「するする蕎麦の粋」カテゴリーアーカイブ

そば処「庄司屋」山形本店で外一と更科の相盛り天板蕎麦旨し老舗の居心地や佳し

山形市を生まれて初めて訪れたのは、夏の或る日こと。
併結を解き、福島を出て奥羽本線に乗り入れたオレンジラインのミニ新幹線車輛は、スピードを落としてトコトコと在来線のレールの上を進む。
あの、米沢牛を思い出す米沢駅から高畠、赤湯、かみのやま温泉と経由して山形駅に到着する。
そこから新庄まで延伸したのは、1999年(H11年)12月と20年も前のことになるのですね。

十四代やくどき上手、楯野川、上喜元、辯天などなど。
山形県下には、著名な銘柄を持つ酒蔵数多く、
“吟醸王国山形”とも呼ばれている、らしい。

山形駅に降り立ったその夜、酒菜「一」でいただいたお酒は、
山形市内の秀鳳酒造場が醸す「秀鳳」純米大吟醸山田穂45。
山形市内には他に、新政酒造、寿虎屋酒造、そして男山酒造がある。

早めのおひるをと向かった店への途次。
道の突き当りに「男山」と認めた大きな文字が見えた。蔵見学も突然では失礼だろうと思い直して、外観からの様子を眺める。
こんなにご近所の蔵なのですものきっと、
これから訪ねる店にも「男山」のお酒があるのだろうと想像しつつ、
西へと足を進めます。

到着したのは、そば処「庄司屋」山形本店。店先の行燈には「板天」の文字。
大箱過ぎず、飾り気のない実直そうな佇まいが、いい。

囲炉裏を囲む入れ込みのテーブルに案内いただき、ひと心地。店の奥に向けて、座敷が続いているようです。

“山形そば屋の隠し酒”と銘打った、
「男山」の限定特別純米酒「五薫」をお品書きに見付けて早速。小皿に添えてくれた蕎麦味噌が嬉しいじゃぁありませんか(笑)。

葱背負ってやってきた「かも焼き」が美味い。
厚切りにして柔らかな鴨の肉から忌憚のない旨味が零れる。此方では、出汁巻きではなくて「厚焼き玉子」。
自然な甘さのふっくらした味わいもまた、
柔らかな吞み口のお猪口によく似合います。

ご註文は、相盛りの「板天」であります。
新潟だったなら”へぎ”と呼ぶべき長方形の木枠を山形では”板”と呼ぶ。
出汁の旨味が活き活きとしつつ、さらっとした辛汁に浸す、
風味よき外一(といち)の蕎麦、いと旨し。
かと思えば、更科の繊細さに併せ持つ力強さに思わず唸ります。

椎茸に大葉、茄子に隠元、そして海老。天麩羅の揚げっ振りも熟練の仕立て。
こうなると、蕎麦湯の塩梅の良さも自ずと納得のゆくと云うものです。

山形の老舗筆頭の蕎麦処「庄司屋」山形本店は、
居心地も蕎麦も佳し。Webサイトによると「庄司屋」の創業は、慶応年間のことという。
江戸時代末期から明治、大正、昭和、平成、そして令和。
つまりは、150年を超える歴史を刻んできたことになる。
そんな老舗蕎麦店が、
今も生き生きとそこにあることを喜ばしく思います。
近所のひと達が羨ましくてなりません(笑)。

「庄司屋」山形本店
山形市幸町14-28[Map]023-622-1380
https://www.shojiya.jp/

column/038256

おそば「八丁堀あさだ」であの茶蕎麦天もり力蕎麦冷やしたぬき新天地の新川で

市場通りと鍛冶橋通りの交差点近く。
普通乗用車のみならずトラックや重量車輛も行き交う通りに面しているのに、そこだけいつも静かで穏やかな空気を醸して佇んでいたのが、おそば「あさだ」だ。
店先で揺れる笹の葉が涼し気で、飾らない蕎麦店らしいファサードが地味ながらも小粋だった。
若緑色した茶蕎麦を供することも特徴のひとつなのでありました。

この二月の初頭のこと。
仕事の所用で新川のとあるビルを訪ねた帰り道。
残念ながら閉店してしまったBrasserie「Iizumi」の隣、
嘗て酒邸 新川「FUKUSAKO」のあった場所が足場で囲まれていた。
何気なく近づいて建築工事の掲示を眺めてびっくり!
そこには「八丁堀 そば処あさだ様」建築工事とあったのです。

またまた再開発による飲食店舗の閉鎖を見送らなければならないのか。
そう思いながら、まだ笹の葉の揺れる店先を訪ねるとやはり、
移転のための休業を知らせる拠れた貼り紙を見付けることになる。
閉店廃業ではないことに改めて安堵しつつ、
やっぱりこの佇まいは失われてしまうのだと、
とても残念に想ったのでありました。

店先で告知していた4月の移転先での新装開店は、
コロナ禍の影響で延期を余儀なくされた模様。
この6月になって漸く、白い暖簾を拝見するに至る。
手指を消毒して、間引きされたテーブル席へと案内されました。

「あさだ」の蕎麦の人気な定番といえばやはり「天もり」「天ざる」。例によって、海老か掻き揚げかを選べる汁。
綺麗な翠色の蕎麦は、そのまま健在だ。

その後ちょこちょこ通う際には専ら、
茶蕎麦の魅力をそのまま愉しめる「もり」「かけ」系なのだけれど、
時には温かい蕎麦もいい。揚げ玉との相性が何故かバッチリな力のお蕎麦。
甘汁に多少ヤワっとしつつもツナギしっかりの茶蕎麦も悪くない。

温かいお蕎麦と云えば、葱背負ってくる鴨の南蛮という手もある。鴨のロースがどんぶりを覆うような鴨南ではないけれど、
そうそれが返って程よい気分なのです。

ちょっと悪戯な気分なおひる時には「カレー南蛮」なんて妙手もある。折角の茶蕎麦が台無しやないけーと言われれば、その通りなのだけど、
まぁ偶にはいいじゃぁありませんか(笑)。

盛夏の或る日、品書きには書かれていないメニューが、
すんなりと厨房に通る様子を垣間見る。
知ってるひとは知っている、
真夏の隠れた人気メニューが「冷やしたぬきそば」だ。正直に云うと「天ざる」よりもスキ(笑)。
通年メニューとして対応してくれたらいいなと思っています。

そして、盛夏のメニューがもうひとつ。こうみえてお蕎麦、です。
女子ウケしそうな「サラダそば」だけれど、
野菜が足りない症候群のオジサンにもぜひ、
門戸を開いておいていただきたいところです。

おそば「八丁堀あさだ」は無事移転して今は新川にて盛業中。「あさだ」の創業はなんと、1892年(明治25年)のことらしい。
つまりは130周年も近い立派な老舗なのだということになる。
そんな老舗でも営んできた場所から退かなければならないのかと思うと、
やっぱり複雑な気持ちにはなるけれど、
身近に新天地を得られたことをただただ喜んでいるところです(笑)。

「八丁堀あさだ」
中央区新川2-8-8[Map]03-3551-5284

column/03823

石臼挽き手打「蕎楽亭」で芹お浸し稚鮎天婦羅煮穴子馬刺し鴨ざるお濠端の桜と

都内に桜の名所数あれど。
例年仲間で集う葛西臨海公園では、桜並木の下に車座になって乾杯し、時々桜の花弁越しに背景の観覧車を見上げたり。
身近なところでは、茅場町の通称桜通りを往復してからやき鳥「宮川」の行列に混じったり
薄いピンクに彩られた隅田川沿いの新川公園を散策してから土手に腰掛けて、行き交う遊覧船を眺めたり。

他にふとその様子を眺めに行きたくなる場所のひとつに、
飯田橋のお濠端がある。
神楽坂下信号から外堀通り沿いに四谷方向へ。
舗道際の桜並木で、風に揺れる桜の花を一時愛でる。お濠を見下ろすと、
水上カフェ・レストラン「CANAL CAFE」の賑わいが覗く。
桜の見栄えとしてはなんのことはないのだけれど、
どうも気になるスポットなのだ。

気になる理由が実は神楽坂の坂の上辺りとの連関にある。
それは神楽坂を上がり、
見番横丁へと左に折れたその先にある蕎麦の店。店先では、薄緑色を帯びた蕎麦の実をゆっくりと挽く、
一種の石臼製粉機と思しき道具が稼動しています。

カウンターの真ん中あたりに案内いただいた春には、
味のある筆の文字の品書きの中に「せりのお浸し」を見付ける。細長く掻いた削り節を戴いた芹には勿論根っこも添えてある。
浸した出汁の塩梅や佳く、春の香気が噛むほどに小さく弾ける。
口開きの酒は例えば、
埼玉は上尾の酒蔵による本醸造辛口「鬼若」だ。

目移り必至の「蕎楽亭」の蕎麦前用品書きの、
核のひとつが天麩羅のあれこれ。
例えば、歯触りも愉しき「白魚」だったり。春の定番「ふきのとう」は、
期待通りのほんのりした苦味がいい。

厨房に向かって右手奥にある水槽に目線を投げれば、
いるいる、稚鮎くんたちがちょっと所在なげに泳いでる。それが暫し待っていれば今度は、
卓上の敷き紙の上で泳ぐ姿を拝める。
此方もやっぱり澄んだ苦味、腸の苦味が実にいい。
酒が進んでしまうではありませんか(笑)。

天麩羅もきっと美味しい穴子は例えば、
「煮穴子」という一手に賛同してみる。このために焼いたかのような両端半円の長皿に、
ちょうど良く収まった煮穴子の姿を俯瞰してまず愛でる。
品のよい身の厚さの穴子からは何処か繊細な甘さが届く。
うん、美味しい。

「煮穴子」があれば穴子の「白焼き」も勿論ある。焼き網に炙った表面や芳ばしく、
搾った檸檬やおろし山葵がよく似合う。

あいかわらず品書きの上を彷徨う目線を留めたのは、
例えば「会津の馬刺し」。
モモ、ヒレ、レバーに盛り合わせとある。
調味された味噌をちょんと載せていだけば、
うんうんと思わず何度も頷いてしまう。そうそう、品書きには会津由来の品が幾つもあって、
例えば、会津の郷土料理たる「こづゆ」を始め、
会津の茶豆だったり、会津地鶏の塩焼きなどが鏤められています。

お酒のラインナップも福島ものがほとんどで、
例えば純米「金水晶」とか純米吟醸「泉川」、
例えば特別純米生原酒「飛露喜」、純米吟醸「豊国」などなど。選んだお猪口に、カタチ色々な片口からそれらのお酒を注ぎ、
例えば「出汁巻き玉子」を端からつまんでを繰り返します。

そうこうしている間には何度も、
打ち台で打った蕎麦がアルミのパッドから計量器の上に載せられる。そして、所定の量が湯殿に投入されてが繰り返されています。

冷たいもの、温かいものそれぞれ20品ほどがずらっと並ぶ、
そんな品書きから選ぶは、例えば「鴨ざる」。素朴な筈の蕎麦そのものから確かな旨味を覚えるのは何故でしょう。
それは鴨肉からの出汁や脂をも湛えた汁だけの所為ではない気がする。
汁の中からツクネを見付けた瞬間もまた嬉しからずや(笑)。

蕎麦の註文が繰り返されるが故に、
届けられた蕎麦湯はエキス豊かなものになる。蕎麦湯が旨い蕎麦屋の蕎麦は旨いって、
思えば至極当然のことでありますね。

春先までの季節のおすすめのひとつに「牡蠣そば」がある。小長井産の生牡蠣を板海苔の筏に浮かべた温かい蕎麦。
さっと甘汁で煮含めた半生の牡蠣が旨い。
そして気が付けば、牡蠣の風味を帯びた汁を完飲してしまっています。

ふとちょっとした悪戯心と天邪鬼が顔を出した日には、
蕎麦ではなくうどんの「肉ざる」を註文してみたりする。つるんと喉越しのよい饂飩に具沢山の肉汁。
正調派武蔵野うどん喰いのひとりとしては、
どうしても斜に構えてしまうものの(笑)、
そんじょそこらのうどん専門店にも引けをとらない、
何処か凛としたおうどんであります。

神楽坂は見番横丁の奥に石臼挽き手打「蕎楽亭」はある。横丁の名もまた然り。
花街情緒の残り香漂う神楽坂の裏通りという、
そんな立地をよくぞ探し当てたものだとそう思う。
大将を中心に回る厨房の有機的な様子がよい。
春先のみならず、季節を変えて訪ねたい蕎麦料理店であります。

「蕎楽亭」
新宿区神楽坂3-6 神楽坂館1F [Map] 03-3269-3233
http://www.kyourakutei.com/

column/03790

御そば打處「野麦」で端正な面持ちのざるの蕎麦五種の具の淡々と旨いかけの蕎麦

中央本線の特急が発着する新宿駅9・10番線ホーム。
あずさ号へと乗り込む外国人の姿を見掛けるのもすっかり定番となりました。
2019年3月のダイヤ改正で、かいじともE353系車輌に統一され、塩山駅、山梨市駅、石和温泉駅を通過することを含めて、松本までの下り列車の平均で6分の所要時間短縮を見込んでいるという。
それに併せて、聞き慣れた「スーパーあずさ」の列車愛称名を廃止したそうだ。

松本駅の驛舎を背にしておよそ真っ直ぐ歩いてゆくと、
何故かその入口に立っていることになる高砂通り。
何時ぞやの蕎麦処「源智のそば」は、
豊かな水の流れに沿う様にゆけば辿り着く。そんな高砂通りを左に折れて離れて、
蔵の在る街並みが粋な雰囲気を醸す中町通りへと向かう。
すると、これまた何時ぞやのカレー店「デリー」が角に見えてくる。

お邪魔したのは、松本で夙に知られた御そば打處「野麦」。食事のメニューは「ざるそば」に「かけそば」。
他には冷酒に燗酒、焼酎のそば湯割などがあるだけという潔さです。

何故だか清らかな水に晒した様子を髣髴とさせる笊の蕎麦。あくまで細い蕎麦切りは不揃いなく端正な面持ち。
箸に載せたそれは、繊細さの中に芯の強さがあるような。

特注品と思しき笊が機能的にして美しい。品書きの隅に記された一文によれば、
戸隠の渡辺さんと仰る方の作であるらしい。

「野麦」初訪問から彼此二年。
ふたたび高砂通りから中町通りへと回り込むように歩く。
蔵の在る中町通りをプチ散策して、
例の「デリー」の店先を眺めて異変に気づく。
ドア硝子の貼紙には、
創業来47年に亘る厚情への感謝の念が綴られていました。

この日は入口脇の入れ込みのテーブルに席を得られた。欲張って「ざるそば」と「かけそば」それぞれ一人前をとお願いすると、
ならば「ざるそば」を先にお出ししますね、とご主人。
早速辛汁の徳利や薬味、
そして切り干し大根の載った小皿が用意されました。

改めて見遣る「ざるそば」は、実に端正な景色出汁のよく利いた決して辛過ぎないつゆに、
素朴な蕎麦の甘さが引き出されるようで、
素直に美味い。

「かけそば」のどんぶりには、五つの具が載る。炙って刻んだお揚げに煮付けた椎茸、
湯通しした菠薐草に海苔、半裁の煮玉子。

甘汁はあくまでも澄んで、それでいて淡々と旨味を湛える。仄甘い滋味や風味、喉越しといった蕎麦そのものの魅力は、
確かに「ざるそば」でこそ味わえるものだけど、
「かけ」の蕎麦の、ちょっとゆるっとした辺りにもまた、
ほっとさせるような別の魅力もあると思うのです。

松本は蔵の在る街中町通り近くに御そば打處「野麦」はある。時に混み合う人気店にあっても、
四人掛けのテーブルが三卓とこじんまりとしているのが、いい。
小さな店内に流れる時間がゆっくりとしていて、
自ずと目の前の笊やどんぶりと素直に向き合うこととなるのです。

「野麦」
松本市中央2-9-11 [Map] 0263-36-3753
http://nomugi.o.oo7.jp/

column/03788

元祖かきそば「玉川庵」で釧路の冬空に厚岸の牡蠣ごろごろのかきそばで温まる

冬の釧路はやっぱり寒い。
どん曇りの空から今にも雪の結晶が舞い降りてきそう。
そんな時には、地元釧路の老舗ラーメン店へ足を向けて温まるのも悪くないなと吐く息で両手を温めつつふと思う。
何気なく地図を広げて、縮尺をひいて眺めれば、そうだ!
釧路は牡蠣の産地として夙に知られた厚岸にも近いではないか。
ここで牡蠣をいただかない訳にはいかないと、
そう思い直すのでありました(笑)。

そんなこんなで釧路市街から足を伸ばしたのが、
新釧路川を西へと渡った鳥取大通り沿いから少し外れた辺り。

目的地を眼前にして、その粋な佇まいに嬉しくなる。鰊番屋をイメージして建てられたもののようで、
屋根の隅には望楼と思しき櫓が載っている。
屋根に塗られた紅とポストの朱の挿し色もいい。
空色地の幟は、元祖かきそば、の白抜き文字で誘っています。

黒の暖簾のその先もよい風情の佇まい。雪見障子のような障子の硝子越しに、
座卓に置かれた鍋から立ち上る湯気が見える。

入れ込みの座敷には、小屋根が設えてある。座敷の奥の壁へと目を凝らすと、
お面の下に木版が掲げられているのに気づく。
“百歳の命ささえるかきそばや 味と誇りは命一代”
忠輝とありますが、どなたが詠んだ短歌なのでしょう。

振り返って店の奥へと眼を遣ると、
蕎麦打ち場と思しき小部屋の囲いが見付かる。そろそろ註文の品が届きそうな、
そんな気配がしてきました。

まず手許にやってきたのは「牡蠣フライ」。決して大振りではないけれど、
衣に閉じ込められたその身が解けて小さく弾ける滋味は、
太くそして澄んでいて、旨い。

フライを追い駆けるように届いたのが、
名物と謳う「かきそば」のどんぶり。
厚岸の牡蠣がごろごろっと載っています。ふーふーふー、ずずずず。
甘めのかえしの汁には、
牡蠣から滲み出たエキスと若布の風味が滲みている。
ふーふーふー、ずずずず。
磯の野趣を含むどんぶりには太め田舎の蕎麦。
ふーふーふー、ずずずず。
あー、いやー、温まる温まる。

釧路の郊外に地元厚岸の牡蠣による、
元祖かきそばを謳う手打ちそば「玉川庵」がある。「かきそば」を啜って温まりながら、
このどんぶりはもうひと超え職人技の一杯になってもいいのじゃないか、
なーんて思ったりもした。
厚岸からは綺麗な牡蠣が届くはず。
流石に剥き立ての牡蠣という訳にいかないかもしれないけれど、
新鮮な牡蠣をいただけることが期待できる。
そんな牡蠣と若布と出汁なぞが齎す、
澄んだ磯の風味をより活かしたい。
潮汁のようにとなったら極端だけれど、
かえしの甘さや醤油をぎりぎりまで抑えたらどうか、とか。
そんなつゆには、骨太な蕎麦よりも、
つなぎを減らしたやや細めの蕎麦がきっと合う。
あ、でも、やっぱり磯っぽいのが苦手なひとも少なくないし、
一定量を手打ちするための事情もあるだろうしな、
などとグルグルと余計なことを考えつつ、
鰊番屋な建物を後にしたのでありました(笑)。

「玉川庵」
釧路市鳥取大通5-17-17 [Map] 0154-51-4628

column/03771