「神戸兵庫と中国地方」カテゴリーアーカイブ

ぎょうざ「瓢たん」元町本店で 味噌ダレと皮を愉しむ軽やか餃子

hyotan.jpg降り立ったのは、阪急神戸線の岡本駅。 改札を背にしてJRの摂津本山駅方向へと、 商店街の石畳が向かう。 石畳はすぐ右手の小路にも敷かれていて、 その先に見つかるのがイタリアン「アリオリオ」だ。 オマカセでお願いしたお皿たちを堪能しながら、 旧交温めるテーブルに交じって愉しいひと時。 ピアノの向こうでは、日本人初のトルコ・ウード奏者という柴山哲郎氏奏でてくれていました。

翌日、お世話になった御影駅近くの旅館を離れ、昼下がりの三宮駅。 アーケードをゆっくり歩いてやってきたのが元町の駅前です。

高架のすぐの通りに、赤い座面の丸椅子と”ぎょうざ”の文字。hyotan01.jpghyotan02.jpg目的地は、一間間口の餃子専門店、「瓢たん」なのでありました。

hyotan03.jpg 「ぎょうざ」二人前づつと中瓶の麦酒を所望して、 開け放った窓際に並ぶ焼き台の表情を眺めます。hyotan04.jpghyotan05.jpgたっぷりと注ぐ水。 並ぶ焼き台を覆う長方形のカバーの脇から漏れる湯気。 餃子の下に差し込むヘラは、焼き具合を確かめ、焦げ付きを避ける所作でしょか。

焼き上がった「ぎょうざ」の焼き目がソソる。hyotan08.jpgソソる外観からも中身たっぷりの量感系餃子ではない、軽さが窺えます。

まずはそのまんま、いただいてみる。hyotan09.jpgうん、いいねとコップの麦酒をグビリ。 出しゃばらないあんとその量加減が、皮を軸に愉しむ餃子であることを知らせてくれます。 たっぷりと注いだ水は、その皮をしっかり蒸し上げる役目を果てしているんだね。

そして、卓上に用意されている調味料の容器に手を伸ばす。 元町の餃子と云えばこれでしょうと、味噌ダレを小皿の上に。 ラー油も少々足しましょう。 hyotan06.jpghyotan07.jpghyotan10.jpg中身みっちりとかジャンボな餃子ではなく、 こうして皮をいただく系の餃子には特に、味噌ダレが似合うのだねと笑顔を交わします。 軽やかな餃子に二人前をぺろっと平らげてしまい、 3人前4人前にしなかったことを後悔したりしてね(笑)。

元町の駅近く、一間間口の赤いテントが、ぎょうざの店「瓢たん」元町本店。hyotan11.jpg10席に満たないカウンター。 創業時には、屋台のような形式だったのかな、などとなんとなく考えつつ振り返る。 今度この界隈を訪れたならば、 三宮ガード下の三宮店や裏手にある「赤萬」元町店にもお邪魔して、 比べてみたいなとも思います。

口 関連記事:   ぎょうざ専門店「ぼんてん」でビールにどんぴしゃ味噌ダレぎょうざ(07年05月)


「瓢たん」元町本店 神戸市中央区元町通1-11-15 [Map] 078-391-0364
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創味魚菜「いわ倉」でままかり岡山千両なす連島蓮根名物たこ飯

iwakura.jpg岡山市、福山市は訪れたことがあったけど、 倉敷を訪ねるのは今回が初めて。 倉敷といえば、倉敷川沿いの美観地区が観光名所の筆頭でしょうか。 でも生憎の時雨れた空模様と上がらない気温。 出来ればスカっと日本晴れの美観地区に浸りたかったのだけど、それもまた巡り合せですね。

ひと影疎らな長い長いアーケードを辿って、地方都市の切ない顔も目の当たりにしつつ、 ホテル近くの国指定重要文化財「大橋家住宅」に寄ってみました。

入館料と引き換えにいただいた小冊子には、 大橋家の先祖は、豊臣氏に仕えた武士であったけれど、大阪落城後には京都に移り住み、 幕府の追及を逃れて大橋を称するようになった。 江戸に入ってから倉敷に住むようになり、水田・塩田を開発して大地主となる一方で、 金融業も営んで大きな財をなした。 飢饉の際の献金や塩田の開発などにより名字を名乗り、帯刀する事を許され、 江戸時代末期には、倉敷村の庄屋を務めるに至った、とある。

そんな大橋家の住まいは、倉敷町屋の典型を示す代表的な建物とされていて、 通常の町屋の域を超える規模と格式を呈するもの。 旧街道に面した長屋門から中庭に抜ければ、忽ち財力ある往時の空気に包まれます。

土間をずずずいと進んだ奥には、土間に面して板の間の台所があり、 成る程、沢山のひとがこのお屋敷で日々を営んでいたことが窺える、 羽釜を据えたおくどさん。iwakura01.jpgiwakura02.jpg据え膳に畏まってご飯をいただく様子が想い起こされます。

何部屋もが続く座敷を回遊するようにしていると、 今はもうない奥座敷側の硝子戸を通して、裏手の様子が覗ける。iwakura03.jpg其処に、創味魚菜「いわ倉」というお店をみつけました。
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フローズンな麦酒を口開けに「真いか下足フリッター」。iwakura05.jpg瀬戸内産の真烏賊と思しき烏賊ゲソは、歯応えしっかり柔らか。 噛んで嬉しい滋味が弾けます。

岡山界隈で思い浮かべる魚と云えばやっぱり、ままかり。 いつぞや新幹線車内でいただいた駅弁を思い出す。iwakura06.jpg生からのものに加えて焼いたものもあるという「ままかりの酢漬け」。 駅弁のままかりは開いてあったけど、 こうして一本ものなのが本来の姿なのかもしれません。 甘酢に〆たサッパ(小魚)を骨ごと喰らう野性味は、 新子や小鰭の繊細さとは趣きが異なって面白い。

岡山千両なすを使った「焼きなす」に続けて、 「海老と蓮根のはさみ揚げ」。iwakura07.jpg瀬戸内の地物、連島蓮根に瀬戸内の小海老のミンチを挟んで揚げたやつ。 サキュっとした期待通りの蓮根の歯触りと小海老の身のズルい甘さが相乗して、 嬉し美味し。

これもやっぱりいただいておかねばと、「名物たこ飯」。iwakura08.jpg下津井産の蛸を含めて蒸し上げたご飯に錦糸卵がたっぷりと。 真ん中に載せた蛸下足が愛らしく映ります。 あっさりと仕立てたご飯に蛸の身を含んで蒸し上げたご飯に、 瀬戸内の蛸の滋味が滲みています。

倉敷は国重要文化財「大橋家」の裏手に、創味魚菜を謳う「いわ倉」。iwakura09.jpg乙島しゃこ、がらえび、いしもちの「瀬戸の小魚唐揚げ」とか、 「いかなごの釘煮」「真鯛のあらだき」とか、 寄島産の特大しゃこの「子持ちしゃこ酢」等々、 瀬戸内魚介を活かした気になるメニューに今も後ろ髪を引かれています。


「いわ倉」 倉敷市中央2-1-18 [Map] 086-427-3100
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手打ち蕎麦切り「芦屋 土山人」で 羨望のすだちそば和む涼しさ

dosanjin.jpg随分と久し振りに神戸にやってきた。 JALが飛ばなくなってからは初めての元町へ、 新神戸からアプローチ。 いつ以来だろうと日記帖を捲ると、 5年以上振りになることが判る。 ふらふらっと歩く南京町もまた、 陽炎揺らめきそうな酷暑の中だ。
自由が丘に似た街とも云われる神戸岡本での所用をひと区切りして向かったのは、 天下に名立たる高級住宅地、芦屋。 山の手でなく、阪神寄りの界隈でも、なるほど品良く落ち着いた佇まい。 それでいてこれ見よがしの大邸宅ばかりでもないバランスが心憎い感じのするところ。

そんな一角のマンション一階が目的地。 手打ち蕎麦切りの「土山人」の本丸と思しき芦屋のお店に闖入です。

涼しげな暖簾を払うと、空席待ちがお三人様。 長椅子に腰掛けて店内を眺めると、大きなテーブルに先客さん達。dosanjin01.jpgdosanjin02.jpg竹を縦に通した間仕切りの向こうには、 ゆらゆらとこれまた涼しげに金魚の泳ぐ甕が覗きます。

dosanjin10.jpg案内されたのは、大きなテーブルの一番奥の厨房前。 早速手にしたお品書きには、お目当ての「すだちそば」が見つかります。 おすすめの細挽きそば(せいろ)に「かきあげ」を添えてもらいます。

ちょっと小鉢も欲しいなぁと「季節の一品」から「焼穴子とゴーヤの土佐酢和え」を。dosanjin03.jpg土佐酢にちょっと丸くなったゴーヤの苦み青みと穴子の香ばしさが良く似合って、 成る程夏のお味です。

そこへお待ち兼ねの「すだちそば」の器が届く。 丁寧に並べたであろう酢橘の輪切りは、向こうが透けるような極薄スライス。dosanjin05.jpg 苦味が出始めたら小皿に取ってください、というような口上だけど、 まずは冷やかけ出汁をそっといただきます。

ああ、涼し旨い。dosanjin06.jpgすっきりとふくよかな出汁の旨みに目を閉じる(笑)。 そこへ酢橘の香気がじわじわと包んでゆきます。

薄切り酢橘と蕎麦を一緒に啜るの図。dosanjin08.jpg蕎麦そのものが石臼挽き手打ちの魅力を存分に顕して。 酢橘は途中で器から外すことになるのかぁと思いながら、結局全部いただいちゃった。 極薄スライスであるがゆえの醍醐味なのでありますねー。

「かきあげ」は、ざく切りの海老や烏賊メインの贅沢魚介掻き揚げ。dosanjin07.jpg齧る魚介が甘く解ける。 「かきあげ」の品のいい油っ気が、啜る蕎麦に粋な合いの手を添えてくれます。

外の炎天を硝子越しに想いながら、デザートに「そば茶の自家製アイス」。dosanjin09.jpgそば茶の香ばしさがそのままヒンヤリいただける。 注いでくれた熱いそば茶とのコントラストが面白いのでありました。

自家製粉石臼挽き手打蕎麦「芦屋 土山人」。dosanjin11.jpgdosanjin12.jpgdosanjin13.jpgdosanjin14.jpgWebサイトに店名「土山人」の由来が載っている。 「店名の『土山人』とは旧知の陶芸家の陶号を譲り受けたもので、 好評の器類の大半はこの作家の作品である。」 成る程、小鉢もどんぶりも乙なものであるし、看板の文字も陶器製だものね。 堂島~福島に北浜、天満橋、東京は青葉台にもお店があるようです。

芦屋市川西町7-3 ビューハイツ1F [Map] 0797-35-8100  http://www.dosanjin.co.jp/
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CURRY「味善」

mizen.jpg元町の西側。花隈公園という城址公園から見下ろす位置にある小料理屋ちっくな表情のお店が「味善」さんです。ドア脇のプレートには“CURRY”とあって、つまりは、カレー一品で勝負するカレー専門店だというのです。店内も、カレー店というよりはやっぱり酒肴が似合いそうな佇まいで、半円形のテーブルをシンメトリーに配した拘りのレイアウトになっています。席に着くと、「サラダとカレーになりますが、よろしいですか」と訊かれます。ハイと応え、さらにサラダのトッピングを選びます。改めて見たランチメニューにあるのは、「味善風スペシャルサラダとビーフカレー」に「本日のアイスクリームorシャーベット」「デミタスコーヒー」。手書きで「タンカレー」が書き添えてあるけど、今日はないのかもしれません。筍と黒豆をトッピングしたというサラダがね、何故か不思議と美味しい。フレーク状になっているのがもしかして黒豆?と思いながら、そのサクッと香ばしいアクセントに一気に食べちゃうンだ。カレーがやってきました。麦を織り込んだライスを向こうにして、みるからにひと味ふた味違いそうな褐色が誘ってくる。どれどれ。お。おおお。細かいナッツのような粒子を含むのに実に滑らかな食味で、厭味のない旨味を着実に伝えてくる。う、うまいじゃーン。カレーソースに一体となって融和している牛の角肉は、ほろほろしちゃって、くっそー、さらに煽ってくるぞ。お陰でカレーも一気喰い。CURRY「味善(みぜん)」は、洋食店「グリル味善岡本」の隠れメニューを提供する場として設えたものらしい。岡本シェフが供する趣味的とでもいえそうな珠玉のカレー。ご馳走様です。ディナーメニューはと見ると、オードブルを組み合わせた「特製ビーフカレーDinner」に並んで「ローストビーフDinner」5,250円というコースがある。要予約でメインに据えるローストビーフなんてどんなローストビーフなんだかそっちも気になってきちゃうね。 「味善」 神戸市中央区北長狭通5-8-1薮田ビル1F 078-341-7450
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RELEASE FRENCH「RESTRO ESPACE TRANQUILLE」

espace.jpg生田神社の左脇を進み、そのまま北野の坂を少し登ったところにあるビストロで、神戸らしく(?)ちょびっとオサレにお食事いたしました。「レストロ エスパス トランキル」。木の風合いと白い壁で構成した、ゆったりとシンプルなお店です。メニューのTapasのところには、-あて-と書かれているのがいきなりお気に入り。お通しの「マメダイのエスカベッシュ」でビール呑み呑み、まずお願いしたのが「岩手白金豚肩肉と鶏肝の田舎風パテ」。リエットに近いような鶏レバーのパテとは違って、しっかりボリューミーで澄んだ脂を噛む感じがいい。「有機人参のラペ」の“ラペ”とは、細かい千切りのことを云うらしく、濃いぃ味の人参が上手にドレッシングを纏っていて、いい。トゥレーヌ・ロワーヌ地方の産だというソーヴィニヨン・ブランの「TOURAIN」は、すっきりした中にふわんとフルーティな華やぎのある、呑み易くてヤバイ感じのワインだ。さらに-あて-からもう一品。なにかの呪文のような「メツゲライクスダ」ってナニ?と訊いたのは、「神戸・メツゲライクスダ、ベーコンソテー」のメツゲライクスダ。楠田さんちは、六甲道にある自家製ハムとソーセージのお店で、メツゲライとはハム/ソーセージ店を意味するドイツ語らしい。薫香がふんふんとスモーキーでその香りとぐっと挽きつけるような身肉と脂の旨味が、いい。添えてあるのは、レンズ豆だ。あれこれ注文し過ぎて食べ切れなくなっても切ないよねと行き先を量って、今更ながらの-前菜として-の項からひと皿とメインからひと皿を選びました。ラベンダーマヨネーズのソースってどうよと気になった「真アジとハーブのラビオリ ラベンダーマヨネーズ」は、えへへ、おトイレの香り。ハーブで和えたコリコリと新鮮な鯵は美味しいけれど、敷かれたマヨネーズソースで笑ってしまう。ま、楽しいからいっか(笑)。そして、「ビュルゴー鴨ポワレ、ユーカリ、ハチミツ、バルサミコ」。紅く端正な切り口に香ばしく焼かれた皮目。あぁ鴨って旨いよなぁと素直に思わせる。フォークを刺したところから滲むのが、ホントの鴨汁だ(?)。別腹に収めようとお願いしたデザートは、ちょっと遊んで「花椒とタカノツメのブラン・マンジェ」。滑らかなココナッツの包み込むようなほどよい甘さを一閃横切るようにヒリンと辛さが残っては消えていく。だはは、面白ぉ―い。“RELEASE FRENCH”とは、フレンチの呪縛から解き放たれたビストロ、とでも解釈すればいいのかなぁ。いやいやそれとも、肩の力の抜けた解脱系フレンチ、ってところかな。いずれにしても“創作”で括ってしまうのは、失礼に過ぎるね。 「RESTRO ESPACE TRANQUILLE」 神戸市中央区中山手通2-17-6 078-262-8109
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