「広尾から六本木から霞町」カテゴリーアーカイブ

BAR「HYGGE」で燻製牡蠣とオイルサーディンとローラン・ペリエと

hygge.jpg夕暮れ時の六本木交差点。 夜の人混みも熱気もまだない歩道。 リーマンショック以降外国人が減って、 過剰なまでの尖った猥雑さ危うさも円くなったと聞くけれど、最近の夜の六本木はどんな空気なのだろう。 そんなことを考えながら、 交差点からミッドタウン方向へ。 すぐの路地を右に折れたところで立ち止まる。 そこに入口を持つビル七階の店が、 今夜の止まり木なのです。
エレベーターを降りて、 店の名「HYGGE」を示すブランドパネルを横目にフロアに廻り込む。hygge01.jpgカウンターもよし、テーブル囲むソファー席で和むのもよしの使い勝手良さ気なレイアウト。 窓際のソファーでは、外国人のひと組がビールのグラスなぞを傾けています。

hygge02.jpg 座り心地のゆったりしたカウンターのソファーに腰掛けて、 眺めるFOODメニュー。 やっぱり、冒頭に書かれた「京都竹中 特選缶詰」が気になります。 缶詰「牡蠣の燻製」のお願いと合わせて、しゅわしゅわをオーダー。hygge03.jpg王冠を外し、ガスをすっと抜く常磐色のボトルは、 “L-P”こと、「ローラン・ペリエ ブリュットL-P」であります。 グラスの底から細やかに涼しげに立ち上る幾筋ものコルドン。hygge04.jpg鼻先で弾ける泡が運ぶ香りを愉しんでから、すいっとグラスを傾けます。 酸のキレとそれを一瞬の間を置いて追い掛ける膨らみある円みとが描く輪郭。 エレガントにして、バランスのよい美味しさを素直に訴えると、 仰る通りとばかりに頷いてくれるバーテンダー氏。 hygge06.jpghygge05.jpg 最近ラベルが変わったのですけど、これは変わる前のラベルのものですねと。

hygge10.jpgそこへ、その名の通りの缶詰がやってきました。 「京都竹中」の牡蠣燻製缶詰は、 久美浜(京丹後)で採った旬の牡蠣をボイルしスモークし、オイル漬けしたもの。 そこへ、たっぷりの葱をあしらう等して、オーブンで焼いている。hygge11.jpg焦げ目のある葱と一緒に綺麗に凝縮した牡蠣の身をフォークの先で刺して、 どれどれといただきます。 おほほほ、いいなぁ、イケるなぁ。 柔らかなその身には、仄かな薫香とオリーブオイルのまろみが加減よく滲みて、 丁寧に手塩に掛けたような美味しさがある。hygge09.jpgそこへ、L-Pの泡を注ぐと、これまたなんとも絶妙な組み合わせ。 白ワイン以上の相性の良さはどこからくるのでしょう。

異なる品種、畑、異なる収穫年のリザーブワインを巧みに調合(=アッサンブラージュ)することによるバランスとボトルの中で行う二次発酵が齎す繊細な泡が、 柔らかで奥行きのある味わいと料理との相性の良さを届けてくれるのだね。

メロンならぬ、トマトと生ハムとのメニューを見つけて、 「パルマ産の生ハムとフルーツトマト」。hygge12.jpghygge13.jpg北海道産と訊くその名の通りフルーティなトマトに、 生ハム仄かな塩っ気と柔らかな脂の旨み。 その出逢いの妙に感心しつつ、 L-Pのグラスを傾けてまた、うんうんと頷いてしまうのです。

もう一品の缶詰がどうしても気になって(笑)、「オイルサーディン」も。hygge14.jpgこの酒肴は、ただ缶詰を開けて温めただけのものではなくて、 油を切ってから醤油日本酒で調味してある。 ころんとした山椒の佃煮や鷹の爪の辛さがぴりっと利いていて、 意外なほどあっさりと上品な仕立てなのだ。hygge15.jpg hygge07.jpghygge08.jpg こんな佳肴に寄り添うように華やかな膨らみを与えてくれるL-Pのバランスの良さを考えると、 いろいろな和食とのマリアージュもきっとイケるね。


鼻先を擽る香りに誘われてバーテンダー氏の手元をみると、ミント千切りの内職作業中。 モヒート用だよね、と声を掛けると、モヒート+シャンパンなんて手もありますよと仰る。 あ、それ、いただきます(笑)。 ひと掴みのミントとライムのスライスをガシガシして、そこへ特製のシロップとラムを注ぎ、 クーラーで冷えていた「ローラン・ペリエ ブリュットL-P」を流し込む。 一瞬のシェイクののち、ロンググラスにミントの葉をあしらって。hygge16.jpg添えられたストローで啜ってちょっと吃驚したのは、 ミントの鮮烈な香りにほぼ支配されちゃってるのじゃないかなぁと思ったカクテルは、 ミントや柑橘のフレッシュな香りとL-Pのフレッシュなアロマが上手いことバランスして、 シロップとラムのコクがそれを支えてる感じ。 フレッシュでエレガントなL-Pの魅力は、 そのまま磨かれたグラスで堪能するのが本懐なのだけど、 L-Pが持つ安定感のあるバランスの良さは、 こうして他の要素と出逢っても、品格を失わない頼もしいつくりなんだね。

ハーブつながりで思い付いたパスタが「HYGGE ジェノベーゼ」。hygge17.jpgそれは、バジルの香りが膨らませる鮮やかな旨み。 hygge20.jpgそこへさっきのモヒート+ローラン・ペリエを追い掛けると、 なはは、ハーブ&柑橘×LPの構図が立体的に浮かび上がってきて、 面白くも美味しく煌めくのでありますね。

ミッドタウンの開業と同じ年のオープンからこの6月に4周年を迎えたという、 六本木のBAR「HYGGE(ヒュッゲ)」。hygge19.jpgオーナーが雑誌で見つけたフレーズ”HYGGE”とは、デンマーク語で、 “人と人のふれあいから生まれる、温かな居心地のよい雰囲気”、 “一緒にいて和める人と暖かく居心地の良い場所にくつろぎ、 優しい気持ちで時間を過ごす空間”といった意味だそう。 なるほど、ゆったりとしたバーの設計もそんな想いの表現の一端なのですね。

banner_champagne.jpg今宵はサントリーの企画、
「ロイヤルウェディングのシャンパンを楽しめるレストラン」
でお邪魔しました。



「HYGGE」 港区六本木4-10-6 AX ROPPONGI 7F [Map] 03-5770-3310 http://www.hygge.biz/
column/03154

九州お取り寄せダイニング「ちかっぱ」で 九州うまかもんぷち旅行

chikappa.jpg“九州”と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、 かつて一度は訪れたいと思い続けて、願い叶って潜入した屋台連なる博多・長浜のあの光景。 そして、中州へと渡る春吉橋近くの豚骨の匂い。 博多のそれとは結構違うのだなぁと感慨深かった久留米のらーめん店。 熊本では、「桂花」の本店や「こむらさき」にわざわざ足を運んだっけ。 あれ?ラーメンに纏わる想い出しかないのかいなと苦笑いしながら向かったのは、ミッドタウンもほど近い六本木の裏通り。 ラーメンのみならず、九州の食材あれこれを取り寄せて、愉しませてくれるという「ちかっぱ」六本木にお邪魔しました。
chikappa01.jpg8名収容のスペースを強引にふたつに区切った、 フロア最奥の個室が不思議なこじんまり。 口開きの麦酒は、一番搾りもあるけれど、 やっぱりこれでしょと「長崎ビール恋のオランダ坂」(笑)。 長崎の大島醸造という地場メーカーが醸す地ビールは、 デュンケルタイプでしょうか。 すっきりとした香ばしさには、地ビールらしからぬ奥行きがあります。 まずのお通し的器は、「炙り鶏皮のゆずマリネ」。chikappa02.jpgベビーリーフなんぞに隠れているのが、鶏皮をカリっと素揚げ状にしたもの。 九州の居酒屋では定番だという「皮酢」から派生させた酒肴だ。 なるほど、柚子風味の酸味がよく似合う。 できれば、もっとたっぷし鶏皮が欲しいな(笑)。 おおっと目を惹いたのが、熊本産「赤牛のレバー刺し」の紅。chikappa03.jpg「草牛」とも呼ばれる「赤牛」は、阿蘇の大草原で牧草を食み、 悠々と育つ熊本の伝統和牛だそう。 みるからに鮮度の良さそうなのが、九州に特化したお取り寄せ手腕の見せ所。 ひたひたと張り付くように艶めかしく、それがすっきりと臭みない滋味に至る。 おろし生姜も大蒜も使わず、塩胡麻油だけでいくのがいいかもしれません。 九州お取り寄せ「ちかっぱ」の、 これもひとつのウリなのだろうなと思わせたのが、「旬野菜のまるかじり」。chikappa04.jpg九州直送だという野菜たちは、例えば、 大根的歯応えの福岡産赤瓜や熊本の赤茄子肥後むらさき、 赤オクラに島オクラ。 対馬の藻塩をちょんづけして、パキパキとシャクシャクと。 縦に裂いてひょろっと長い甘辛ピーマンは、 獅子唐よろしく”当たり”に当たるとなかなかに辛い。 でもその先にその名の通り、甘さを含んでいるのが面白い。 またまた艶々したテクスチャがやってきた。 あ、あの白いのはきっとタテガミに違いない。 ってことは、お馬さんの刺身ってことになるね。chikappa05.jpg訊けば、これまた阿蘇は産山(うぶやま)という村から、 チルド輸送で持ち込んだ「馬刺し」だそう。 紅白のツートンになっているのが「ふたごえ」と呼ぶ部位で、 馬のあばら肉あたりを指すらしい。 どれがといえば、「赤身」が旨い。 融点の低い脂がつるつるとした独特の口触り。 やや甘めの九州醤油でいただけば、 その脂の向こうにある赤身肉の澄んだ旨みが、 大脳皮質に真っ直ぐ伝わってくる感じ(笑)。 chikappa06.jpg九州お取り寄せとあらば、 焼酎のラインナップも期待に違わぬものでしょうと訊ねると、 メニューのリストは意外や、その辺りはまだまだこれからという模様。 そんな中から面白そうと選んだのが、 シェリー樽フィニッシュだという「樽いきいき」。 球磨の米焼酎に仄かにシェリーの香りをつけた、 どちらかというと上品な仕立ての呑み口だ。 熊本に負けちゃぁおれんと(笑)、登場したのが大分名物の「とり天」。chikappa07.jpgどうも鶏の天ぷらというと、 うどんのトッピングのかしわ天、というイメージなンだけど、 大分ではこの「とり天」がめちゃめちゃスタンダードなお惣菜らしい。 カボス醤油でイクのが大分の本場スタイルなのです、 ということで揚げ立てをちょっと浸してハフハフすればもう、 不味かろうはずもないところ。 chikappa08.jpg同じ大分特産のカボスを使った辛味調味料に「KABOSCOかぼすこ」なんてシャレたネーミングのものもあって、これがなかなかヒリヒリのチリ。 チリなカボス醤油でヤル「とり天」もまた乙なもの。 そういや戸越銀座で人気の唐揚げ屋さんは確か、「大分唐揚げ」。 さしずめ、大分の鶏の揚げモノ兄弟、といったところでしょうか。 恭しく運ばれてきたのが、アゴを浮かべた打ち出しの鍋。chikappa09.jpgいまかいまかとその湯殿への投入を待っているのが、 これまた熊本産のプレミアムポーク「肥皇(ひおう)豚」。 chikappa10.jpgchikappa11.jpg ハナビラタケや空芯菜、ふりふりレタスなんかと一緒に、 出汁タレに浸していただくスタイル。 脂の甘さが呼ぶ旨みを素直に愉しめる、そんな鍋であります。 と、もういっちょとばかりに別の鍋がやってくる。 今度の鍋の中はすっかりと白濁して、如何にも”博多な”風情(笑)。chikappa12.jpgでもそこに浮かんでいるのは忽ちラーメンではなくて、餃子かワンタンか。 これがどうやら、このところ福岡の一部で人気沸騰中だという「炊き餃子」。 博多の屋台ではラーメンを焼いてしまったり、餃子を炊いてしまったりとイタズラ心が生みの親のような料理が輩出してきて面白い。 餃子を浮かべて炊いている白濁スープは、 豚骨一本やりかと思ったらそうではなくて、 はかた地鶏のガラをじっくり煮込んだスープがベースで、 豚骨は一割程度なのだという。 しっかりとボリューム感のある餃子をべったりした豚骨スープでやっつけるのは流石にちょっとというところかな。 chikappa14.jpgchikappa15.jpg なるほど鶏出汁の、見た目の濃厚さをほどよく裏切る、 さらっとしたコク味スープだ。 タピオカ入りもっちり皮の餃子を平らげたら、 然るべくやってくるのが”博多な”細ストレート麺。chikappa16.jpg硬めに下茹でした麺を鍋のスープにささっと潜らすようにして、 スープと一緒に取り鉢によそり、浅葱をちらして啜る。 ズ、ズズズズ。 うむむ、キメキメだった塩っ気が煮詰まってきちゃったかもねと割スープ。 ふむふむ、あとはすぐ軟くなってしまう繊細な細麺を好みの硬さのまま上手にいただくため、一心に啜るだけです(笑)。


新宿・銀座に引き続き、六本木にも登場した”九州お取り寄せ”の店「ちかっぱ」。chikappa18.jpgchikappa17.jpg大宰府名物の梅ヶ枝餅の温かいところを頬張りながら、鶏皮の歯触りや赤牛レバーの艶めかしさ、野菜を齧る妙音、馬刺し赤身の旨み、とり天の素朴な滋味、肥皇豚の甘さなんかを振り返る。 さしずめ、うまかもんを辿る、九州喰い道楽ぷち旅行、だね。


「ちかっぱ」六本木 港区六本木4-6-7 六本木4丁目ビルB1[Map] 03-5775-6571 http://www.chikappa.co.jp/
column/03029

手打蕎麦「HONMURA AN」で 鴨せいろそば滑らかな粉々しさ

honmuraan.jpgピアニスト山本美樹子さんのサロンコンサートを覗こうと、週末の六本木。 最近ますます縁遠くなってきた六本木に週末の昼間いることはそうそうない。 折角なので、どこでお昼を摂ろうか思案して、思いついたのが、「本むら庵」。 ただし、旧来の「本むら庵」は、怪人のレポート通り07年に閉店してしまっていて、ニューヨークにあった「HONMURA AN」が引き継ぐように開店していたのです。
週末昼下がりのお蕎麦屋さん。 こんなに呑んでしまいたい場面はないものです(笑)が、コンサートで熟睡して鼾掻いてもいかんしと自重モード。 ちょうど数組のお客さんと入れ替わりになって、静かな店内。honmuraan01.jpgインテリアは、NYでの設えを受け継いでいるのでしょうか。 honmuraan02.jpg 見開きのみのお品書きには、冷たいそば、汁ものそばに親子丼、穴子天重といった御飯もの。 寒空ゆえ温かいヤツにも惹かれつつ、あれば必ず注文みたくなる「鴨せいろそば」をお願いします。 伝票を持って厨房へと向かう背中を呼び止めて、「一枚の量、多くないですよね」と訊く。 ハイとも応え難いだろうからと、続けて「二枚にしてください」と二本指のサイン。 だって、お腹減ってたんですもん。 honmuraan03.jpg間もなく山葵とおろし金を持ってきてくれたけど、 そういえばお蕎麦に山葵をあまり入れなくなって久しい。 さらし葱があれば、薬味は充分なのです。 なるほど、届いたせいろに載る蕎麦は、右の本格派。 蕎麦の粉々しさが滑らかなテクスチャに包まれているような表情で誘います。honmuraan04.jpgそのまま口に含んでみると、仄かに蕎麦の香りのする。 つけ汁はというと、やや乳化したかのように浮かぶ鴨の脂が唾液を呼ぶ(笑)。honmuraan05.jpghonmuraan06.jpgしっかり煮出された出汁旨みは甘さを想わせて、さらっと蕎麦に纏ってはその魅力を何倍にもして、啜る毎に味蕾を擽ります。 いいねぇ。
蕎麦湯を猪口に注ぎ、両の手で支えて啜りながら眺める店内は、いつの間にか随分とお客さんが増えている。honmuraan07.jpg卓上の徳利がちょっと羨ましい(笑)。

六本木「本むら庵」の跡地を受け継いで、NYから帰国した「HONMURA AN」。honmuraan08.jpg訊けば、経営は別々であるも、「本むら庵」の親族が営んでいるンだそう。 ちょっぴり心配した、NYに迎合したような妙な残り香は窺えず、もうずっとここにあったようなそんな気配を感じました。 久々に、荻窪方面にも行かなくちゃ。


「HONMURA AN」 港区六本木7-14-18[Map] 03-5772-6657 http://www.honmuraantokyo.com/
column/02972

Bar「lii」で チョコレート×ヘーゼルナッツの洒脱とグラッパの酩酊

gojyuniban.jpg青山霊園脇の「鹿角」を離れて、 霞町の交差点を渡り、アマンドを回り込んで、 西麻布の通りを進む。 カウンターでもうちょっと呑もうと訪れたのは、その通り沿いの1階にあるバー。 通りから店内の様子が見渡せるバーというのは、そう多くない。 扉の透明硝子に刻まれているのは、 「lii」という記号。 ゴジュウニバン、と読むようです。
硝子扉を開け入ったバーの雰囲気は、籠るようなものではなくて、和やかな空気。 カウンターの一番手前に腰を据えてふと入口を振り返ると、通りを行き交う男女の姿が硝子越しの風景になっています。 あ、そうそうと思い付いて、モーツァルトリキュールはありますか、と訊く。 すると、ゴールドならばございます、とバーテンダー。 では、とおまかせで、チョコテルと洒落込みます。 バーテンダーが取り出したボトルは、 ヘーゼルナッツのリキュール「フランジェリコ frangelico」。 なるほど、チョコレートリキュール×ヘーゼルナッツリキュールだと考えると相性の良さがイメージされてくる。gojyuniban01.jpggojyuniban03.jpgそこへ、定番ラムの「マイヤーズラムMYER’S RUM」、 サトウキビのシロップ「Carib CANADOU」と業務用のミルクとで、 シャカシャカとシェイク。 おー、うまーい。gojyuniban02.jpgふたつのリキュールの相乗の背後でラムの風味が多層な奥行きを齎してくれている。 チョコとナッツの名コンビが、甘ったるいノリでなく、洒脱なデザートとして愉しめるグラスがあるなんて、ね。 gojyuniban04.jpgもう一杯だけ、とお願いしたのがグラッパ「カポヴィッラCapovilla」。 ちょうどボトルの最後のところというのもあったのか、たっぷりと注いでくれた透明な滴。gojyuniban05.jpg濃縮した果実香が柔らかにそして圧倒するように揮発する。 忽ち葡萄の残り香アロマに脳幹が巻かれはじめて、酩酊の淵が近くなる。 ああ、このまま倒れるように眠りたい(笑)。 Bar「lii(Gojyuni-Ban)」の店の名は、カクテルの通し番号52番に因んでる。gojyuniban06.jpg西麻布の老舗バー「ウォッカトニック」が生んだといわれるカクテルの符号を店に名に使うアイデアとそれをローマ数字に置き換えるセンスにもニンマリです。 □関連記事:  BAR「WODKA TONIC」で 暗がりのオーセンティックひそひそ話(02年08月)  秋田の味「鹿角」で 子持ちずし鰰とんぶり長芋きりたんぽ鍋(10年01月)

「lii」 港区西麻布4丁目10-3 ヴィラ麻布1F[Map] 03-6861-0052
column/02929

てんぷら「味覚」で かき天丼じゅわんと牡蠣エキス塩天丼もいい

mikaku.jpg久方振りの六本木。 そういや、いまだにミッドタウンで食事したことがないのが、可笑し恥ずかし(笑)。 そんなことを思いながら下るは、ご存じ芋洗い坂。 そうか、ライブスポットの「スイートベイジル139」はここにあったのか、などと呟きつつ、その前を通り過ぎる。 頃合いをみて右手の脇道を覗くと見つかるのが、てんぷら「味覚」の看板だ。
縄暖簾を潜ると、右手にカウンターが視野に入り、 と同時に「いらっしゃいませ~」「っらっしゃ!」と声が掛かる。 カウンターの中央から短く声を発してくれたのが、どうやらこちらのご主人。 その風貌や表情には、かつて裏街道の切れ者であったかもしれないと、 そう思わせる雰囲気も窺える。 ホールに比較的若い男性がひとり、奥に年輩の男性がひとり、という布陣だ。 mikaku01.jpgカウンターの真ん中に腰掛けると、 そのおっかなさそうな主人と対峙する気分になる。 卓上に置かれた品書きから「塩天丼」をお願いしようとして、ご主人の背後に貼られた貼り紙に目がいった。 「三陸生かき かき天丼 1,200圓」とある。 おお、そっちだと急に路線変更して、「かき天丼」をとホールの兄さんに伝えます。 すっすと流れるような所作でいつの間にか出来上がったどんぶりには、柚子の欠片。mikaku02.jpg野菜の天ぷらを脇に従えて、牡蠣の天ぷらが真ん中に鎮座。 そーっと咥え、はむっと歯を立てると、じゅわんと活性した牡蠣のエキスが零れて、薄手の衣と一体となる。mikaku03.jpgんー、旨い。 フライもいいけど、天ぷらもいい。 下町ックでない、あっさりめのタレであるのもポイントであります。 獅子唐もあるねと齧ったら、なんとその中にも牡蠣の身が!mikaku04.jpg牡蠣に獅子唐を取り合わせるというアイデアは、なかなかニクイ。 獅子唐のしゃくっとした青みが牡蠣の魅力を鮮やかに引き立てるンだ。 日を変えて、再びの芋洗い坂。mikaku11.jpg当初の目的だった「塩天丼」をいただきに参りました。 mikaku05.jpg 笊に盛られた野菜たちや硝子ケースの緑のトマトを眺めながら、 ぼんやりと待つ。 奥へ向けて「どんぶりご飯!」と声を掛けるのが、揚げ上がる合図。 味噌汁椀やおしんこが脇から整えられ、正面からすっとどんぶりが渡されました。mikaku06.jpg 軽快にさくさくとした衣は、塩であればこそ。 天ぷらのタネそのものを甘く愉しませてくれるのも、加減の利いた揚げ具合と塩なればこそ。 mikaku07.jpgmikaku08.jpgmikaku09.jpg 海老に玉葱に茄子、春菊、獅子唐、掻き揚げがそれぞれの香気で甘さを伝えてくれる。 やや塩っ辛く感じるところもあったけど、それでもやっぱり塩でいく天ぷらの良さを確認してしまったのでありました。 芋洗い坂のてんぷら「味覚(みかく)」。mikaku10.jpg店主みずから汗掻き汗掻き、自家農園で育てた野菜を天ぷらで供するという。 べらんめぇな主人と与太話をしながら、それ揚げてこれ揚げてと云いつつ、トマトの天ぷらなんかで一杯呑るのもきっといい感じなンだろな。 口オイスターパラダイスブログ:「カキタベ! ~牡蠣を食べよう!~」 「味覚」 港区六本木6-7-17 [Map] 03-3404-1800  http://www.tenpura-mikaku.com/
column/02895 @1,200-