「ふれんち独逸オーストリア」カテゴリーアーカイブ

Restaurant「Domaine de Mikuni」で蝦夷鮑のヴルーテ夏鱈炙り焼き追分の別荘地にて

夏の軽井沢。
避暑が良く似合う、木々に囲まれたレストランはきっと、軽井沢に少なからずある。
長倉の別荘地の中にある「エルミタージュ・ドゥ・タムラ」へお邪魔した時は、折り悪く土砂降りの中だった。
記録的な連日の雨に見舞われた今年の東日本では、気持ちよく晴れた軽井沢はなかなかなかったのかもしれません。

ご多聞に漏れず、霧雨の舞う軽井沢のバイパスを往く。
オリジナル商品も愉しくて、
いつもお世話になっている「ツルヤ軽井沢店」を横目に通り過ぎ、
いつの間にかそう呼ばれていた日本ロマンチック街道へと合流。
追分宿の交叉点の先を斜めに逸れて、
グランドエクシブ軽井沢南側の別荘地で車を降りました。

小さな看板を頼りに覗き込むように(笑)。落ち着いた、避暑地の別邸然とした佇まいに誘われて。

何方かのお宅のようでいて、
両開きの硝子扉の中には立派なコンシェルジュの什器が据えてある。折り目正しき支配人殿が迎えてくれます。

底冷え厳しき軽井沢の邸宅には暖炉が必需品。広々とした芝生の庭に面したダイニングには、
5卓程の円や四角のテーブルが並んでいました。

口開きは「佐久鯉のジュレー仕立て、
オランデーズソース・辛子酢ミソ風味、焼尻産・天然青ノリ添え」。泥臭いイメージが仕勝ちな鯉には、まったくその気配なし。
それを複層的なソースが「おっ!」と思わせる前菜に仕立てている。
まったく知らかったのだけれど、”佐久鯉”というのは、
古くからの歴史があり、登録商標にもなっている模様。

続いて「北海道産エゾアワビのグリエと北海ダコ、帆立貝と夏野菜、
平爪カニのヴルーテ合え、シークワーサーの香り」。柑橘の香りを纏うエスプーマの泡を戴いた褐色のスープ。
蝦夷鮑を軸にした魚介のエキスが滑らかに味わえて、旨い。

出来れば日本産の食材でと選んだのが、
「北海道産・夏鱈の炙り焼き、信州産完熟トマト ビネガー風味ソース。タラの癖して、身肉はしっとりとして旨味が濃く感じる。
焼き目のついた皮目も美味しい。
魚偏に雪と書く鱈ゆえ、冬のものかと思うも、
白子や卵巣に栄養をとられることのない時季なので、
冬場よりもイケルというのが通り相場であるらしい。

メインの後には、
「筑西産マスクメロンのソルベ、信州産ルバーブのスープ」。鮮やかな紅のルバーブ一色かと思いきや、
その中に潜んだマスクメロンの甘さや香りも負けてない。

デセールのお皿は、
「信州産カシスのパルフェとブルーベリーのジュレ、
佐久産アカシアの香り」。板状にしたブルーベリーのジュレを載せたアイスクリームがいい。
一見鮪赤身の握りかと思ったけれど(笑)。

ダブルのエスプレッソをいただいて、
ゆるゆると時間を過ごす。庭先が少し明るくなってきたような気がします。

軽井沢は追分地区の別荘地に、
三國シェフの精神を受け継ぐレストラン「Domaine de Mikuni」がある。「ドメィヌ・ドゥ・ミクニ」はこの9月で10周年を迎えたそう。
今度はすっきりと晴れた蒼空の下、
テラスのテーブルでのランチをいただきとう御座います。

「Domaine de Mikuni」
北佐久郡軽井沢町大字追分字小田井道下46-13 [Map] 0267-46-3924
http://domaine-de-mikuni.com/

column/03735

レストラン「キッチン カントリー」でハンガリー料理の息吹自由が丘デパートに

自由が丘って、いつから自由が丘なのだろうかとふと思って、Web上にある情報を拾い読んでみる。
wikiによると、1927年(昭和2年)に東京横浜電鉄東横線(現在の東急東横線)が開通して九品仏前駅が設置され、同年に自由ヶ丘学園が開校する。
1929年(昭和4年)に目黒蒲田電鉄二子玉川線(現在の東急大井町線)開通により九品仏の門前に駅が開設されることになり、この新駅が九品仏駅を名乗ることになったことから九品仏前駅は「自由ヶ丘駅」と改称された。
自由ヶ丘学園の名称は駅名として取り入れられるだけでなく当地の通称としても定着し、1932年(昭和7年)には駅周辺の地名を統廃合して自由ヶ丘を新設、東京市域拡張時に東京市目黒区自由ヶ丘となった。
1965年(昭和40年)の住居表示施行時には「自由が丘」となり、その翌年には、駅名も「自由が丘駅」に改称された、とある。

元々は「九品仏前駅」だった「自由が丘駅」の正面口。改修されたロータリーに面して今も佇むは、
自由が丘のランドマーク「自由が丘デパート」だ。

1953(昭和28)年開業という自由が丘デパートは、
ご多分に漏れず階高が低くて、天井が近い。踏み面が短くて上り下りし難いのも味な階段を
えっちらと3階まで上がればそこにあるのが、
ハンガリーレストラン「キッチン カントリー」だ。

お隣のジュエルショップ一誠堂を見下ろす窓際のテーブルにて、
メニューに見付けたウォッカサワーでアペリティフ。カシス割りのグラスはまるでジュースのようで、
ウォッカがじわじわ効いてくる一杯であります(笑)。

訪ねたことはないけれど、
ハンガリーと云えばやっぱりここからと「グヤーシュスープ」。紛うことなきパプリカ色のスープ。
ハンガリーのグヤーシュが伝播して、
ザルツブルクなぞでいただいた「グーラッシュ」になったと聞く。
割と濃密なシチューであるという印象のグーラッシュに対して、
いただいたグヤーシュはバシャバシャのスープ。
どこでどう変化していったのか、
似て非なるところが面白いでありますね。

ぐるぐる選び悩んたメインには、
「グリルチキン カントリー風」。揚げ焼き気味の皮目のジューシーな身肉もいい。
「ハンガリー風チキンパプリカ」に対して、
一転しっかり濃密なデミソースを纏わせた辺りが、
“カントリー風”なのかもしれません。

日を改めてお邪魔したひ昼下りにはビールな気分。選んだのはハンガリーのお隣、
クロアチアのラガー「PAN」。
なんとなく地中海のニュアンスを思うのは気のせいでせうか(笑)。

硝子越しに臨むは西日を浴び始めた東急ビル。渋谷方面ホームに停まる電車の姿もまた眺められる。
それを目当てにテッチャンが此処を訪れるという噂は、
今のところ聞こえてきませんけれど(笑)。

なにかスープをとメニューを眺め直して目に留まったのが、
「冷製サクランボスープ」。冷たいスープ専用と思しきうすはり的グラスには、
氷水に差した葉の緑が瑞々しい。
サワークリームの恩恵か、
サクランボの甘さや酸味をそのまま倍加させたようなスープが美味しい。
夏の日にもすっと和ませてくれよなスープであります。

やっぱりパプリカづかいの料理を何かと、
「ハンガリーパプリカライス」をご註文。日本の食卓ではまだまだ、
定番の材料にはなり切ってはいないと思うパプリカも、
彼の地ではきっと欠かせない食材なのだろうなと思いつつ、
あっという間に平らげてしまうのでありました(笑)。

自由が丘のランドマーク自由が丘デパートに、
ハンガリーレストラン「キッチン カントリー」がある。ハンガリー料理のレストランは都内に何軒もはきっとない。
そう考えるともっと通っておけばよかったなと、
離れてしまってからそう思う。
準備組合が設立され再開発の機運蠢くという自由が丘駅前にあって、
ランドマーク「自由が丘デパート」は、
いつまでその佇まいを留めていてくれるのでしょうか。

「キッチン カントリー」
目黒区自由が丘1-28-8 自由が丘デパート3F [Map] 03-3717-4790
http://www.restaurant-country.co.jp/

column/03729

Bistro「Le Cake」でケイクサレ添えサラダにアッシパルマンティ灯りまたひとつ

lecakeそれは今年の春先あたりのことだったでしょうか。
なかなか行けないお肉系イタリアン「Nodo Rosso」の裏手の道に折れ入って、鰻「青葉」や「煉瓦亭」新富本店の店先を眺めつつ、ワインバー「R」のある路地を曲がろうとしたところで、飲食店らしき佇まいの気配に立ち止まる、なんてことがありました。

そのままずっと往くと洋食「三好弥」へと続く裏通りに、
小さく突き出した四角いサイン。lecake01lecake02店先のA看板は、黒板形式。
ここは是非OPENの札に誘われてみましょう。

調度も含めて、
胸の高さより下の部分にぐるっと木目を廻しました。lecake03lecake04そんな印象のインテリアに包まれるように腰掛けて、
見上げた壁にはこれまた黒板メニュー。
夜の部のものらしきビストロメニューが並んでいます。

例えば、野菜のコースを選んで届いたスープは、
白ネギのポタージュだったりビシソワーズだったり。lecake05lecake06おひるどきにきちんと手を入れたスープをいただけるのは、
何気に嬉しいものでありますね。

野菜コースですもの勿論、
サラダのお皿がやってくる。lecake07lecake08「Coulis」のランチを思い出しつついただくことには、
やっぱりなってしまうのではあるけれど(笑)、
野菜をたっぷりいただけることは有難いことであります。
野菜のお皿には、キャロットラペやアボカドのパテや、
ウルイと呼ぶギボウシ属の野菜などなど、
そしてそこにケイクサレCake saléが添えられています。

メインのお皿は例えば「鶏もものクリーム煮込み」。lecake09鶏ももからの旨味もしっかり滲んで、
一緒盛りのライスとクリームソースが、
あっという間に仲良しになります。

別のおひるには例えば「スズキのポワレ」。lecake10鱸に法蓮草のソースが似合うのがちょっと意外で、
それがなんだか愉しくも微笑ましい。

少々冷え込んできた秋のある日には、
「アッシパルマンティエHachis parmentier」をなんてこともある。lecake11lecake12耐熱皿の表面はカルメル状に仕上がって。
そこをフォークの先でホジホジすれば成る程、
副題に肉ミンチとじゃがいものグラタンとあるように、
ベシャメルチックなジャガ芋のソースと渾然となったお肉が顔を出す。
ふーふーふー。
なんだかちょっと贅沢な気分になるのは何故でしょう(笑)。

新富町の裏通りにまたひとつ点ったビストロの灯り、
その名はBistro「Le Cake」。lecake13何故に”ケーキ”という名をお店に冠したかと訊ねたら、
割りと意外な応えが店主から聞くことができました。
加藤シェフがフランスで働いている時に、五回程も、
「Le Cake」という名前の店で働いている自分の夢をみたから。
ケーキという、なんかこう楽しい感じの名前の、
ビストロもあっていいのじゃないかなって。

「Le Cake」
中央区新富1-6-15 サニービル102 [Map] 03-6280-3611
https://bistrolecake.shopinfo.jp/

column/03706

GASTHOF「SCHLOSS AIGEN」でフィレ肉タルタルパイクパーチのメダイヨン

aigenザルツブルクはこの日もいい天気。
市街の北東に位置するザルツブルクの中央駅は、すっかり改装が済んで、ゆったりしたコンコースが東側へ抜けるようになりました。
そんなSalzburg Hbfから各駅停車で4つ目の駅が、いつぞやのSalzburg Aigen駅。
でも今日は別のルートでAigenへ向かう。
乗り込んだバスは、カプツィナーベルクの縁をなぞる様に走り、ザルツァッハに並行して南下します。

懐かしい住宅地の風景を辿って往くと、
広い空がよりすーっと高く開けて、
その下に緑の絨毯が広がる。aigen01その真ん中を貫く並木道に気持ちいい風が抜けていきます。

いつぞやの教会のある景色が近づいてきました。aigen02aigen03Heiliger Johannes der Täuferという教会の塔の緑青を
強い陽射しが照らしています。

その教会の向こうに回り込むようにした場所にあるのが、
GASTHOF「SCHLOSS AIGEN」。aigen04aigen05aigen06aigen07それは、アイゲンの城というの名のレストラン。
GASTHOFというのは、どう訳せばよいのかな。
オーベルジュとはやや趣が異なるように思います。

いつぞやと同じように中庭のテーブルを希望して、
緑の葉のベールの下に席を得る。aigen08aigen09晴天の陽射しがより鮮やかに木々を照らしています。

フルートグラスの一杯をいただいて、
迎えたお皿が「Beef Tartar “Schloss Aigen”」。aigen10丁寧に叩いたと思しきは、オーストリア牛のフィレ肉。
脂の甘みの代わりに、身肉そのものの旨味が濁りなく堪能できる。
嗚呼、美味しい!
マスタードムースがいい合いの手。
大振りな鶉の半熟玉子が添えられていました。

お皿の底に玉子の黄身なぞの具が収まっていると覗き込んでいたら、
そこへ一気に注がれた「Asparagus Soup」。aigen11aigen12時季のシュパーゲルのフレッシュで魅力的な風味がそのまま、
クリーミーかつサラサラとしたテクスチャでいただける。
実に実に鮮やかな美味なので御座います。

“SCHLOSS AIGEN”のエンブレムを刻んだ、
穏かに美しき翠のエチケットのボトルは「Aigensinn.」。aigen13aigen14グラスの文字も陽射しにくっきりとした影を映していました。

メインに選んだ魚料理は「Medaillon from Pikeperch」。aigen15aigen16パイクパーチというのは、
ヨーロッパに広く生息する淡水魚であるらしい。
上品でいて味わいの濃い鱸のような身質に、
ポテトとともに揚げ焼いた皮目との取り合わせがいい。
はっとするようなグリーンアスパラのソースがとてもよく似合います。

アイゲンの城という名のレストラン「SCHLOSS AIGEN」。aigen17城の北にある別館がその在り処。
入口の扉を背にして、前回と同じこと乍らと思うのは、
ダイニングも悪くなさそうだけど、
気候と空席が許すなら、
次回もこの中庭で過ごしたい、ってこと。

「SCHLOSS AIGEN」
Schwarzenbergpromenade 37 A-5026 Salzburg [Map] 0662 / 62 12 84
http://www.schloss-aigen.at/

column/03699

Restaurant「BÄREN WIRT」で包み揚げシュパーゲルにレバー版シュニッツェル

barenwirt2滔々と悠然と流れるザルツァッハ川。
そのザルツァッハ川をミラベル宮殿のエリアから旧市街側に渡るには幾つかのルートがある。
「Café Bazar」の先、Hotel Steinの前から渡る橋が、バスも行き交うシュターツ橋。
そこから一本下流を渡るのがマカルト小橋で、橋の両側の欄干下の金網に南京錠などの鍵前が無数にかけられていることでも知られています

もう一本下流にあるミュルナー橋を渡り、
川沿いの遊歩道から石積みの階段を上がる。barenwirt2_01ミュルナー・ハウプト通りを右に折れて少し往くと、
Y字に小道の別れた場所に今夕の目的地がみえてきます。

隅切りの角に置かれた看板には、熊のシルエット。barenwirt2_02barenwirt2_03そう、仲間内で”熊屋”と呼ぶ「BÄREN WIRT」には、
裏手にテラス席があるのでありますね。

案内される席は二階の階段の踊り場のテーブルだったり、
二階フロアの一番奥のコーナーだったり。barenwirt2_04この夏にお邪魔した時は、一階手前のテーブルでしたね。

遅めの春に訪れたならば勿論、
真っ先に考えるのはシュパーゲルのこと(笑)!barenwirt2_05スープからと選んだ「SPARGELCREMESUPPE」には、
白アスパラの澄んだ旨味がたっぷりと活きていて大満足。

ちょっと変化球もきっとイケるとメインに選んだのは、
「MIT SCHINKEN UND KÄSE GEBACKENER SPARGEL」。barenwirt2_06しっかりした太さのアスパラをハムとチーズで巻いて、
さらに薄い春巻きのような生地で巻いて、細かい衣をつけて揚げてある。
噛んで弾けるアスパラのジュースにハムと蕩けたチーズに芳ばしい衣。
嗚呼、なんてズルいのでありましょう(笑)。

失敬して隣のお皿に視線を移せば、
正統派に思うシュパーゲルの雄姿が映る。barenwirt2_07一本だけ、オレンデーズソースが、
たっぷりかかったあたりをくださいませ(笑)。

そうそう、ここ「BÄREN WIRT」では、
忘れちゃいけないビールのジョッキ。barenwirt2_08目と鼻の先にある醸造所「Augustiner Bräu」の、
活き活きとしたビールがここでも呑める。

一階のテーブルでいただいたのはまず、
つまりは、定番のレバー団子スープbarenwirt2_09癖のないレバーの風味がきりっとした旨味のスープに滲んで、いい。

そして、これまた「GEBACKENE KALBSLEBER」。
つまりは、シュニッツェルのレバー版とでも申しましょうか。barenwirt2_10barenwirt2_11叩いて伸ばすことによって火の通りも軽やかで、
衣とのバランスも良くなるのは仔牛肉同様のことなのでありますね。

「BÄREN WIRT」は”熊屋”ゆえ、
こんなフォルムのグミ菓子が小皿でやってくる。barenwirt2_12可愛らしいカラフルなお菓子を眺めつつ、
シュナップスを舐めるのもオツなもので御座います(笑)。

ミュルナー・ハウプト通りに掲げた熊のサインが、
レストラン「BÄREN WIRT」の在り処。barenwirt2_13“街角の揚げ物屋”とも呼んでいた「Steirische Weinstuben」が、
突然店を閉めるという悲報から月日が流れ、
“熊屋”の株がじわじわと上がり続けているようです。

「BÄREN WIRT」
Müllner Hauptstraße 8, 5020 Salzburg [Map] +43(0)662 422 404
http://www.baerenwirt-salzburg.at/

column/03695