoteiya05hoteiya06そこに用意されていたメニューを見てまたびっくり。
この厚みのファイルのページそれぞれに、
一々気になる品書きが待ち構えている。
店内が混んでいることをいいことに、
前から後ろ、後ろから前へと何度もページを捲り返して、
あれこれ思案を巡らせます。

それで結局選んだのは「ほてい家パック」なる、
なにやらお得感漂うネーミングのメニュー。
「ほてい家セット」ではなくて、
“パック”ってところがいい響きです(笑)。

サービスでいただいたグラスの赤を舐めているところへ、
「コーンクリームスープ」のお皿が届く。hoteiya07これが、あれ?ってくらいに濃厚なコーンスープ。
きっと自家製なのだろうと思わせる、
玉蜀黍の自然な甘さもさることながら、
どんだけ煮詰めたの!という濃密さが、
なによりの魅力となっています。

もう食べる機会がないかもと思えば当然、
「スパゲッティ ナポリタン」に食指が動いてチョイス。hoteiya08残念ながら茹で置きの太麺という訳ではなさそうで、
仕立てはシャツに飛びそうな系のナポリタン。
ケチャップよりもトマトソースたっぷりで、
その分炒め麺にはなってない。
でも美味しいので赦しましょう(笑)。

メインの一翼が「天然有頭海老のフライ タルタルソース添え」。hoteiya09hoteiya10デデン!とお皿に横たふ立派な車海老くん。
タルタルをたっぷりと添えていただけば、
濁りなき海老の身の甘さが味蕾を包む。
嗚呼、久し振りにがっつり海老喰った!って感じ(笑)。
ちなみに、天ぷら仕立ても選べるものの、
添えてくれるソースは、フライ同様タルタルソースである模様です。

そしてそしてメインのお肉は、
「ハンバーグステーキ ドゥミグラスソース 温野菜添え」であります。hoteiya11hoteiya12鉄板からふつふつと弾けるソースが、
落ち着いてきたところでやおら、
ハンバーグのご本尊にナイフを挿し入れると、
これがあっけない程にスッといく。
この、ふんわりと柔らかなハンバーグが、
人生最初のご馳走ハンバーグであった子供が、
少なからずいるのじゃないかと、
ふと思ったりなんかいたします。

オレンジのシャーベットをスプーンで掬いながら、
手許にあったナプキンを眺める。hoteiya13店先では見つからなかった、
布袋さんのお姿をその真ん中に認めました。

レストラン「ほてい家」は、1929年(昭和4年)創業の老舗洋食店。hoteiya14七五三のお祝いにとか、誕生日のお食事にとか、
きっとそんな特別な日のテーブルにずっと選ばれてきたのでしょう。
二階は宴会場になっていて、
結婚式の披露宴会場としても定番だったらしい。
この10月末日で閉店するという「ほてい家」に、
寂しさとともに感慨を憶えるひと達が沢山いるに違いありません。

「ほてい家」
千葉市中央区本千葉町9-8 [Map] 043-227-0281

column/03696

RESTAURANT「日勝亭」でカキフライヤキメシメンチカツ秘かに祝う老舗の新装

nishotei枯れた風情も昭和な匂いも素敵な老舗が店を閉めてしまうことが、少なくない頻度で起きている。
建物の傷みがいよいよ激しくなってしまい、建て替えてまでして営る年齢ではもうないから、なんてことが、個人経営のお店では当然のことのように起きていることは、想像に難くない。
まだまだ建物は頑丈なのだけど、肝心の後を継いでくれる子供や人材がないので残念ながら、なんてことも往々に起きていることでしょう。

去る’14年の晩秋の頃。
90年ほども親族で経営してきた蛎殻町の洋食店が、
閉店すると聞いて一瞬、嗚呼ここもまた、
燈火を消す老舗のひとつになってしまうのかと思ったものでした。

’14年の11月末をもって一時閉店していた「日勝亭」が、
その姿をふたたび現してきたのは、
確か’16年の年が明けた頃。nishotei01前を通る道路や舗道の改修と歩調を合わせるように、
工事の最終工程に差し掛かっているように映りました。

その1月末に晴れて新装開店した「日勝亭」。nishotei02開店を祝う生花が店先をそっと華やかに飾っていました。

新装開店早々のメニューには勿論、
「カキフライ」もある。nishotei03nishotei04油の温度高めを思わすしっかり揚げ色の衣に包んだ、
牡蠣はやや縮んでいる気もするものの、
たっぷり添えてくれたタルタルのナイスフォローで、
一気に美味しくいただきました。

「ナポリタン」は勿論いただいたことはある。
でも、そふ云えば、
「ミートソース」のお皿を拝むのは初めてのことかもしれません。nishotei05nishotei06敢えて言い切ってしまえば、
他に類を見ない色味のミートソースではあるまいか。
グダっと汁っぽいこともなく、
こんもりと盛れる黒褐色ソースに目を瞠る。
成る程、ブラウンソースとはその名の通りと、
今更のように感心したりする(笑)。

「ハンバーグ」も気になるけれどと思いつつ、
「メンチカツ」を註文してみた。nishotei07細やかで緩みなき衣を飾っていたもの、
ミートソースと同じ色味のブラウンソース。
旨味や芳しさをたっぷりと湛えたソースが、
メンチの味をより一層高めてくれるのです。

「チキンピラフ」と並んでメニューに載っている、
チャーハンもとい「ヤキメシ」も所望する。nishotei08nishotei09一瞬魚肉ソーセージでは?と思わせた、
頂上に載せた小口のハムが特異な表情にする。
ジャッジャジャッジャとフライパンを返す所作を想像しつつ、
ゆっくりとスプーンを動かすとより美味しくいただけるようです(笑)。

90年の歴史を経て、新装なった蛎殻町の老舗洋食舗、
レストラン「日勝亭」ここにあり。nishotei10時間を積むように使い込んだ古いお店の味わいを失うのは、
勿体なくも切ないものだけど、
こうして新たに続き始めたことを秘かに祝おうではありませんか。

「日勝亭」
中央区日本橋蛎殻町1-32-2 [Map] 03-6319-1077

column/03694

グリル「オーツカ」で生姜焼き定食ナポリスパの意外さと名物ハントンライスと

otsuka金沢の香林坊あたりで、おひる処の当てが外れて一瞬、途方に暮れる。
ラーメンフリークが時に体感するように、思いも寄らない臨時休業を図らずも確認してしまった時の驚きと落胆はなかなか馴れるものではありません。
臨時休業は勿論、ラーメン店だけの専売特許ではないので、他の飲食店にも当然あり得ることですものね。

香林坊の交叉点から開店前のおでん「菊一」の前を通り、
国道から一本裏手の道へと当て所もなく漂い歩く。
覗き込んだ横道に居酒屋や小料理屋風の看板を見付けて、
真昼間にして誘われるように(笑)、足を向けました。

そのまま雨上がりの横丁を往くと、
「洋食」と示すアクリルの看板が目に留まる。otsuka01otsuka02建物のシャッターの掠れた文字は、
「オーツカ料理学園」と読める。
料理学校開いているような洋食店なんて、
なんだか気になるじゃぁありませんか。

お店の正面に回り込んで、ショーケースを覗き込む。otsuka03ボードに書き込まれたメニューには、
「生姜焼定食」が目立つように囲みに飾られている。
あ、「ミートスパ」に並んで「ナポリスパ」もあるようです(笑)!

女将さんに招き入れられてから意外に思ったのは、
店内の各処にタレント・有名人の色紙が少なからず貼られていたこと。
なぁーんだ、有名店だったのかぁと合点しつつ、
左手奥の客間のテーブルへと腰を据えました。

ご註文はやっぱり「生姜焼定食」で。otsuka04豚ロースがこっくりとした生姜タレに絡めとられて、
これぞ、ゴハンがどんどんと進むヤツの典型か。
そして、何気に添えてくれた厚揚げの煮付けが和ませます。

生姜焼きだけやっつけてナポリタンを放置するなんて、
ナポちんに疎まれそうだと(笑)、
無理云って「ナポリスパ」の小盛りもお願いしてました。otsuka05なんの疑いもなく、そしてなんの根拠もなく、
しっかり炒め上がったナポリタンを待っていたら、
届いたお皿は、ナポリタンとは似ても似つかぬものでした……。
確かに”ナポリタン”ではなく”ナポリスパ”だもんね(汗)。

後日ふたたびの横丁の奥。
本当においしいので一度味わいください、と、
そう黒板に認めてあったのも気になって、
改めて硝子ケースを覗き込む。
ソースブルーテを基本に、
玉葱、牛乳、クリームで仕上げた美味しいクリームスープ、と、
解説がしてありました。

件のクリームスープをまずいただく。otsuka06何かを特筆するでもないけれど、
古からのレシピと丁寧なつくりの片鱗を思わせるひと皿でありました。

「生姜焼き定食」と並んで、
黒板メニューで□に囲んで強調されていたのが、
「ハントン」なる見慣れないフレーズ。otsuka07otsuka08ステンレスの楕円皿に載せられてやってきた「ハントン」は、
黄色と赤の艶やかな見栄え。
つまりは、ケチャップライスに魚フライを載せて、
半熟の玉子で覆い、ケチャップとタルタルで飾ったもの。
ハンガリーの「ハン」と仏語で鮪を意する「トン」が由来であるらしい。
片町にあった洋食店が発祥の地と云われていて、
場所柄からしても、その経緯を引き継ぐお店なのかもしれないな。

金沢の片町・香林坊の横丁奥に、
1957年(昭和32年)創業の洋食店 グリル「オーツカ」がある。otsuka09なかなかの人気店は、時に空席待ちの行列をつくる。
帰りがけにまた硝子ケースを覗き込んで、
「タンバルライス」ってなんぞやなんて考えていたら、
黒板の並びに置かれたメニューの文字が見付かった。
あれ?「ナポリタンスパゲッティー」って書いてある。
もしかして、過日いただいた「ナポリスパ」は、
ただ「ナポリタンスパゲッティー」を略しただけだったのか!?
いやいや、違うものだと思いたい(笑)。

「オーツカ」
金沢市片町2-9-15 [Map] 076-221-2646

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