「独墺伊仏欧州諸国への旅」カテゴリーアーカイブ

Gasthaus「Kirchenwirt」で 鱒のイクラに滋味深きザリガニスープ

kirchenwirt.jpgザルツブルク駅から鈍行に乗って、 ウィーン方面へ数駅。 間違ってひとつ手前で降りてしまった駅へと迎えにきてくれた車は、一面真っ白の雪原を走り抜け、Straßwalchen(シュトラスヴァルヘン)へ。 雪原を走ってきたものだから、随分と郊外の山の中に来ちゃったような気もしたけれど、そこは小さな町の真ん中あたり。 どなたかの邸宅のようなレストランに招かれました。
全面の硝子窓から陽の光が入って、明るいフロア。kirchenwirt01.jpg招いてくれたご家族は、如何にも常連然としてヤァヤァと、L字を模るフロアの一番奥のテーブルへと一直線に向かいます。 ラズベリーを浮かべて綺麗な泡で乾杯。 ところが、荷物を動かそうとした袖口がフルートグラスに触れて、早速倒すことに。 あわわ(笑)。 改めて、プロセッコのグラスをいただいて、 前菜のお皿を見詰めます。kirchenwirt03.jpgkirchenwirt02.jpgアルミホイルに包まれているのは、小さな小さなジャガイモ。 その上に鱒の燻製と鱒の小さなイクラとが親子でのっています。 ザルツブルクのクリスマスマーケットで有名な、でっかいジャガイモのホイル包み料理Ofenkartoffelの極ミニチュア版という、ちょっとしたシャレみたいだ(笑)。
お、帆立だね、と覗きこんだ皿には、バターソースに浮かんだ帆立とウサギ、鞘隠元。kirchenwirt04.jpg内側をレアに、湯引きするように火を入れた帆立とバターソースの相性やよろし。 そして、ウサギが旨い。 どうもパサついた笹身のような印象のあったウサギ肉だけど、これはジュシーで味わい深くって、いい。 そこへ小さなコーヒーカップが運ばれてきました。 あれ?エスプレッソにはまだ早い。 そう覗き込むようにすると、滋味たっぷりの匂いが鼻先を擽ります。kirchenwirt05.jpgそれはすっきりと香ばしく、コクと旨み豊かなザリガニのスープ。 うわぁこれは堪らん。 カップに残った泡もスプーンでこそげて舐めてしまいます(笑)。 メインはというと、鱸のムニエール。kirchenwirt06.jpgカラフルな野菜たちを下敷きに香ばしそうに皮目の焼色を魅せる。 まさにその皮目の香ばしさと白身の甘さとを真っ直ぐ堪能するお皿。 オーストリアの地場品種ツィアファンドラー(Zierfandler)がよく似合います。 アイスワインは好きかと訊かれれば、大好きだと答えます。 貴腐やアイスのとろんと甘いワインも実は好物なのであります。 kirchenwirt08.jpgそのグラスをゆっくり愉しんでいるところへ届いたのが、 たっぷりしっかりしたカクテルグラス。 「Früchtebecher」は、つまりはフルーツパフェ。 おお、冬のオーストリアで「パフェラッチ!」だ。kirchenwirt07.jpgヨーグルトと生クリームにからまるベリーのソースとmarillen(アプリコット)のシャーベットが印象的です。

すっきりゆったりした空間で仕立て明朗なお皿たちと地場のワインがいただける、 Kulinarik & Wein、Gasthaus「Kirchenwirt(キルヘンヴィルト)」。kirchenwirt09.jpg迎えてくれるのは、シェフのNorbertとソムリエールのMonika。 “教会近くの宿(Kirchen)の主人(wirt)”という店の名前なのは、近くの教会と関係があるのかな。 今度は季節のよい頃にお邪魔して、テラスのテーブル席でオーストリアのワイン片手に。


「Kirchenwirt」 kirchengasse 11 5204 Straßwalchen[Map] 0 6215 20734 http://www.kirchenwirt-strasswalchen.at/
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Weinlokale「il Barone」で TraminerのSpätlese 品のいい甘さ

ilbarone.jpgミラベル宮殿を抜けて、 すっかり日の暮れたザルツァッハ川の辺へ。 旧市街側へと渡る幾つかの橋のひとつ、ミュールナー・シュテークを渡れば、その橋の上からもホーエンザルツブルク城が望めます。 メンヒスベルクの高台に横たわる幻想的な古城の雄姿に見惚れていると、川面を渡る冷気に頬がちょっと痺れてくる。
少し肩を窄めて橋を渡り切り、そのまま川沿いのプロムナーデを辿ります。 街のシンボルのひとつは、視野から外れることなく、ライトアップに灯りに浮かんでる。ilbarone01.jpg川辺を離れてクシュテッテンガッセを往きます。 見上げる岩壁は漆黒の闇。 その壁に沿うように並ぶ店々の中にある一軒のワインバーにお邪魔しました。 ちいさな店のカウンターには、おでこに眼鏡を上げ、頬杖をついて客の話を聞くマスターと如何にも常連な三人組が朗らかに歓談中。ilbarone02.jpgお邪魔せぬよう、隅のテーブル席へと闖入します。 酸味ほどほどのものをということで、白のグラスを一杯。ilbarone03.jpgヴァッハウ渓谷のシャルドネ。 ミネラルなキレがみるみる解けてゆく感じが面白い。 三人組がしゃべくりながら店を後にしたところで、もう一杯。ilbarone04.jpgエチケットが示すのは、トラミーナーTraminerのシュペートレーゼSpätlese。 甘いのかな?と思いながらグラスに鼻先を寄せると、 如何にもな甘さとはベクトルの違う芳しきアロマ。 つーっと口に含むと、やはりドイツのシュペートレーゼにイメージする甘さではなく、 フフっと膨らむ華やぎに品のいい甘さを含んで広がる感じだ。

クシュテッテンガッセのワインバー「il Barone」。ilbarone05.jpgVINOTHEK、PROSECCHERIA、GRAPPARIA。 イタリアワイン専門かといえば、そんなことなく、オーストリアのものを中心としたワインあれこれやグラッパがグラスで愉しめるお店のようです。


「il Barone」 Gstättengasse 3 Salzburg[Map] 0043664 1038062
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Gassenverkauf「Steirische Weinstuben」で シャンピニオンフライ

steirischeweinstuben新市街から線路を潜って、レーエナー橋へと通じるサンクト=ユリエン通りとの交差点。
古びたビルが交差点の角に向けた隅切りの扉。
額に載せた緑地の看板が示すのは、オーストリアを代表するビール「Gösser(ゲッサー)」。
うん、昼間っからビール呑みたい(笑)。
でも、外観から窺う雰囲気は、
地元常連色が濃そうで、ちと怪しい。
まぁ、昼間だから大丈夫でしょうと高を括りつつ、
恐る恐ると扉を開きます。

向かって左手にはカウンターがあって、
バックバーにはサーバーに逆さまに刺さったボトル幾つも並んでいます。
その手前に、なにやらわさわさと円を描くオブジェがある。steirischeweinstuben01steirischeweinstuben02なんだろうと近づいてみると、そのわらわらは、
「Jägermeister(イェーガーマイスター)」のボトルたち。
緑色した「イェーガーマイスター」のミニチュアボトルの空き壜が、
樽の上を埋め尽くすように、美しくもわらわらとディスプレイ。
すぐお隣、ドイツのハーブ系リキュールもおススメのひとつなンだろね。

「イェーガーマイスター」のボトルと同じく、腰壁や椅子に塗った緑色が印象的な店内の装飾。steirischeweinstuben03steirischeweinstuben04壁の絵は、かつての店の様子を描いているのかな。

まずは早速、ビールを所望。
スリムなジョッキで届いた「ゲッサー」は、すっきりクリアなピルスナー。steirischeweinstuben05steirischeweinstuben06苦み控えめで、スムーズにすいすいと呑めちゃう感じが、いい。

そのビールに最高にあう逸品が、
CHAMPIGNONS GEBACKEN MIT SAUCE TARTARE、「シャンピニオンのフライとタルタルソース」。
細かいパン粉をしっかり纏わせた衣がきつね色に染まって、なんとも旨そう。steirischeweinstuben07steirischeweinstuben08火傷しないようにふーふーしてからそっと齧れば、
中から弾けるジューシーなシャンピニオンエキス。
濃密な旨みと風味がそそり、堪りません。
牡蠣フライに勝るとも劣らない、魅惑のフライだ。

ビールをお代わりして今度は、
看板メニューのGRILLHENDL、チキンのグリル、半分。steirischeweinstuben09パリパリとした薄い衣がチキンの旨み汁が上手に閉じ込めていて、これまた旨い。
重ったるい脂の感じがないところにも感心です。

ちょこっと汁モノが欲しいなぁとお願いしたのが、
謂わばレバー肉団子スープ、LEBERKNÖDELSUPPE。steirischeweinstuben10スプーンを挿し込むとわらわらと崩れるレバーの肉団子がスープに解けて、
レバーの香ばしい風味とスープの温かい旨みにホッとします。

街角のGassenverkauf、
「Steirische Weinstuben(シュタイアリッシェ ヴァインシュトゥーベン)」。steirischeweinstuben11Gassenverkauf(ガッセン・フェアカウフ)というのは、
つまりは産直の酒屋さんみたいな形態を指すらしい。
Steirischeは、ウィーンの南の方にある、シュワルツェネッガーの出身地グラーツを州都とするシュタイアーマーク地方の、という意味。
つまりは、”シュタイアーマークの小さなワイン酒場”という店の名だ。
遅い時間まで営業する店の少ない街で、
年中無休で夜中までご飯できる数少ないお店のひとつだそう。
タクシーの運ちゃんの予約席があるとか、ないとか。
娼婦とその男が寄り添う時間帯は、妖しい感じになるらしい(笑)。

「Steirische Weinstuben」
Sankt-Julien-Str. 9 Salzburg [Map] +43 662 8747900

column/03081

Spirituosen「SPORER」で 色々SchnäpseにPunschを角打ち

sporer.jpgミュンヘン中央駅からDBで一路、 ザルツブルクへとやってきました。 ミュンヘンと同じく、薄っすらと雪が残ってきりっと冷えるものの、風がないのが印象的。 翌日は、綺麗に晴れて穏やかな日だったのだけど、 こうして晴れるのは珍しいことらしい。 そんな陽光の中、ザルツブルクの旧市街へ。 モーツァルト生家の黄色い建物があることでも有名な通り、ゲトライデガッセを歩きます。
sporer12.jpg 手の込んだディスプレイを魅せるショーウインドウが、 両サイドに連なる目抜き通り。sporer01.jpg通りのずっと向こうには、岩盤聳えるメンヒスべルクの丘がちらっと窺えます。 通りを散策するも、 ゲトライデガッセの、”馬の水飲み場”寄りにある、此処「SPORER」が目的地のひとつ。sporer02.jpgsporer03.jpg店頭のショーケースには、 見慣れない酒瓶が整然と並んでいます。

扉を押し開けると、バックバーにカウンター。 そこに何人ものひと達が立ち呑みカウンターよろしく、グラスを手に並んでいます。 まさに一見バーのようですが、「SPORER」は、1903年創業の酒店なのです。

バックバー、つまりは商品の陳列棚には、同じフォルムの酒瓶が、見るからに強そうな無色透明なものから、茶褐色、黒褐色、といったバラエティーで並んでる。sporer04.jpgそれらが「SPORER」のメインコンテンツ、Schnäpse(シュナップス)、ブランデーたちだ。 そこのあれ!とか、こんなやつ!とかをニコニコ笑顔のおっちゃんに伝えると、 素早くショットグラスに注いで、どぞーと出してくれる。 つまり、カウンターでみんな立ち呑みの図は、みんなであれこれ試飲の図、でもあるのです。 林檎と梨とのものがシュナップスの基本形か。 如何にも強そうな蒸留酒に色んなハーブの香り匂いが利いている。 例えば「ENZIAN」は、高山植物(りんどう科のゲンチアナという植物)の根っこのリキュールということらしい。 「Wacholder」は、ジュニパーベリー、つまりはジンの苦いヤツ。 「HOLLER Brand」は、ニワトコの実を使ったブランデー。 19種類のハーブから作ったという茶褐色の苦い食後酒は、 「SPORER」のハウスミックス「Hausmischung」。 「Kirsch Likör」は、熟したサクランボでつくるリキュールだ。sporer11.jpg思わず買って帰りたいと、これとこれとそれとあれをBitte!とお願いしてしまいます(笑)。 sporer14.jpg じゃぁ、みんな試飲しているだけ?と云えば、そうではなくて、 粋なバーとしてグラスの提供もしてくれる。 カウンター一列目が埋まり、背後の樽の前の二列目から声を掛けて、 樽のワインやラムを呑るのもよろし。 日本の酒屋で云うところの”角打ち”だ。 sporer10.jpg そして、あいよ!ってな感じでとお湯割りにしてくれるのが、 「SPORER」の顔、オリジナルの「Orangen Punsch(オレンジ・プンシュ)」。sporer15.jpgきりっと寒い冬に、湯気から如何にもオレンジなほの甘い香りがして、気分からも温い感じにしてくれるヤツなのだ。

ゲトライデガッセの銘酒屋&バー、といえば1903年創業の「SPORER」。sporer05.jpgsporer06.jpgsporer07.jpgsporer08.jpgもしもザルツブルクを訪れたなら、シュナップスは勿論のこと、樽のワインやラムにプンシュの待つ、ザルツブルクの”角打ち”へぜひどうぞ。 ひと懐っこい笑顔も待っています。


「SPORER」 Getreidegasse 39 Salzburg[Map] +43(0662)845431 http://www.sporer.at/
column/03077

Nürnberger「Bratwurst Glöckl」で 白ビールに焼きソーセージ

augustiner.jpgMax Weber Platz駅からふた駅地下鉄を乗って、Odeons platzで下車。 きりきりっと冷えるけど、風がないのは意外と凌げるものだなぁと思いつつ、通りを散策。 将軍堂の階段を上り、レジデンツの辺りをウロウロ。 方向間違ったりしながら(笑)、マリエン広場の方向へ向かいます。
augustiner01.jpg ああ、これがあの有名な仕掛け時計Glockenspielだね。 広場のマーケットが閉まっているのが残念も、なんだかミュンヘンのおへそにいる感じが悪くない。 斜向かいのペーター教会の塔の狭い階段294段をえっちらおっちら登って、その仕掛け時計のある新市庁舎を見下ろしたり、そこから広がるミュンヘンの街並みを臨みます。 augustiner02.jpg新市庁舎は、ネオ・ゴシック様式による建築物、ということになるらしい。 そこよりももっと高い塔がある、ってことでフラウエン教会へ。augustiner03.jpgふたつ並ぶネギ坊主頭の塔(ひとつは改修中みたい)にも登ろうとしたら、冬の時期はクローズとのこと。 そして、その塔を望む場所にあるのが、「Nürnberger Bratwurst Glöckl am Dom」です。

窓枠にピンクをあしらったファサードは、なかなかに可愛らしい。augustiner04.jpgaugustiner05.jpg店先のテーブルは雪に凍て付いて座るひともないけれど、店内は大盛況。 壁も天井も艶消した黒の板張りで、 よくみると柱の上部にはビアジョッキが並べ飾られています。 隅っこ寄りのテーブルに席を得て、まずはやっぱりビール。augustiner06.jpgグラスにHacker-Pschorr Weisseとあるのは、 ハッカー・プショール社の白ビールってことかな。 うんうん、華やかなコクとでも申しましょうか。 ああ、ここに白ソーセージが欲しいものの、 もう夕方近くゆえ当然のことながら、給仕の姐さんは、Nein!と仰る。 augustiner07.jpg それではということで、こちらのスペシャリテ、Rostbratwurst(焼きソーセージ)を。 千切りザワークラウトを真ん中にたっぷり盛った熱々お皿の周辺を囲うようにしっかり焦げたソーセージが載っている。augustiner08.jpgやや細めのソーセージを、火傷しないようにちょっと気をつけつつ、齧る。 うんうん、全体像として香ばしく、ハーブの薫りが追い駆ける。 ニュルンベルグの名物をここでも、ってことなんだね。 これをつけるのかな?っと壷に入ったマスタードをのっけて、ふたたび齧ると、 あれあれ?なんだか甘い。 augustiner09.jpgaugustiner10.jpg あ、この甘いタイプのマスタードは、白ソーセージ用なのかな。 なんだか、スープも食べたいなぁとお願いしたのが、 Augustinerのデュンケルビールを使ったポタージュ。augustiner11.jpg黒パンのクルトンと一緒にスープを舐めると、 なるほど黒褐色ビールの風味がして面白い。

ニュルンベルグ風焼きソーセージの店、「Nürnberger Bratwurst Glöckl am Dom」。augustiner12.jpg augustiner13.jpgaugustiner15.jpgaugustiner14.jpgドアにある鐘の意匠は、メニューにもあるイラストを見るにどうやら、 店先から見上げるフラウエン教会の鐘を示しているようです。


「Nürnberger Bratwurst Glöckl am Dom」 Frauenplatz 9 80331 München[Map] (+49) (0)89-291945-0 http://www.bratwurst-gloeckl.de
column/03073