「北区赤羽足立北千住」カテゴリーアーカイブ

市場食堂「さかなや」で 生カキ酢に豪華海鮮丼成程のネタの佳さ

sakanaya.jpgお久し振りに降り立ったのは、 北千住駅西口のペデストリアンデッキ。 勝手知ったるふりをして、 丸井の前を通り、階下へと降りてゆきます。 路地を抜けて、宿場町通りへ。 土日曜は休業の「大はし」の店構えを残念に眺める。 向かいの「バードコート」も同じく、昼どきにはシャッターが降りています。 宿場町通りから左手に住宅地へと折れ入って、 辿り着いたのが市場食堂「さかなや」。 店先には、開店前の行列が出来ていました。 同好の士と落ち合って、行列に混じって暫く。 「さかなや」の入口に暖簾が下がり、続々とその暖簾を払う手が続きます。 奥の座敷へと案内いただきました。

sakanaya01.jpg早速睨むランチのお品書き。 それは、「海鮮丼」に「豪華海鮮丼」「生本マグロ丼」。 そして、刺身の付いた「太刀魚塩焼き定食」と「特大のどぐろ煮付け定食」という5本立て。

基本形の「海鮮丼」か、王道の「生本マグロ丼」か。 時季の太刀魚も気になるし、いっそ高級魚ノドグロに挑んでしまおうか。 想いは千々に乱れてひと廻り(笑)。 「豪華海鮮丼」をお願いしました。

お薦めいただいた「生カキ酢」が、銘々の眼前に届く。sakanaya02.jpg宮城からのものだという牡蠣は、何故か自分だけ身がふたつ。 すっきりとした滋味がつるんと通り過ぎていき、うーむと唸る。 ああ、やっぱり、美味しいね。

恭しく登場のドンブリは果たして、てんこ盛りに魚介が載っている。sakanaya03.jpgイクラの宝石感や蟹脚の突出が豪華さを演出しています。 山葵を溶いた醤油を回しかけ、いざ。

ご飯を魚介の山裾からご飯を穿り出している裡に、 口の中の中トロやサーモンが蕩けるように魅惑して、間に合わない(笑)。sakanaya04.jpgsakanaya05.jpg白身を含め、ネタそれぞれの良さが潔くも明らかであります。 脇役装う和布蕪や中落ちのそれと思しきねぎとろも、 いい役回りを演じてくれています。

でもね。 お隣の「海鮮丼」も負けず劣らずいい風情。 「豪華」にはなんで〆鯖がいないの!なんて隣の芝も良く見えてしまいました。

ランチには行列必至の人気店、市場食堂「さかなや」。sakanaya07.jpgその標題が示すように、足立市場の仲買人が直接営むお店だそう。 旬の魚を新鮮なまま、 そしてそれぞれの魚介に相応しい手を入れた酒肴が自ずと期待できるところ。 お酒も目の利く辺りが揃っていそうだし、やっぱり夜の部も気になるね。

口 関連記事:  千住で2番「大はし」で 牛にこみ肉どうふと亀甲宮梅シロップ(06年03月)  地鶏焼「バードコートBird Court」で 満足のひと時小一時間(05年09月)


「さかなや」 足立区千住4-11-6 [Map] 03-3881-4286
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自家製麺「伊藤」で 煮干し出汁中華そば自ずと想う親仁との比較

ito.jpg煮干出汁の中華そばに目覚めさせてくれたのが、 王子の先の商店街にある「伊藤」でした。 それ以来のことを思い起こせば、 浅草の「つし馬」や 「凪」のゴールデン街や西新宿、 そして遥か青森の「長尾」や「たかはし」「まるかい」のことまでもが脳裏に浮かびます。
そんな「伊藤」の息子さんが赤羽に店を開いたと知ったのは、 昨年(09年)の5月あたりのことであったでしょうか。 なのに、訪れる機会を得ることもなく、赤羽には足が向かずに過ごしてしまっていました。 池袋での所用を済ませて閃いたのが、そこから赤羽へと向かう埼京線ルート。 息子さんの店「伊藤」は、親仁さんの王子神谷の店よりは断然アクセスのいい、 赤羽駅ロータリーのすぐ近く。 わくわくしながら向かったものの、日曜日ということもあって、売り切れ仕舞い。 がっくりしながら、いっそ呑んじゃえとばかりにその足で「まるます家」へ(笑)。 ito01.jpgでもそれで、店の所在はしっかりと分かったのでと、 改めて足を運んだ赤羽駅前。 古い小料理屋を彷彿とさせる建物が「伊藤」の面構え。 入口はというと、正面の引き戸ではなく、その脇を身体を斜めにしながら入った一番奥の扉です。 扉の向こうに券売機。 なんだか沢山食べられそうな気分が背中を押して(笑)、 「肉そば大」と「スープ増し」のボタンをぽちとします。ito02.jpgたまたま席の空いたカウンターの風景も嘗ての居酒屋のカウンターを想わせます。 届いたどんぶりは、注文通りの麺の大盛りで、王子の店で見たと同じストレートな細麺がこんもりとしています。ito03.jpgすっかりスープから浮き上がっちゃっているのをみて、大盛りにしたのはやや失敗であったかもと、そんな考えを頭に擡げさせつつ、まずは蓮華でスープをひと啜り。 おお、ん、あれ? 断然旨いスープではある。ito04.jpgただ、あのストイックなまでに贅沢に煮干しの出汁の旨みと風味を強烈に利かせていた親仁さんのスープに比べてしまうと、どこか薄く弱い気がする。 最初のインパクトが齎す強い印象と比較してしまったせいなのかもしれない。 煮干しが当然持っている魚臭さを嫌うひとは少なくないけど、それに対処してその辺りを和らげた仕立てにしているかのよう。 使う煮干しの絶対量がおそらく必要なので、決して安くない煮干しの、原価としての課題もあるかもしれないなぁなどと思ったりもする。 とは云え、そんじょそこらの煮干しラーメンのスープと比べれば、やっぱり旨い。 早速、箸の先をそのこんもりした自家製麺へと伸ばして、スープをよく絡めるようにくるりとしてから一気に啜ります。 ああ、このぽきぽきとした歯応えと伝わる粉の風味がいい。ito05.jpg案の定、スープの量と麺の量とのバランスがよくないことになっちゃって、後半はちょっと和え麺を食べてるような、勿体ない事態となりました(笑)。 沢山食べたい自家製麺と沢山啜りたい煮干しスープではあるものの、一度に同じどんぶりに盛り込んじゃうのは、賢いいただき方ではないような感じ。 博多ラーメンではないけれど、替え玉に替えスープなんてできないかしらん(それなら二杯喰えって?)。

一週間後に再度、赤羽にお邪魔しました。 券売機で目にした「比内鶏そば」が気になっていたのです。 今回は、その「比内鶏そば」を中盛りでお願いします。ito06.jpg スープに浮かんでいるのは、透き通るようにした玉葱の粗微塵切りでしょうか。ito07.jpgどれどれと啜るスープに対してやっぱり、どこどこと比内鶏由来の旨みを探してしまいます。 おそらく、スープ単体としていただく構えであれば、加減のいい上湯なのかもしれません。 でも、麺と一緒に食べさせるラーメンのスープとしては、少々ピントが甘いのじゃないかなぁと、そう思う。 ただ、そう思うのは、化調に慣らされ毒された食べ手の問題かもしれません。 もう二度三度と啜ることによって、見えてくるものがあるのかもしれませんね。

赤羽の自家製麺煮干し中華そば「伊藤」。ito08.jpg目指すは、父にして都内煮干し中華そばの雄であるところの、 王子神谷「伊藤」の味か。 はたまた、そのDNAをさらに進化させた自身の味か。 兄さんが営むという鴬谷の「遊」にも行ってみなくっちゃ。 □関連記事:  中華そば屋「伊藤」で 質実なる潔さと大盛りつゆ増しへの欲求(09年04月)  中華そば「つし馬」で 青森煮干の中華そばと特濃バリ煮干し旨し(09年11月)  新宿煮干「凪」で 特煮干ラーメン煮干出汁の野趣とぶりぶり麺(09年04月)  中華そば「長尾」で 限定ごくにぼ夢にまでみた煮干ラーメン系譜(09年10月)  自家製麺「たかはし 中華そば店」で 羨望煮干し中華陶然を想う(10年01月)  ラーメン「まるかい」で 煮干し醤油ラーメン澄んだ中の旨み風味(10年01月)


「伊藤」 北区赤羽1-2-4[Map] 03-3598-2992
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中華そば屋「伊藤」で 質実なる潔さと大盛りつゆ増しへの欲求

rp_ito.jpg煮干出汁芬々の一本気な中華そばのお店が王子の向こうにあるという。 どうやって行くのだろうと調べると、王子もしくは王子神谷から15分ほど歩くか、タクシーかバスか。 そんな足回りの店が話題と聞いて、そう、随分経ちました。 とある冷たい雨の降る午後に都バスに乗って訪れた、 小さな商店街。 さてこの辺りだろうとひと気の少ない通りをきょろきょろするも、それらしい看板も暖簾も見当たらない。 あれれ?と思いながら進むと、兄ちゃんがひとり、アルミの引き戸を開けて出てきた。 そこへ近づいてよく見ると、ドア硝子の隅に千社札が5枚ほど並べて貼られてる。 中華そば屋「伊藤」は、看板のない店、でもあったのだ。
ドアを開けた途端、煮干の匂いにふわんと全身が包まれたような気がする。 壁を仕上げる代わりに、葦簀で飾った店内は、質素そのもの。 その葦簀に取り付けられた板に品札が貼られていて、それは「そば」「肉そば」のふたつのみ。ito01.jpg自家製麺であること、化学調味料を一切使用してないことも示されています。 お肉もちょっとは欲しい、という素直な欲求に従って、「肉そば」をお願いしました。 葦簀の裏側の厨房からさらに煮干の匂いが強く漂い、そして、小気味よく麺を湯切りするシャッシャッシャッという音が零れてきます。 ドンブリがやってきました。 なるほど、噂に違わぬ質実なる表情。ito02.jpg厚切りした煮豚が十分なアクセントを見栄えに添えていても、量を控えたスープとそこに盛り上がるように浮かべたストレート麺と気持ちばかりに刻んだ葱とがつくる潔さに一瞬息をのむ。 まずはカウンターに用意されていた蓮華を取り出して、魚粉のような粒子の浮かぶスープを啜る。 ほんの微かな一瞬煮干しのエグみのようなものが過ぎるが、すぐさまそれが愛おしく思えてくるほどの煮干出汁を多分に含んだスープの旨味にじわじわと惹きつけられてしまう。 そうなれば矢も立ても堪らず、引き千切るように箸を割き、その汁に馴染ますようにしながら麺を持ち上げ、啜ることになる。 ito04.jpgito05.jpg ポキポキとした緩みのない細麺がまた悔しいほどにスープに合っている。 いいのじゃないのこふいふのー、なんて思っているうちに麺を啜り終わって、ドンブリ底のスープを掬ってるのに気づく。 ito06.jpgito07.jpg もう一杯食べたいちゃいたいぐらいで止すところがこのドンブリに似合う食べる側の潔さなのだよ!と妙な気高さを自分に投げかけつつ、絶対今度は大盛りのつゆ増しにするんだと誓ったりする(笑)。 漸く訪れた、今度は週末のお昼過ぎ。 大行列だったら困るなぁという心配に対して、店前の空席待ちは、10人に満たないほど。 暖かな陽射しの下で椎名誠「すすれ!麺の甲子園」かなんかを読みながらのんびりと席が空くのを待つ。 テーブルの丸椅子に座りながら告げるは、誓いに従う「肉そば大盛りつゆ増し」で。ito08.jpgああ、大量の煮干たちから大事に抽出したエキスなのだろうに、それがナミナミとドンブリを満たしているなんて、なんて贅沢なのだ!なんて思ってしまう。 大盛りゆえ、前回以上に遮二無二啜っても、あっけなくなくなってしまう心配は少ない。 啜るスープもよりゆったりしみじみ味わえるのは、二回目だからか、たっぷりの量だからか。 ito09.jpgito10.jpg ito11.jpg相変わらず、麺のポキポキもいい。 なんだか、澄み渡った初夏の青空のような(?)清々しくも心地よい満足に満たされた感じ。 素朴な一杯の裏に、どれほどの仕込みの苦労があるのだろうね。 足回りの悪さも飾り気も看板すらないことも、ただただストイックに麺にスープに向き合っているがゆえのこと。なんて気概を思わせる中華そば屋「伊藤」。ito12.jpgバスの乗り場も、行き先系統も覚えたもんね(笑)。 「伊藤」 北区豊島4-5-3 [Map] 03-3913-2477
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江戸前「駒込 常寿司」で 勢いで握る心意気になはは

tsunezushi.jpg 駒込の街角にすすっと馴染む、 寿司の暖簾に闖入してみました。 創業来35年以上に及ぶというお店も、 その佇まいに気負いはありません。 浅草にも「常寿司」があるようで、そちらとの関係はあるやなしや。
L字のカウンターに10席ほどと奥に小上がりが一室。 左手コーナーを利用した数席のテーブル席もカウンターへ正体するようになっています。 硝子ケースに見つけた穴子を所望すると、まず目に飛び込んでくるのがたっぷりの煮こごりだ。tsunezushi01.jpgさらっとしたタレ味に穴子の旨味が蕩けていく。 寒鰤、中トロ、帆立、鯛、平目、やり烏賊などなどの刺し盛りや半生に焼いてもらった牡蠣で、 tsunezushi02.jpgtsunezushi06.jpg お湯割りにした麦焼酎。 ほろっと酔ったところで、握ってもらいます。 〆めたものからと小肌に鯖、そして大胆厚切りでしゃりの見えないトロ。 tsunezushi03.jpgtsunezushi04.jpg tsunezushi05.jpg決して精緻で洗練な握りっぷりではなくて、どっちかというと、勢いで握る心意気、といった感じだけど、それがなんだか微笑ましい。
青柳に続いてやってきたのは、厚い短冊のトロを豪快に海苔に巻いたもの。 tsunezushi07.jpgtsunezushi08.jpgなはは、たーんと食べちゃてよー、って話しかけているようで、 この際シャリがどうとか、巻き方の是非をうだうだ考えずに、大口開けて喰らいつけばよろし。
飄々とした大将と、スキンヘッドが潔いその息子が切り盛りする「駒込 常寿司」は、いつの間にか空席がなくなって、熱気を帯びていた。 ちょっと連絡しておかないと、満員で入れないことも少なくないそうだ。 tsunezushi09.jpg 今度お邪魔する機会があったら、大将の修行先や店名「常寿司」の所以についても訊いてみよう。
「駒込 常寿司」 東京都北区中里1-8-5 03-3827-9323 http://www.k5.dion.ne.jp/~tunesusi/
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博多長浜らーめん「田中商店」で ばりかたで赤オニ

tanakashoten.jpgふと猛烈に本格な博多ラーメンが食べたくなってしまった。そこで脳裏に浮かんだお店に向け、秋葉原からTXに乗り換え、聞き慣れない「六町」という駅まで。そこから探るように暗い道を進む。博多長浜らーめん「田中商店」。やっと、暗がりに浮かび上がる金の文字まで辿り着きました。何席あるでしょう、テーブル席、そしてカウンターもゆったりとした配置になっています。移転する前の、環七沿いにあるころの様子は残念ながら知りませんが、移転するからには広々と、といった意図すら感じさせるレイアウトになっています。目の前の寸胴がグラグラと沸き立っている。すっと届くどんぶり。ああ、白濁スープの上に万能がねぎたっぷりと載る、大好きな光景だ(笑)。奥には各国語で“ありがとう”を記した海苔が立っている。啜るスープ。ぬははぁ~、いいね~。とろんとしたヌメリ感のある、そしてクリアながらも“らしい”豚骨の匂い。「ばりかた」でお願いした麺に思い切り絡んで一体となって啜らせてくれる。コクも旨味もギュっと満載なスープを味わい、思わずじっと目を閉じてしまったじゃん(笑)。あっという間に麺がなくなってしまい、空かさず替え玉を同じばりかたでお願いし、同時に「赤オニ」を添えてもらってみた。別の小どんぶりにスープを移して、そこへ挽肉を辛味味噌でまとめた「赤オニ」を溶かし込んで、つけ麺風にしていただく。辛味にちょっとした酸味が加わり、挽肉の旨味がまた別のエッセンスを添えてくれる。ズルズルずるずる。口の周りのぬめぬめを舌で舐め拭って、小さく呟く。う~ん、いいね~。満足至極であります。飛び乗ったタクシーの車中で思う。こいつぁ、また思い出して猛烈に食べたくなる日が遠からずやってきてしまいそうだ、と。このアクセスの悪さがまた想いを募らせるのだとも云えそうです。 「田中商店」 足立区一ツ家2-14-6 03-3860-3232
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