「惜別の移転閉店またいずれ」カテゴリーアーカイブ

築地バー「PASTIS」でランチカレーはインド風チキンとホルモンの薬膳サラサラ系

pastis市場通りの築地三丁目信号から築地警察署前を経て、昭和通りの銀座東二丁目信号へと抜けていく通り。
「築地木村家」の前を通って、鉄板焼「Kurosawa」の路地を覗き、「紅蘭」の草臥れた紅い看板を確かめる。
宮川食鳥鶏卵の看板建築を眺めながら信号が変わるのを待って、つきじ「宮川本廛」を横目に横断歩道を渡り切る。
ご存知「魚竹」から漂う気風を感じつつ、「新三浦」築地本店向かいの東京チャイニーズ「一凛」のファサードを一瞥。
築地警察署が近くの角地にあるのが、築地バー「PASTIS」であります。

水垢にひと皮覆われた昼間の「PASTIS」。
くすんでなお目を惹くエメラルドグリーンの壁が印象的です。pastis01仕事帰りに寄り道した図書館の帰りには、
橙の灯りを点したバーの佇まいに、
ちょろっと惹かれていたりした。

ランチはどうなのだろうと店先の黒板を屈み込んで読む。pastis02黒板には「インド風チキンカレー」と「ホルモンカレー」の、
ふた品のみが示されています。

横手の入口から入ると、
正面にふたたびふたつのカレーメニューを書き込んだ黒板が待つ。pastis03短髪の兄さんがひとりで切り回している様子ゆえ、
セルフサーブル前払いの必然の構えでありましょう。

窓際の席に佇めば、
硝子越しに築地警察署の建物が見える。pastis04呼ばれてから腰を上げ、
オーダーしていたお皿を受け取ります。

ありそでなさそな「ホルモンカレー」に、
オプションのサラダを添えてみた。pastis05平皿に広がったカレーは成る程、
サラサラとしていそうな、そんな湖面の表情をしています。

スプーンに掬って口に含んだカレーは、
見た目通りのサラサラ具合。
バシャバシャではなくサラサラだと思わせるのは、
そこにスパイスの粒子を感じさせるから。
新鮮な鶏ガラからとったというスープに、
薬膳ちっくに幾つかのスパイスを織り込んで、
小麦粉主体のカレーとは、
当然のように異なる食べ口になっている。

そんな湖面に適宜浮かぶは、小腸あたりのザ・ホルモン。pastis06ホルモンが苦手なひとには、
スパイシーな風味があれどもウムムとなりそな、
直球系のホルモンな味もする。
それが醍醐味だと思いましょう(笑)。

別のおひるには、
「インド風チキンカレー」を所望する。
温泉玉子をトッピングしてみましょう。pastis07それは、王道チキンカレーのひとつとして素直にいただける。
辛さにばかり着眼した、ヒーヒー系ではなく、
食べ終える頃からじんわりと熱くなる加減もいい。

名店「デリー」のさらさらカレーと比べたりすると、
スープの出来も、粉っぽさの熟れ具合も、
引けを取るのかも知れないけれど、
なんだか時々、思い出しては食べたくなりそうな、
そんなカレーで御座います。pastis08肉大盛りに千切りキャベツを添えたりなってこともありました。

ランチとは別の黒板を眺めると、
いい感じに揃ったバールメニューが並んでる。pastis09その日のグラスワインもしっかり提示されています。

築地警察署斜め向かいに、
ランチはカレーの築地バー「PSTIS」がある。pastis10パスティスといえば、
水に割ると白濁するあのリキュール。
アブサンabsintheの代替品として作られたことで知られるもの。
外壁を彩るエメレルドグリーンはもしかしたら、
アブサンの緑色をモチーフとしたものなのではなんて、
思ったりしています。

東京都中央区築地1-8-1 泉ビル [Map] 03-5565-9365
http://tsukijipastis.seesaa.net/

column/03607

江戸中華「日本橋 よし町」で丁寧に油控えた軽やか叉焼麺焼売蟹肉炒飯と選手交代

yoshicho大勝軒といえば、東池袋にあったあの「大勝軒」が今も真っ先に脳裏に浮かぶ。
云わずと知れた「つけ麺」を世に広めたメッカのような場所だ。
店舗の二階から外階段を一歩一歩ゆっくりと下りながら、空席を待つ僕等に送ってくれた笑顔を時々思い出す。
脚が悪くて大層痛むのに、誰分け隔てなく接してくれたものでした。
07年の3月に閉店する間際に寒空の下居並んだ長蛇の列も印象深い。
沢山のひと達に親しまれ慕われた山岸さんは亡くなってしまったけれど、幾人もの弟子たちが今も「大勝軒」の暖簾を守っています。

そんな東池袋系の大勝軒や永福町大勝軒とは別に人形町系と呼ばれる「大勝軒」がある。
1914年(大正3年)の創業と云われる新川の横丁にある「大勝軒」。
レトロな佇まいがそそる横山町の「大勝軒」。
これまた昭和の香る室町本町の「大勝軒」。
ちょっと離れて、浅草橋の町中にある「大勝軒」。
そして、その本丸というべき「大勝軒 総本店」が人形町にあったのです。

残念ながら訪ねたことはありませんでしたが、訊けば洋食「芳味亭」の近くにあったのだという「大勝軒 総本店」。
人形町芳町の見番の裏手にあった「大勝軒 総本店」は、1905年(明治38年)の創業であったと階段の壁に掲示しているのが、銀座八丁目の江戸中華「日本橋 よし町」だ。yoshicho01 往時には色街の風情と賑やかさの最中にあったであろう「大勝軒 総本店」で27年間働き、20年近く料理長(チーフ)を務めた横山さんが1986年(昭和61年)の「総本店」閉店後には、同じ人形町で「大勝軒」を開き、永く「総本店」の味を引き継いできたとある。
その後2010年(平成22年)に縁あって銀座で腕を揮うこととなったらしい。

それを読んで、とんかつ「衣浦」の向かいにあった人形町「大勝軒」のことを礑と思い出す。
少々びっくりするような極細麺を自家製麺していると訊いて、妙に感心したはもう5年以上前のこと。
それが或る日訪ねたら忽然となくなっていて呆然とした、なんてことがありました。

白木のカウンターの隅に陣取って「叉焼麺」のドンブリを眺めます。yoshicho02昨今の足し算に掛け算を乗せたようなラーメンはどこ吹く風。
叉焼(チャーシュー)を縁取る食紅に年季の片鱗を漂わせています。

脂っ気を丁寧に執拗に控えた、そのお陰で澄んだコク旨味が淡々と滲むスープに泳いでいた麺を引き上げ啜る。yoshicho03それは実に嫋やかな、人形町で愕いた麺を彷彿とする極細麺。
スープに合わせて作った麺というよりは、自家製の麺に合わせて粋な中華を志向したら必然的にこうなったという風情のする。
うむうむ、これこそ呑んだあとにもすんなりといただける一杯でありましょうけれど、それはなんだか勿体ないことでもありますね。

思わず飲み干してしまったスープの底には「大勝軒」の文字。yoshicho04潜んでいた人形町の心意気を確かめてしまった気分です(笑)。

人形町でもいただいことのある「焼売」も是非いただきたいと。yoshicho05肉汁が滴ったり、強い香りのするのは粋じゃないとばかりの淡々とした佇まいのシューマイが口腔で綻びます。

「揚焼売」で麦酒が呑みたいと夜に出掛けたものの、焼売そのものが作った分全部出ちゃったのよとオカアさん。yoshicho06yoshicho07ならばと「細切りネギ叉焼」に「炸雲呑」を所望します。
胡麻油たっぷりでも辛味を利かすでもない葱とチャーシューの和え物にも一貫した仕立てが窺える。
揚げ物もあくまでカラッとして、油っこさを億尾にも出さないことに唸りながら麦酒のコップを傾けます。

そんな油を控えた和物な中華料理の真骨頂が「蟹肉炒飯」にも宿ってる。yoshicho08何気なく乗せた蟹足を解して匙を動かす。
世にパラパラチャーハンは数多あると思えども、ここまで軽やかなチャーハンはそうそうないでありましょう。
もうちょびっと油の薄い膜を纏ってくれていてもいいのではないか、いやいやこれでいいのだと想いが往ったり来たりいたします。

梅雨の晴れ間に出掛ければ、風に揺れる小さな幟に、冷やし中華はじめました。yoshicho09向かい側が喧騒の工事区画とは思えない穏やかな空気が漂っています。

目的のお皿はちょっと意外なモダンなお皿。yoshicho10少々奢った盛り付けも、お皿を決めた時点で既定路線になったのかも。
透明でレトロなお皿であったら違う見映えになったでありましょう。

具材の隙間から覗くはやっぱり自家製の極細麺。yoshicho11細いくせしてきちんと粉の風味を伝える麺ではあるけれど、どちらかといえばたっぷりのスープに泳がせてこそ真価を発揮するものなのだねとも思ったりする。
椎茸の旨みも印象的な初夏のお皿でありました。

色街人形町の残り香と「大勝軒 総本店」から引き継ぐ仕立ての江戸中華「日本橋 よし町」が銀座にあった。yoshicho12yoshicho13この6月で「日本橋 よし町」は閉店し、交代選手だという「山野辺」の開店準備へと移ったようです。

「日本橋 よし町」
中央区銀座8-4-21 保坂ビルB1F [Map] 03-3573-0557
column/03585

タイ料理「バンコク、晴れ模様」で鶏肉バジル炒めタイカレートムヤムラーメン

bangkok平成通りに面してあるビストロ「レトノ LES TONNEAUX」は、疾うにランチ営業を止めて夜のみの営業となっている。
オカアさんがいた角のワインショップも昼間に通ると営業しているような様子は窺えません。
その一軒奥手にあるビルにも飲食店がテナントしているのだけれど、此処もすずらん通りの青柳ビルの地階と同様、なかなか安定的に継続しないイメージが強い場所。
あまり思い出せないものの、カジュアルな居酒屋のような店や「英凛」他の中華料理の店だったことがあったような気がする。

カラッと晴れた或る日のこと。
その前を通り掛かると見慣れない看板が出ている。
またお店が変わったねと近づくと、そのタイトルがちょっと面白い。
「バンコク、晴れ模様」。
なんだか小説かエッセイの書き出しの一行のようで、広がりのあるネーミングだ。

1番から12番まで並ぶメニューからまずは「鶏肉のバジル炒め」。bangkok01そのチョイスは、内神田に移転してしまった「あろいなたべた」の「ガパオガイ カイダオ」のイメージがあったから。
本場チックな有楽町の想い出に比べると辛さは随分と控えめだし、小さく纏まってしまった感もあるもののこれはこれで悪くない。

雨のそぼ降るお昼には「タイカレー全部盛り」。bangkok02レッドカレー、グリーンカレー、イエローカレーが3連の全部盛り専用かと思しき器でやってくる。
スッゴク辛い?との問いに、イエソンナカラクナイとの応えを得ていたので、安心して匙を動かします。

青い唐辛子の風味もココナツミルクが円やかに包んでいて、いい感じ。bangkok03辛くないなんて!という右の本格派の方々もおられましょうが、自分にはこのくらいがヒ~!とならず調度よくいただけます(笑)。

こふいふカレーには何故にタイ米が似合うんだろうなぁと考えていたら、厨房からやや白い煙が廻ってきた。
咳き込みつつスワ火事か!と思うも、ただ煙いというより、目やら喉やらが兎に角辛い。
訊くと、ガパオと唐辛子を沢山炒めたものでスイマセンと云う。
彼女たちは目がシバシバしてる様子がないのが不思議であります(笑)。

すっきりと晴れた日には「トムヤムラーメン」。bangkok06相変わらずトムヤムクンにはトラウマが残っているけれど、ちょっとづつオトナになっていることを確かめたくてなんて気持ちもちょっぴりある。
赤い滴は浮かんでいるものの、激しく辛いことも強烈に酸っぱいこともなく穏やかなトムヤムスープだ。

本格派な方々はこんなスープにがっかりするのかなぁなどと考えつつ啜るのは米の麺。bangkok07中華麺も選べるけどやっぱりクイティアオが気分なような、そんな気がいたします(笑)。
蓮華でスープを啜っているとザックリ刻みの生姜なんぞが顔を出してきて、そうかポカポカしてくるのは辛さだけの所為じゃないのだなぁと知りました。

八丁堀平成通り「レトノ」の小路に、
タイ料理「バンコク、晴れ模様」がある。bangkok08カオマンガイ「蒸し鶏のごはん」やクイティアオの「タイ焼きそば」やあたりも悪くない。
今度お邪魔したら、店名「バンコク、晴れ模様」って誰が考えたのか訊いてみよう。
そうそう、5月代々木公園でのタイ・フェスに出店するみたいです。

「バンコク、晴れ模様」
中央区八丁堀2-8-1 牧野ビル [Map] 03-5566-6945
http://www.haremoyou.com/

column/03560

青森創作郷土料理「大わ山」で海峡サーモン八戸前沖鯖烏賊の丸煮付と田酒豊盃

oowayama八丁堀の横丁の青森な店といえば、きっと此処しかない。
同僚に青森な店で一杯呑ろうと誘ったのは、この3月半ばのことでありました。
予約の電話に、活きのいい声が応える。
大和山という東京にいると珍しく思うお名前の若き大将の顔が浮かぶ。
並んで厨房にいる、朴訥なる青森の調理師然とした相棒のおっちゃんの姿も思い出させます。

こんばんはと声を掛けて、カウンターに腰掛ける。
一杯だけと麦酒をもらって、早速届いたのが、ご存知「せんべい汁」。oowayama02お通しが菊花をあしらったせんべい汁って居酒屋は、都内にはそうあるものではありません。
しっかりした出汁が沁みたせんべいの、場所により食感も違う感じが懐かしい。

烏賊の沖漬けの澄んだ滋味にググッと惹かれる。oowayama03これで日本酒を呑まない手はないでしょう(笑)。

まずは此処からとお品書きを眺めて「田酒」の純米吟醸。oowayama04沖漬けにもよーく似合うのは、云うまでもないでしょう。

むつ産「海峡サーモン」をいただけば、なんて鮮やかで美しい彩なのか!と絶句する。oowayama05繊細にして溢れる甘さに、あとは唸るばかりです。

唸らせるよな魚と云えば、やっぱり「八戸前沖〆鯖」も外せない。oowayama06それはもう、お約束のように美麗な断面にまず唸り、おろし山葵をほんの少しちょんのせして口に運んだその身の香りと甘さ滋味にまた唸ります。

そんな勢いでお願いしたのが「殻つき生ガキ」。oowayama07大き過ぎず小さ過ぎずのサイズも良好、ぺろんとひと口がすっきり旨い。
外套膜もしっかりした牡蠣は、三陸は岩手から届いたものだそう。

秋田モノ「いぶりがっこ」なんぞを挟みつつ「田酒」のお代わりグラスを干したところに八戸の「ホヤの塩辛」。oowayama09濁りのない磯の香りに今度は「豊盃」純米吟醸を所望します。

「豊盃」もやっぱりイケるなぁと話しつつ、更に追い討ちをかけるにはと選んだのが「イカの丸煮付」。oowayama10これもまた、八戸名物!と謳うに相応しい逸品。
肝と和えて焼いた烏賊もズルイけど、こうして肝を活かして煮付けるってのもやっぱりズルイ。
「豊盃」がクイクイいけてしまうのは、こいつの所為であります(笑)。

このままでは吞み過ぎちまうよねと自制して「八戸前沖サバロール飯」。oowayama11吞んだその先では、こうして巻物にしてくれたりすると食べ易くて嬉しいものだけど、それがブランド鯖のものとなれば、なんだか申し訳ない気分さえ憶えます。

もうちょい食べたいかもってことでのもう一品が「階上蕎麦」。oowayama12八戸の南側、岩手県との県境に位置するのが階上町(はしかみちょう)で、その地で採れた早生蕎麦をつかった蕎麦だという。
寒さに強いために凶作・飢饉から多くのひとびとを救ったという蕎麦は、しなやかな食べ口であります。

月が改まった4月某日に此処の横丁を通りかかると、お昼の品書きに紅い札が添えられているのが目に留まる。
近づくと「八戸前沖サバのヅケ炙り丼定食」5食限定!とある。
早速階段を降りて「限定を!」と声を掛ければ、こんなドンブリと相見える僥倖となる。oowayama14嗚呼、炙った芳ばしさを添えた八戸前沖鯖の滋味のなんと豊かなる哉。

八丁堀の横丁に青森創作郷土料理の店「大わ山(おおわやま)」がある。oowayama13夜も気がつけば満席になっていて、じわじわと増やしたファンが定着しているものと推察いたします。
馬刺しや田子産「にんにくの丸揚げ」とか弘前の「俺のイカメンチ」とかの宿題もまだまだある。
「田酒」「豊盃」といった”津軽衆”なお酒に対して、「七力」や「はちつる」といった”南部衆”なお酒も同じように揃ってる。
遠からず、ふらっと寄りたいなぁと思います。

「大わ山」
中央区八丁堀1-8-6 カサイビルB1F [Map] 050-3321-7510

column/03555

青森創作郷土料理「大わ山」でねぶた漬けネバトロ丼サバの天ぷらかき天丼

owayamaそれは、八重洲通りからすずらん通りを茅場町側に入ってすぐの横丁にあるお店。
一階に立ち呑みなんぞの入るカサイビルというビルの横っちょから地下への階段を下りたところ。
ずっと以前は、ちょっと不思議なオバちゃんのいる「平蔵」という居酒屋でした。
それがいつの間にかなくなってしまい、また別の店となっていたような気がします。

そして彼是一年半も前の夏の或る日のこと。
すずらん通りを歩いていると、威勢よく気力漲る様子の兄さんが、開店を知らせるチラシを手にして声を上げている。
なになにと近づいて(笑)、チラシをみるとなんと、青森料理の店のオープンだという。
おー、それはそれはと話を聞いたことを思い出します。

それから暫くして、青森と云えばと夜の一献にtakapuをお誘いして件の「あおもり八丁堀」に突撃。
お惣菜八寸のあれこれや「スルメイカのガッパリ焼き」「金本町産の馬刺し」なぞをお供に、「田酒」や「豊盃」のグラスをいただいたことがありました。

時は流れて、ある秋の日のおひる時。
それは横丁に浮かぶ赤地に行燈看板が目印で、黄色い文字で「たげめよ」、そしてそこへ札を貼るように「おんでやんせ」とあるところ。owayama01店先に黒いA看板が立っているのを認めて、ランチもやっているんだと遅まきながら気がついた。
それはそれはと早速、地階への狭い階段を辿ります。

ドリンクはそちらからと兄さんの指先が示したのは、青森と云えばの林檎ジュースと冷たいお茶のセルフコーナー。
やっぱり林檎ジュースも飲んじゃいたいと、つまりは毎度、グラスふたつを使わせてもらうことになります。owayama02カウンターの隅に座ると目の前には、「田酒」の酒瓶に並んで青森創作郷土料理「大わ山」とラベルを貼った酒瓶が置かれていました。

まずお願いしたのが、「ねぶた漬けのネバトロ丼定食」。owayama03松前漬けに和布蕪、オクラ、山芋とお魚あれこれの載ったドンブリであります。

ネバネバトロトロ具合がよく判る泡立ちを眺めてから、落とし玉子を崩し広げる。owayama04松前漬けや山芋、若布の滋味栄養がまさに渾然一体となったところに鮪の赤身なぞの旨味が追い討ちをかけて来る。
なんだか一足飛びにより健康になってしまいそうな、そんな気分にさせてくれます。

別のおひる時には、「サバの天ぷら定食」。owayama05一時メニューから消えていたものを、リクエストにより復活させたものだという。
揚げたてをフーフーしながら齧りつけば、衣に包まれて旨味の凝縮した鯖の威力が真っ直ぐ味わえる。
うん、美味しい。
八戸の「サバの駅」を懐かしく思い出しながら訊ねると、さすがにブランドもの「八戸前沖鯖」ではないそうです(笑)。

またまた別のおひるには、A看板にみつけた「かき天丼定食」。owayama06鯖のちょっと青み思う旨味風味もいいけれど、牡蠣の滋味も負けてない。
噛んで芯の飛び出した長葱の甘さにもさらっとしたタレがよく似合う。
訊けば勿論、三陸の牡蠣だそうだ。

そんな風に通ううちにやっと気付いたことがある(笑)。
それは、「あおもり八丁堀」だった店名が「大わ山」となっていること。
兄さんに訊くと、「はい、でもそのままやらせていただいてますのでご贔屓に!」と仰る。

どうやら、以前の「あおもり八丁堀」は店を閉めた形になっていて、開店当初からの大将が独立するような形でほぼ同じ店構えで営業しているというようなことらしい。
「あおもり八丁堀」は、八戸出身にしてグローバルダイニング出身の方が営む「あおもり湯島」の2号店でスタートしたのだけれど、その後色々あったのかもしれないね。

カウンターの上には、「本日の鮮魚」と題する黒板があって、例えば「殻つき生ガキ」「アブラメ刺し」「真ソイ刺し」に「海峡サーモン」、そして「八戸前沖〆サバ」といった標題が上がってる。owayama07テーブル席側の壁には、八戸名物!と謳う「イカの丸煮付」「俺のイカメンチ」や「三戸産南部太ネギのつけ焼き」「十和田牛バラ焼き」、「田子産にんにくの天ぷら」などなどの酒肴が並んでる。
やっぱりまた夜に訪れて、青森の旬菜あれこれで「田酒」「豊盃」など青森のお酒を嗜みたいところです。

すずらん通りの横丁に青森創作料理の店「大わ山」がある。owayama08「大わ山」という山が八戸の郊外にでもあるのかと思ったら然にあらず。
開店時からの大将のお名前が「大和山」なのです。
店内に貼られた唎酒師の認定証を横目にしてそれが分かりました。
また機会をみて、夜にもお邪魔します。
「八戸せんべい汁」つきのランチも復活しないかな。

「大わ山」
中央区八丁堀1-8-6 カサイビル B1F [Map] 050-3321-7510

column/03519