「青山赤坂うらおもて」カテゴリーアーカイブ

鮨「おけいすし」で丁度一年振りの同じ白木のカウンターに今更乍ら想うこと

okeisushi油面辺りの目黒通り沿いも有名だけど、青山界隈もどふいふ訳か、インテリアに関するお店が多い。
例えば、長青山梅窓院の竹林アプローチの先にある「MASTERWAL」とか、神宮球場に向かう道を外苑西通りに向けて別れた通り沿い両側に点在する店々とか。
ただいずれも高級過ぎて、おいそれと手が出る代物たちではなく、でもいいものはいいものなぁと指を咥えることになるのが常なのであります。

そんな青山は南青山三丁目交叉点から外苑西通りを北上する。
それは、誰が呼んだか(コシノジュンコ?)キラー通りとも俗称する通り。
キラー通りが右にカーヴし、あれこんなに歩いたっけ、
このまま往くと「ホープ軒」の灯りが見えてきちゃうぞと思う頃、
とある鮨屋の前に辿り着きます。

店先に掲げた大振りな魚の骨にふと、
西早稲田「元祖一条流がんこ」の牛骨を思い出しつつ暖簾を払う。okeisushi01ちょうど一年前の同日にお邪魔した時と同じ、
白木と椅子が迎えてくれました。

ここからはほんの少しの訳あって、
一年前の写真を振り返りたいと思います。okeisushi02okeisushi03okeisushi04okeisushi05okeisushi06okeisushi07okeisushi08okeisushi09okeisushi10okeisushi11okeisushi12okeisushi13okeisushi14okeisushi15okeisushi16okeisushi17okeisushi18okeisushi19okeisushi20okeisushi21okeisushi22すっと白木の上に置かれた寿司酒肴のひとつひとつが、
決して過ぎることのない味わいの裡で、
篤実で魅力的な美味しさを届けてくれました。

それから一年振りに訪れたカウンターは、
なんとはなしに何かが違う。okeisushi23資質だけでも難しいのは勿論のこと、
熟練だけでも昇華することの難しい職人世界を、
図らずも覗き込んでしまったような、
今更乍らそんな心持ちを抱いた宵となりました。

キラー通りの片隅にひっそりと「おけいすし」がある。okeisushi24いつの日か頭の部屋「鈴政の部屋」を、
貸し切れる身分になりたいものだと思ったり、
いや、それが仕合せだとは限らないゾと思い直したりする。
めんどくさいへそ曲がりで御免なさい(笑)。

「おけいすし」
渋谷区神宮前2-3-26 松岡ビル1F [Map] 03-3405-4610
http://www.okeisushi-suzumasa.jp/

column/03706

RESTAURANT「CAFE LANDTMANN」で ウィーン風牛肉の煮込み

landtmann.jpg一昨年初めて訪れたウィーンは、 まだ空気のぴりっと冷えた春先のことでした。 そんな頃のウィーンとしては珍しいらしい、 青空の広がる朗らかな陽光の一日で、 愉しく街を散策したことを思い出します。 街角のカフェにはテラス席。 その奥には硝子で覆った温室のような造りの客席が準備されている光景を印象的に憶えています。

リング通り沿い、ウィーン大学近くにある「CAFE LANDTMANN」も、 そんな温室的設えのテラスを持つカフェ・レストラン。 1873年創業とおよそ130年にも及ぶ歴史あるカフェだそう。

その「CAFE LANDTMANN」の海外第一号店が、 青山通り沿いのファッションビルの一角にあるというので足を向けました。

ウィーンの「CAFE LANDTMANN」本店を再現するように設えたというインテリア。landtmann01.jpg“ウィーンで最もエレガントなカフェ”という代名詞の片鱗が窺える、 落ち着いてかつ華やかな雰囲気の店内だ。 そんなこともあってか、女性のお客さんが圧倒的に多いのでありますね(笑)。

見上げる壁の額にはどうやら、ウィーン本丸に関する記事がコラージュされている。landtmann02.jpg書き込まれたサインは、どなた達のものなのでしょう。

メニューにウィーン、オーストリアを代表するビールのひとつと聞く、 「ゲッサーGösser」を見つけて、早速オーダー。landtmann03.jpgウィーンの匂いをさせたカフェで、 ウィーン郊外からのビールを嗜む昼下がり。 う~ん、いい心地(笑)。

ちょっと「ゲッサー」のお相手が欲しいなぁと併せてお願いしていたのが、 「ザワークラウトの盛り合わせ」。landtmann04.jpgキャベツ、赤キャベツ、胡瓜、そして南瓜のザワークラウトが、4色に花開く。 なんと云っても面白いのが、橙色した南瓜のヤツ。 噛んだ食感が軽くサクッとして、勿論酸味に包みながらも、優しい甘さが基調にあるんだ。

メインに選んだのは、「リンドグーラッシュ」。landtmann05.jpgメニューには、ウィンー風牛肉の煮込み、とある。 衣をつけて揚げた玉葱リングをたっぷりとトッピング。

その下に控える牛肉にソースをたっぷりと載せていただきます。landtmann06.jpg程よいパプリカの風味。 見た目ほど重たくなく、 すんなりと牛肉の旨味に向き合う感じになる。 パンのお代わりをいただきましょう。

青山は骨董通りの入口に、 ウィーンの老舗カフェ「CAFE LANDTMANN」の海外進出一号店。landtmann08.jpg創業者Franz Landtmann氏の名前がそのままカフェの名に。 陽光麗しき休日には、テラス席でひと時を過ごすという手もあるようです。 ビル4階でのことゆえ、ウィーンの街角の雰囲気とはまた違うでしょうけれどね。

landtmann09.jpgその足で向かったのが、 南青山MANDALAで行われた桐ヶ谷仁のコンサート。 ユーミンや松任谷正隆と同世代で、 80年代を中心に5枚のアルバムをリリースした、 正に知る人ぞ知るシンガーソングライターなのだけど、 囁くような独特の透明感のある歌声と、 湘南の海辺のイメージを濃くした曲たちが好みで、時々聴いてた。 達郎師匠や我等が村っちゃんをはじめとして、 還暦前後のオジサマたちが今また、いいんだ。

「カフェ ラントマン CAFE LANDTMANN」青山店
港区北青山3-11-7 AOビル4F [Map] 03-3498-2061
http://www.giraud.co.jp/landtmann/

column/03418

ドイツパン&ウィーン菓子「ノイエス」で シュパーゲル野菜プレート

neues.jpgなんだか久し振りの青山界隈。 青山一丁目駅から青山通りに出て、 赤坂見附方面へと向かいます。 斜めに切り立った壁が印象的なカナダ大使館の庁舎の並び、草月会館の手前にちょっとした公園がある。 案内板を見ればそれは、高橋是清翁記念公園。 “ダルマ蔵相”にして、第20代総理大臣高橋是清の邸宅跡であるらしい。

ちょっとした散策路みたいになっているのねと公園に入り込み、 紫陽花の花を眺めては、 その萼(がく)には色々な色や形があることに感心したりして。neues01.jpgところが、是清翁の像がある辺りへと進んだところで、思いもしない事態に直面した。 頭上から大きな烏が羽を広げて、襲撃してくる! さっき前方から聞こえた女性の悲鳴はこれだったのか。 木々を見上げれば何羽かの烏がこっちを見ている。 ひ~、こりゃいかんと足早になる(笑)。

そんな是清翁公園を抜けたところにあるのが、ドイツ文化会館。neues02.jpgかれこれ10数年前に一度、此処にあったドイツ料理店を訪れたことがあったのだけど、 今はもう別のお店に替わっているようです。

文化会館の一階ホールに進んだ向こうにはテラスが見える。 その右手がドイツパン&ウィーン菓子・料理の店「ノイエス」。 入口を入った正面にはケーキあれこれを収めた硝子ケース。 その隣にはプレッツェルをはじめとした様々なパンが並んでいます。

週末ということもあってか、ゆったりとした店内。neues03.jpg久々に「ゲッサーGösser Pilsner」をいただいてしまいましょう。

グラスを傾けながら、硝子越しに眺めるテラス。neues04.jpg以前に一度訪ねた時はおそらく、 ここのテーブルでドイツ料理やビールをいただいた筈。 なにを食べたか覚えていないのが申し訳ない感じ(笑)。

Webページに示してあった「ホワイトアスパラのボイル」がお目当てだったのだけど、 それはあくまでご参考メニューであったらしく、 代わってお願いしたのが「Gemüse Platte 野菜プレート」。neues05.jpg一本のシュパーゲルが当然ながらお皿のあるじ。 あの、迸るようなホワイトアスパラの醍醐味にはやや欠けるけれど、やっぱり旨い。 バジルソースの筆に沿って配された、 アスパラソヴァージュの青味もまた一興であります。

そして、お皿の中央には、 甘いお菓子ならぬ、野菜を重ねたシュトゥルーデル。neues06.jpgオーストリアのお菓子の定義を創作な惣菜へと何気に昇華させてる感じでしょうか。

デザートもいただいてしまおうと、店の名前を冠した「ノイエス」を。neues07.jpg想定以上に上品で繊細な甘さにぷち感動。 あくまで滑らかな口当たりの中にチーズの仄かな酸味が嬉しがらせます。

青山のドイツ文化会館館内にドイツパン&ウィーン菓子・料理の店「ノイエス」。neues08.jpgWebサイトには、”ウィーンやドイツの食文化の魅力を伝えたい”という、 シェフの想いが紹介されている。 「Schnitzelシュニッツェル」や「käsespätzelケーゼシュペッツェレ」、 「hühnerGulasch鶏肉のグーラッシュ」あたりも割りと定番である模様。 “新しいもの”といった意味をなす店名「neuesノイエス」に、 シェフはどんな意味合いを込めているのかな。

口 関連記事:   Gassenverkauf「Steirische Weinstuben」で シャンピニオンフライ(11年02月)


「ノイエス」 港区赤坂7-5-56 OAG-HAUS ドイツ文化会館1F [Map] 03-3560-9860 http://www.neues.jp/
column/03387

Nuovo Chinese「玻璃 青山」で 水辺の中華とローラン・ペリエと

bowlee00.jpgどこに仕舞い込んだかなぁ、 日経BPの「東京デザイナーズレストラン」。 あやふやな記憶なのだけど、シリーズ発刊していた「東京デザイナーズレストラン」のいずれかに、青山ラピュタガーデンのことが載っていたはず。 初刊の発行が95年頃なので、かれこれもう15年近く前のことかと思うと途端に遠い目になる(笑)。 vol.3かvol.4での掲載だったとしても、97-98年あたり。少なくとももう、10数年前のことなんだ。
そんなことを考えながら歩く、外苑前寄りの青山通り。 「青山ラピュタガーデン」は、青山通り沿いのユニマットのビル9階。 ここが専用のエントランスなんだねとドアを入ると直通のエレベーターが待つ。 1と9のボタンしかないエレベーターで上った9階で降りて、 数段登った階段の先右手に待つ扉が「玻璃 青山」。 まずは部屋内へどうぞと案内されたフロアでは、 数組のカップルを含めた先客さんたちが既に夕暮れ間近の宴に興じています。

硝子窓に向かうテーブルに腰掛けると目線の先には、六本木ヒルズにミッドタウン。bowlee01.jpgミッドタウンの向こうには東京タワーの尖んがりが覗いています。

テーブルの上でそっとアピールしているシートには、 シャンパンの「ローラン・ペリエ ブリュットL-P」。bowlee02.jpg今夜はこれを呑みに来たんだもんねとシゲシゲ眺めると、 なにやら高貴な雰囲気のご両人がキスを交わしている写真が目に映る。 それは、この4月の末のこと。 英国ウィリアム王子とキャサリン妃の結婚式の夜、 バッキンガム宮殿で行われたチャールズ皇太子主催の晩餐会で、 アペリティフとして招待客に振舞われたのがこの「ローラン・ペリエ ブリュットL-P」(ボトルはマグナム)だったのだ。

暮れ泥む六本木の街を背景にしゅわしゅわと注がれる、エレガントな滴たち。bowlee03.jpg“L-P”=”Laurent Perrier”。 それは、ローラン・ペリエのブランドやそのスタイルを代表するボトルであることを示すもの。 そして、表ラベルの首に巻かれたリボン状のシールは、「英国王室御用達」の印。 なんだか”認められたもの”の品格が沸き立つようです。

やっぱり此処に来たなら、水際の情緒を堪能したいと、 中程の扉を出てオープンエアへ。bowlee04.jpgエメラルドグリーンに映るプールの向こうは、お隣のイタリアン「アルトモンド」。 丸テーブルが囲むプールサイドは、 昼間の酷暑の空気がすっと退いて、涼やかに風が動いて抜ける。 この辺りも空に近いところにある水辺レストランの真骨頂なのでしょね。

日が落ちるに合わせて点ったランプの元へと届いた季節の前菜の盛り合わせには、 「ツブ貝の老酒漬け」に「蒸し鶏の中華風バーベキューソース」。bowlee06.jpgちょっと汗を掻いてきた「ローラン・ペリエ」のグラスを傾けつつ、 「カツオの炙り 山椒のソース」「自家製チャーシュウ スイカを添えて」。 お手軽コース「水晶」からのメニューです。

すっかり陽の落ちたプールサイドにも映えるフルートグラス。bowlee07.jpgbowlee08.jpg二杯目のグラスのお供は、「フカヒレ入り冬瓜と枝豆のトロミスープ」。 夏仕様のフカヒレスープに不思議なくらい「ローラン・ペリエ ブリュットL-P」のアロマとブーケとが似合うのは、そのバランスの良さが齎してくれる妙味なのでしょう。

然らば、揚げ物にはどうでしょうとでも問うように届いたお皿は、 「3種海鮮の油林ソース 夏野菜と共に」。bowlee09.jpgフリットにした芝海老、青海苔の衣を纏った紋甲烏賊、鱚にはアーモンドの衣が包む。 傾けるグラスは、衣の油もさらっと受け止めて、甘酢のソースにもシャルドネの風味が軽く洗うような所作をみせるのね。

そよそよと涼風そよぐプールサイドの席が埋まってきたと思ったら、bowlee10.jpg硝子の中も賑やかになっています。

本場点心師からのふた品と題する蒸籠には、紅白に飾る帆立と海老の蒸し点心。 bowlee11.jpgbowlee12.jpgシャンパンで通すのも悪くないものだなぁと、 三杯目のお代わりのグラスをそっと差し出します(笑)。

メインの肉料理は、「松坂ポークの完熟トマト煮 青菜炒めを添えて」。bowlee13.jpgこっくりとしたワイン煮なんかだとツライかもだけど、 こうしたフルーティなトマトソースならば、それは小粋なマリアージュ。 シャルドネのフレッシュさと黒葡萄ピノ・ノワール、ピノ・ムニエが添える柔らかな奥行きには、色々なお皿との相性の良さみせる懐の深さがあるのだね。

そうだ!晩餐会のデザート時に供されたという、ピノ・ノワール100%から醸す絶品のロゼ「ローラン・ペリエ ロゼ」ももしかしていただけないかしらんと訊ねたところ、いまのところその用意はないのですとのお応え。 ならば、「ローラン・ペリエ ブリュットL-P」をベースにカクテルをとお願いしてやってきたのが、赤味鮮やかなフルートグラス。bowlee15.jpgbowlee16.jpgクランベリーとカシスがそのレシピ。 そもそもシャンパーニュをつくるために栽培された三種の葡萄、シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエのなすワインの絶妙なるカクテルともいえるシャンパン。 バランス良くブレンド(アッサンブラージュ)されたシャンパンは、こんな悪戯も上手に受け止めて、味わいの芯を失わずにすっと馴染んでくれるのですね。

真夏にして夜風そよそよと涼しげなプールサイドでいただく、 イタリアンテイストと和食のヒントを利かせたチャイニーズレストラン「玻璃Bow Lee青山」。bowlee17.jpg bowlee.jpgbowlee05.jpgbowlee18.jpg“玻璃”というのは、水晶や硝子のことを指す。 硝子越しの夜景、シャンパンの泡を包む硝子、揺らめく硝子のようなプールの水面。 天空のレストランで、そんな硝子をモチーフにした表情を探すのも愉しいかもしれないね。

banner_champagne.jpg今宵はサントリーの企画、
「ロイヤルウェディングのシャンパンを楽しめるレストラン」
でお邪魔しました。



「玻璃 青山」 港区南青山2-12-14 ユニマット青山ビル9Fラピュタガーデン内 [Map] 03-5770-2085 http://www.aoyama-laputa.jp/
column/03152

担担麺「希須林」で 汗掻き酷暑の担担麺汁なし辛排骨ニラソバ

kisurin.jpg猛暑真っ只中の8月初旬。 茹だる暑さにふと、イケテる担々麺が食べたくなって、思いついたのが赤坂の街。 げんさんの記事を読んで、覚えていたンだな。 夜になっても熱気のまったく退かない赤坂を一ツ木通りから外堀通り方向へ。 他の通りに比べるとやや薄暗い筋の一角に「希須林」はありました。 ファサードの左隅にある、篆書をモダンにデザインしたようなロゴがなかなかいい。
「希須林」赤坂は、カウンターだけの担担麺専門店。 券売機でチケットを仕込んで、手前に突き出した左手のカウンター隅に陣取ります。 kisurin01.jpgまずは、担担麺の基本形から。 辛さは、ノーマルの3でお願いします(そうすると、4辛とか5辛はアブノーマルということになるね、笑)。 届いたとんぶりは、特製ラー油の章丹色がなんとも鮮やか。kisurin02.jpg昔だったらその辛そうな景色にたじろぐところですが、 ちょっとオトナになった今では、旨そうだと身を乗り出す感じになります。 周囲のより赤いスープの辺りを蓮華の背中で少々攪拌するようにしてから、 当のスープを啜ります。kisurin03.jpgうんうん、なるほどノーマル。 辛さ丁度よく、 練り胡麻のコクやスープ自身が持つ旨みとそのバランスも申し分ない。 こんもりと盛り上がったもやしと挽肉をわさわさっと崩してから、 いざいざといただきます。 麺はやや細めの中太麺といったところか。kisurin04.jpgさらに硬く湯掻いてもらう手もあるかもなぁいやこれでいいのかぁなどとひとりごちつつ、ズルズルを繰り返せば早速、額や首筋に汗が滲んできます。 洟水も一緒に出てくるのが困りモノだけど(笑)、 それもまた担担麺を食らう宿命であり、醍醐味でもあるのだね。 kisurin05.jpg日を改めて、再び酷暑の赤坂裏通り。 店の前まで来て、今度はちょっとたじろいだのは、 こんなお知らせの掲示を見つけたから。 「冷房故障中、ご迷惑をお掛けします」。 さらに汗だくの自分が容易に想像できたものの、 ここまで来たのだものと意を決して(!)飛び込みます。 さすがに汁ものは避けておこうと、「汁なし担々麺」。 これまたこんもりと盛り上げたもやしの頂をさらに尖らすように載せた挽肉が麓へと零れ落ちている。kisurin06.jpgお酢を二回転半回しかけなさい、という指南に従って、1、2、の半。 どんぶりの底の方に潜んでいる特製ゴマだれとラー特製ラー油を絡めるようによく掻き回します。 みるみるいい感じの章丹色に色付く麺。kisurin07.jpg辛さの丁度良さ同じく、胡麻の風味が加減よく主張するのもまた然り。 二回転半のお酢が、一種のキレを注してくれるンだね。 もう、空調も直った頃だろうと、再々度訪ねた酷暑の赤坂裏通り。 ところが例の表示はそのまんま! でも、さすがに送風機を導入していて、 ここら辺りが涼しいですよと、正面カウンターの左手に。 そうはいっても、火を使う厨房からの熱気も相俟って、 あちこちから汗が浮いてくる。 kisurin09.jpg お願いしたのは、先日のお隣さんのドンブリで気になっていた、 「”辛”排骨ニラソバ」。kisurin08.jpg排骨が邪魔をして、シンメトリーなニラ山の景色ではないけれど、 たっぷりの韮がトッピングされているのは、ご覧の通り。 “辛くて酸っぱい絶品麺”と謳うように、とっても酸っぱくて辛いスープ。 kisurin10.jpg揚げ立ての排骨が酸味からちょっと逃れるアイテムになったりして、 でも慣れるに従ってクセになりそうな、そんな気もしてくる。 あ、でも、「冷し担々麺」するという手もあったかも(笑)。

どこか気風のいい男気を想わせる、赤坂の担担麺専門店「希須林(きすりん)」。kisurin11.jpg「希須林」は、青山にも新宿にも大宮にも、 さらには軽井沢にもある中国家庭料理の店。 どうやら阿佐ヶ谷のお店「小澤」が本丸らしい。 ちょっとそちらも覗いてみたいな。


「希須林」赤坂 港区赤坂3-7-9[Map] 03-5573-4119 http://www.kisurin.com/
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