「ふれんち独逸オーストリア」カテゴリーアーカイブ

Restaurant 「STRASSE WIRT」で絶品シュパーゲルスープと仔牛の膵臓への魂胆

strasserwirt何時ぞやのsepp先生ガイドによるザルツブルク徒歩ツアーは、ミラベル宮殿のある新市街からザルツァッハ川を渡り旧市街を巡る流れであったはず。
ザルツブルク一番の目抜き通り、ゲトライデガッセGetreidegasseに入り込み、通りの両脇を飾るショップのサインについての解説をしてくれた。
その昔、通り沿いの店々は大抵重い木戸で入口を閉ざすような造りで、その扉を開いて中を覗かないことにはその店が何を売っている店なのか判らない状態だったそう。
そこで店先にサインを掲げるようになったのだけれど、当時文字を読めない人が少なからずいたために、店の商売を彫金に表して示すようにしたという。
その名残りが通りを優雅に飾る金物細工のサインになったのだ。
今は、硝子越しに中を覗ける店がほとんどだけれど、そんな経緯がルール化されているのか、マクドナルドも彫金の中に小さな”M”を提げるに留めています。

で今回は「サウンド・オブ・ミュージック」のロケ地を巡る午前の部と午後の部の両方に参加することにしました。
午前9時前、ミラベル宮殿近くの「PANORAMA TOUR」に集合した参加者の皆さんと一緒にワンボックスカーに乗り込みます。strasserwirt01seppガイドが駆るクルマは、新市街を離れてホーエンザルツブルク城の裏手方面に回り込む。
ノンタルNonntal方面から見上げるお城は、旧市街から眺めるものとは表情が違って裏側という印象も抱かせます。
岩山の天辺に構えた城が立派な要塞過ぎたのか、はたたまたまそんな時流でなかったのか、一度も攻め込まれたことはないそうです。

そのまま辿り着いたのは、大振りな池の畔。strasserwirt02対岸に見えるのが、トラップ家屋敷のロケ現場として使われたレオポルツクロン宮殿Schloss Leopoldskron。
どうやら部屋内や外観がバッチリ映る撮影ではなかったようで、池畔からはこんもりとした木々に隠れている別館の庭先から池に向かってカメラを向けていた模様。 セミナーハウスとして使用されている宮殿は最近、一部をホテル客室として、宿泊することも可能となっているようです。

ふたたび乗り込んだクルマの車窓からは、草原の向こうにフローンブルク宮殿の建物を望む。strasserwirt03

そして、ヘルブルン宮殿へと至るヘルブルン・アレーは、ずっとずっと真っ直ぐに伸びる、両側を木立に囲まれた素敵な一本道。strasserwirt04strasserwirt05山吹色の壁に沿って進む先にあるのがヘルブルン宮殿。
でもseppガイドはそちらには向かわずに、石の彫刻のエンブレムが飾られた門の中へ。

そこには「サウンド・オブ・ミュージック」を観たことがある人は誰もがこう唄う光景が待っていました。strasserwirt06♫ I am sixteen, going on seventeen Innocent as a rose…
元来、レオポルツクロン宮殿の庭園にあったものが、こちらに移築されたものだそうだ。
さあ、記念写真を撮りましょう(笑)。

午後からはザルツカンマーグート方面への「サウンド・オブ・ミュージック」所縁の地ツアーに参加。
ツアーから帰還後、今度はそのままタクシーに乗り込んで、住宅地のレストランへ。strasserwirt09レストランの前の通りは、Leopoldskronstraße。
そう、レオポルツクロン宮殿も間近なエリアにまた戻ってきたのです。

常連のsepp先生にセッティングをお願いした「STRASSEWIRT」。strasserwirt10奥のテーブルに陣取って、メニューを開きましょう。

まずは食前酒にいかがでしょうとご提案をいただいたのは、自家製というリンドウのシロップを入れた発泡ワイン。strasserwirt11ほんのりと青っぽい香りが漂う感じは悪くないものの、うん、甘い(笑)。 シロップを半分くらいにしてくれたらより素敵なアペリティフになったかもしれません。

バスケットのパンと一緒にバターやリエットなど。strasserwirt12フレッシュな印象のリエットが美味しくて、これだけで何枚もパンが食べれてしまいそうだと自重します(笑)。

laraさんがコッチと選んだくれたのは、ERICH & WALTER POLZの「Weissburgunder 2014」。strasserwirt13その名の通りピノ・ブランを醸したワインは、すっきりとして柑橘系の香る美味しいワイン。
グラーツGrazの南方、スロベニアとの国境沿いのワイナリーからやってきらものらしい。

ひとつ憶えに(笑)、オランデーズソースでいただくシュパーゲルをと思うも、あ、スープもあるねと「spargelschaumsuppe」。strasserwirt14泡立てて空気を含んで軽やかなスープに白アスパラガスの豊かな香りと鮮烈な旨味が籠もっていて、いやはや旨い。
記憶に残るひと皿であります。

laraさんや同席してくれた在ドイツのヴァイオリン奏者エリカさんのチョイスは「Gebackenes Ei」。strasserwirt15つまりは揚げ焼いた玉子。
半熟玉子フェチの日本人としては(笑)、ほんのもう少し微妙に火の入りが少ない状態が望ましいような気もするものの、なんだか旨そう。
laraさんもエリカさんも、うんうん頷いておりました。

散々悩んだ挙句メインに選んだのは「Gebratene Kalbsnierndl」。strasserwirt16つまりは、仔牛の膵臓。
仔牛の膵臓ってばなかなかいただける機会もないもなぁ、とそんな魂胆から選んだお皿なのだけど、残念ながらこれがなかなかにクサい。
濃い目のバルサミコソースもなんのその(笑)。
モツ煮込みモツ焼き大好き、豚骨ラーメン大好き、発酵系も大好きで、広い意味で”くさいはうまい”と思っているのですけれど…。
常連seppさんが別の日に召し上がった時にはくさみなんてほとんど感じられなかったようなので、タイミングが悪かったと思わざるを得ません。
どろんとした赤ワインを合わせたりしたら違ったかな。
素直にシュパーゲルにしておくべきだったかもしれません(笑)。

途中から、めちゃくちゃ日本語が堪能でびっくりのシャンタールさんや後日日本でもお会いすることになるモーツァルテウム管弦楽団ヴァイオリン奏者マルティンさんやその奥様の同首席ハープ奏者ドリスさんも合流して賑やかなテーブルに。strasserwirt17ただ、時差ボケ絶好調に至り、いただいたスフレの味をよく憶えていないのです、ゴメンナサイ。

レオポルツクロン宮殿も間近なエリアの住宅地にあるレストラン「Strasserwirt シュトラッサーヴィルト」。strasserwirt18知るに連れ居心地のよさが倍化しそうな、そんなところがseppさんを常連にしているのでしょう。
常連といえば、お気に入りかつシャンピニオンフライが絶品だった、サンクト=ユリエン通りの角の店「STEIRISCHE WEINSTUBEN」が閉めてしまったという悲報をここでまた思い出しました。

「Strasserwirt」
Leopoldskronstraße 39, 5020 Salzburg [Map] +43 662 826391
http://www.zumstrasserwirt.at/

column/03569

Restaurant「BÄREN WIRT」でAugustinerのジョッキSpargel揚焼きBÄRENは熊印

barenwirt増えた発着枠によるものなのか、羽田発欧州方面行きのフライトは、午前零時近くのボーディングタイムが随分と多いような気がする。
今回の羽田もそんな時間帯のフライト。
蒲田駅の東口ロータリー、まだ灯りを点して鋭意営業中の「三州屋本店」の暖簾を眺めながら、羽田空港へのシャトルバスの到着を待ちます。
以前羽田に向かう時は、ゴロゴロといそいそとコッファーを引きながら京急蒲田まで歩いたりタクシーを利用したりしていたのは、今思えば失敗でありました(笑)。

経由地として着いたのは、まだ暗い早朝のシャルル・ド・ゴール。
ロケに向かうというロッチの中岡くんと同じ便で辿り着いたのは、ウィーン空港でありました。

オーストリア国家資格ガイドのSepp先生のアドバイスに従って、そのままリムジンバスに乗りウィーン西駅へ。
西駅からはウェストバーンで一路、ザルツブルクへと到着しました。
ウェストバーンは、車内でパーサーがチケットを売ってくれるので大助かりです(笑)。

やっぱり機内では思うように眠れなくて、案の定映画を4本も見てしまったりして、落ち着くと途端に眠くなる。
すっかり寝こけてしまい、出掛けたのは日本だったら疾うに日の落ちた時間になっていました。

ザルツァハ川を渡る、小さな駅への橋の上からホーエンザルツブルク城をやや遠く臨む。barenwirt01近くから見上げても遠くから眺めてもやっぱり絵になるお城であります。

そこから川沿いの道を往き、数段の階段を昇って、ミュルナー・ハウプト通りへ。
そのまま辿れば、レバー団子スープが美味だった伝統料理酒場「KRIMPELSTÄTTER」や素敵なレストラン「ESSZIMMER.」。
その手前のY字路に建つ建物がRestaurant「BÄREN WIRT」です。

既に大賑わいの店内の二階の一角にテーブル席を得る。
開いた窓からは夕暮れのザルツァッハの川岸が見下ろせる。barenwirt02対岸遠くには、猫の横顔を象ったように見えるカプツィナーベルクkapuzinerbergの稜線を望みます。

卓上に置かれたコースターは、いつぞやのAugustiner Bräu の文字。barenwirt03「KRIMPELSTÄTTER」でいただいた美味しいビールがまたいだたけそうです。

手にしたジョッキにもAugustinerの文字。barenwirt04うんうん、ちょっと乾いた喉を滑る柔らかなコク味が、旨い。
もちょっと呑みたい場合には、ひと廻り小さめのジョッキもあるのだね。

ザルツブルクに来たら一度はいただきたいもののひとつが、パンケーキスープ「Frittatensuppe」。barenwirt05クルトンの代わりというよりは、メインアイテムだとばかりにスライスしたパンケーキが、わさわさっと浮かんでいて嬉しくなる。
スープに浸って穏やかなパンケーキの歯触りとクリアなスープそのものの滋味に旅の疲れも癒されようというものです。

そして、定番メインのお皿は置いておいて、季節のメニューと睨めっこ。
オランデーズソースのシュパーゲルも勿論魅力的ですが、今夜選んだのは「Gebraten Spargel」。barenwirt06生ハムとリーフのサラダたっぷりの大皿に、揚げ焼きした白アスパラと緑アスパラのコンビがコンバンハ。

うんうん、焼き目のついたシュパーゲルも香り高くて喜ばしい。barenwirt07どっちがと問われれば、瑞々しさを堪能できるボイルしたシュパーゲルに軍配ではあるものの、こふいふ選択肢もありだと心得ました。

ふた品だけど十分お腹も膨らんだので、デザートの代わりにどぅお?とナイスな提案乗ってお願いしたのがまったりと深い赤銅色のシュナップス。barenwirt08富士屋ホテルの地階のバー「VICTORIA」でいただいた、松の葉を漬け込んだバーボンをも髣髴とさせる香りがいい。

ミュルナー・ハウプト通りの掲げた熊のサインが、
レストラン「BÄREN WIRT」の在り処。barenwirt09BÄRENは、つまりはBEARS。
Y字の道路に面した隅切り部にもクマのフォルムが窺える。
ザルツァハ川側にはテラスがあって、気温が上がってくるこれからの時季にはより居心地のいい場所になってくれそうです。

「BÄREN WIRT」
Müllner Hauptstraße 8, 5020 Salzburg [Map] +43(0)662 422 404
http://www.baerenwirt-salzburg.at/

column/03563

BISTRO「サンシビリテ」で仔羊の背肉香草風味と青森産バルバリー鴨ローストの夜

sensibiliteそう云えばこのところ、いつも混雑の「Coulis」にご無沙汰しちゃってる。
ご無沙汰と云えば、裏道のフレンチ「CHIC peut-être」はいつの間にか何気に大人気の店になってしまったらしい。
いつの間にかと云えば、ちょいとお洒落に作り込んだお皿が好物だったビストロ「サンシビリテ」は、いつの間にかランチ営業を止めてしまってた。
気軽なフレンチ「BISTRO BOIS DE PIN」や「Coulis」のある裏通りを歩くとき、灯りの消えた「サンシビリテ」の店先をちょっと寂しく眺めていました。

それ故、八丁堀界隈でご一献となった時、思い浮かべたお店のひとつに「サンシビリテ」のファサードが浮かんだのでした。
宵の口を過ぎた頃、約束の時間にはちょっと早いと辺りを散策する。
洋食「三好弥」の並びには「ドゥ タスク」なるトラットリアが出来ているし、以前「まめや」があった裏通りには「ノードロッソ」なるワインバーや「ロシナンテ」なる小さなビストロを新発見。
徘徊するのが愉しい街って、いいよね(笑)。

界隈をぐるっと巡ってから件の裏通り。
硝子越しに覗く夜の「サンシビリテ」の店内が、抑え目の照明でぼんやり浮かぶ。
左肩に置いたキュービックサインのオレンジだけが店の所在を知らせていました。

予約の名を告げて、所定のテーブル席へ。sensibilite01硝子越しの厨房では、シェフとサービスの奥さんとが右へ奥へと立ち動いています。

全員が揃って、こんばんは。
今は三田界隈に多く出没しているらしいPUZZさんに、初めましてのじゅんちくわさん四葉さんがご一緒です。

まずはグラスの泡をいただいて、この夜のメニューを眺めます。
4人様ですと6品ぐらいを選んでいただくとよいかと思いますとのアドバイスをいただいて、相談タイム。

まずは、メニュー外ですけど出来ますよと聞いて注文んだ「パテ・ド・カンパーニュ」。sensibilite02それは想定以上のドドンとサイズのキューブ状。
4人で取り分けるにもたっぷり。
粘度の高すぎない、ホロホロっとした食べ口がいい感じです。
もしかして店先のサインを意識したものだったりなんかして(笑)。

ドメーヌ「ムーラン」のソーヴィニヨン・ブランのボトルをいただいて、「北海道産ムール貝のエスカルゴバター焼き」。sensibilite03ひとつひとつを殻に載せ直して、ソースで覆い、パン粉を振る。
ソースを彩るパセリの緑が、例えば菠薐草のそれであるかのような、程よいまったりでムール貝を包んでいます。

そろそろそんな季節がやってくるなぁと想像しながら、「佐賀県産ホワイトアスパラとオマール海老のグリエ グリヴィッシュソース」。sensibilite04縦に半裁したアスパラには、残念ながら彼の地のような魅力はないけれど、口に出来ただけでもちょと嬉しい。

勝手に選んで御免なさいのひとつが「仔羊の背肉のロースト 香草風味」。sensibilite06それは、艶やかな断面のヴァーミリオン色。
スッとナイフの刃を受け止めてサクっと切れる。
弾力を噛むと綺麗な仔羊の香りと滋味が口腔にそっと広がって、美味い。
そんな仔羊の邪魔にならないように仕立てたソースもニクい。

同じローストでもこちらは「青森県産バルバリー鴨のロースト」。sensibilite05小舟町の「La Fenice」で初めていただいた「銀の鴨」を思い出しつつ、火入れの妙が齎した妖艶な弾力の身肉を切り分ける。
皮目の香りと真ん中辺りのじわっとくる旨味をゆっくりと咀嚼する。
そこへ「OPEN NOW」というシラーとムールヴェードルとのグラスを追い掛けます。

新富町の裏通りにひっそりと営むビストロ「サンシビリテ」。sensibilite07厨房前のカウンターを荷物置きにしておくのは勿体ない。
グラスで数杯のワインとオードブルとパスタで食事が出来るといいのだけれどなぁ。
あ、でも、パスタを含めないメニュー構成も意図してのことなのかもしれないね。

「サンシビリテ」
中央区新富1-8-7 新和ビル1F [Map] 03-6280-3481
http://ameblo.jp/sensibilite/

column/03529

メインダイニング「THE FUJIYA」で継承してきたことを丁寧に供する感じがいい

thefujiya2_00東名まで繋がったことで、縦方向のアクセスに絶大な威力を発揮してくれてびっくりの圏央道。
海老名からそのまま冬晴れの小田原厚木道路を辿って、雪化粧の霊峰を眺めつつやってきたのは、箱根・宮ノ下。
昭和5年(1930年)に建造の主食堂で素敵なコンソメと優しいビーフカレーをいただいた後、花御殿の地階に潜り込む。
ホテルの室内プールとしては日本で一番に誕生したものと云われているプールを覗いてから、その脇にある太閤湯へ。
その浴場の意外な狭さにもちょと吃驚いたものの、それも往時からのものと思えば居心地も変わってきます。

部屋でちょっくら寛いでから、ホテルの敷地内を散策してみる。
西洋館は、明治39年(1906年)建造の登録有形文化財。thefujiya2_01その並びには、同じく登録有形文化財の本館の屋根やサンルームが見えてきます。

そして本館の右隣には、今しがたおひるをいただいたメインダイニング「THE FUJIYA」の入る食堂棟。thefujiya2_02一見こじんまりに見えて、裏手にあるグルリ「ウイステリア」の入口に廻り込んでみると奥行きのある建物であることが分かる。
食堂棟も勿論、登録有形文化財に指定されています。

そんな敷地内の主だった建物が登録有形文化財という富士屋ホテルには、「館内ご案内ツアー」なる催し物がある。
日によって巡る場所は違うようだけれど、歴史由緒があれこれありそうな館内を案内してくれるなんていいね、ということで集合場所の花御殿地階のクラシックチャペルへ向かいました。

祭壇の手前では如何にも柔和なホテルマンらしいコンシェルジュが、創業者山口仙之助や3代目山口正造の写真を手に、手慣れたハキハキした口調で創業往時からのホテルのあらましを説明してくれる。thefujiya2_03thefujiya2_04花御殿を描いたチャペル入口のステンドグラスには、一羽の鳩がとまっています。

ぞろぞろと移動したのは、さっきおひるしたばかりの富士屋ホテルのメインダイニングルーム「THE FUJIYA」。thefujiya2_05意外と多くのひとがツアーに参加していることが分かります。

例えば、天井に描かれた花々、鳥や蝶について。
例えば、中央付近の頭上に設けられた舞台の欄干と大引きの木口に彫られた色々な絵柄について。thefujiya2_06当時からゴルファーの絵が彫られたのは、大正6年(1917年)開場のパブリックコースを持つ、富士屋ホテルならではだね。

そして、云われるまでまったく気がつかなかったのが、各所の柱の足元にある顔の彫刻。thefujiya2_07トーテンポールを思わせるその彫刻は、三代目山口正造が、ホテルのスタッフの仕事ぶりに対して睨みを利かせる意味が籠もっているのだそう。
テーブルに腰掛けて目に留まる位置・高さにあると正造氏の分身に睨まれているようで少々食事し難いかもだけど、こうして足元に置いたところがミソだね。
まぁ、そんなにホテルのスタッフが信用ならんのかとも思うけど(笑)。

夕食にと、ふたたび、いや本日三度めの「THE FUJIYA」に足を運ぶ。
今度は、三方に凸部のある正面側のテーブルへご案内。thefujiya2_08選んだワインは、ロワールの白「CHINO les chanteaux」です。

前菜は、「海の幸のマリネ 柚子風味のヴィネグレット」。thefujiya2_10ねっとり旨いサーモンや帆立などにほんのりと柚子の香りを利かせて酸味柔らかなドレッシング。
お皿には、食堂棟と花御殿の外観を描いたと思しき図柄があしらわれています。

スープは、ひるどきにコンソメだったがゆえ、ポタージュで。thefujiya2_11コンソメの感心ほどではありませんが(笑)、丁寧に拵えたことを思わすコーンポタージュでありました。

お魚料理はと、「ほうぼうのフリット 菜の花のピュレにタプナードソース」のお皿がすっとくる。thefujiya2_12ほっこり甘い魴鮄の身に緑のタプナードが、いい。
菜の花の翠色ソースが鮮やかです。

お肉料理は、「ローストビーフにヨークシャープディング添え」。thefujiya2_13大きな肉塊から切り出した様子がよく判る大判のローストビーフ。
あくまでもしっとり柔らかなローストビーフにまろやかなグレービーソースがよく似合います。

デザートは、「苺のブランマンジェにシャーベット」。thefujiya2_14ブラン・マンジェが美味しい、真っ白ではないけれど(笑)。
ご馳走さまでした。

フロント前のロビーからメインダイニングに至る通路の途中に数段の階段がある。thefujiya2_15すっかりお正月飾りがされて、通路の役割は果たしてないようだけど、どこへ行ける階段なのか気になってなりません(笑)。

富士屋ホテルのメインダイニング「THE FUJIYA」でディナータイム。thefujiya2_16給仕してくれたおねえさんたちは、とても真っ直ぐに修練をし務めてくれているように思う。
処変わればちょっと古臭いと云われるやもしれないお皿たちがなんの違和感もなく美味しく楽しめた。
華美でも過多でもなく、承継し培ってきたことを信じて丁寧に供する感じがいいのですね。
花御殿地階の史料展示室でみた手書きのレシピを思い浮かべながら、そう想うのでありました。

口関連記事:
メインダイニング「THE FUJIYA」で花御殿の佇まい素敵なコンソメ優しきカレー(15年02月)

「THE FUJIYA」
神奈川県足柄下郡箱根町宮ノ下359富士屋ホテル [Map]
0460-82-2211
http://www.fujiyahotel.jp/restaurant/thefujiya/index.html

column/03513

回転レストラン「GINZA SKY LOUNGE」で 鉄道ジオラマとオムライス

ginzaskylounge生まれて初めてパスポート申請をしたのが、
ココの二階にあるパスポートセンターで、
お食事処に困った時に潜り込むのが、
「大正軒」や「ひょっとこ」のあるココの地下街で、
一階にある三省堂では、おざわゆきさんのコピー本、
「東京ヘタレめし 有楽町ガード下」を買い求め、
北海道どさんこプラザを覗くこともある。

そんな有楽町の東京交通会館ビルは、1965年の開業であるらしい。
都の交通局の庁舎跡地と「すしや横丁」一帯との再開発によって建設されたもので、
特に開業当時の人気と話題の中心であったであろう施設が、
最上階に載せたUFO形状の構築物。ginzaskylounge01有楽町ビルヂングの前からもその特異なフォルムが望めます。
往時は、まさに大注目の的だったのでしょうね。

UFOが待つ最上階へは、限られたエレベーターに乗り込んで向かいます。
エントランスとなっている14階からさらに階段を上がって振り向けば、
その先に明るく広がる視界の気配がしてきます。

案内いただいたテーブルに腰掛けて見遣るその先は、
床がドーナツ状に円を描くと同時に、
下界を見下ろすように斜めに収めた硝子がラウンドしています。ginzaskylounge02

そして、窓の外を眺めれば、
幾筋ものレールが走り、その上をミニチュアの列車が滑りゆく。ginzaskylounge03なんだか鉄道ジオラマを眺めている気分。
Nゲージなどについては、こちら「イヌゲージ鉄犬」へ是非どうぞ(笑)。
東京駅の駅舎やホームが間近に思えます。

東京會舘が営むレストランのランチには、
コースメニューあれこれに並んで洋食メニューが用意されている。
ビーフやシーフードのカレーもよいけれど、やっぱりオムライスも気になるところ。
「ふわとろ チキンオムライス ドゥミグラスソース」をお願いしましょう。

南瓜のポタージュスープがまず美味しい。ginzaskylounge04流石、東京會舘は伊達じゃないと思ったりなんかして(笑)。

じわじわ動く窓越しの景色をちらちら眺めつつスープをいただいて、
替わりに届いたお皿にオムライス。ginzaskylounge05「たんぽぽオムライス」よろしく、ライスの上にゆったりと玉子を横たえてある。
ご飯が既に褐色を帯びているのは、
たっぷりのドミグラソースでチキンと一緒に炒めているからと思われます。

お約束通り、真ん中から真横一文字にナイフを入れて、
玉子が内包していたところをひけらかす。
そこへポットに添えてくれていたドミグラソースをたっぷりと回しかける。ginzaskylounge06うーん、やっぱりズルい景色になるですね。
ふわとろの玉子の甘さとドミグラのすっきりした旨味とが重なり合って、
負けじとチキンライスが顔を出してはするっと渾然となる。
ああ、いいね、美味しいね。

帰りがけに14階のホールに置かれた料理サンプルを見てちょっと驚いた。ginzaskylounge07だって、今食べたオムライスの本物に見紛うほどの出来映えなんだもの(笑)。

東京交通会館の頂上で廻り続けて半世紀、
回転レストラン「GINZA SKY LOUNGE」。ginzaskylounge08このドーナツ状レストランは、およそ80分で一回転するらしい。
山手線で一周するよりもゆっくり廻っているんだね。
ここから見渡した開業当時の銀座の街並みは、
きっと今より空が広かったんだろうなぁなんて思ったりもする。
そうそう、西洋料理「Chez Rossini」のある丸の内の東京會舘ビルは、
区画の再開発により、取り壊してしまうそう。
今の本館での営業は、2015年1月末日までのようです。

口 関連記事:
  西洋料理「Chez Rossini」で 12種類の薬味とずわいがにと筍のカレー(07年02月)

「GINZA SKY LOUNGE」
千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館15F [Map] 03-3212-2776
http://www.kaikan.co.jp/branch/skylounge/

column/03508