「広尾から六本木から霞町」カテゴリーアーカイブ

スナック「だるま」でだるま並ぶバックバーとハイボール髭面の赤ら顔が待っている

daruma西麻布1-1-1所在のYAKITORI「燃WEST」で知多ウイスキーのハイボールと気の利いた焼鳥や酒肴たちを愉しんだ帰り道。
六本木駅へ向けていた足を急遽翻して向かったのは霞町方面。
それは、西麻布の交叉点に向けて下り始めた坂道の途中にあると聞いていた。
この辺りかなと歩みを緩めたやや暗がりに浮かぶ白地の提灯。
丸いフォルムの提灯には、なにやら紅い顔した髭面のキャラクターが呑気な表情を浮かべていました。

意外と広い間口だなぁと思いつつ、
奥寄りにあるカウンターの止まり木へと身を寄せます。
なにせ”スナック”という肩書きなので、
1間間口の店なのかもと思っていたけど、
テーブル席もあって、割とゆったりとした空間になっています。

バックバーを真っ直ぐ見据えれば、
そこには並ぶは懐かしのサントリーオールド達。daruma01オールドの丸いボトルばかりがずらっと並ぶ図は、
なかなかの壮観であります。

感のいい諸兄諸姉はもうお気づきでしょう。
そうなのです、こちらスナック「だるま」は、
“だるま”の愛称を持つ、
サントリーオールドに着目にしたバーなのであります。

さっきまで「知多」のハイボールを呑んでいた流れではありますが(笑)、
今度は早速、”だるま”をハイボールでいただくことといたしましょう。daruma02ブレンデットウイスキーであるオールドゆえ、
ここにも「知多」が使われているんだね、
かなんか云いながらグラスを傾けます。

すると、グラスが載っていたコースターが目に入る。daruma03成る程、ここにも提灯に描かれていた”だるま”なヤツがいる。

なんかコイツ、いいね~とカウンターの兄さんに声を掛けると、
こんなのもあるんですと、
別のコースターも見せてくれた。daruma04目を細めたヤツは今、何を考えているのでしょう(笑)。

俄然興味を示したら、さらにこんなんでも遊んでますと、
持ち出されたのは小さなマトリョウーシカ的な。
郭を剥いでいくと、中から赤と青のちびっ子が現れた。daruma05青いヤツは、赤ら顔を通り越して、
顔面蒼白で白目を剥いちゃった酔っ払いにも見えてきます。
そうならんようにそろそろお暇しますかね(笑)。

六本木通り沿い西麻布交叉点近くに、
オールド並ぶスナック「だるま」がある。daruma06たまたま開業前から、開業に向けての準備を語るブログを読んでいて、
なんとなく気になる存在なのでした。
オーセンティックなバーも好物だけど、
こんな風に肩の力の抜けて洒脱な酒場もいい。
ボトルキープしてちょこちょこ立ち寄る常連さんも多いのだろうけど、
ちょろっと寄り道するのもきっとウエルカム。
わざと”スナック”の肩書きを載せているのもきっと、
そんな使われ方を意図してのことに違いない。
日頃ほとんど六本木には行かないけれど(笑)、
またお世話になることもあろうと思います。

「だるま」
港区西麻布1-8-4 三保谷硝子店ビル1F [Map] 03-6455-4595

column/03631

YAKITORI「燃WEST」で知多 ウイスキーのハイボールは風香る和食との相性やよし

moe久し振りに降り立った六本木。
今夜の目的地は、
六本木通りを霞町方面へ向かった、
六本木ヒルズのちょうど向かい辺り。
外苑東通りが潜る、
麻布トンネル入口脇の側道沿いにあるEDGEビル。
西麻布1-1-1所在のビルの半地下にあるのが、YAKITORI「燃WEST」だ。

そして、今夜のお題は、
サントリーウイスキー「知多」。moe01どっしりと存在感のあるカウンターの、
ハイボールタワーにも「知多」の文字が浮かんでる。
それは、この9月冒頭に発売された、
グレーンウイスキーなのであります。

まずは「知多のハイボール」でスコール‼︎
スッキリとしてクセのない味わいは、
“まず麦酒”の習慣に替えて、
この手もあると思わせる万能さ秘めているね。moe02そんな話をし乍ら、
立て続けに2杯のハイボールを干してしまう(笑)。
「知多」のために新しく型を誂えて作ったという、
例えば「白州」のそれとは違うフォルムのグラスが、
なかなか美しい。

実は最近、白州蒸溜所に久し振りに出掛けて、
白州の限定ボトルやグラスと一緒に、
「知多」のボトルも買い込んで来た。moe03白州のグラスで「知多」をいただいたりしていたのだけど、
「知多」でハイボールするなら、
「知多」のグラスがぜひ欲しい(笑)。

サントリーの蒸溜所としては、
山崎蒸溜所、白州蒸溜所がよく知られているけど、
国内にもうひとつ蒸溜所がある。
それが「知多」を生む拠点、
知多半島の付け根辺りにある蒸溜所。
知多蒸溜所は、
白州蒸溜所よりも1年早い1972年に竣工して、
既に40年以上も稼働しているのであります。

知多蒸溜所の特徴は、
何と云ってもモルトウイスキーではなくて、
グレーンウイスキーを製造している処。
玉蜀黍と麦芽なんぞを原料として蒸溜したのが、
グレーンウイスキー。
30m程の高さがあるプラント。
4塔の連続式蒸溜機を用いて、
クリーン、ミディアム、ヘビーと
3タイプに原酒を作り分けているのは、
世界的にも稀なことだという。

さて、嬉しいことに目の前には、
4つのテイスティンググラスが置かれてる。moe04原酒のアルコール度数は50度。
それを順番に舐めてゆきます。

クリーンなタイプの原酒は、
なるほど、甘さを含んだクリアな透明感真っしぐら。
対して、ハードなタイプの原酒は、
対照的にややピリッとした輪郭のもの。
ただ、決して重たいものではなく、
例えるなら、クセのない泡盛古酒といった感じ。
思いの外穏やかで荒々しさはない。moe21そして3つめのやや琥珀色のグラスが、
ボルドーから届いたワイン樽での熟成を経た原酒。
世界的にはバーボン樽を用いることが多いそう。
成る程、クリーンな中にも奥行きを齎すような風味が息衝いています。

こんな風にタイプの違う、
そして年次の異なるグレーン原酒をブレンドして、
ブレンダーの熟練の感性が仕立てたのが「知多」という訳ですね。
同じ蒸溜所で生まれた原酒のブレンドなので、
シングルモルトならぬ、
間違うことなきシングルグレーンだ。

コーンに、蒸溜塔に、樽。
そんな「知多」の特徴が、
和紙を用いたラベルの小さな刻印にも表現されている。moe05「知多」の文字は、
「響」の文字を揮毫したと同じ書道家、
荻野丹雪氏によるものだそう。

「知多」のボトルは、
実は意外と珍しいという無色透明のボトル。moe07moe06グレーンの色味をそのまま表出するような、
そんな意図がありそうで、
キャップにもヘアライン状のデザインを何気なく仕込んだりと、
練られた意匠になっています。

そうそう「響」といえば、
「響」を始め「角」「オールド」といったブレンデットウイスキーに、
「知多」のグレーンが使われている。
いままで名の通ったウイスキーの裏方さんとして、
秘かに活躍していた原酒が、
いよいよ注目を浴びる位置に登場したということでもあるのです。

3杯めのハイボールをいただいたところで(笑)、
口開きの料理が運ばれてきた。moe08スライスした松茸浮かべた出汁の利いた茶碗蒸し。
程良い生地の濃密さと松茸の香りにニンマリです。

コリっとした歯触りに鮮度の良さを思わす砂肝は、
千葉の赤鶏のものだという。moe09薄く湯引きしたささみも成る程の甘い滋味だ。

YAKITORI「燃WEST」たる真骨頂は当然焼鳥に。moe11藁に燻すというひと手間を施した、
媛っこ地鶏のもも肉が旨い。
こんな時には燗のお酒でなんて思うけど、
こんなすっきりしたハイボールの方が、
串の味わいを活かしてくれるのかもしれないね。
1:3.5程度にちょっと濃いめに作るのもポイントみたいだ。

大根おろしを載せて、こだわり卵の玉子焼き。moe12moe14そして、フランス鶉、エル・フランスの串。
塩でいただくふんわりした白身の中は、とろんと半熟の黄身。
「知多」のハイボールが、
様々な和食の味わいを引き立て、
なんの違和感もなく合いそうだというのは、
こんなお皿でもよく判ります。

成る程、肉厚な舞茸の天麩羅。moe15天麩羅などの揚げモノとの相性は、
云わずもがなでありますね。

按配のいいタレを纏ったつくねの串に寄り添う玉子の黄身。moe1765度で温めたという黄身が濃度を増して、
つくねの身にまったりとよく絡む。
含ませたナンコツの食感と併せて、
なかなかどうして、印象的なつくねでありました。

〆には三択の中から「鶏そば」を選んでみた。moe20醤油仕立ての日本蕎麦をイメージしていたところ、
届いた器を覗き込んで、ああ、そう来たかと膝を打つ。
しっかり乳化した鶏白湯スープを作る材料はきっとたっぷりとある。
濃密なスープに一気に満腹に仕上がりました(笑)。

麻布トンネル覗く西麻布の一角にYAKITORI「燃WEST」がある。moe19“燃”と書いて”モエ”と読ませるのだそう。
瀬里奈の裏手にある「燃」に対しての”WEST”であるらしい。
存在感のあるカウンターをメインとしたダイニングでいただく焼鳥は、
まるで白木のカウンターでいただくような、
そんな職人気質の串たちでありました。

これから精細な味わいの和食系を軸に、
出逢う機会が広がっていきそうな予感十分な、
サントリー11年ぶりの新ブランド、
シングルグレーンウイスキー「知多」のハイボール。
“風香るハイボール”のキャッチフレーズが良く似合います。
昼間っからの気軽な一杯にも似合って困ります(笑)。
手っ取り早く、amazonのココでも手に入れられるようです。

今宵は、
シングルグレーンウイスキー「知多」のwebページも注目の、
サントリーの企画でお邪魔しました。

「燃WEST」
港区西麻布1-1-1 EDGEビル [Map] 03-3475-1140
http://rockgogo.co.jp/

column/03619

RESTAURANT「VINOBLE」で 牡蠣に合うワイン裏路地の隠れ家

vinoble.jpg振り返れば、半年前の「シークレットオイスターバー」。 会場となったのは、丸の内仲通りにあるワインショップのラウンジ「THE LOUNGE」でした。 その「THE LOUNGE」のオーナーソムリエにしてグランオイスターマイスターなのが、濱岡さん。 そしてその濱岡さんの本丸は、 霞町交叉点も程近いひっそりとした裏路地にある。 通り掛かりに寄り道するひとはなかなか考え難い、 まさに隠れ家な立地。 そこに瀟洒な顔立ちのレストランがあるのです。

多分きっと此処だよねと入り込んだ先をクランクに曲がる角。vinoble00.jpg裏通りの「WODKA TONIC」の手前にあったポルトガル料理の「Vila Madalena」から、 徘徊心を発揮して回り道した時に「こんなところにレストランがあるんだぁ。」と、 そう思ったことをデジャヴュのように思い出します。

外装が抱かせてくれる雰囲気を一層盛り上げてくれる、 白基調が柔らかく、かつオーセンティックな内装と調度。vinoble01.jpgvinoble02.jpg吹き抜けも辿る二階席の奥へとご案内いただきました。 一番乗りとなった二階のフロアのテーブルたちも、 気がつけばすべてが埋まることになります。

実は、テーブルの予約を入れた後日、 日本オイスター協会の会長から嬉しい当選のお知らせをいただきました。 協会から届く”かき得メール”にあった、 「VINOBLE」濱岡さんから牡蠣に合うワインのフルボトルをプレゼント!

この夜は、クリスマスの特別メニューが設定されていた日なのだけど、 そんな訳で無理をお願いして、生牡蠣のお皿も添えていただきました。

届いた殻付き生牡蠣は、ご存知「大黒神島」。vinoble03.jpgあの、瀬戸内の清澄な海域で育まれた牡蠣だ。

そこへ濱岡さんが合わせてくれたのが、 ミュスカデのシュル・リー「MUSCADET DE SEVRE ET MAINE SUR LIE 2010」。vinoble04.jpgvinoble05.jpgキリッとした酸に角がなく滑らかで、 ミネラルな気配と蜜な華やぎが折り重なるように消えてゆく感じ。 美味しく、かつ成る程牡蠣の風味によくマッチしてくれます。

プチフールに続くお皿は、 「カワハギのカルパッチョ キャビア添え その肝のクリームをアクセントに」。vinoble06.jpg 桜色を帯びたその身。 お皿の縁に置いたのは、カワハギの肝を叩いてオイルで整えてソースとしたもの。 真冬の海上で極寒に耐えながらカワハギ釣りをしたことを思い出しながら、 肝のソースを載せた身をいただきます。 河豚より旨いンと違う?と思うことの多いカワハギと肝の組み合わせだけど、 うんうん、やっぱり美味しいね。

濱岡さんは、蓼科に自家菜園を持っているそうで、 そこで収穫した菊芋のスープに浮かべたのが、「鴨フォア・グラのソテ」。vinoble07.jpgvinoble08.jpg黒トリュフの馨りを戴くフォアグラの蕩けるような濃密な旨味。 それを包み込んでなおじっくりと滋味を深める菊芋のソースがいい。

手長海老とか、海老のエキスが香ばしいパスタって美味しいよね、 ってなことでお迎えしたお皿は、 「手打ちパスタ”タリエリーニ” 活オマール海老のソテとその濃厚なビスクを合わせて」。vinoble09.jpgオマールのぶりっと肉厚な身肉の甘さもさることながら、 そのガラも含めた身全体から抽出されたであろう旨味エキスが、ああ、堪らない。

「赤牛の真空低温調理 ローストビーフ仕立て」は、 生姜の香る赤ワインソースで。vinoble10.jpg生姜の風味が明快に活きる赤ワインソースって、初めてな気がする。 ややもするとクドくなりがちなソースに軽快さを添えつつ、 しっとりと仕上がった赤牛の魅力を引き立てます。

vinoble11.jpg デザートのひとつが、 「フロマージュブランのムース はっさくのジュレと共に」。 そして、「サブレをつかった苺のミルフィーユ仕立て ピスタチオのアイスクリームと共に」。vinoble12.jpgピスタチオのアイスは、今や定番だね。

霞町の裏路地の隠れ家レストラン「VINOBLE」は、 ソムリエにしてグランオイスターマイスターな濱岡さんのお店。vinoble13.jpgWebサイトには、 “「VINO」(ラテン語でワイン)と「NOBLE」(高貴な、素晴らしい)の造語。 世界各国の素晴らしいワインが沢山あり、 多くのお客様に楽しんでいただきたくこの名を選びました。” とある。 ソムリエである自分がワインと牡蠣との魅力にも出逢って、 これからはよりその点にも力を入れていきたいのですと語る濱岡さんは今、 麻布界隈で物件を探索中。 其処にずっとあって欲しいと想う、 まさに隠れ家と呼ぶに相応しい素敵なレストランなのだけど、 契約更改を機会にしてこの裏路地を離れることを決意したと云う。 恵比寿の隠れ家「園山」と同じく、 物件の契約更改は、次のステージに移るきっかけにもなるのだね。
厨房やホールのスタッフが散り々々になってしまうのはとっても残念ですと心配したら、 忙しくなっている丸の内「THE LOUNGE」に集結することになっているそう。 濱岡さんの新しい舞台にも期待しましょう。

口 関連記事:   ENOTECA「THE LOUNGE」で未来へのシークレットオイスターバー(12年07月)   ポルトガル料理「Vila Madalena」で バカリャウとカタプラーナ(09年03月)   BAR「WODKA TONIC」で暗がりのオーセンティックひそひそ話(02年08月)   家庭料理割烹「園山」で 玉蜀黍冬瓜蕃茄縞綱麻の野菜パフェ(11年11月)


「VINOBLE」 港区西麻布2-25-32 [Map] 03-6411-5051 http://vinoble.jp/
column/03336

「Hard Rock Cafe 東京」で STONES BARはあのシンボルが目印

hrc_tokyo.jpg六本木の「Hard Rock Cafe」と聞けば、 デジャヴュのようにロアビルを思い出す。 ロアビルの横から裏手に回り込むように往くとその先にでっかいエレキギターのオブジェが見えてくる。 その光景をまた妙に憶えているのです。 夜の六本木を徘徊するのは、元々得意ではなかったけれど、「Hard Rock Cafe」は、どこかノスタルジックな感慨を抱かせてくれるところです。

思い出すまま、ロアビルの横を折れるとやっぱり、 その先にエレキのオブジェが見つかって。hrc_tokyo01.jpg店の周辺に関係者らしき人影が多いのは、 リニューアルオープンの前夜祭が開かれようとしているから。 改めて見上げる巨大なエレキギターは、レスポールを模したものだと分かる。 そうか、そうだったのか。

「Hard Rock Cafe」が日本にやってきたのは、1983年のことだという。 ということは、六本木の店を何度か訪れたのは、 「Hard Rock Cafe」が日本に初めてやってきてからそう間もない頃のことだったことになる。 日記を振り返れば、 サイパンの「Hard Rock Cafe」を訪れてからももう10年近くが過ぎている。 ああ、思えば遠くに来たもんだ(笑)。 きっとこんな風に懐かしく思うご同輩も少なくないのだと思います。

早速カウンターに向き合うと、バックバーに見慣れないボトルが並ぶ。hrc_tokyo02.jpg並んだ舌ベロマークは、”Lips & Tongue”。 えー、パクっちゃマズいんじゃないのー?と思った貴方、 それがある意味正しい反応かもしれません(笑)。 サントリーがあっちゃこちゃからアプローチして、 あのローリングストーンズからなんとか使用許諾を得たという”Lips & Tongue”。

そんな”Lips & Tongue”を堂々シンボルに掲げて新発売となるのが、 目の前に並んだ「STONES BAR」。hrc_tokyo03.jpg今宵は、サントリー「ストーンズバーSTONES BAR」の発売前夜でもあるのです。

並んだ瓶の表情からも分かるように、「STONES BAR」は今のところシリーズ3種類。 まず手にとったのは、”クリアテイスト”と示したアメリカングリーンのボトル。 仲間たちと瓶の腰の辺りをチンとぶつける乾杯に、 若かりし頃のあの日が彷彿とするようです(笑)。

グリーンのボトル、「STONES BAR “ROLLING HOP”」は、 示した通りのクリアな呑み口で迫るビール系。hrc_tokyo04.jpg苦味を利かせた路線ではなく、柑橘芳るホップが爽やかに。 覗き込んだ瓶の中身もクリアな煌きだ(笑)。

お気に入りな「STONES BAR」が、”CITRUS HIGHBALL”。hrc_tokyo06.jpgレモンとライムのリキュールが柔らかな陽射しのような風味で包むんだ。

「Hard Rock Cafe」といえば、出自でもあるハンバーガー。hrc_tokyo05.jpg旗を掲げれば、まさにフォトジェニック。 軽妙なバンズとずっしりとしたパテ。 うん、これからもずっと「Hard Rock Cafe」の定番アイテムであり続けるのだろうね。

バンドのライブが始まったところで、栓を抜いたのが、 「STONES BAR “ROLLING GOLD”」。hrc_tokyo07.jpg“エナジーテイスト”と示されているように、栄養ドリンクチックな風味の後ろにジンが香る。 熟練ベーシストが刻むグルーブに全身がノッてくるのは、 “ROLLING GOLD” の所為でもあるのかもしれません(笑)。

訪れた大物アーティスト数知れず、 およそ30年の時を積んでリニューアルした「Hard Rock Cafe 東京」hrc_tokyo08.jpg外壁彩り演出する3Dプロジェクションマッピングが、 ロアビルの横からも目を惹くのも話題のひとつです。

口 関連サイト:   「STONES BARが飲めるお店」は、コチラ   「STONES BAR」ブランドサイトは、コチラ

口 関連記事:   Restaurant & Bar「Hard Rock Cafe」で エルビスとステーキと(03年03月)


「Hard Rock Cafe 東京」 港区六本木5-4-20 [Map] 03-3408-7018 http://www.hardrockjapan.com/
column/03281

RISTORANTE「ACQUA PAZZA」で 日高シェフなす春香のフーガ

acquapazza.jpg恵比寿以上にご無沙汰なのが、広尾〜天現寺界隈。 というか、振り返れば、ご無沙汰という程そもそもそんなに足を運んでいない。 思い出すレストランといえば、せいぜい「incanto」とか、山田シェフの「MARCHE AUX VINS」とか。 「ACCA」や「LA BISBOCCIA」なんて妙に懐かしい。 「エノテカ」二階のレストランはまだあるのかな。 移転前の「Aroma-fresca」にも一度潜入したっけ。

そんな広尾に久々に呼ばれたのはきっと、都内某所で行われたあの品評会がきっかけ。 日本オイスター協会内におかれた実行委員会が、実施にあたっての制約に苦慮し、 延期を経て開催した「かき日本一決定戦」
その審査委員長が、”牡蠣養殖の父”と呼ばれる宮城新昌さんの娘にして、 “おいしゅうございます”でも知られる料理研究家、岸朝子さん。 審査会でもそのチャーミングなところをみせてくれた岸さんの向かいに座っていたのが、 特別審査員の日高シェフなのだ。

acquapazza01.jpg日本一と評した牡蠣を日高シェフの手で、という展開ではないけれど、 そんな繋がりの上にある今宵のディナーで、「アクアパッツァ」の地階フロアは貸切です。

随分前に一度だけ訪れたことのある「アクアパッツァ」。acquapazza02.jpg中央に階上の「ACQUAVINO」への吹き抜け部があって、 そのために凹形になっているのを思い出します。

acquapazza03.jpg ノンビンでも美味しいスプマンテ「corte di Cavour Brut」で乾杯。 そして、岩牡蠣「春香」を主題とした今宵限りのスペシャルコースを日高シェフが解説してくれる。acquapazza04.jpgacquapazza05.jpg海士いわがき水産が提供してくれた「春香」は、 島根県・隠岐の島の海で育った、春先に採れる岩牡蠣。 一般に真牡蠣の時季が終わり、岩牡蠣にはまだ早いと思われているこの時期に万を時して出荷する、岩牡蠣の長所と真牡蠣の長所をいいとこ取りをしたような牡蠣だ。
「ジャック・ポット」佐藤さんの説明によると、 今季あたりから”ミミズリ”ではなく、”カイデライト”を用いる手法で垂下しているそう。

その「春香 Special Menu」の口開きは、 「海苔の衣で揚げた”春香”のゼッポレ ナポリ風」。acquapazza06.jpgナポリ名物という”ゼッポレ”とは、ピザ生地に海藻を練り込んで揚げた揚げ団子。 その中に細かく刻んだ春香が入ってる。 軽さがグラスの泡を軽快にしてくれます。

Antipastのふた品めは、「サッとしゃぶしゃぶにした”春香”海の香りのゼリーを添えて」。acquapazza07.jpg昆布出汁と網焼きした海苔とで作ったゼリーに包むように浮かべた春香。 牡蠣の身にさらに磯の風味を掛け合わせる手法に思わずニンマリ。 底の方に仕込んだのは意外な展開のじゃが芋のピューレ。 なにより、生のままでなく、サッと湯掻いたところに磯風味の掛け算を美味しさに纏めたキモがありそう。 これぞ、素材を活かす「アクアパッツァ」らしい料理であります。

このあたりからワインが「Inycon Sicilian Fiano」に。

続いて、「”春香”のスフォルマート あおさ海苔のフリット添え」。acquapazza08.jpgスフォルマートは、和食で云えば、茶碗蒸し。 春香をロボ・クープにかけ、裏漉しし、茶碗蒸しのベースに。 青海苔をフライにしたものをトッピング。 これが、旨い(笑)。 春香の滋味を真っ直ぐ上手に温かいペーストに仕立ててある。 そこへ海苔のパリッとした歯触りがいい合いの手を添えてくれています。

4皿目は、「”春香”と魚介のフリット ジェノヴァ風のクリームソースで」。acquapazza09.jpgacquapazza10.jpgacquapazza11.jpg 公魚、黍魚子、ほたる烏賊、そして春香のフライ。 六角形の容器に沸々と湧いた若草色のバジリコソース。 ジェノヴェーゼなソースはなんでも大好きなのだけど(笑)、このソースもこれまた旨い。 フリットした春香にたっぷりとソースを絡ませていただきます。 ああ、こんな取り合わせのパスタもいいかも。

acquapazza12.jpg 意外やワインがロゼ「Cerasuolo d’Abruzzo Terre Casali lo」に。

Primoには、「”春香”とルーコラのスパゲッティー」。acquapazza13.jpg粉をはたいて軽く揚げ焼きして旨みを閉じ込めた春香とルッコラと。 一転シンプルに春香を楽しむお皿になっている。 これもまた、「アクアパッツァ」らしい料理ともいえましょう。

そして、Secondには、「カダイフで巻いた”春香”のカリカリ焼き ジャガ芋のピューレと菜の花のカリカリ揚げカレー風味」。acquapazza14.jpgカダイフはご存知、 トルコなどで伝統的に使われている小麦粉でつくる細い麺状の衣。 日本の洋食的カキフライとはやっぱり違うアプローチ。 うんうん、こふいふカキフライもあっていい(笑)。

Dolceは、「果肉たっぷり甘夏のジュレとリコッタチーズのムース ローズマリー風味のグラニテを添えて」。acquapazza15.jpg甘夏の甘酸っぱさとリコッタチーズの柔らかなコク味とがよく似合う。 流石にデザートに春香は使っていないようです(笑)。

“春香のフーガ”と喩えたいコース料理のお皿たち。 きっとあれこれ思案したであろう日高シェフと、 “春香”を提供してくれた海士いわがき水産さんに感謝です。

1990年西麻布に生まれ、広尾で今を供する老舗イタリアン「アクアパッツァ」。acquapazza16.jpg「ACQUA PAZZA」は、姉妹店「ACQUA VINO」の地階に潜んでる。 今度は陽射しが気持ちのいい頃に、 フロア真ん中の吹き抜けテラスでのんびりランチでもいただきとうございます(笑)。

口 関連記事:   RISTOTANTE「LA BISBOCCIA」で 4種のチーズのリゾット(02年02月)   Ristorante「Aroma-fresca」で 深夜の仔牛の脳のソテー(02年05月)   ビストロ「MARCH AUX VINS」でフォアグラポアレに目を閉じる(05年02月)   RISTORANTE「ACCA」で黒鮑のリゾットこのこのフェットチーネ(07年04月)   osteria e wine bar「incanto」でルカーニカからエトフェに至る(08年10月)


「ACQUA PAZZA」 渋谷区広尾5-17-10 EASTWEST B1F [Map] 03-5447-5501 http://www.acquapazza.co.jp/
column/03259