「イタめしスペイン南欧系」カテゴリーアーカイブ

Trattoria「Locanda」で隅田川の桜並木と於岩稲荷の桜の木もっちり春めく生パスタ

locanda今年東京に桜の満開が宣言されたのは、年度末たる3月31日のこと。
別に宣言を確かめるまでもなく、桜の枝々が「いまヨ!」とばかりに華開いているのは、都内の其処此処で目に留めることが出来る日がやってきた。
相応に年季の入ってきた呑兵衛仲間と集う葛西臨海公園でのお花見宴会も恒例の最たるものなのだけど、天気のいい日を見計らって新川の隅田川土手にふらふらっと足を向けるのもまた、恒例になっています。

穏やかな陽射しの下、
土手の斜面やベンチに腰掛けてお弁当を広げるひと達がいる。locanda01並木の桜の花弁の向こうの水面を、
水上バスが滑るように下っていきます。

土手に面した住友ツインビル近くの裏道に、
ひっそりとした神社があって、
その境内と思しきところにも立派な桜の木が、
桜色の華やぎを放ってた。locanda02お参りしてから気がついたのだけど(笑)、
その神社の名は、於岩稲荷田宮神社。

こんなところにも、
あの「四谷怪談」のお岩さんを祀る神社があるなんて、
知らなかったなぁ。
そんなことを思いつつ、
その先を眺めてみつけた空席待ちのひと影。
看板が、Trattoria「Locanda」とその名を告げていました。

一席だけ空いていた窓辺のカウンター席へ。
お願いした本日のランチパスタは、
「桜海老と春キャベツのペペロンチーノ」。locanda03土手で眺めた光景にも通じてしまいそうな、
如何にも春めいたタイトル通りの朗らかなお皿に、
なんだか妙に和んでしまいます(笑)。

ただ、意外(といっては失礼か)だったのは、
中太の生パスタの食感や風味が魅力的だったこと。locanda04ソースをたんまりと纏って汁っぽくなく、
ありきたりの言い回しだけれど、
このもっちりしてしつこくない生パスタに、
しっかりとファンがついているのがよく判ります。

裏を返すように訪ねて今度は、
厨房を眺める方のカウンター席へ。locanda05レジ脇の状差しの一枚を手にとると、
そこには一ヶ月間のランチメニューが一堂に紹介されている。
成る程、月間メニューと基本メニューに加えて、
ディリーな組み合わせ5種類を曜日をずらして回すことで、
安定したバリエーション対応をしつつ、
季節に応じた変化をつけていこうとしているのですね。

ご註文は「粗挽きミートソース」。locanda06locanda07ラグーソース、なんて云わないところがなんかいい(笑)。
そしてここでも、もっちりとして味わいのある麺が威力を発揮。
やっぱりの混雑の理由は、
近くに巨大オフィスビルがあるからだけではないみたい。

ふたたび於岩稲荷田宮神社に寄り道したら、
たった数日で随分と桜が散って絨毯のようになっていた。locanda08この散り際の儚さもまた桜の花の魅力なのであります。

新川は隅田川の土手近く、
住友ツインタワーの足許にTrattoria「Locanda(ロカンダ)」がある。locanda09“Locanda”というのは”旅館”というような意味だけど、
こちらでは”寛げる空間”という意味合いからそう名付けたのだそう。
きっと夜の部でも気の置けない感じで、
心地よく過ごせるのじゃないかなぁ。

「Locanda」
中央区新川2丁目25-10 [Map] 03-5542-0216
http://www.farm-to-table.jp/

column/03667

bistrot「Quatre Avril」で鯖のキッシュ鶏腿のラグーまたひとつ失う闇市跡の情緒

quatreavril00例えば、新宿西口の通称ションベン横丁や花園神社裏のゴールデン街。
例えば、若者文化を取り込んで変化しつつ賑う吉祥寺のハモニカ横丁や再開発の圧力が日増しに迫っているような、そんな気もする荻窪北口の商店街。
そして、何度歩いても不思議なワクワク感の途絶えない大井町の東小路など、あちこちにまだまだ残る、闇市を起源とした昭和の味わい濃いぃ駅前の横丁が大好きだ。

そんな闇市の残滓漂う横丁が交叉する町のひとつが、
ご存知武蔵山駅前東南側に広がる一帯。
武蔵小山飲食店街「りゅえる」という看板も頭上に浮かぶ。
「鳥勇」の焼き鳥を立ち喰いするひと達を横目に路地に闖入すると、
その先にこれまた人気の立ち呑み処「晩杯屋」があった。quatreavril07quatreavril08あった、と過去形で表現せざるを得ないのは、
地域の再開発の本格的な施行を前にして、
その賑わいを一旦畳み、
都道420号線沿いの店舗に移ってしまったから。
ひと気のない店舗跡が妙に寂しく映ります。

交叉する路地に沿って味のある表情の店々が並び、
独特の風情と文化を内包する闇市跡の飲食店街。
こんなに魅力的な、謂わば歴史の遺産でもある場所を、
防災なぞの旗頭の下に一掃するしかないなんて、
なんて切ないことでしょう。

周囲がどんどん店を閉め始めてしまった界隈にあって、
流されぬ風情で営業を続けてくれている店のひとつが、
「晩杯屋」の路地の奥にありました。quatreavril角地の二辺を覆うテントには、
bistrot saisonnier「Quatre Avril」。
その下に透けている文字が以前ここに、
チュニジア料理の「イリッサILLISSA」があったことを示しています。

「イリッサ」の女性店主は今どうしているかなぁと、
そんなことも思いつつ入り込んだ店内は勿論、
小さな小さな店なので変更しようもなく、
レイアウトそのものは「イリッサ」当時のまま。quatreavril01狭いキッチンにカウンターが張り付いていて、
そこに幾つかの丸椅子が並ぶ。
特等席のテーブル席を予約して臨みました。

白のワインをいいただいて、
お食事はおまかせでお願いします。quatreavril02シェフがまずテーブルに届けてくれたのは、
「サーモンのハーブの香りのマリネ」。
マリネによってよりトローンとしたサーモンが、
ハーブの風味によって鮮やかな印象でいただけます。

そして、キッシュロレーヌを含めた前菜の盛り合わせ。quatreavril03quatreavril04定番のピスタチオ入りの鴨のパテや、
ジェノベーゼソースを載せたロティなぞなぞを、
中心のサラダに寄り添うように盛り込んでくれています。

頃合いよろしく次に届いたのが、
「ブルゴーニュ風 牛肉の赤ワイン煮」。quatreavril05ゴロゴロっとフルフルっと角切りの牛肉が踊るのは、
畏まったフレンチには望めない気どりなさ。
ワイングラスではなくて、
タンブラーでワインを呑みたい気分になってきます。


牛肉に続いて「鴨胸肉のロースト オレンジソース」。quatreavril06当然のように狭いキッチンから、
出来るものは出来るヨとばかりに繰り出してくるお皿たち。
ほとんど歩かずに360度回転しながら調理するのは、
最高に作業効率がいいのかもなって思ったりもいたします。

裏を返すように今度はランチタイムに訪ねると、
界隈の不穏な空気を察したひと達が、
あちこちから集まってきている様子が窺える。quatreavril09あっと云う間に埋まったカウンターの一席で、
フランスの有名ビール「1664セーズ・ソワソン・キャトル」。
1664年に設立された醸造所Kronenbourgクローネンブルグは、
ドイツとの国境近くのアルザス地方にあるらしい。

この日のキッシュは好物の鯖のヤツ。quatreavril10サバスキーの同志でも、
これに出会う機会が多くはないかもとほくそ笑む(笑)。
青魚の風味が期待通りに威力を発揮してくれています。

本日のお魚料理は、
イトヨリの、つまりはブイヤベース。quatreavril11quatreavril12アスパラガスの下に何気なく、
蟹が隠れていたりなんかして、
ひる間っからなんて贅沢なのでしょう。
お皿の底のスープが美味しいのは云うまでもありません。

何かを惜しむようにして、ふたたび訪ねたおひる時。quatreavril13ひよこ豆なぞなぞを炊いたスープで、
バゲットを齧りつつメイン料理の仕上がりを待つ。

選んだのは「鶏肉のラグー」。quatreavril14ぶつ切りにした鶏なのかとなんとなく考えていたら、
シェフから渡されたお皿には、
骨付きの腿肉がデデンと載っている。
大口開けて齧り付けば、閉じ込めた鶏の身と脂の旨みが、
ここぞとばかりに炸裂。
骨の際も美味しいのだよね(笑)。

武蔵小山飲食店街「りゅえる」の横丁の角に、
bistrot saisonnier「Quatre Avrilキャトルアブリール」があった。quatreavril15Quatre Avrilの意味は、4月4日。
何故に4月4日を店名に据えたのかと訊ねたら、
シェフの答えは、ウチの娘の誕生日だから!
そんな「Quatre Avril」は再開発を画策したヤツラの圧政に抗えず、
今は、不動前・かむろ坂に移転して営業中。
またそのうちにお邪魔しなくっちゃ。

「Quatre Avril」
移転前:品川区小山3-19-5 [Map] 03-6676-1802
移転後:品川区西五反田4-9-16 [Map] 03-6431-9363

column/03648

飯田橋ワインバル「八十郎」で南豪州産ヤルンバの夜料理により個性的な表情を変える

hachijyuro飯田橋というとどちらかと云えば外堀通り側に出ることが多くって、そのまま神楽坂上に向かっててろてろと上がっていくシチュエーションが多かったりする。
早稲田通りを千代田富士見の丘に進めば、そうそう「青葉」の並びの餃子「おけ似」は健在だろうかと急に気になったりする。
九段下へと至る目白通り側にもお店が続いているものの如何にも幹線通り沿いの雰囲気の光景が思い浮かびます。

東西線で向かったこの夜は、
当てずっぽうに飯田橋駅のA2出口から地上へ出る。
と、目の前に早速目的地のサインを見つけてしまう。
今夜は、飯田橋ワインバル「八十郎」にお邪魔です。

促されるまま階段を辿った二階の天井は、
旧き木造建屋を利用した風情。hachijyuro02hachijyuro01誂えてくれたテーブルを囲むよう腰掛けて振り返れば、
網入り硝子越しにさっき出て来たメトロの出口が見下ろせます。

今夜のお題は、
まだ耳慣れない「ヤルンバ」というワイン。hachijyuro03コーナーのテーブルに何気なく飾られています(笑)。

「Carlsberg」で乾杯の後、
早速グラスに注いでいただいた「ヤルンバ」の白。hachijyuro04“割とクセがある感じ”という、
「ヤルンバ」経験のある女史の寸評に頷きつつ、
グラスを傾けます。

確かに独特の味わいではある。hachijyuro06ただ、いただいたのは「ヤルンバ」の中では比較的、
クセのないタイプのボトルらしく、
ドライで軽快な呑み口が第一印象だ。

どうぞどうぞと届くお皿には、
イベリコにハモンセラーノ。
どっちゃり載せた前菜の盛り合わせには、
田舎風パテや鰯の酢漬け、穴子のフリットなぞ。hachijyuro05hachijyuro07hachijyuro08青々をこんもりと盛られてきたのは、
最近よく目に付くようになってきたご存知、パクチーのサラダだ。

どこか素っ気ないのかもとも思っていた「ヤルンバ」が、
用意いただいたタパス的お惣菜たちと逢わせる度に、
ふっと表情を魅せては退いていく。hachijyuro09hachijyuro10hachijyuro11薫香を纏わせたカルパッチョに追い駆ければ、
実は得意分野なの!とばかりにふふっと笑顔を魅せたかと思うと、
次の瞬間にはすっと仄かな気配になる。

なんだかツレナイようでいて、
折に触れて眸を輝かせて応えてくれる感じのする「ヤルンバ」。hachijyuro14hachijyuro13ふたたびパクチーをいただいたトムヤム的アヒージョには、
ぴり辛系でオイリーな挑みにも柳腰で受け止めて、
妖しい流し目を送って消えていく。
白桃のニュアンスだったり、白い花のイメージだったり。
ただただドライなだけの白なのではなくて、
幾重にも個性的な味わいや香りの層を潜ませているような、
そんな吞み口が「ヤルンバ」の「ヴィオニエviognier」なんだ。

そんな「ヤルンバ」は、オーストラリアからやってきたワイン。
ワイナリー「ヤルンバYALUMBA」は、
オーストラリア最古の家族経営によるワイナリーだという。
その所在は、南オーストラリア洲のバロッサ。
それは地図を眺めると、南極に面した地域とも云えそうだけれど、
州都アデレード郊外のバロッサ・ヴァレー周辺には、
沢山のワイナリーがあり、
欧州からの移民によって開拓された、
優良なワイン産地として知られているらしい。
南極海をその先に控える地域の谷合がそんなことになっていたとは、
恥ずかしながらまったく知りませんでした(汗)。

“ヤルンバ”は、先住民の言葉で”すべての土地”の意。
自らをそう名付けたワイナリー「ヤルンバ」では、
バロッサ隣接の、やや標高の高いエデン・ヴァレーで、
栽培が難しいといわれる「ヴィオニエviognier」の栽培に、
力を注いでいるのだそうだ。

テーブルには脂のコクとスパイシーさで迫るお皿や、
蝦夷鹿の身肉がやってきた。hachijyuro15hachijyuro17hachijyuro19そこへ空かさず顔を出したのが「ヤルンバ」の赤。
シラーズにヴィオニエを数%程度含んだ2013年のボトルだ。

それは、ドン!と直球の赤ではなく、
オーストラリアを思わせるシラーズゆえの華やかな果実味。
それが、大胆な妖艶さの中に繊細さが顔を覗かせるのは、
少し含んだヴィオニエの悪戯なのでありましょか。hachijyuro18hachijyuro20hachijyuro21肉料理ばかりでなく、
胡椒たっぷり、カルダモンたっぷりのスパイシーなパスタにも、
ふたたびパクチーをいただいたアラビアータにもそつなく似合うんだ。

デザートに栗のカタナーラをいただいて大団円。hachijyuro22今までオーストラリアのワインの印象は、
シーラズの?ぐらいしかイメージを持てていなかった。
けれどこれからは、南オーストラリアにバロッサという産地があるんだ、
といった目線が活かせそう。
その代表格が、オーストラリア最古の家族経営ワイナリー、
「ヤルンバ」だって知ってしまったもんね(笑)。

メトロの飯田橋、
A2出口のその前にワインバル「八十郎」の古家がある。hachijyuro23心地よいざわめきの中で、
ワインに合う料理と料理に合うワインとを、
朗らかに繰り出してくれそうな雰囲気を持っている。

そう云えば、中央区役所裏の図書館へ向かう途中のあの店も、
新富町の「BROZERS」に向かう道すがらで目にしたあの店も、
どちらも確か「八十郎」。

そんな「八十郎」へは、
エスニック料理に「ヤルンバ ヴィオニエ」をぜひにとグイと推す、
サントリーの企画でお邪魔しました。
「ヤルンバ ヴィオニエ」ブランドサイトは、こちら から。
Amazonで速攻お試しも可能のようですよ。

「八十郎」
千代田区飯田橋3-7-8 1F-3F [Map] 03-6256-8063

column/03637

薪窯ピザ「enboca軽井沢」で大葉ちりめん山椒無花果に桃のピザ再会の初夏のテラス

enbocakaru上信越道の碓氷軽井沢I.C.を出て愛宕山近くの峠を越え、軽井沢72の間を抜けていくと軽井沢プリンスの手前でバイパスと交叉する。
その軽井沢バイパスを皆の御用達スーパー、ツルヤの方向へと西進すると塩沢という交叉点を通る。
そこをしなの鉄道に沿って走る中山道の方向へと北進すると、軽井沢らしい別荘地の広がる森閑としたエリアに突入します。

その道沿いにあるのが、
名の知られたフレンチレストラン「エルミタージュ ドゥ タムラ」。
大雨の日の午後に一度訪ねたことがあるだけですが、
それ以来この道は”タムラのある道”、と刷り込まれています。

そして、”タムラのある道”と刷り込まれる以前は、
この道は、”enbocaのある道”でありました。

「エルミタージュ ドゥ タムラ」の奥にある「enboca」に、
初めて寄り道したのはもう、10年も前のこと。
ピザを薪窯で焼き上げる様子を眺め、
その瞬間を逃さないように窯から引き出して、
そのまま供されたピザの美味しさに瞠目したのをよく憶えています。

その後、東京に出張った代々木上原の店にも何度かお邪魔して、
また軽井沢のお店にも寄り道したいなぁと思っていた、
そんな11年の暮れのこと。
その「enboca」が火事に罹り、なくなってしまったと聞きました。

確かに木造の家屋でしたし、
周りも落ち葉に埋もれるような環境なので、
一旦火が熾きたら対処もできぬまま、
あっという間に焼け落ちてしまったのだろうなと、
そんな想像をしつつ、残念に思っていました。
どうやら落ち葉処理の焚き火から引火して、
全焼に至ってしまったということのようです。

そんな軽井沢の「enboca」が復活したと知ったのが、
その翌年の春先のことであったでありましょか。
以来、再会する機会があればいいなと、
小さく考えていたのでありました。

それは、この夏の文月のこと。
お久し振りに軽井沢・嬬恋方面へとお出掛けする機会に恵まれて。

再会した「enboca」は、元あった中軽のあの道ではなく、
なんと軽井沢の目抜き通りとも呼ぶべき、
軽井沢本通り沿いにありました。enbocakaru01以前は鮮やかな群青色であったサインは、
爽やかなパロットグリーンになっていました。

外観と同じく店内も、
白一色に植栽の緑が映える設えになっている。enbocakaru02ロフトのような二階席もある。
予約の時間までちょっと早かったこともあり、
風の抜ける入口の脇にあるテラス席の、
白いパラソルの下に腰を据えることにしました。

飲み物のグラスに並んでまずは「サラダ エンボカ風」。enbocakaru03アボカドにアンチョビのソース、
そしてパルミジャーノをたっぷりと削りかけたサラダは、
ボリュームたっぷりだ。

薪窯焼き料理から選んだのは「玉ねぎ」。enbocakaru04厚手の表皮からその一枚内側の鱗葉に至ろうとするまで、
真黒にじっくりと焼いた玉葱から仄かに湯気があがってる。
十分に蒸し焼きされた玉葱の白が、
期待通りに甘くて嬉しいのであります。

ハーフ&ハーフの半分は、大葉のピザ。enbocakaru05フレッシュな大葉のペーストに煮切り醤油の隠し味。
これは青っぽさが苦手なひとでもイケる気がする。
いつぞやのピザ「野沢菜」の面白美味しさが印象深いけれど、
他にも愉し美味しいピザがありそうです。

そして、もう一方の半分はなんと「ちりめん山椒」。enbocakaru06九条葱の下から、
祇園下河原にある京佃煮「やよい」の「おじゃこ」が顔を出す。
噛めば葱の風味と山椒の風味におじゃこの歯触り。
シラスのピザは湘南辺りでポピュラーだけど、
おじゃこのピザは新食感ではないでしょか。

もうひとつのwholeは、
スタンダードに「アスパラガス」と「マルゲリータ」。enbocakaru07アスパラガスに載せたチーズは、モッツァレラ系。
たっぷりしたチーズのボリューム感とアスパラとのバランスやよろし。
季節のピザに目が向きがちな「enboca」で、
敢えて「マルゲリータ」を註文するひとは少ないかもしれないけれど、
地力を窺わせる標準のピザであるのは何処も同じだね。

やっぱり追加でお願いしていたのは(笑)、デザートピザ。enbocakaru08一番旬なものをということで、選んだのはイチジクと桃。
火が入ってすっきりと爽やかな甘さの華開いた桃も美味。
そして、温められた無花果の風味もまた面白美味しいのでありますね。

火災を乗り越えて軽井沢の本通りに移り、
安定した人気の薪窯ピザ「enboca軽井沢」の旧軽井沢店。enbocakaru09enbocakaru10椎茸や松茸のピザとかフェンネルのピザ、
果ては自家製からすみのピザなんてのもある。
軽井沢へはどうしても車で出掛けることになるけれど、
偶には新幹線で出掛けていって、
パルミジャーノとオリーブオイルだけの「生地焼き」つまみに、
同じテラスで白ワイン呑んでみたいななんて思ったり(笑)。
そうそう、京都にまで出店しているなんて知らなかったなぁ。

「enboca軽井沢」旧軽井沢店
北佐久郡軽井沢町軽井沢1277-1 [Map] 0267-42-0666
http://www.enboca.jp/

column/03624

Italian Bar「guri」で温玉ローストビーフご飯パプリカ煮込みペンネ顔代わる秋

guri以前は何があったのだっけ。
一階に小諸そばの八丁堀駅前店の入った西勘ビルの横手側。
向かって左半分は、事務所のような作業所のような車庫のような、そんな雰囲気。
その横、右側半分の狭い間口に飲食店があったような気がする。
確か、石川屋とかいう焼きとり焼きとんの店であったのではなかったか。
そのお店は、一度も訪ねることがないままいつの間にかなくなって、急に小奇麗なバルにと変貌を遂げていました。
Italian Bar「guri」がオープンしたのは、14年の年初辺りのことだったようです。

硝子戸を入るとボトルの並ぶ棚があり、
その奥に向かう通路の突き当たりに厨房がある。guri01guri02主たる客フロアは二階にあって、
階段を上がっていくと意外と広い空間が待っている、
とそんな造りになっています。

壁のセラーに黒塗りの下がり壁。guri03横の壁には、牛、豚、鶏のフォルムが描かれています。

「guri」のランチは、
そのすべてに三浦野菜がつくのがスタイル。guri04シャキシャキの野菜に気の利いたドレッシングがよく似合って、
ぷち嬉しい瞬間です。

まず目に留まったのが、
15食限定としていた「たっぷりローストビーフご飯 温玉のせ」。guri05guri06しっとりとしたローストビーフの出来に遜色なし。
そこにたっぷりと載せたソースが、
ローストビーフの旨味をぐいっと引き出してくれて、いい。
温泉玉子を突き崩して纏わせれば、
期待通りのうんまいドンブリになるのです。

夏の頃には例えば、
夏季限定の「guri風真夏のマッサマンカレー」。guri07マッサマンはタイカレーを指すようだけど、
オリエンタルなテイストでなく、
洗練と本気の仕立てを思わせる。
さらっとした中に奥行きのある滋味が滲んで、
程よくスパイシー。
辛すぎないのもいい(笑)。
あれ?さつま揚げ?みたいに仕立てたトッピングが、
豚ではなくチキンであるところも、
マッサマンゆえのことなのでしょう。

同じく夏限定では、
「冷たい”ベジポタ”ソースのカッペリーニ」なんて、
そんなメニューもありました。guri08冷たく〆たカッペリーニに、
擂り流したコーン主体のソースがさらりと載る。
期間限定で人気を集めた麺や「七彩」の、
「幻のトウキビの冷やし麺」を先取りするよな、
小粋なお皿でありました。

偶には一階の小さなカウンター席でなんてこともあって、
頭上のグラスを見上げながらお皿の到着を待つことも。guri09よく、こうして頭上に提げたグラスが見事に汚れている、
なんてことも少なくないけど、
ここでは綺麗に磨かれていました。

そうこうしている裡に急激に秋も深まっちまった、
そんな或る日。
久々に「guri」しようと足を向けて、あれ?って思う。guri10何かが違うと思うも当然。
お店の間口が広がっていたのです。

「いつの間に広くなっちゃったんですか~」と訊くと、
9月頭の2週間ほどで改装したと云う。
二階の様子は確かめてないけれど、
どうやらファサード近くの部分のみ改装した模様。guri11その為、混み合う前のランチは、
二階ではなく一階のカウンターが主体となりました。

気温がやや下がってきた中でいただいたのは、
例えば「牛ほほ肉のパプリカ煮込みとペンネのグラタン」。guri12ゴロッとした牛頬肉にパプリカの風味がしっかりと沁みていて、
そのソースに浸ったペンネが旨い。
ハンガリーの皆さんは日頃から、
こんな風にパプリカ活かした料理を食べてるンかな、
なんて思ったりなんかして。
そして、グーラッシュの気配も漂います。

ペンネのグラタンは千変万化の様相で、
「牛ひき肉のペンネのグラタン ブラウンシチュー仕立て」、
なんておひる時もある。guri14guri13デミソースノリで挽肉十分のソースとペンネの取り合わせに、
和んじゃう程の安定感を思います。
最近は、サラダに代わって、
ひと口前菜とスープのお皿とのコンビとなっています。

八丁堀の雑居ビルの一辺に、
Itarian Bar「guri」の紅いテントがある。guri15店名の「guri」の意味を訊ねたなら、
ひとつに、アグリカルチャーAgricultureの”グリ”
ひとつに、ピノ・グリPinot Grisの”グリ”。
そして、おめでとうを意味するauguriの”グリ”に由来しているそう。
きっと夜の部もよりいい感じに過ごせるンじゃないかと、
自ずとそう思う次第で御座います。

「guri」
中央区八丁堀2-21-5 西勘ビル1F・2F [Map] 03-6228-3066

column/03615