「とある人形町風情」カテゴリーアーカイブ

和食・やきとり「久助」

kyusuke.jpg甘酒横丁のやきとり「久助」のランチメニューはただ一品。「炭火焼 焼鳥重」です。奥へと続くカウンターも右奥の小上がりも、ほぼ満席の盛況だ。メニューが決まっているので、「ご飯の盛りどうします?」とだけ訊かれ、「普通で」と応えます。お重の蓋を開いてそこにあるのは、串焼きの、所謂やきとりではなくて、”きじ焼き”スタイルのやきとり。パリッとなった皮と身の間から脂がじわわんと沁みてきて、さらっとした辛めのタレも勘所よろしく、炭火焼の香ばしさも手伝って、なかなかウマイ。なんか、串モノの焼鳥丼よりしっくりくるなぁ。こちらも大山地鶏を使っているらしい。ご飯大盛りぐらいが鶏とのバランスがいいボリュームかもしれません。味噌汁が面白くて、具として入っているのは、とろろ昆布。あ、そう云えば鶏スープじゃないんじゃん。添えられる鶏スープでその焼鳥店の焼鳥屋としての力量と矜持を計ろうとするところがあるので、そういう意味ではかわされてしまったような気もします。黒板に既に書き出されている酒肴たちや額に納められた手書き風が愛らしい品書きを見るにつけ、夜は夜できっと賑わっているんだろうなぁと思ったりもします。 「久助」 中央区日本橋人形町2-21-11 03-3639-5409
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元祖炭火焼親子丼乃店「日本橋ぼんぼり」日本橋本店

bonbori1.jpg蛎殻町交叉点から箱崎の方向へ折れ入る、とうかん堀通りという静かな筋沿いにある「日本橋ぼんぼり」茅場町へ行ってみました。落ち着いたデザインの店内は、どこかゆったりとしていて、呑んでいても居心地が良さそうだ。空気が心地いい夜には脇道に面したガラス戸を全開放したりするのでしょうね。さてお昼のお献立。元祖炭火焼の「ぼんぼり親子丼」はもちろん「豪華イクラ丼」というチョイスもイケそうがゆえ、迷いに迷って「地鶏唐揚げ油淋ソース定食」を選んでみました。カラリと濃い色に揚がった唐揚げは、なかなかの大ぶりでずしりとした量感がする。無造作に齧ると、その齧り口からは透明な脂がじわんと滲んでくる。はふはふ。しっかりと噛み応えのある鶏の身自体が濃い味なのかもしれないな。はふはふ。揚げ立てがなによりだ。はふはふ。回しかけられている生姜の香りの利いた定番の甘酢ソースもご飯が進む要因だ。一気に食べてしまうじゃん。訊けば、唐揚げの鶏肉も大山地鶏という鳥取の地鶏を使っているそう。ひとクセもふたクセもありそうな夜メニューも気になるな。 「日本橋ぼぼり」 中央区日本橋蛎殻町1-5-1 オイスタービル1F 03-3664-2777
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御座敷洋食「来福亭」で 香ばしくヤキメシなオムライス

raifukutei.jpg「玉ひで」の盲目的行列の異様さと隣り合わせているのに、「来福亭」のなんと清々しいほどの落ち着きと肩の力の程よく抜けた小粋さだろう。 往時の佇まいを丹精して大事にしてきている様子が窺え、オバチャンのおっとりとした応対になんとも和んでしまう。 そして、気取らない日本の洋食メニューにあれこれと迷う。 連日のカキフライというのもありかと思いつつ、結局は「オムライス」に「ポタージュ」を添えてもらうことにしました。 塩加減の上手なあっさりとしたポタージュは、スープ皿でもカップでもなく、ごく普通の取り皿のような器に入ってきます。 缶詰なんかじゃないぞ、きっと。 オムライスは、ほぼ円盤状に薄焼き玉子で包んだもの。raifukutei01.jpg中身のご飯は、ケチャップをしっかり使ったチキンライスとは趣を違える、炒める様子が脳裏に浮かぶような香ばしさが魅力の”ヤキメシ”タイプだ。 真っ赤なケチャップなんか使わず、少々酸味を利かせたさらりとした独特のソースがかかっています。 うんうん。素朴な感じが、いいね。 「ビフカツ」「カツレツ」「メンチエッグ」などの揚げ物系や「ハヤシライス」も気になる。「カニヤキメシ」ってのもあるぞ。 帰りがけに甘酒横丁「柳屋」で「高級鯛焼」を仕込むのもまた、よろし。 「来福亭」 中央区日本橋人形町1-17-10 03-3666-3895
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魚河岸料理「よし梅」本店で かき逃すも沁みる帆立雑炊ハフホフ

yoshiume.jpg人形町が三業地だった頃の名残りを残す「よし梅」の本店でお昼をいただくことにしました。 元は芸者の”置屋”だったそうで、別棟となる「芳町亭」はそもそも”待合い”だった建物で、今や登録有形文化財にもなっているらしい。 鄙びた佇まいをみせるアプローチ。 傘のためのビニール袋を開いてフォローしてくれるオバチャンの所作が嬉しい。

実は、牡蠣の雑炊を目指していたのだけれど、 お品書きの「雑炊」の項に「かき」の文字がない。 「かきは、ないんでしたっけ?」。 すると、3月から牡蠣をメニューから外しているんだそう。 それって今日からじゃ~ん、と思いながら、 えび・かも・帆立とある中から帆立の「雑炊定食」をお願いしました。

お隣のご婦人が食べてる「まぐろのぶつ定食」も旨そうだなぁと盗み見しているところへ、 しっかりサイズの鍋がやってくる。 れんげで数回取り皿に受けてから、ハフハフしならいただきます。

素直な旨味が沁みてきて、塩の加減も絶妙だ。 受け皿に入っていた梅干を齧ることなくそのまま残して雑炊を口に運ぶと、 その梅干からほんのりと梅の香りが零れてきて、これは正にいい”塩梅”だ、と洒落る。 最初は、なかなかのボリュームだなと思っていても、飽きることなく最後までいただけます。 スペシャリテであるところの「ねぎま鍋」がやっぱり気になるな。店名の「よし梅」は、 芳町に住んでいた「うめ」さんが創業したことに由来しているそう。 創業は昭和二年とある。


「よし梅」人形町本店 中央区日本橋人形町1-18-3 [Map] 03-3668-4069  http://www.yoshiume.jp/
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鰻蒲焼「人形町 梅田」で しら焼き丼いくらのせ危うしコテコテ蒲焼

umeda.jpg人形町通りからすっと脇へ反れた筋に下町らしい風情で佇んでいるのが「梅田」です。 暖簾を潜った途端に「煙草吸われます?」と訊かれる。 「いえ!」と応えるとそのまま1階のテーブルへ案内されました。 喫煙者は2階へどうぞ、という運営をしているようです。 できそうでできない配慮だよね。
早速お目当ての「しら焼き丼 松 いくらのせ」をお願いしました。 山葵を少々のせてから箸を横に通すと、そのまま素直に切れる。umeda01.jpgたれの沁みたご飯とともに頬張ると、ふんわり柔らかい食感の後ろから、甘さにも思える鰻自身の旨みがさっぱりとした醤油だれに包まれるようにやってきました。 充分に蒸すからか、しつこさのない上品な仕上がりになっていて、でも決してあっさりし過ぎない。 ん~、コテコテとした蒲焼の立場危うし。 100円トッピングのいくら醤油の鮮度がよければもっと嬉しいな。


「人形町 梅田」 中央区日本橋人形町3-4-2[Map] 03-3661-0160
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