「沿線巡る小田急京王」カテゴリーアーカイブ

Bar「カエサリオン」で ミント・ジュレップ駅前にして隠れ家バー

caesarean.jpgじわっと暑い初夏の頃、 薪釜ピザ「enboca」を訪ねた以来の代々木上原へ。 駅の高架沿いの和食「笹吟」へお邪魔した道すがら、もう一軒寄り道しようと同じ通りをふらふらと。 目星をつけていたバーの所在が判らず電話を架けて訊ねると、なんとその店の真ん前にいました(笑)。
雑居ビルの外階段のすぐ下の暗がりにある扉は、 そうと知らなければ、ビルの通用口か倉庫のようでもあり、 駅前にしてひっそりとした隠れ家のようです。

硝子越しに中が少し覗けるのに安堵して、その扉を引き開けます。 頭をポリポリ掻く感じで、ちょうど空いていたカウンターの隙間に止まり木します。 どうも、今し方は、ポリポリ。caesarean01.jpg黒が基調のカウンターやバックバー。 無彩色のステージに棚のボトルや卓上のグラスが主役として浮かび上がる感じ。 熟達を思うバーテンダーのバーコートもきりっと映える設え。 こじんまり感がちょうどよく、店の中にも程良い隠れ家感を想います。

ほんの少し身を乗り出して覗いたマスターの手元にはミントの葉。 そうとなれば、「モヒート」か「ミント・ジュレップ」か。 「ミント・ジュレップ」をいただきましょう。caesarean02.jpg時季には、何杯となくそのグラスを作っているらしい手際を眺めるひと時も愉しくて。 ミントの翠鮮やかなモヒートがすっとカウンターに置かれました。 caesarean03.jpgcaesarean04.jpg 用いるバーボンは、FOUR ROSES。 バーボンのコクとすっきりした甘さとのバランスよろしく、 ミントの風味が心地よく涼風を運んでくれます。 うん、美味しい。

caesarean05.jpgもう一杯だけと、 バックバーからモーツァルトでもブラントンでもない、 球形のボトルに目をつけました。caesarean06.jpgどうやらゴルフボールを模したボトルらしく、ラベルにはOLD ST.ANDREWS、とある。 彼のゴルフの聖地との関係は判然としないまま、なるほどと傾けるグラス。 ゴルフコンペでの景品に持て囃された時期もあるのでしょうね。

駅前にして隠れ家のバー、代々木上原「カエサリオンCaesarean」。caesarean07.jpg通うほど通うにつれ、より深く心地いいバーのひと時を提供してくれそうな、 そんな予感がいたします。


「カエサリオン」 東京都渋谷区上原1-33-16 第一オーツカビル1F [Map] 03-3485-2907
column/03177

とんかつ「椿」で ロースカツ椿老舗登録商標の風格と熟練と品格

tsubaki.jpgとっても久し振りに訪れた成城学園前。 北口を出て、ふらふらと街並みを眺めながらのんびりと歩みを進めます。 嘗て新店舗の開店に関わった証券会社はもうなくなっていて、ちょっと寂しく思いつ歩いていくと、あっという間に閑静な住宅街に景色が変わり、生垣の上からは暖かな日和に誘われるように気の早い桜が咲いています。
麗らかな日曜日だなぁ。 そう感じながら空へと見上げた視線を戻すと、 住宅地の間を真っ直ぐ伸びる道路の右手に目的地を見つけました。tsubaki02.jpg看板が「とんかつ椿」と標しています。 老舗の風格すら漂う佇まいを拝んでから入口の前に立つ。 春色で誘う暖簾には、刺繍にも思える鮮やかに染め抜いた「椿」の文字。 おひとりさまは、厨房前のカウンターに陣取りました。 暖かで気持ちのいい日和にノッて、麦酒を所望しちゃいます。tsubaki03.jpgおひたしを添えてもらいましょう。

お願いしたのは、「椿 ロースカツ」。 ご飯セットを含んだお昼の定食は、土曜日を含んだ平日のみなので、単品のロースカツを定食に仕立ててもらうことになります。 丁寧に細めに刻んだキャベツをこんもりと盛り、その手前に堂々と鎮座するカツ。tsubaki04.jpgなにがそう思わせるのか、熟練の威風を想う表情のする。 野生的かつ豪胆に攻めるタイプのトンカツには醸し出せない、一種の品格を思います。 断面を覗き込むと、桜色のロースから肉汁がじわっと滲んで、垂涎を誘う。tsubaki05.jpg均一な衣が肉と分離することなく、ぴたりと包んでいるところにも感心しながら、まずはそのままいただきます。 硬さを帯びない、さっくりと軽妙な歯触りの衣は、肉の旨みを逃がさず包み込む役目も担っていて、余分な水分を逃がしながら肉の旨みを凝縮させているのだなぁと膝を打つ(ぽん、笑)。 tsubaki06.jpgこれまた歴史と熟練を思わす甘め自家製ソースもいいけれど、今や定番のアンデス岩塩でいただくのがやっぱり一番。 ご馳走さま。

そうそう、久し振りに成城学園前を訪れたその訳は、 以前から聴いていたアーティスト荒木真樹彦のライブに初めて臨むためでした。 会場となったのは駅からみて成城学園の裏手の住宅街の一角。 まさにどなたかの邸宅の玄関から案内されると、そこはまるでヨーロッパの小さな教会よう。tsubaki01.jpg高いアーチ状の天井が守る空間は、どこか厳かに生音が響く設え。 サローネ・フォンタナという、クラッシックも似合うホールだ。

風格と熟練と品格を想う「椿」はきっと、成城界隈で一番に知られたとんかつのお店。tsubaki07.jpgtsubaki09.jpg箸袋には、登録商標の文字。 「とんかつ椿」での登録なのでしょうね。



「椿」 世田谷区成城5-15-3[Map] 03-3483-0450  http://tsubaki.web.infoseek.co.jp/
column/03111

薪窯ピザ「en boca」で 野沢菜大葉ピザいちじくとベリーのピザ

enboca.jpgあろうことか気がつけば二年振りとなってしまった、代々木上原。 東口へと抜ける通路は、いまだに降りたシャッターが多いのねンと思いながら、駅前商店街の通りへ。 前回は遠回りしちゃったんだよなぁと呟きつつ、裏手の住宅街へと抜けて行く。 記憶の中の光景を辿りながら、 確かこの辺りの右側にと立ち止まったところが「エンボカ」の前でした。 意外と覚えているものです(笑)。
ちょっと懐かしいコンクリート打ちっぱなしの内観。enboca01.jpgそこのテーブルに少々お待たせしちゃったのは、 ご一緒にとお声掛けしたヒロキエさんenboca02.jpgこちらの定番ベルギービールを手に乾杯します。 グラスの中身は、 「グリセット ブランジェ」というホワイトビールの樽生だ。 「エンボカ」は薪窯を生かしたピザの店ではあるのだけれど、 そのピザ窯で焼いた旬の野菜も魅力のひとつ。 「そら豆」「新玉ねぎ」「皮付きヤングコーン」「枝付き枝豆」などとある旬野菜のラインナップから、ちょっと面白そうな「竹の子」を選んでみました。enboca03.jpg長角皿に載ってやってきたのは、ずんぐりした所謂竹の子とは別のもの。 ホールのおねえさんは、「姫竹」と呼ばれる竹の子だと説明してくれたけど、 これはつまりは青森でいうところの「ネマガリダケ」だよね、takapu? 焦げていて硬いひと廻りを外して、中の柔らかめのところをいただきます。 ふむふむ。 それってどんなだろ?と想像を巡らしつつお迎えした「ズッキーニそうめん」の器には、想像以上にカラフルに涼しげな湖面。enboca04.jpgそうか、そうだ、黄色いズッキーニもあるンだもんねと、氷と一緒に浮かぶ素麺状を掬い上げて、用意されたツユに浸す。 如何にもそうめんぽく啜るってー訳にはいかないけど、しゃきしゃきとした野菜をちゅちゅちゅといただく不思議な口触りが面白い。 ツユには柚子がばっちり利いてるね。 さてさて、前回の「エンボカ」のピザで一番印象深かったのは、野沢菜のピザ。 今宵もやっぱりいただいてしまいます。 ハーフ&ハーフの相方は、大葉に務めていただきましょう。 野沢菜漬に胡麻豆腐を含めた胡麻の風味たっぷりの胡麻ソースが、 妙妙にして乙な取り合わせだと改めて思わせる。enboca05.jpgツブ粒で表情を添えているのは、荏胡麻の実らしい。 ふっくらもっちりしたコルチョーネも「エンボカ」らしい縁取りだ。 大葉サイドは、大葉の苦みがちょっと大人の装い。enboca06.jpgモッツアレラのコクがその苦みを包み込んで、これまた乙な仕立てになってます。 んん?生ハムのにぎり寿司とな? ということでお願いしたお皿には、薄くスライスしたパルマの生ハムで全身を覆った赤い稲荷寿司的物体が鎮座。enboca07.jpgえい!とばかりに齧りつけば、バルサミコちっくな風味に柚子胡椒のキレと生ハムのやや塩っけが折り重なって、摩訶不思議な食べ口だ。 「エンボカ」ではやっぱり、デザートピザもいただかねばなりません。enboca09.jpg前回の「いちご」も印象的でしたが、時季の違う今回選んだのは、 「イチジク」に「ブルーベリー」。 enboca10.jpg 火が入ってちょっととろんとしたイチジクのあっさりとした甘さと生地の相性が乙ならば、香気濃密に紅い滴を洩らすブルーベリーにはそっと支えて脇役に徹する生地もまたニクい。

薪窯で焼くピザと旬菜、 そして生樽ベルギービールが人気の「en boca(エンボカ)」東京。enboca11.jpg軽井沢で出逢ってからもう5年も経ってしまったのかとちょっと遠い目。 久し振りに軽井沢にも行きたくなっちゃったな。 □関連記事:  釜焼ピザ「en boca」 で想定外の満足ピザ口から口へああ旨い(05年07月)  薪釜ピザ「en boca」東京でふきのとうピザいちごピザもう堪らン(08年04月)


「en boca」東京 渋谷区元代々木16-16[Map] 03-5452-1699 http://www.enboca.jp/
column/03009

手打ちつけうどん「めんこや」で 肉汁うどんは武蔵野うどん派生形

menkoya.jpg幡ヶ谷にも武蔵野うどん系統と思われる手打ちうどん店があるという。 新線の階段を上がり甲州街道に佇んで、 首都高の高架を見上げる。 その足元に「カンパイ生ビール30円」とする看板menkoya01.jpgが立て掛けてある。 そのまま右手を振り向いて目を凝らすと、 その先の路上に「手打ちうどん」と書かれた木目の看板が見つかりました。 手打ちつけうどんの店「めんこや」は、云わば、幡ヶ谷の駅上にあるんだ。
menkoya02.jpg 円に”め”と書かれた硝子戸に手を掛けると、その右手で麺を打つ姿が目に留まる。 麺打ち場が通りに面して硝子張りになっているお店は少なくないけど、打ってる様子が覗ければ、ほうほうとか云いながら、そのお店に吸い寄せられてしまうこともあるよね(笑)。 menkoya03.jpgおひとりさまは、左手のカウンターへ。 つけ汁に茹で玉子を浮かべた「ぶったまうどん」とか、桜エビ・小エビの天ぷら載せの「エビ汁うどん」、ピリ辛肉味噌を和える「ピリ味噌うどん」「辛肉うどん」などなど、ラインナップはあれこれ。 でもやっぱり、注文むのは「肉汁うどん」大盛りであります。 「桜エビのあげ玉」を追加することもできるけど、それも我慢のデフォルトでいただきたい。 30円のカンパイビールを一気に呑んで待つひと時。 つけ汁に続いて、うどんの器がやってきました。menkoya04.jpg つけ汁に葱と一緒に浮かんでいるのは、武蔵野うどんお約束の薄切りバラ肉ではなくて、東坡肉のスライスという風情。 10時間煮込んだトロトロ肉、という謳い文句は、まさに煮豚であることを示しているね。 オリジナリティ含みで仕立てたい気持ちは判らなくはないものの、できれば薄切りバラ肉仕様であって欲しい。 ま、そんなこと思うのは極々少数派なのかもしれないけどね。 茹でたてシメたてと思しきうどんは、艶々として美しい純白。menkoya05.jpg太さや捩れからくる躍動感はなかなかも、見た目の表情からは地粉っぽさが窺えません。 つけ汁にトプと浸して一気に啜る。menkoya06.jpgつるつると滑らかに口元を過ぎた後、噛めばムチムチっとした弾力と歯切れ。 讃岐のコシとはまた違う個性ではあるものの、これは武蔵野うどんのキャラともまた違う。 ま、それはそれとして、適度につけ汁を絡ませながら、しなやかに逞しい量感を伝えてくれるあたりがなかなかニクイ。 たまたま運びこまれた粉袋は、日清製粉の「金すずらん」。 その「金すずらん」だけではなくて、他の粉もブレンドしているのかな。 武蔵野うどんから派生して独自世界に及んだ、手打ちつけうどんの店「めんこや」。menkoya07.jpg川越にあるという、元祖武蔵野うどん「めんこや 本店」との関係や如何に。 「めんこや」 渋谷区幡ヶ谷1-2-7 松井ビル1F [Map] 03-3320-4455  http://accele.cool.ne.jp/menkoya/
column/02892

自家製麺「アイバンラーメン」で塩半熟玉子のり豚ローストトマト飯

ivan.jpg芦花公園にニューヨーク出身のアメリカ人が営んでいるラーメン店があって、評判だという。 環八の先から斜めに入る、久し振りの旧甲州街道。 そう云えば、この辺りのラーメン店に以前訪れたことがあったよなぁと思い巡らしながら「丸美ストアー」と書かれたアーケードの入口前に辿り着く。 あれ、ここが「いち」のあった場所じゃなかったっけ。 なんだかとってもお疲れのご様子だった「いち」のおばちゃんが忙しなく動き回る光景が思い出されて、そうか「いち」はもうなくなっちゃったのだ、と。 「アイバンラーメン」の前には、もう午後3時にもなろうとしているのに10数人の空席待ちだ。
「はい、らっしゃいませ~」。 アイバンさんがカウンター内の真ん中で迎えてくれる「アイバン」のメニューは、醤油or塩のラーメンorつけ麺。そして少量スープ仕様だという「スパイシーレッドチリ麺」「ローストガーリック麺」。 まぁ、基本形寄りからいきたい気分だなぁと「塩半熟玉子ラーメン」に「のり」をお願いしました。 口径小さめで断面三角な器で手渡されたラーメンから、断然旨そうな匂いが漂う。ivan01.jpg鰹的魚粉系のエキスもしっかりの様子が湖面からも十分に窺えます。 ivan02.jpgivan03.jpg 啜った印象は、濃厚で結構脂も強い感じ。 メニューには、長時間煮込んだチキンがスープのベースでそこに北海道産魚介出汁と秘伝の野菜スープをブレンドしている、とある。 そんな洗練ガッツリのとろみあるスープに自家製麺が好相性。ivan04.jpgivan05.jpgエッジの利いたデフォルト硬茹での細麺で、歯切れのよさが独創的ですらある。 うん、なかなか、なかなか。 穂先メンマもトロっとした厚切りチャーシューもいい。 サイドメニューにと「豚ローストトマト飯」。ivan06.jpgどどんと載るローストしたトマトの下には、チャーシューの端肉を解したような豚さんがたっぷり。 箸の先で押し切るようにすると、トマトからジュースが迸り、豚にご飯に香ばしさと一緒に酸味と甘みを注ぎ垂らす。 添えたオイルや香辛料も気が利いていて、これは旨いなぁ。 アメリカ人が作るラーメンなんてちょっと、というような心配は一切不要の「アイバンラーメン」。ivan07.jpgいつか母国で、とも考えているのかな。 口関連記事:九州らあめん「いち」で いちらあめんとお疲れのおばちゃん(06年05月) 「アイバンラーメン」 世田谷区南烏山3-24-7 [Map] 03(6750)5540 http://www.ivanramen.com/
column/02726 @1,400-