「我らが居酒屋大衆食堂」カテゴリーアーカイブ

独酌「三四郎」で名物新子焼き牡丹海老〆秋刀魚に生鯨落葉おろしで独酌す

札幌、小樽にニセコのゲレンデ。
五稜郭のタワーに登った記憶があるので函館にも行っている。
道東方面のパックツアーかなにかで女満別空港へ飛んだことは憶えているものの、その後何処へ行ったか憶えていない。
生まれて此の方ウン十年経つものの(笑)、道内で訪れたことのある街は今のところそんなもの。
そんな中、旭川へ初めて訪れる機会がありました。

真新しさと硝子張りの偉容を誇る旭川駅へと、
空港からの連絡バスを降りる。
ホテルに荷を降ろして、昭和通りを渡り向かったのは、
創業来70余年と聞く居酒屋の前であります。梔子色の壁に囲んだ二階建て。
縦格子に飾った窓には葦の外掛け簾。
炉燗酒洞、四季の肴と謳う独酌「三四郎」の戸口に、
白い暖簾が掛っていました。

修繕の手を入れてはいても、
積年の艶を思わす設えのカウンターにも、
同じく炉燗酒洞独酌三四郎と染め抜いた座布団が待つ。どっしりした座卓を配した、
背中越しにある小上がりもいい感じです。

この日のお通しは、女将さんが拵えた酢大豆。四角く切った経木をクリップで留めて、
そこにその日の酒肴が手書きされている。
定番メニューはそれとは別に用意されています。

お造りに天売産「ぼたんえび」と「〆さんま」。期待通り通りの官能的な甘さの牡丹海老。
天売島(てうりとう)というのは、
北海道西岸の羽幌町という港の沖合に浮かぶ島。
今季記録的な不漁と聞く秋刀魚はやはり、
脂のノリに物足りなさを否めないものの、
オツな食べ口に仕上がっています。

「落葉(らくよう)おろし」とは何ですかと女将さんに訊くと、
落葉松(からまつ)の下なぞに生えるキノコ、
落葉きのこのおろし和えとのこと。多少のぬめりとともにいただけば、
癖のないキノコの滋味がそっと伝わります。

カウンターから正面を見据えれば、
木札にお酒の銘柄が数の加減もよく並ぶ。やはりご当地のお酒をいただきたいと、
女将さんのお薦めを所望する。
髙砂酒造の「風のささやき」。
夢民村という農業者集団の産した酒造好適米を用いた純米酒。
淡麗にして旨口という印象がいたします。

大判の絵本のように製本された定番メニューを開くと、
その見開いた右下に「新子やき」。
若鶏の柔らかな肉を創業以来のタレで、とある。
お願いすると早速、
炭火の上の網へと漬け込んだであろう肉塊が載せられました。おひとりさまにはなかなかのボリューム。
たまり醬油を思わせる黒褐色のタレをたっぷり纏っている若鶏。
どれどれと口に含んで吃驚!
想定を大きく上回る身肉の柔らかさ。
決してレアなのではなく、火は程よく通っていて、
甘めのタレに引き出されるように若鶏の旨味が弾け出す。
こりゃ旨い。
成る程、「三四郎」に「新子やき」ありと謳われるはずだ。

〆にと経木メニューで気になっていた「きのこ汁」をいただく。愛別産とあるところの愛別町とは、
旭川の北西に位置し、周囲を山に囲まれ石狩川や愛別川が流れる、
そして、北海道一の「きのこの里」として知られるそう。
まさに滋味深い汁でゆるっと仕舞うのもオツなものです。

裏を返すように同じカウンターを訪ねると、
前日にはなかった「生くじら」がある。新鮮なミンククジラの身に、
おろし生姜をちょんと載せていただけば、
一点の濁りなき香りと旨味のする。

卓上には、女将手作りのお惣菜四品のご案内。そこから「魚貝酢味噌(ぬた)」をいただく。
色々入ってます!というぬたには、
貝のヒモやら海老の端っこやら魚の身の隅やらが、
酢味噌に導かれていい味出している。
調理から出る半端な部分も立派に働いてくれています。

「風のささやき」と同じ、
地元髙砂酒造の「国士無双 烈」をぬる燗にしてもらう。徳利を置いたコースターには独酌「三四郎」の刻みがある。
嗚呼まさに「三四郎」で独酌しております(笑)。

ありそでなさそな「干しさば焼き」は、
刷毛塗りしたであろう醤油タレも芳ばしくて美味。女将さんが漬けた「季節のおつけもの」で、
お猪口の最後をやっつけます。

旭川に老舗居酒屋、独酌「三四郎」あり。その創業は、1946(昭和21)年という「三四郎」の看板には、
“炉燗酒洞”の文字もある。
カウンター越しに眺める燗付け器にも年季を感じるところ。
雪の多いと聞く真冬にもきっと、
いい情緒を醸してくれるに違いありません。

「三四郎」
旭川市2条通5丁目左7号 [Map] 0166-22-6751

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郷土料理處「こつこつ庵」で関さばの琉球丼に豊後名物とり天だんご汁

初めて大分を訪れたのは恐らく、’00年(平成12年)のこと だったのではないかなぁ。
’09年に廃止されてしまったと聞くホバークラフトがまだ空港から大分川河口の乗り場まで運んでくれていた。
エンジンが伝える不思議な振動に揺られながらスルスルと海面を滑り、そのままコンクリートの斜面から上陸して、ドリフトしながら停止する様子をよく憶えています。
時代の趨勢とはいえ、一種の風物が失われるについては、一抹の寂しさを覚えるものでありますね。

空港と市内を結ぶ連絡バスに乗り、大分駅前へ。
バスロータリーのある北口を離れて大分城址(府内城)の方へと歩く。
するとひとりの紳士が木陰に佇んでおられるではありませんか。近づいて声をかけると(笑)、
その御仁はかの有名なる瀧 廉太郎先生その人でありました。
東京で生まれた廉太郎は、地方官も務めた父の事情から、
富山や大分の竹田市に移り住んだらしい。
幾編もの童謡を作曲した後、ドイツに留学したものの、
肺結核を患い、帰国。
療養し、そして23歳の若さで没した地が、
当地大分市の府内町であるという。

瀧 廉太郎の銅像がある遊歩公園や府内城からも程近い、
大分県庁舎の別館裏手に蔦の絡まる建物がある。すわ、ゴミ屋敷か!?とほんの一瞬たじろぐも(笑)、
此方が目的地だと承知する。
郷土料理處「こつこつ庵」は、
昼尚妖しい佇まいで迎えてくれました。

ホーロー看板を幾つも貼り込んだ外観に負けじと、
店内も丸ポストが鎮座していたりと、
懐古趣味的アイテムが鏤められています。案内いただいたカウンターから眺め上げた品札の列。
矢切のワタス、すったものだ、なすの与一、サバの女王、骨まで愛して、
ラッキョセブン、一言いわし天、東京ナットクラブ、いかさま料理等々、
駄洒落の連発に思わずニンマリしてしまいます(笑)。

お願いしたのは関サバの「琉球丼」。品書きには、カンパチ、鯛、関あじ、関さばのいずれかとある。
云ってしまえば、胡麻たっぷりの醤油タレによる漬け丼。
これらを”琉球”と呼ぶ由来には諸説あるようだけれど、
そんなことどうでもよくなる程にただただ旨い!

と云うことで、県庁舎別館の裏手へと宵闇にも足を運ぶ。豊後名物三品を示すスタンド看板が暗がりに浮かぶ。
店の内外にみられるサインペンによる似顔絵はきっと、
此方の名物大将のご尊顔なのでありましょう。

昼間と同じカウンターの一席に陣取って、
スタンド看板にも挙がっていた「だんご汁」。その名の通り、小麦粉を手延ばしして、
鶏肉や椎茸、人参、里芋、お揚げなんかと一緒に、
味噌仕立てにした汁であります。
だんごが麺状になっているのが、
所謂すいとんとはやや異なるところでしょうか。
後半になってからカボスを搾って味変するってのも特徴ですね。


もうひとつの名物は、最近すっかりメジャーになった「とり天」。品書きには、練り芥子を溶かした酢醤油でいただくのが、
一般的だと解説がある。
成る程、どこかの焼売みたいな食べ方がスタンダードなんだね。
塩っ気はあるので、熱々の裡はそのままがいいかも。

大分は府内町の裏道に郷土料理處「こつこつ庵」はある。ホーロー看板を張り巡らせた蔦の絡まる外観にも、
駄洒落連発の品札や飾らない名物料理のあれこれにも、
人柄の滲み出るよな朗らかさがあって、和みます。

「こつこつ庵」
大分市府内町3-8-19 [Map] 097-537-8888

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海鮮料理「かぶきまぐろ」で鮪兜焼き一段上の刺身に田酒河岸頭と両国江戸NOREN

秋葉原から浅草橋駅を通って隅田川を渡ってすぐの処。
大相撲の舞台、国技館を至近に構えたご存知両国駅の所在はなんと、横網一丁目。
そうやって書くと如何にも国技館がある場所も含めた界隈が、横綱って住所にあるように読めてしまう。
でも、よくよく目を細めて読んで吃驚。
横綱(よこづな)じゃなくて、横網(よこあみ)だなんて、一体全体誰がいつ洒落て名付けた住居表示なのでしょう(笑)。

でもどうやら横網というのは、
江戸時代から存在する由緒ある地名であるらしい。
そんな横網一丁目所在の両国駅西口にもうひとつ、
国技館のものとは別の土俵が生まれました。それは、16年11月に開業した商業施設、
「-両国- 江戸NOREN」の館内中央に佇む土俵。
1929年建設という歴史ある駅舎の外装を活かして、
リニューアルした建物内は、
江戸の町屋を意識したという内装が施され、
12の和食専門店が軒を連ねているのです。

土俵の向こうに見付かる一軒に近づいて、
江戸の町角よろしく仕立てた立て札が迎える。江戸っ子に人気の「海鮮丼」と題した札。
魚を捌こうとしている町人の挿絵が、
その店のウリをも示しているようです。

新規開店目出度きかな目出度きかな!などと、
口々に発しながらぞろぞろっとお邪魔した店先には、
四斗もあろうかという「北雪」の樽でデデンと鎮座。開店を祝う花たちの向こうには、
「田酒」をはじめとする銘酒の一升瓶がずらりと並んでいます。

大将に開店の祝辞をお伝えし、
開店に漕ぎ付けるまでの労を推し量って、
勝手に労う気分になる。きっと鏡開きからの振舞酒を有難く頂戴します。


こちら「かぶきまぐろ」は、築地場外の人気店、
ご存じ「河岸頭」の大将が両国に構えた兄弟店。口開きに端正な握りを供してくれるのも、
「河岸頭」で親しんだ嬉しいサプライズのひとつだ。

そんな小粋な施しに対して、
圧倒的な不意打ちもあるのが河岸頭の心意気。ででーん!
女性の顔ほどもありそうな断面がやってきた!

そして久し振りに拝む、ガオー(笑)!コシナガマグロという鮪だそう。
こうして顔を間近で拝んでしまうと多少、
ついこの間まで外洋を勇猛に泳いでいたのにと、
申し訳ない気持ちもふと抱いたりしてしまいます(笑)。

これがすんなり収まるオーブンがあるですねーとかなんか話乍ら、
解体作業の導入部をお願いする。焼き上げるのに時間かかるでしょうねーとかなんか云い乍ら、
ステーキのようなたっぷりした身に喰らい付く。
そりゃもう、がっつりうめーよなぁ(笑)。

セラーに並んでいた「田酒」がやっぱり欲しいと所望すれば、
馴れた手際で満たす枡の縁。一段上の刺身たちが何気なく届くのもまた「河岸頭」マインド。
「田酒」との取り合わせを極上に思う瞬間です。

勿論、刺身だけでなく揚げ物焼き物たちが、
豪胆にして確かな仕立てでやってくる。クエの唐揚げにメカジキの葱間。
追加して火を入れてくれた鮪の目玉とその裏側辺り。
そこのあなた!その部位の美味しさって知ってます(笑)??

ちょこっとだけご飯をとなれば、
これもまた「河岸頭」譲りの得意技。つやつやしたイクラを戴いたふた口ほどの。
この量の加減も絶妙でありますね。

旧い駅舎を蘇らせた「-両国-江戸NOREN」に、
「河岸頭」の兄弟店、その名も「かぶきまぐろ」の登壇成った。国技館へお越しでなくとも、
江戸東京博物館へお越しでなくとも、
回向院にお詣りでなくとも、
両国へと隅田川を渡る機会が増えることでしょう。

「かぶきまぐろ」
墨田区横綱1-3-20 -両国-江戸NOREN内 [Map] 03-6456-1032

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お食事処「大力食堂」で甲子園裏手のカレーうどん爆盛りかつ丼の噂の真相

dairikishokudo西宮方面でホテルを取ろうと調べ始めた過日のこと。
東京はホテルがとれないとれないと聞いていたのも束の間、大阪のホテル事情も逼迫しているようで、びっくりするくらい空きがない。
西宮~西宮北口周辺からどんどん範囲を広げていって、やっと見付けたのが甲子園のホテルでありました。

当のホテルは阪神の甲子園駅を背にして、
阪神高速3号神戸線の高架を潜った、
甲子園球場と高速沿いに並びにあった。dairikishokudo01嘗て一度だけ外観を眺めたことはあったけど、
いずれその裡にと思いつつ、
未だに中に入ったことも、
況してや野球観戦などしたことがない、
阪神甲子園球場の外壁を眺めつつ、
ホテルに向かったのでありました。

部屋に荷物を下ろして、
ふらふらっと球場の裏手方面を散策する。dairikishokudo02球場の敷地内とも思しきテニススクールの先に、
新甲子園商店街なるアーケードがあって、
そのほとんどのシャッターが閉まった中に点る灯りに、
すーっと引き寄せられました(笑)。

覗き込んだ硝子ケースには、
お約束の如く中身がちょっとズレたサンプルが並ぶ。dairikishokudo03かつ丼に玉子丼、うどんのどんぶりあれこれと、
町の食堂の風情がいい感じに滲んできます。

玄関の暖簾を払うと、
左に四人掛けの、右に二人掛けのテーブルが並ぶ。
それぞれベンチシートなので、
詰め込めばもっと座れる造り。dairikishokudo04そして、左の壁一面に何故だか色紙が貼り込められている。
有名人著名人のサインということではなさそうです。

入って右手の壁には、扉を外して全開の硝子棚。dairikishokudo05お惣菜を並べてお好きなものをという、
大阪でもお馴染みのスタイルがここでもスタンバイ。
でも、時間も遅くて、残り数品の状態でありました。

おばちゃんに声を掛けると、
菠薐草のお浸しにたっぷりと削り節を載せてくれる。dairikishokudo06dairikishokudo07もうひと皿お願いした千切り大根は、
温めてくれちゃったのが仇となって、
少々妙な感じなのが微笑ましい(笑)。

カレーうどんをお願いしたら、
まず先に取り皿をおばちゃんが運んでくれる。dairikishokudo08蓮華がすっかりと黄色に染まっていて、
幾人ものひと達が繰り返し浸し続けてきたであろうことを、
容易に想像させてくれます。

カレーうどんがやってきた。dairikishokudo09表面張力よろしく、どんぶりの縁一杯の湖面に、
思わずしばし、じっと眺め遣ります(笑)。

割り箸でむんずと掴み、
とろみの強いカレー汁の中から引き揚げたうどんは、
乾麺を思わせるつるるん仕様。dairikishokudo10また~りとたっぷり汁を纏って、
しっかりスパイシー、
そして旨味十分の食べ口を堪能させてくれるのです。
大阪では豚肉じゃなくて牛肉なのが基本形だね。

徹夜仕事が明けて仮眠をとった後は、おひる時。
前夜と同じ暖簾を潜ると、また先客のないタイミング。dairikishokudo11おばちゃんがテレビを観てた(笑)。

どうやらこちらの食堂は、
かつ丼のボリュームが店先のサンプルとまったく違っていて、
「かつ丼」の爆盛りが有名なのだと知る。
ネットには「かつ丼(小)」でも二人前以上ありそうな、
こんもりと丸々と盛ったどんぶりの画像が載っている。
実はそんな注文のどんぶりを横目で拝見しようと、
甲子園球場の裏手までふたたび訪れたのだけど、
残念ながら他にお客さんがいないという(笑)。dairikishokudo12「カレーライス」を美味しくいただいて、
おばちゃんにご馳走さまをして辞したのでありました。

皆が知る甲子園球場裏側の商店街に、
お食事処「大力食堂」がある。dairikishokudo13ふと思い出したのは「力餅食堂」。
食堂の名前に”力”の文字が使われているからだけのことなのだけど、
なんとなく大阪っぽい呼称にも思えてきてね。

「大力食堂」
西宮市甲子園網引町2-29 [Map] 0798-49-0800

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食堂「江戸川」でマグロぶつにタラ煮深川丼に牛丼にタンメン営み閉めた百有余年

edogawa時期により、日により天候により多少の差はあるものの、築地場内魚がし横丁周辺の混雑は衰えることはない。
観光バスの台数によって混み具合が変わるというような側面もあるような気もする。
暖簾の前の行列も勿論、店によって違うけれど、台車が横丁を通るのに難儀しているのをみると、市場関係者ならずとも複雑な気分が一瞬過る。
そんな魚がし横丁の喧騒の只中にあって、実にゆったりとした空気の流れる空間がありました。

向かって左手からすっと暖簾を払って、
思うまま紅い座面の丸椅子に腰かける。edogawa01壁に掛けられた写真入りメニューを眺めて思案。
入荷のない品があるのは海のものの宿命で、
時間が押すにつれ、品切れの札が増えてゆきます。

まずはやっぱり「マグロぶつ」からいただかねばなりません。edogawa02edogawa03中トロだなんだと言い添えることは特段ないけれど、
滑らかな脂の具合も赤身の香りも麗しい。
ここに浅利の味噌汁にふっくらご飯が揃えば、
もう云うことはございません(笑)。

午後から休みのそんな日には、
ひや酒に「もつ煮込み」あたりをやっつけたい。edogawa04edogawa06あっさり仕立てのモツ煮に、
さらに気持ちが解けてきます。

「タラ煮」もまた「江戸川」の代表的なお品。edogawa05濃いぃ目の醤油でこっくりと煮付けた鱈に程良く味が沁みて、
ほろっとしたところ、
皮目のちゅるっとしたところなど、
表情の違いを愉しんでいる裡に、
あっという間にお皿が空になってしまいます(笑)。

「マグロぶつ」や「タラ煮」に味噌汁とご飯を添えて、
「江戸川」を定食で味わうのもよし。
対して、どんぶりもので「江戸川」を味わうのまたよし。edogawa07edogawa08「江戸川」の「深川丼」は、
これまたあっさりとした味付けで、
途中から別添えしてくれた汁をぶっかければ、
浅利の出汁の利いた贅沢な猫まんまになる。
それがまたいいんだなぁ(笑)。

「江戸川」のどんぶりものといえば、
看板にも掲げる「牛丼」がある。edogawa09edogawa10それは、しなっとした玉葱の甘さも満載の、
これまたあっさり仕立て。
1号店を場内に持つ吉野家のそれとは、
明確に向いている方向が違うと思えば、
それもまた面白いのであります。

ずっと昔に「ラーメン」はいただいたことがあるなぁと、
今度は「タンメン」を所望する。edogawa12タンメンのスープもこれまたあっさり仕立て。
啜る度に少しづつ、旨みがじんわりと沁みてくる感じ。
かん水ちょと漂う麺との取り合わせも、
こうでなくっちゃと思わせる不思議な安定感があるのです。

築地場内魚がし横丁6号館に食堂「江戸川」があった。edogawa11あった、と過去形になってしまったのは、
この29日をもって閉店してしまったから。
予定されていた豊洲への移転を前にしての閉店であることは、
容易に想像ができるところ。
移転が延期になるなんて思いもしなかったのでありましょう。
一度閉めると決めた決意はそうそう元に戻せるものでもないのかもしれません。
店内に貼られた、閉店を知らせる張り紙には、
百有余年に亘り御贔屓頂き、大変感謝を致しております、とありました。

「江戸川」
中央区築地5-2-1 築地市場 魚がし横丁6号館 [Map] 03-3541-2167

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