
知ってるひとは勿論知っている、
世界初の牡蠣の資格、オイスターマイスター。
Webで行うテストにパスして手続きすることで、
今日からあなたも、
Jr.オイスターマイスターの仲間入り(笑)。
そして、より気合の入った方は昇格試験を受けて、
晴れてジュニアの外れたオイスターマイスターとなり、
それぞれの活動を愉しんでいます。
そしてそして、さらに気合の入った方々は、
グランドオイスターマイスターとして、第一線で日々活躍されているのです。
そんなオイスターマイスターのおひとりが、
役者にしてカキ☆ガールの泉祥子さん。
例えば、
「第1回かき日本一決定戦」といった日本オイスター協会のイベントでもMCを担ったりなんかして、グランオイスターマイスターの候補にも挙げられています。
そんな泉さんが麻布十番に開いたお店が、「コジシタ」。
“木ようカキ屋”という副題が示すように、
木曜日の夜だけ営む、オイスターバーなのであります。
麻布十番の2番出口の階段を上がり切って、
ちょっと振り向いたところにあるのが、「Cozy Table」。

「Cozy Table」は、
ゆったりソファの向こうにカウンターや丸テーブルを配したシガーバー。
迎えてくれたおねえさんに下へ行きますと指を指して、
そのまま階段を降りる。

そう、「コジシタ」は、「コージー・テーブル」のシタにあるから「コジシタ」。
ふと、東京タワーを見上げるレストラン「タワシタ」を思い出します(笑)。
ところで、初めて此処を訪れたのは、
木曜日ではなくて、連休狭間の日曜日の夜のこと。
殻付き生牡蠣の伝導師氏や
協会会長が催す「世界制覇用カキフライお披露目2Days」の一夜へとお邪魔したのでありました。
その直前まで行っていたという、オイスターマイスター昇格試験。
合格者お祝いの乾杯にちゃっかり混ざります(笑)。
お祝いのグラスは、ご存知ギネス。
黒い缶のプルを引けば仕込まれた小さな玉が活躍して、クリーミーな泡を引き出すのが、
ギネスのスタイルだけど、この夜のギネスは業務用の缶。

業務用には小さな玉が仕込まれておらず、その代わりに用意されていたのが、
専用のマシン。
ギネスを注いだグラスを載せれば、微細な振動が与えられて、みるみる例のクリーミーな泡が生まれる。
カウンターでのちょっとしたデモにもなるね。
さて、目の前でオイスターマイスターになりたての女性が早速牡蠣を剥いてくれている。
その名を世界展開用牡蠣「先端」という。

丸の内のイベントで確かめた、
“小さめの牡蠣が美味しい牡蠣”を実践する戦略的な牡蠣で、
すんなりひと口サイズの牡蠣が深いカップの殻に収まっている。
ポイントはまだあって、その身が牡蠣が取り込んだ海水に浸っていること。
洗うことなく、海の魅力と共にある牡蠣をそのままいただくのが、「先端」の本懐であると。
そのためには、当然のことながら、清澄な海域で、汚れなきよう牡蠣を育む必要がある。
「先端」は、西日本某所の、沿岸の富栄養の海とは異なる海域で育てた真牡蠣。
ひっくり返して見つめる牡蠣殻が綺麗なのは、シングルシード式で垂下し、収穫することも大きな要因なんだね。
そんな「先端」は、そんな育った海の滴も魅力の裡。
それならと、殻から掬った身をバゲットで受けていただくのが、塩梅がいい。

海水は勿論塩っぱいので、それを緩和しつつ、海の魅力ごと牡蠣をいただく。
バゲットのモソモソ感がやや難なのだけど、その辺りも工夫と改善が図られることでしょう。
そうして「先端」を幾つもいただいたところへ届いたのが、
これまたお待ちかねの「カキフライ」。

「先端」を使っているので、勿論のひと口サイズ。
会長が揚げてくれた揚げ立てをフーフーとしてから、丸ごとを齧ります。
うんうん、美味い。
臭みや磯っぽさではない、海のミネラルが牡蠣グリコーゲンと一緒にぶわっと小さく弾ける。
小振りがゆえの素っ気なさなく、堂々とした存在感があるのは、
「先端」が生食に留まらず、火を入れることにも適う牡蠣であることを示している感じ。


顆粒状の山葵をちょんづけしたりもしたけれど、
醤油やタルタルも添えずに、そのまんまでも十分イケるのじゃないでしょか。
この「カキフライ」には、
“世界制覇用”と謳うならではの戦略が色々な角度で準備されている。
マーケティングと云ってしまうとちょっといやらしく聞こえるかもしれないけれど(笑)、
フライ衣への工夫や食べ方提案をはじめ、
価格競争力をも備えるための図式が描かれはじめている。
世界に向け、まず手始めに「カキフライ」から、ということなのかもしれない(?)けど、
生産体制が確保できたなら、国内ですぐにでも流通してちょっとした話題になりそう。
どんなカキフライか気になる方は、
このところ毎日曜日に催している
「世界へ羽ばたけ!日曜かきフライヤーズ@麻布十番」へ、ね。
さて、「コジシタ」本来の営業日である木曜の夜、
ふたたび麻布十番へやってきました。

この夜に用意されていた牡蠣は、5種類。
注文に応じて、泉さんが殻から剥いて提供してくれます。
まずは、「先端」に「ヴァージンオイスター宮島」。

メニュー”Today’s Oyster”が書き示すように、
どちらも瀬戸内海に浮かぶ無人島”大黒神島”の清浄海域からやってきたもの。
もう一方の3種が「広島イノベ」に「岩かきSS」「デナイアル」。

大振りなものになりがちな岩牡蠣も、勿論ひと口サイズ。
若竹色を帯びた「デナイアル」は、
オーストラリアのデナイアル湾から大黒神島を経て遥々やってきた。
「岩かきSS」はもう時季終盤かな。
「コジシタ」には、生牡蠣以外にも盛り沢山の牡蠣メニューがラインナップ。
白ワインでもいただいて、そちらにも触手を伸ばしましょう。
素朴に生牡蠣のどれかを「素焼き」してもらうの一興かもねと思いつつ、
それじゃぁ、「各種焼き」とあるのはなんだろうと訊ねると、
トッピングや味付けに工夫したメニューを5種類ほど用意してあるという。
その中から、泉さんが「料理対決イベント 【秋のシャンピニオン祭り~】」で調理したレシピだというシャンピニオン焼きをいただきます。

マッシュルームと牡蠣が合わない訳がないことを実証するよな料理、だね。
片や、その名も愛らしき「オイルちゃん達」。

ま、つまりは牡蠣のオイル漬け2種類のお皿なのだけど、
オリーブオイルは兎も角、胡麻油漬けってのが面白美味しいのであります。
そして、同じオイル使いでも真鍮の手鍋に熱々でやってきたのが、「カキージョ」だ。


云わずとも、なにをモジッたか分かりますね~(笑)。
思わず似たような鍋を買いに行こうかな、なんて思ったり。
そうそう、他にも「カキディーヤ」なんてメニューもございます。
そしたらば、「タイ焼き」ってなぁに?と訊ねれば、
それはあのエスニック仕立ての牡蠣となる。

ふたたびバゲットに載せてみるのも正解でした。
気がつけば、
席を得られないお客さんも出始めた満員御礼の「コジシタ」フロア。


飲み物は一階からのサービスで、一階と地階が不思議な一体感のあるのも、
オイスターバー「コジシタ」の特徴のひとつになっています。
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「コジシタ」
港区麻布十番4-4-1 ツイン一の橋ビル2号館「Cozy Table」B1 [Map] 03-6809-4205
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