「大森蒲田川崎ライン」カテゴリーアーカイブ

味乃とんかつ「丸一」で 油殿の前でとんかつ定食安定の美味しさ

o_maruichi.jpg久し振りに降り立った大森駅の東口。 大森飲食街ビル方面へに向かうには、 アトレの中を抜けた方がちょっぴり近道なのに、 何故だかいっつも広い階段を降りてしまう。 駅構内や建物内の動線のあり方って、 こう、自然とそっちに足が向いて進む感じに施せればよいのだなぁなどとつまらないことを考えつつ、 アトレ大森2の前までやってきました。

暮れ泥む大森の街。o_maruichi01.jpgそう云えば、Bar「Tenderly」には随分とご無沙汰しちゃっているなぁとか、 池上通り側の、時に怪人も出没(笑)するという大森地獄谷にも突撃しなければ!などと、 これまた考えているうちに目的地に到達しました。 今日の夕餉は、とんかつ「丸一」の食卓で、という魂胆なのです。

湯殿ならぬ油殿を前にしたL字カウンターの隅に侵攻。o_maruichi02.jpg正面上方の壁に掛かった木札の並びを眺めてから、 手元の品書きを確かめます。 矢張り、前回と同じ「とんかつ定食(ロース)」をいただきましょう。

丁寧に重さを量り直し、衣を纏わせ、油殿へ滑り込ませる。 o_maruichi03.jpg揚げ音を聞きながらその仕上がりを待つひと時も悪くないものです。 思わず、瓶麦酒の小に御新香でもとお願いしそうになりますね。

厨房のお母さんは、ご自身の定位置を決めていらっしゃるようで、 お櫃に両手を載せているポーズを目にすることが多く、 隣に並んだ羽釜のお世話も守備範囲。 ご飯の番が、お母さんの任務とお心得のようであります。

油殿の上から、ご飯や味噌汁、お新香の小皿が手渡され、 続いて、とんかつのお皿が大将の手から届けられました。o_maruichi04.jpg標準サイズのロースかつは、170gとのことのようですが、 それはまぁ、十分な大きさ厚さに思うお皿。 衣の色付きもいい油加減を思わせる綺麗な狐色だ。

こちらでは、レアにすることなく、過不足なく火が通っている感じ。 檸檬を搾り、卓上の「アンデスの紅塩パウダー」をお皿の脇に振って、 例によってちょん漬けして、いざいざ。 o_maruichi05.jpgうんうん、何の強い推しもないけれど、安定して美味しいとんかつだ。 衣とロース肉が寸分の隙もなく、ぴたっと寄り添っているのがいい。

敢えてひとつ難を云えば、千切りキャベツの切り方がややぞんざいな印象で、 すっかり乾いてしまっているのが残念なところ。 キャベツも併せていただきに行く処といっても謂い過ぎではない、 東銀座の「にし邑」を思い出して、そう思う次第であります。

o_maruichi06.jpg今のメニューには、重さの表記が見当たらないものの、 隣のお兄さんは、250gと聞く「大とんかつ」を貪り食べている。 それよりも更に値の張る品「ロースかつ定食(限定)」は、 限定品であるところからみると、肉質が違うのでしょうか。 何れにしても、呼称がややこしいので、 「ロースかつ定食(限定)」は、「限定とんかつ定食」と改めたらと思うのだけど、 それは余計なお世話かな(笑)。

味自慢と小さく示す看板の味わいもいい、とんかつの大森「丸一」。 o_maruichi08.jpg夜の営業が19時までと早めなので、何気にハードル高いけど、 蒲田「丸一」みたいに、いつも空席待ちがあることもなくて、 比較的気安く足を向けられる。 そうそう、蒲田の「丸一」の大将は、ここ大森「丸一」で修行された方だとも聞くけど、 そうなのでしょうか。

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「丸一」 大田区大森北1-7-2 [Map] 03-3762-2601
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とんかつ「鈴文」で待ちに待ったかきフライ帰ってきた宮城の牡蠣

suzubun.jpg西蒲田の五叉路辺りに吹く強い風はきっと、 威容を誇る東京工科大学の建物によるビル風に違いないといつも思う。 そんな風に吹かれながら信号を渡れば、 とんかつ「鈴文」の黄色い灯りとスタンドサインが見えてくる。 カウンターに席の空きはあるかなぁ。

暖簾を潜るとほぼ満席のL字カウンター。 首を傾けて窺うようにすると、 奥に立つおばさまが空いている場所に誘ってくれる。 唯一の空席は、大将の正面でありました。

まずは、「ハイサワー」と「お新香」。suzubun01.jpg塩梅よき白菜のお新香で一杯だけいただくのがよい感じ。 冬深まった頃には、燗のお酒に代えるもよし。 一杯を干したところでお願いしたいのは、 待ちに待った「かきフライ定食」だ。

実は、店に入ってからどこか視線が泳いでいたのは(笑)、 この冬こそ「牡蠣フライ」がメニューに上がっていることを期待して、 それを探していたから。 椅子に腰掛けてから見上げた排煙フードのステンレスの貼り紙。 そこに「かきフライ始めました」との手書き文字を見つけてニンマリしたのは、 果たして気付かれていたでしょうか。

大将が、パットの中に牡蠣の身を並べてる。 それを玉子に潜らせ、粉をはたき、パン粉にそっと包む。 なるほど、牡蠣ひとつのものと二個付けしているものとがある。 大将が然るべしと考えるサイズになるように、やり繰りしているんだ。

貼り紙のあるステンレスの幕板をよく見ると、 何本もの食パンが棚に収められているのが反射して映ってる。suzubun02.jpgそれは、バターを減らすなどしたパン粉用のパン。 営業開始前に大将みずからがシンクの脇に据えた機械でパン粉にするのだそうだ。

目に前の大将からすっと手渡されたお皿には、 待ちに待った「かきフライ」。suzubun03.jpgやや大振りのフライ5つに千切りキャベツ。 ちゃんとタルタルも添えてくれているのも嬉しいところ。

いただきますと両手を合わせてから、檸檬をちょっと搾りかける。 そしてそのまま箸にとり、ふーふーとしてから囓り付く。suzubun04.jpgああ、なんだか感無量。 期待通りにさっくりと軽く歯触りと芳ばしさの衣だ。

そんな衣と一緒に炸裂する牡蠣の旨みといったら。suzubun05.jpg確かな、そして甘さにも似た旨みを湛えた牡蠣は宮城から届いたもの。 ああ、旨いなぁとほっこりとして、思わず目を閉じてしまいます。

振り返ればそれは、東日本震災後の最初の冬のこと。 絶滅さえ危惧された三陸の宮城の牡蠣は、なんとか種牡蠣を失わずに済んで、 難問課題にひとつひとつ対処工夫しながら一部の海で養殖を再開していました。 飲食店で牡蠣フライを口にすることも増えてきたそんな中で、 「鈴文」での牡蠣フライがいただけるのではと訪ねたことがありました。

しかし、残念ながらその冬に「鈴文」に牡蠣フライのメニューが上がることは、なし。 絶好調のものを知る大将の目には恐らく、 その頃の宮城の牡蠣は、まだ安定していないものに映ったのでしょう。 訊けば、広島産の牡蠣で試してみたりしたのだけれど、大将が求める味とは違って、 やはり宮城・三陸の牡蠣でなくてはということになったのだそう。

そしてこの冬のシーズンを迎えて、「鈴文」に「かきフライ定食」が帰ってきた。 なんと喜ばしいことでしょうか。 フライにしている牡蠣は勿論、宮城・三陸のもの。 “待ちに待った牡蠣フライ”とはそんな経緯あってのことなのであります。

魅惑のとんかつの店「鈴文」は、牡蠣フライもまた白眉。suzubun07.jpg朴訥なる大将がじっくり拘った「かきフライ」をいただきに、 この冬何度お邪魔できるかな。

口 関連記事:   とんかつ「鈴文」で とんかつ定食達観の表情と絶妙の完成度(12年01月)


「鈴文」 大田区西蒲田5-19-11 [Map] 03-5703-3501
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台湾家庭料理「喜来楽」で緑竹筍絲豆腐菜脯蛋牡蠣煎大腸麺線

shirairu.jpg間を置かずやって参りました、 バーボンストリート。 バーボンストリートといえば、 ご存じ、蒲田の池上線高架脇。 昼間は、開けているお店も少なくて、 どこかのんびりとした味わいの通りも、 夕闇迫った以降は本気になって、 俄然色濃い雰囲気で迎えてくれます。

妖しい灯りが誘う通りを往き、 過日、ご馳走になった平壌冷麺の「食道園」の前を通り過ぎ、 ご無沙汰の「上弦の月」のさらに先へ。shirairu01.jpgshirairu02.jpg踏切の向こうの路上に、「喜来楽」の看板が見えてきました。

店の前に立ち、ひょいと店内を覗くと、そこはすっかり常連溜まる呑み屋の風情。 ここに予約のテーブルがあるのだろうかと顔を見合わせる。 だって、たった2卓のテーブルひとつの上にお犬様が鎮座してたりするのだもの(笑)。

と、ニコっとした表情でオヤジさんが顔を出して、右脇の階段に誘います。 ああ、二階があるのねと、その急な階段をギシギシと上ります。shirairu03.jpg扉の中は、よくいうところの、誰ん家の居間に上がり込んだよう。 蒲田の女王ことkimimatsuさん夏休み中のlaraさん達と囲む座卓に座布団。 テレビの映像が壁に大写しにされています。

冷たいおしぼりを手渡しながら、やぁやぁよく来たね、とオヤジさん。 見慣れないメニューを説明してもらったり、おススメを訊ねたり。 そのやりとりは、本当に叔父さんの家を訪ねたみたい。 幾つかをお願いして、後はもうオマカセで、みたいなことになりました。

最初のお皿は、「緑竹筍」。shirairu04.jpgshirairu05.jpgなんだ、ただの湯掻いた筍かいなと思うなかれ。 生でも食べれてほの甘い、というのが「緑竹筍」の謳い文句なのだ。 さらに面白いのは、そこに添えてくれた二種類のマヨネーズ。 小さなチューブのままで出してくれた台湾のマヨネーズがとっても甘い(笑)! でも、嫌味な甘さでなくて、そのマヨネーズで筍を幾つか口にしているうちに、 これも悪くないなぁと思えてきます。

続いて届いたのが、「絲豆腐」の炒め物。shirairu06.jpg普段メニューに載っているものではないそうで、 蒲田の何処かにある食材屋さんから絲豆腐を仕入れた時にだけ出せるお皿。 ごろんと粒のまま入った大蒜がいい感じに利いていて、旨い。 台湾料理のひとつとして、妙に印象深いお皿です。

オヤジさんが、肉とか魚とか?をミンチにしたみたいなスープみたいな、 と云ってたのがこれでしょか(笑)。shirairu07.jpgshirairu08.jpgなんかもう、手放しで美味しいという感じ。 鶏ガラ系の旨味しっかりスープに、ざっくり叩いて片栗で繋いだ的な肉つみれに野菜や茸あれこれが具沢山に入ってる。 これって、「貢丸湯」でいいのかな。

台湾風薄焼き卵焼き、とでもいえそうなのが「菜脯蛋」。shirairu09.jpg薄く焼いて香ばしいオムレツには、切り干し大根が入っていて、 その塩っ気とちょっと酸っぱいような風味が次のひと口を誘います。

ふと思い付いて、二階の窓をググイと開ければ、 踏切を通り過ぎる池上線や多摩川線が見降ろせる。shirairu10.jpgこれも一種の撮り鉄的所作となるでしょか。

割とポピュラーな「大根餅」。 油が余計なのかベッタリしちゃった大根餅も少なくない中、 表面香ばしく、内側ホコモッチリで、美味しく出来上がり。shirairu11.jpgshirairu12.jpg「葱油餅」はといえば、意外としっとりとした焼き上がり。 粉の風味が活きていて、葱卵焼きを包んで、いいコンビ。 どちらも素朴にして、お酒のアテにもお茶うけにもなりそうなオツな佳品だね。

卓上には、唐辛子系辛い調味料あれこれが揃っているので、 それをちょんと載せてみたり、さっきの甘いマヨネーズを試してみたり。 日本人が口にすることを考えて、最初から辛くしないように配慮されているようです。

shirairu13.jpg オヤジさんが、「茶葉蛋」という、茶色い殻の煮玉子を届けてくれた。 へー、お茶で煮ることで、殻が茶色くなってるのねと思いつつ殻を剥く。shirairu14.jpgつるつるっと殻を剥いたらば、あら、びっくり。 蜘蛛の巣状に模様が入って、芸術的ですらある感じ。 さらに、箸先に載せたり、割った時の触感も所謂煮玉子と違って、想定外。 ぷよっと柔らかく、口に含めばお茶の風味がふわっとね。

shirairu15.jpg 二階に上がってすぐ、壁の貼り紙にみつけた「牡蠣」の文字に反応して、 すぐさま注文していたのが「牡蠣煎」という料理。shirairu16.jpg謂わば牡蠣入りのオムレツは、「菜脯蛋」とは違って、とろとろに仕上げた薄焼き卵焼き。 牡蠣はどこ?と眺めると、あれあれ?随分と小さい牡蠣の身ではありませんか。 思わず、「か、会長、大変です!あの、ヴァージンオイスターに似た牡蠣がここにも!」と叫ぶことに(笑)。

訊けば、台湾ではこのサイズの牡蠣が普通に流通しているものだそう。 逆に日本に来て初めて真牡蠣を見た時には、あまりに大きくてびっくりしたという。 すると、もしも最初に岩牡蠣「弁天プレミアム」に出会っていたら、 腰抜かしてたかもしれないね。 それにしても、こんな小さい牡蠣が台湾では当たり前のことだなんて知らなかったなぁ。

やっぱり点心も欠かせないよねと「水餃子」に「小龍包」。shirairu17.jpgshirairu18.jpg美味しそう!とスープをちょとっと啜ることを忘れて、 あちちとなるのが「小龍包」のお約束(笑)。 唐辛子系の調味料が揃っていると、ここでもいろいろ試せて楽しいのであります。

そして、〆にはこれでしょと「大腸麺線」を。shirairu19.jpg「大腸」はつまりはそのまま、モツのこと。 モツをことこと出汁で煮込んだスープにオイスターソースあたりで調味して、 そこに素麺のような煮込み用の極細麺をたっぷりと。 お好みでパクチーを散らしていただけば、うん、美味しいぃ。


まさに家庭的な魅力の抽斗あれこれの台湾家庭料理「喜来楽(しーらいるー)」。shirairu20.jpgああ、ご当地台湾へ行きたくなってくる。 ただ、台湾出身の女将さん曰くは、 唐辛子や八角あたりの香辛料には得手不得手があるので、 最初からお皿の中に使うのは控えめにしているそう。 全体に優しいトーンで美味しくいただけたのは、 そんな女将さんオヤジさんの配慮もあってのことなのかもしれないな。 寒い頃には、鍋料理も交えてまた、本場で家庭的な料理を愉しみたい。 そして、びば☆蒲田。

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「喜来楽」 大田区西蒲田7-60-9 [Map] 090-4527-3392 http://homepage3.nifty.com/shirairu/
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元祖平壌冷麺「食道園」で 平壌冷麺盛夏が似合う涼やかな器

shokudoen00.jpgああ、アツい暑い(汗)。 ふと、こんな灼熱な炎天下には、 あの麺を啜りたいと思い付く。 急遽池上線に乗り込んで向かったのは、 終着の蒲田駅。 改札口を背にしてすぐの階段を下れば西口ロータリーの脇に出る。 そのまま辿るのは、池上線の高架沿いです。

じりじりする陽射しを浴びながら歩くは、バーボンロード。 「ユザワヤ」村の方へと潜るトンネルまでが蒲田くいだおれ横丁で、 その先が当の東急駅前通り会の縄張りらしい。shokudoen01.jpgすると右手に見えてくるのが、よれっとした白い暖簾。 元祖平壌冷麺「食道園」で「冷麺」啜るに相応しいおひる時だ。

shokudoen02.jpg お品書きから「ビビンバセット」か「おにぎりセット」かと思案するも、 こんな日は素直に「平壌冷麺」単品で。 大盛り、中辛でお願いします。

モリモリっと盛り上がるように盛り付けのドンブリ。 キムチの周りに辛味の橙色のグラデーション。shokudoen03.jpgトッピングは、半裁の茹で玉子に煮付けた牛肉、小口切りの胡瓜、葱。 そしてクシ切りの梨が涼しそうに。

澱粉の透明感もまた涼しさを誘う。shokudoen04.jpgshokudoen05.jpgshokudoen06.jpgすっきりとしつつコクのある牛骨スープには、油っぽいベタツキは一切なく、 適度に冷たく、涼やか。

カクテキの周りの辛味を広げては、啜る。 辛さの微妙な変化とともに、コク味が深みをみせる。

辛さの区分は、普通、中辛、大辛、特辛とあるのだけれど、 初めての時は基準が判らず、戸惑うことも少なくない。 そんな時は、辛味を別盛りにしてもらえば、加減ができていいみたい。 そう云えば、銀座「ぴょんぴょん舎」では、別辛にしてもらったんだっけな。

池上線・多摩川線の高架脇に、元祖平壌冷麺「食道園」。shokudoen08.jpgshokudoen07.jpg 蒲田「食道園」は、2009年04月のオープン。 店内のポスターには、「東北にて麺の改良に改良を重ね、スープへのこだわり、カクテキの風味への追求に時間を費やし、最高の冷麺に仕上げることが出来ました。どうぞ冷麺一筋約40年の熟練の味を楽しんで食べてください」とある。 盛岡冷麺の元祖といわれる「平壌冷麺」正統のお店と考えてよさそうだね。 そして、びば☆蒲田(笑)。

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「食道園」 大田区西蒲田7-64-8 [Map] 03-3734-8951
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鳥から揚げ「うえ山」で 素揚げで堪能砂肝首手羽皮ムネにモモ

ueyama.jpg蒲田駅西口のロータリーにしばし佇む。 右手斜めに進んで「鳥万 本店」の暖簾を払うもよし、 その先の「鈴文」で揚げ立てとんかつを喰らうもよし。 池上線の高架脇の道を辿って、久々に「上弦の月」のドンブリを啜るもよし。 でも今夜は、約束がある。 ロータリーを入口にデデンと構えるアーケード、 「SunRise KAMATA」をずいずいと進みます。

アーケードには「山田うどん」があったんだねーと懐かしいものをみるように眺めつつ、 そのままアーケードの傘を抜け、蒙古タンメン「中本」の前を通り過ぎる。 すると、大井町の狭い店「のスた」にみる「凛」の文字が此処にも。 ああ、蒲田ってやっぱりいろいろ徘徊し甲斐があるなぁと感心しつつ、さらに真っ直ぐに。

その先はもう、大きく右にカーブして池上駅方向へ向かう池上線。 と、その手前で揺れる白い暖簾。ueyama01.jpg 鳥から揚げの店「うえ山」に到着です。

元喫茶店か、もしかしたら床屋だったのかもなんて思わせる外観が、いい。 暖簾には、娘さんが描いた可愛い鳥の画が和ませて、いい。

カウンター横並びでの待ち合わせは、蒲田の女王ことkimimatsuさん今日はケンタ食い放題の記念すべき日なんやでぇとのっけから仰るグヤ兄さん。 そうなんだ、知らなかった~。 そこへ、どうやら明後日の方向へ突き進んじゃったらしい(笑)、唐揚げといえばの油ちゃんが汗掻きやってきて、全員集合です。

まずは、お通し選びから。 目の前に繰り広げられているお惣菜のあれこれから三品を選ぶのが「うえ山」の習わし。ueyama02.jpg女将さん手作りのお皿たちへ目線きょろきょろと、ちょっぴり迷いつつ。

見つけりゃ外せない茄子のお皿は、茄子とピーマンを味噌で炒め煮したやつ。 そして、鶏屋さんでは是非いただきたいレバーの煮物に定番のポテサラ。ueyama03.jpgどれもがそうといえばそうだけど、どうしても酒のあて的選び方になっちゃうね(笑)。

ビールの後はやっぱり、これで呑りたい「コダマサワー」。ueyama04.jpg豪快に注ぐ、焼酎濃いめが似合います(笑)。

ueyama05.jpg ご主人がまず届けてくれたのが、「砂肝」。 それは麗しき素揚げの照り。ueyama06.jpg噛めば絶妙な歯応えと溢るる旨味。

続いてやってきたのはなんと、「首」。ueyama07.jpg見ようによってはグロテスクだけれど、食べ尽くしてあげるのが、 殺生することで生きながらえている者の務めだなんて思ったりなんかして。 じっくり火を通しているがゆえ、意外と解れ易く、 よく動き活躍している部位の胆力をポキポキいただく感じでございます。

さて、セットでお願いしていた「から揚げ」のお皿がご主人から手渡されました。 セットというのは、じっくり素揚げしたムネとモモ。

半裁した熱々のモモ肉に慌てて噛り付く。ueyama09.jpg綺麗な脂がそそる滋味と相乗して唸らせる。

順番としたらムネからでしょ、とKimimatsuさんにツッコまれ、 そっかそうだねーと応えつつ、今度はそのムネ肉の素揚げに挑みます。

香ばしさに包まれた柔らかでかつしっかりとした繊維質。ueyama08.jpg歯の先を受け止める度に溢れる、正直な旨味。 いいね。

ueyama10.jpg 手羽先に続いて届いたのが、 素揚げの「皮」。ueyama11.jpg齧れば期待以上の軽妙さのパリパリが愉しめる。 鶏が苦手なヒトは、このトリハダがまず厭なのかもしれないけど、 この愉しさが味わえないなんて、残念かも。

そして、鶏のあれこれをひと通りを楽しんだ後の仕上げが、 囓ってしゃぶってした骨を集めて炊いたスープ。ueyama12.jpgシンプルな鶏骨スープの有り難味。 共に味わう仲間に嫌いな奴がもしも混じっていたなら、 こんな素直にしみじみとは啜れないかもしれません(笑)。

鶏を素のまま味わいつくす実直な魅力溢るる、から揚げの店「うえ山」。ueyama13.jpg魅せられ通った、今はなき「那珂川」の味を失いたくないと一念発起したご主人の想いと、 それをそっと支える女将さんの醸す雰囲気もまた魅力的です。 そして、びば☆蒲田!

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「うえ山」 大田区西蒲田7-59-1 [Map] 090-3572-8700
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